- 1. 喉の奥にも口内炎はできる?
- 1.1. アフタ性口内炎の特徴
- 1.2. 喉の奥の口内炎でみられる症状
- 2. 喉の奥に口内炎ができる原因は?
- 2.1. 疲労・ストレス・睡眠不足
- 2.2. 粘膜への刺激や傷
- 2.3. 口呼吸・口腔内の乾燥
- 2.4. 栄養状態
- 2.5. 全身疾患や薬剤など
- 3. ウイルスや細菌による病気でも潰瘍ができる
- 4. 喉の奥の口内炎と扁桃炎・咽頭炎の違い
- 4.1. 口内炎の場合
- 4.2. 扁桃炎・咽頭炎の場合
- 5. 長期間治らない口内炎には注意
- 6. 喉の奥に口内炎ができたときの対処法
- 6.1. お口の中を清潔に保つ
- 6.2. 刺激の強い飲食物を避ける
- 6.3. バランスのよい食事と十分な休養を心がける
- 6.4. 市販薬を使用する
- 7. 医療機関で行う診察・治療
- 7.1. 抗菌薬はすべての口内炎に必要ではありません
- 7.2. レーザー治療
- 8. 喉の奥が痛いときに早めの受診が必要な症状
- 9. 喉の奥の口内炎を繰り返す場合は?
- 10. まとめ|喉の奥の口内炎が治らないときは医療機関へ
- 10.1. 関連記事
- 11. 治らない口内炎、そのままにしていませんか?
- 12. 筆者・院長
- 12.1. 深沢 一
- 12.1.1. メッセージ

「喉の奥がヒリヒリ痛む」「食べ物や飲み物を飲み込むとしみる」といった症状はありませんか?
喉の痛みというと風邪や扁桃炎を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、喉に近い粘膜にできた口内炎(潰瘍)が原因となっていることもあります。
口内炎は唇や頬の内側、舌だけでなく、軟口蓋など口の奥に生じることもあります。一方、喉の奥の痛みや白い病変は、咽頭炎・扁桃炎などの感染症でもみられるため、見た目や症状だけでは判断が難しいことがあります。
この記事では、喉の奥にできる口内炎の特徴や原因、扁桃炎・咽頭炎との違い、自宅でできる対処法、医療機関を受診したほうがよい症状について、歯科医の視点からわかりやすく解説します。
喉の奥の痛みが続いている方は、参考にしてください。
喉の奥にも口内炎はできる?
口内炎の代表的なものの一つが「アフタ性口内炎(アフタ性潰瘍)」です。
アフタ性口内炎は、頬の内側や唇の内側、舌などにみられることが多いものの、軟口蓋など口の奥に近い粘膜に生じることもあります。


アフタ性口内炎の特徴
一般的なアフタ性口内炎には、次のような特徴があります。
- 数mm程度の円形または楕円形の浅い潰瘍
- 中央部が白色〜黄白色にみえる
- 周囲に赤みがある
- 境界が比較的はっきりしている
- 食べ物などが触れると痛む
- 酸味や香辛料などの刺激でしみる
喉に近い場所にできると、普段はあまり気にならなくても、食べ物や唾液を飲み込んだときに強く痛むことがあります。
喉の奥の口内炎でみられる症状
口の奥に口内炎ができると、次のような症状が現れることがあります。
- 飲食時にしみる
- 飲み込むと痛い
- 喉の一部分だけが痛む
- 会話をすると違和感がある
- 熱いものや辛いもので痛みが強くなる
一般的なアフタ性口内炎の多くは、1〜2週間程度で自然に改善します。
ただし、長期間改善しない場合や、発熱などほかの症状を伴う場合は、一般的な口内炎以外の病気も考える必要があります。
喉の奥に口内炎ができる原因は?
アフタ性口内炎ができる原因は、完全には明らかになっていません。
「免疫力が低下したから口内炎ができた」と単純に説明できるものではなく、体調や生活習慣、粘膜への刺激、栄養状態など、さまざまな要因が発症に関係すると考えられています。

