下顎隆起(外骨症)
下顎隆起(かがくりゅうき)
下顎隆起とは
外骨症の一種で、下顎骨の犬歯から小臼歯の内側に出来る骨の膨らみを下顎隆起(かがくりゅうき)、あるいは骨隆起と言います。また、上顎の口蓋正中部(上顎のアーチ状の中央)に出来る外骨症を口蓋隆起と呼びます。
診断
境界明瞭な膨隆で、触診や視診で診断は容易です。レントゲン写真で確定診断します。
下顎隆起が出来る原因
下顎隆起は子供には見られません。中年以降に徐々に大きくなります。原因は強い咬合力がかかり続けると歯にダメージを与えます。そこで、骨を添加し歯を守ろうとする反応と言われています。
また、遺伝的傾向があり、親子や兄弟に見られます。
両側に出来た下顎隆起
両側の下顎隆起(小)
両側の小臼歯部舌側に出来た下顎隆起です。まだ、小さいため自覚症状はなく歯医者で発見されることが多いです。
両側の下顎隆起(大)
両側の犬歯、小臼歯、大臼歯の部舌側にかけて出来た大きな下顎隆起です。このくらい大きくなると発音障害を起こすことがあります。
片側噛みが原因の下顎隆起
左側の下顎隆起
左側の小臼歯部舌側に出来た下顎隆起です。左側だけで噛む習慣があるため出来たものと推察されます。
右側の下顎隆起
右側の小臼歯部舌側に出来た下顎隆起です。大臼歯は欠損してありませんが、何年も前から右側だけの片側噛みが原因と思われます。
下顎隆起の問題点
入れ歯を装着する必要がある場合、義歯床が下顎隆起と当たり不安定になったり、当たる部分の粘膜が損傷して潰瘍を作ったりします。そうなると痛くて食事ができません。また、大きくなると発音障害が起こるとこがあります。
下顎隆起形成術
腫瘍性の疾患ではないので治療の必要はありません。しかし、下顎隆起が大きくなり、発音障害や入れ歯の装着に支障をきたすようなら浸潤麻酔下で下顎隆起形成術にて骨の削除を行います。
【動画】目立たない部分入れ歯のスマイルデンチャー
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。