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歯科治療で麻酔を受けた後、「歯ぐきが痛い」「唇が腫れた」「動悸がした」などの症状が現れることがあります。

多くは麻酔の注射や麻酔が効いている間の誤咬(ごこう)、緊張などによる一時的な症状ですが、痛みや腫れの程度、経過によっては、治療した歯や歯周組織の炎症などが関係していることもあります。

また、動悸や息苦しさなどの症状については、自己判断せず注意が必要な場合があります。

この記事では、歯科麻酔後に起こることがある症状と、その原因・対処法・歯科医院へ相談したほうがよい目安について解説します。

歯科治療で局所麻酔を受けた後、麻酔が切れてくると注射をした部分の歯ぐきに痛みや違和感を覚えることがあります。

麻酔後に歯ぐきが痛くなる原因

注射針による一時的な刺激

歯科の局所麻酔では、歯ぐきなどの組織に注射針を刺して麻酔薬を注入します。

その際、針が通過した部分や麻酔薬を注入した周囲の組織に一時的な刺激が加わるため、麻酔が切れた後に、

  • 押すと痛い
  • 歯ぐきに違和感がある
  • 注射した部分が少し腫れているように感じる

といった症状が現れることがあります。

軽度であれば、時間の経過とともに改善していくことが一般的です。

痛みはどのくらい続く?

麻酔注射による軽い痛みや違和感であれば、通常は数日程度で徐々に改善していきます。

ただし、症状の程度や麻酔を行った場所、治療内容などによって経過には個人差があります。

「何日以内なら必ず大丈夫」とは言い切れないため、痛みが強くなっている、腫れが広がっている、なかなか改善しないといった場合には、治療を受けた歯科医院へ相談しましょう。

麻酔後に痛みが現れたからといって、必ずしも麻酔注射そのものが原因とは限りません。

歯や歯周組織の炎症

治療した歯に深い虫歯や歯の根の感染があったり、周囲の歯ぐきに炎症があったりすると、麻酔が切れた後に病変による痛みを感じることがあります。

特に、

  • ズキズキする強い痛みがある
  • 痛みが徐々に強くなっている
  • 歯ぐきが大きく腫れてきた
  • 膿が出る
  • 噛むと強く痛む
  • 発熱や強い倦怠感がある
  • 数日経っても改善する傾向がない

といった症状がある場合は、麻酔による一時的な痛みと自己判断せず、歯科医院へ相談してください。

軽度の痛みや違和感で、時間とともに改善している場合は、特別な処置を必要としないことも少なくありません。

麻酔後の歯ぐきの痛みへの対処法

患部を必要以上に触らない

気になるからといって、指や舌で何度も触ると患部への刺激が増えてしまいます。

できるだけ触らず、清潔を保ちましょう。

歯磨きはやさしく行う

口腔内を清潔に保つことは大切ですが、痛みのある部分を歯ブラシで強くこする必要はありません。

治療内容について歯科医師から指示を受けている場合は、その指示に従ってケアしてください。

刺激の強い食べ物を避ける

痛みがある間は、辛いもの、酸味の強いもの、極端に熱いものなど、患部への刺激になりやすい飲食物は控えたほうがよいでしょう。

鎮痛薬は歯科医師の指示に従って使用する

歯科医院から鎮痛薬を処方されている場合は、用法・用量を守って服用してください。

市販薬を使用する場合は、持病や服用中の薬によって適さないこともあるため、不安がある場合は歯科医師・医師・薬剤師に確認しましょう。

局所麻酔が効いている間は、歯だけでなく唇、頬、舌などの感覚が鈍くなることがあります。

そのため、自分では噛んでいることに気づかず、唇や頬の内側を強く噛んでしまうことがあります。

特に小さなお子さんでは、麻酔によるしびれを気にして唇を噛んだり触ったりしてしまうことがあるため注意が必要です。

麻酔後に唇を噛んでしまう原因

唇を噛むと翌日に腫れることがあります

麻酔中に唇や頬を噛んでしまった場合、その直後には目立った症状がなくても、時間が経ってから、

  • 腫れ
  • 赤み
  • 痛み
  • 潰瘍

などが現れることがあります。

白っぽい膜のようなものが見えることもありますが、傷が治る過程でみられる場合があります。

ただし、見た目だけで感染などとの区別をすることは難しいため、症状が強い場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

唇や頬を噛んでしまったときの対処法

患部を触らない

指や舌で傷を触ったり、皮を剥がしたりしないようにしましょう。

腫れがある場合は外側から冷やす

噛んだ直後に腫れや痛みがある場合は、冷たいタオルなどを使い、皮膚の上から短時間ずつ冷やすと症状が和らぐことがあります。

氷や保冷剤を直接皮膚や粘膜に長時間当てることは避けてください。

刺激の少ない食事を選ぶ

傷がある間は、辛いもの、酸味の強いもの、硬いもの、熱すぎるものなどを避けるとよいでしょう。

こんなときは歯科医院へ

次のような場合は、治療を受けた歯科医院へ相談してください。

  • 腫れが大きくなっている
  • 強い痛みが続いている
  • 傷が大きい
  • 出血が止まりにくい
  • 膿が出る
  • 発熱を伴う
  • 数日経っても改善する傾向がない

子どもが麻酔後に唇を噛むのを防ぐには?