疲労・ストレス・睡眠不足
疲労がたまっているときや、精神的なストレスが続いているとき、睡眠不足のときなどに、口内炎を繰り返す方がいます。
体調を崩したタイミングで口内炎ができやすい方は、十分な睡眠や休養を心がけることも大切です。
粘膜への刺激や傷
硬い食べ物や魚の骨などで粘膜が傷つき、その部分に炎症や潰瘍が生じることがあります。
また、熱い飲食物によるやけどなどがきっかけになることもあります。
口呼吸・口腔内の乾燥
唾液には、口腔粘膜を潤し、保護する働きがあります。
口呼吸や加齢、薬剤の影響などによって口腔内が乾燥すると、粘膜が刺激を受けやすくなることがあります。
特に喉の奥まで乾燥しやすい方は、こまめな水分補給などを心がけましょう。
栄養状態
鉄、葉酸、ビタミンB12などの不足が、繰り返すアフタ性口内炎と関連する場合があります。
ただし、特定のビタミンを摂取すれば口内炎が治るというわけではありません。
口内炎を頻繁に繰り返す場合には、自己判断でサプリメントを摂取するだけでなく、必要に応じて医療機関で原因を確認することが大切です。
全身疾患や薬剤など
繰り返す口内炎の背景に、全身疾患や薬剤などが関係している場合もあります。
何度も繰り返す、複数の潰瘍ができる、ほかの全身症状もあるといった場合には、一般的なアフタ性口内炎と自己判断せず、医療機関に相談しましょう。
ウイルスや細菌による病気でも潰瘍ができる
喉の奥に水疱や潰瘍がみられるからといって、すべてがアフタ性口内炎とは限りません。
ウイルスや細菌による感染症でも、口や喉の奥に痛みや病変が生じることがあります。

たとえば、
- ヘルペスウイルスなどによる感染症
- ヘルパンギーナ
- 溶連菌による咽頭炎
- その他の咽頭炎・扁桃炎
などが挙げられます。
高熱や強い倦怠感、強い喉の痛みなどを伴う場合は、単なる口内炎ではなく感染症の可能性も考える必要があります。
このような場合には、歯科だけでなく、症状に応じて耳鼻咽喉科や内科、小児の場合は小児科などへの受診を検討してください。
喉の奥の口内炎と扁桃炎・咽頭炎の違い
喉の奥が痛いと、「口内炎なのか扁桃炎なのかわからない」という方もいるでしょう。
症状には重なる部分があるため、自己判断が難しいこともあります。

口内炎の場合
一般的なアフタ性口内炎では、
- 円形または楕円形の潰瘍が限局している
- 中央が白色〜黄白色にみえる
- 病変の周囲が赤い
- 食べ物などが触れると強くしみる
- 発熱などの全身症状を伴わないことが多い
といった特徴があります。
扁桃炎・咽頭炎の場合
扁桃炎や咽頭炎では、
- 喉や扁桃が広範囲に赤くなる
- 扁桃が腫れる
- 発熱を伴うことがある
- 強い倦怠感を伴うことがある
- 飲み込みにくくなることがある
などの症状がみられます。
ただし、症状や見た目だけで正確に区別できるとは限りません。
高熱がある場合や喉の痛みが強い場合、症状が悪化している場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
長期間治らない口内炎には注意
一般的なアフタ性口内炎の多くは、1〜2週間程度で自然に改善します。

ただし、
- 2週間程度たっても改善しない
- 徐々に大きくなっている
- 潰瘍の周囲に硬さやしこりを感じる
- 出血を繰り返す
- 痛みがなくても病変が残っている
といった場合には、一般的な口内炎以外の病気との鑑別が必要です。
「2週間以上治らない口内炎=口腔がん」というわけではありません。
長引く潰瘍には外傷や感染症などさまざまな原因がありますが、まれに腫瘍性の病変が隠れていることもあります。
そのため、長期間改善しない病変を自己判断で口内炎と決めつけず、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科などを受診して原因を確認することが大切です。
喉の奥に口内炎ができたときの対処法
一般的なアフタ性口内炎で、発熱などの全身症状がなければ、まずは粘膜への刺激を減らしながら経過をみることがあります。

お口の中を清潔に保つ
口内炎があるときも、無理のない範囲で歯磨きやうがいを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。
ただし、アフタ性口内炎は細菌感染そのものが原因とは限らないため、「殺菌すれば口内炎が治る」というわけではありません。
症状に応じて、炎症を抑える目的でアズレンスルホン酸ナトリウムなどを含むうがい薬が用いられることがあります。
刺激の強いうがい薬は、口内炎の部位にしみる場合があるため注意してください。
刺激の強い飲食物を避ける
口内炎がある間は、
- 辛い料理
- 酸味の強い食品
- 熱すぎる飲食物
- アルコール
などは患部を刺激し、痛みを強くすることがあります。
痛みが強いときは、おかゆやスープ、豆腐など、刺激が少なく飲み込みやすい食品を選ぶとよいでしょう。
バランスのよい食事と十分な休養を心がける
口内炎が痛いと食事量が減りやすくなります。
刺激の少ない食品を選びながら、できるだけバランスのよい食事を心がけましょう。
また、疲労や睡眠不足などが発症に関係している可能性もあるため、十分な睡眠と休養をとることも大切です。
特定のビタミンや食品だけで口内炎を治そうとするのではなく、食事や睡眠を含めた生活全体を整えることを意識しましょう。
市販薬を使用する
一般的な口内炎では、症状に応じて口内炎用の外用薬などが使用されることがあります。
ただし、喉の奥は自分で薬を塗りにくく、無理にパッチや軟膏を使用することが適さない部位もあります。
また、感染症などによる病変に自己判断でステロイド製剤を使用することは適切でない場合があります。
喉の奥の病変について判断に迷う場合は、医師や歯科医師、薬剤師に相談してください。
医療機関で行う診察・治療
喉の奥の潰瘍や痛みは、一般的なアフタ性口内炎だけでなく、感染症や外傷などによって生じることもあります。
そのため、医療機関では病変の位置や大きさ、周囲の状態、発熱などの全身症状を確認し、原因を見極めたうえで必要な治療を行います。

