【動画 31秒】歯茎出血のサインとは?歯周病や全身疾患の可能性も
歯周病による歯茎出血:その症状と対策
① 急性発作(P急発)
P急発とは
歯周病は慢性疾患ですが、ストレスが強くかかり免疫力が低下し体調が悪化した時などに急性炎症が現れることがあります。歯茎は出血部位周辺が全体的に腫脹し疼痛を伴います。
これを歯周病の急性発作(P急発)と言います。治療法や対処法はP急発の詳細ページをご覧下さい。
写真は重度歯周病の出血を伴った歯茎の腫れです。歯の動揺は激しく保存不可能です。
歯周病による歯茎からの出血はジワジワとにじみ出るように出血し、大量に血が出ることはほぼありません。
口腔内は唾液で満たされているので、少しの出血でも大量出血の様に見えることもあるので心配いらないことがほとんどです。
② 慢性的な歯周病
歯周病の慢性化
歯周病の初期である歯肉炎の状態でも出血することがあります。もちろん重度歯周病になっても同様です。
ただし歯周病は慢性疾患なので自然に出血することは稀で、歯磨きやつま楊枝などを使っ時に出血し、重度になるほど毎回出血する傾向があります。
③ 侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)
侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)とは
10代の若さで重度歯周病が発症する侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)があります。歯磨きはよくできているにも関わらず発症するのが特徴です。
写真は侵襲性歯周炎で犬歯周辺の歯茎が大きく腫れて自然出血を伴っています。
④ 薬物性歯肉増殖症
薬物性歯肉増殖症とは
カルシウム拮抗薬(ニフェジピン)などの降圧剤使用時、てんかんの治療薬として使われる抗けいれん薬、臓器移植やリウマチ性疾患の時に使われる免疫抑制剤シクロスポリンAなどの服用で起こる薬物性歯肉増殖症では歯茎から大量の出血を伴うことがあります。
治療法や対処法は、薬物性歯肉増殖症の詳細ページをご覧下さい。
⑤ 妊娠性歯肉炎
妊娠性歯肉炎とは
妊娠中は口腔内の清掃に気を留めることが少なくなり汚れやすくなります。妊娠すると女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が増加します。女性ホルモンを餌とする歯周病菌のプレボテラ・インターメディアが一気に増えてきます。
この様にホルモンバランスの変化により妊娠性歯肉炎が発症すると、歯茎からの出血や腫れなどが見られます。
治療法や対処法は、妊娠性歯肉炎の詳細ページをご覧下さい。
対処法
Handle
ブラッシング
歯周病による歯茎からの出血は軟らかめの歯ブラシでそっとブラッシングすることで自然となくなっていきます。
ただし、磨き始めの時は出血を伴いますが、その出血はプラークコントロールの完成とともになくなっていくので出血のこは心配せず、どんどん歯磨きをして下さい。
※ 早く出血を止めるコツは、できるだけ出血させないように優しくそっと歯磨きをすることです。
歯周病の初期状態である歯肉炎の場合はそれで良いのですが、中等度~重度歯周病になると歯医者での基本的な歯周治療・スケーリング(歯石除去)も必要です。
Handle
ポイックウォーター
次亜塩素酸の力で歯周病を予防します。ポイックウォーターは歯周病菌の活動を抑え歯茎からの出血を緩和してくれます。
歯茎からの出血原因:再生不良性貧血や白血病の可能性
出血原因
Cause
再生不良性貧血
血小板は止血作用を持っていますが、骨髄障害によって起こる貧血で、血小板の生産低下を起こします。そのため再生不良性貧血では出血しやすく止血しにくいのが特徴です。
Cause
白血病
急性白血病の場合には、それまで歯茎からの出血がなかったのにもかかわらず、突然歯茎から大量の出血が起こります。2、3日血が止まらない場合には専門医を受診してください。
急性白血病の初発症状が歯肉出血で始まることが多いからです。
Cause
突発性血小板減少性紫斑病
自己抗体により脾臓で血小板が破壊されるため数が減少します。そのため、出血しやすくなる病気です。急性型は小児に多く、風邪やはしかなどのウイルス感染症後に発症するのが特徴で、6ヶ月以内に血小板数が正常に回復します。
Cause
血友病
血友病は男子のみに発症する先天的凝固因子欠乏症です。そのため、歯茎から出血しやすく止血しにくいのが特徴です。
対処法
Handle
原因疾患の治療
内科医にて原因疾患をまず特定し、その治療を優先します。
Handle
自分で出来る対処法
自分で出来ることは、やわらかめの歯ブラシで出血をできるだけ抑えながら、優しくブラッシングする事です。1回の歯磨き時間を5分を目標として行い、歯の隅々まで歯垢(プラーク)の除去に努めます。
食べ物が口に入ったら必ず毎回これを実行します。基本的には前述した歯周病で出血した場合の対処法と同じです。
子どもの歯茎出血の原因はこれかも?萌出性歯肉炎の症状とケア
萌出性歯肉炎
萌出性歯肉炎とは
写真は萌出途中の6歳臼歯(第1大臼歯)です。歯茎が歯の一部を覆った状態がしばらく続きます。
乳歯や永久歯が萌出する時は歯茎を突き破るようにして出てきます。
そのため、一時的に歯茎が歯の一部に被さるような期間があります。すると反対側の歯が被さった歯茎を噛んで出血したり痛みが出たりすることがあります。
また、被さった歯茎の下に汚れが入る隙間が出来ます。その隙間で細菌が繁殖し、炎症が起こると赤く腫れたり出血したりもします。
この状態を萌出性歯肉炎といいます。
対処法
歯が萌出してきたら、その周りを柔らかい歯ブラシで丁寧に汚れを落としてください。気が付かない内に歯茎が腫れたり出血した場合には、歯医者で余分な歯茎を切除したり、抗生物質を投与したりすることもあります。
外傷による歯茎出血
交通事故などの外傷
歯茎から湧き出るような大量出血
交通事故などで外傷を受けた場合、歯茎から湧き出るような大量出血または拍動性の出血があり止血しない場合には、顎骨骨折が疑われます。
直ちにガーゼなどで圧迫止血し、口腔外科などの専門医を受診してください。
乳歯の外傷は永久歯に影響
乳歯に強い力が加わり、怪我をすると後続永久歯にホワイトスポットが出現するリスクが高まります。
江戸川区篠崎で歯茎出血でお悩みの方へ
当院では、歯科治療は保険診療を主体に診療を行っております。江戸川区篠崎にて、歯茎出血でお悩みの方は当院までお気軽にご相談下さい。
保険証の期限切れにご注意ください。保険証の確認が取れない場合は保険診療として取り扱うことができません。
また、マイナンバーカードによるマイナ保険証での受診にも対応しています。
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。