小さなお子さんの場合、麻酔が効いている感覚が珍しく、唇や頬を何度も噛んだり触ったりしてしまうことがあります。

麻酔後は保護者の方が、

  • 唇や頬を噛んでいないか確認する
  • しびれている部分を触らせない
  • 感覚が十分に戻るまで食事に注意する
  • 熱い飲食物を避ける

などに気を配ることが大切です。

特に食事については、治療を受けた歯科医院から指示がある場合は、その内容に従ってください。

歯科麻酔の直後に、

  • 心臓がドキドキする
  • 手が震える
  • めまいがする
  • 気分が悪くなる
  • ふらつく

といった症状を経験することがあります。

原因は一つとは限りません。

血管収縮薬の影響

歯科で使用する局所麻酔薬の中には、麻酔効果を持続させたり、処置部位の出血を抑えたりする目的で、アドレナリンなどの血管収縮薬が配合されているものがあります。

その影響などによって、一時的に動悸や震えなどを感じることがあります。

緊張や不安による影響

「注射が怖い」「治療が痛そう」といった強い不安や緊張によって自律神経が反応し、動悸、発汗、震え、めまいなどが起こることもあります。

また、体調や空腹、睡眠不足などが影響することもあるため、症状の原因を自己判断するのは難しい場合があります。

治療中や麻酔直後に動悸、めまい、気分不良などが現れた場合は、我慢せず、すぐに歯科医師やスタッフへ伝えてください。

多くは安静にすることで落ち着きますが、症状や全身状態によっては血圧や脈拍などを確認し、適切な対応が必要になります。

特に、

  • 強い胸痛
  • 息苦しさ
  • 意識が遠のく
  • 症状が強い、または長く続く
  • 全身にじんましんが出る
  • 顔や喉が腫れる
  • 呼吸がしにくい

といった症状がある場合は、速やかな医療対応が必要です。

過去に歯科麻酔で動悸や気分不良などを経験したことがある方は、次回の治療前に必ず歯科医師へ伝えておきましょう。

麻酔が効いている時間は、麻酔薬の種類、使用量、注射した場所、治療内容、患者さんの体質などによって異なります。

そのため、時間はあくまで目安として考えてください。

浸潤麻酔

虫歯治療や歯周治療など、さまざまな歯科治療で使用される一般的な局所麻酔です。

治療する歯の周囲に麻酔薬を注入し、痛みを感じにくくします。

麻酔そのものの効果だけでなく、唇や頬などのしびれが残る時間にも個人差があります。

浸潤麻酔について詳しくはこちら

下顎孔伝達麻酔

下顎の奥歯の治療や抜歯などで使用されることがある麻酔方法です。

神経の近くに麻酔を行うため、浸潤麻酔よりも広い範囲に麻酔効果が現れ、唇や舌などのしびれが比較的長く続くことがあります。

下顎孔伝達麻酔について詳しくはこちら

歯科麻酔を受けた後は、単純に「治療から○時間経ったから食べてもよい」と判断するのではなく、唇や舌、頬などの感覚が十分に戻っているかを確認することが大切です。

麻酔後の食事はいつからできる?

麻酔が効いたまま食事をすると危険があります

感覚が鈍くなった状態で食事をすると、

  • 唇や頬を噛む
  • 舌を噛む
  • 熱い食べ物や飲み物でやけどする
  • 食べ物をうまく噛めない

といったトラブルにつながる可能性があります。

特に小さなお子さんや高齢の方は注意してください。

「○時間」より感覚が戻ったかを確認

麻酔の持続時間には個人差があるため、食事再開までの時間を一律に決めることはできません。

唇・頬・舌などのしびれが十分に取れてから食事をすることを基本にしましょう。

抜歯や外科処置などを行った場合は、麻酔とは別に食事内容や食事開始時期について注意が必要になることがあります。必ず治療を受けた歯科医院の指示を優先してください。

麻酔後の軽い違和感や注射部位の痛みは、一時的なことも少なくありません。

一方、次のような症状がある場合は、麻酔だけが原因とは限らないため歯科医院へ相談しましょう。

  • 痛みが徐々に強くなる
  • 大きく腫れてきた
  • 膿が出る
  • 強い痛みが続く
  • 発熱を伴う
  • 唇や舌などのしびれが長く続き改善しない
  • 傷がなかなか治らない
  • 噛むと強く痛む

また、呼吸困難、強い胸痛、意識障害、喉や顔の急激な腫れなど、全身に強い症状が現れた場合は、通常の歯科受診を待たず、緊急の医療対応が必要です。

歯科麻酔後に歯ぐきが痛くなるのは、注射針や麻酔薬による一時的な刺激が原因となっていることがあります。軽度で徐々に改善している場合は、大きな問題にならないことが多いでしょう。

一方、強い痛みや腫れが続く場合には、治療した歯や歯周組織の炎症など、麻酔とは別の原因が隠れている可能性があります。

また、麻酔が効いている間は唇・頬・舌を噛んだり、熱い飲食物でやけどをしたりする危険があります。食事は時間だけで判断せず、感覚が十分に戻ったことを確認してからにしましょう。

動悸やめまい、気分不良が起きた場合も我慢せず、すぐに歯科医師やスタッフへ伝えることが大切です。

麻酔後の症状が強い場合や、時間が経っても改善する傾向がみられない場合は、自己判断で様子を見続けず、治療を受けた歯科医院へ相談しましょう。

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歯ぐきの痛みや唇の腫れ、動悸など、麻酔後の症状が続いて不安な場合はご相談ください。お口の状態や症状を確認し、麻酔による一時的な反応なのか、歯や歯ぐきの炎症など別の原因があるのかを診査したうえで、必要に応じた対応をご案内します。

麻酔後の歯ぐきの痛みが気になる方は、お一人で悩まずご相談ください。

【動画】表面麻酔と針なし注射器シリジェット

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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