一般的なアフタ性口内炎では、症状に応じて、
- ステロイド外用薬
- うがい薬
- 痛みを和らげる治療
などが行われることがあります。
抗菌薬はすべての口内炎に必要ではありません
一般的なアフタ性口内炎では、通常、抗菌薬が必要になるわけではありません。
細菌感染症が疑われ、抗菌薬が必要と判断された場合には、原因や症状に応じて処方されることがあります。
そのため、「口内炎ができたから抗菌薬を飲む」というものではなく、原因に応じて治療法を選択することが重要です。
レーザー治療
医療機関によっては、口内炎の症状に対してレーザー治療を行うことがあります。
レーザー照射によって痛みが軽減する可能性が報告されていますが、すべての口内炎に必要な治療ではありません。
「レーザーを当てれば必ず早く治る」というものではないため、病変の状態や原因を確認したうえで、適切な治療法を選択します。
喉の奥が痛いときに早めの受診が必要な症状
次のような症状がある場合は、一般的な口内炎と自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。

- 高熱を伴う
- 強い喉の痛みがある
- 水分を飲み込むのも難しい
- 症状が急速に悪化している
- 呼吸しにくい
- 声が出しにくい・声がかすれる
- 首が大きく腫れている
- 潰瘍が急速に大きくなっている
- 出血やしこりがある
- 2週間程度たっても改善しない
特に、呼吸が苦しい、唾液も飲み込めない、急激に喉が腫れているなどの症状がある場合は、緊急性の高い病気の可能性があります。
このような場合は、通常の歯科受診を待たず、速やかに医療機関を受診してください。
喉の奥の口内炎を繰り返す場合は?
口内炎を繰り返す場合には、単にその都度薬を使用するだけでなく、発症に関係している要因を確認することも大切です。
日常生活では、
- 丁寧な口腔ケア
- こまめな水分補給
- 十分な睡眠
- バランスのよい食生活
- ストレスや疲労をためすぎない
- 喫煙している場合は禁煙を検討する
- 過度な飲酒を控える
などを心がけましょう。
ただし、これらを行えば必ず口内炎を予防できるわけではありません。
何度も口内炎を繰り返す場合や、一度に多数の潰瘍ができる場合、口以外にも症状がある場合には、背景に全身的な要因がないか医療機関で確認することをおすすめします。
まとめ|喉の奥の口内炎が治らないときは医療機関へ
喉に近い粘膜にも、アフタ性口内炎などの潰瘍が生じることがあります。
一般的なアフタ性口内炎の多くは1〜2週間程度で自然に改善しますが、喉の奥の痛みや白い病変がすべて口内炎とは限りません。
咽頭炎や扁桃炎などの感染症をはじめ、さまざまな病気で似た症状が現れることがあります。
特に、
- 2週間程度たっても改善しない
- 高熱がある
- 飲み込みにくい
- 症状が悪化している
- しこりや出血がある
- 何度も繰り返す
といった場合には、自己判断で様子を見続けないことが大切です。
喉に近い口腔粘膜の病変は歯科口腔外科、喉や扁桃を中心とした症状は耳鼻咽喉科が主な相談先となります。
症状だけでは判断しにくいこともあるため、長引く場合や判断に迷う場合は、適切な医療機関で原因を確認しましょう。
関連記事
治らない口内炎、そのままにしていませんか?

喉の奥の痛みや口内炎がなかなか改善しない、何度も繰り返す場合は、口内炎以外の原因が関係していることもあります。当院では、お口の中や喉に近い粘膜の状態を確認し、症状に応じた診察・治療をご提案します。気になる症状が続いている方は、お気軽にご相談ください。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。




