- 1. 高血圧の方へ|歯科麻酔・治療中のリスクと当院の安全管理体制とは
- 1.1. 🩺 日本における高血圧症の現状
- 1.2. 🔍 高血圧症の分類と原因
- 1.2.1. ✅ 本態性高血圧症(約9割)
- 1.2.2. ✅ 二次性高血圧症(約1割)
- 1.3. ⚠️ 高血圧が引き起こす主な合併症
- 1.4. 🩸 血圧が高い状態が続くことの影響
- 1.5. 💊 高血圧症の治療法
- 1.5.1. 🏃♂️ 生活習慣の改善(軽度の場合)
- 1.5.2. 💊 薬物療法(中〜重度の場合)
- 1.6. 💉 歯科で使用される局所麻酔薬について
- 1.6.1. 🔹 一般的に使われる麻酔薬
- 1.6.2. 🔹 アドレナリンの役割と作用
- 1.6.3. ⚠️ 高血圧症患者への注意点
- 1.7. 🏥 当院の痛みに配慮した麻酔への取り組み
- 1.7.1. 🌟 表面麻酔の活用
- 1.7.2. 🌟 針の無い麻酔器の導入
- 2. 🦷 高血圧症患者への歯科麻酔使用に関する最新知見(2019年 歯科麻酔学会)
- 2.1. ✅ 術前コントロールが良好であれば治療可能
- 2.2. 📊 術中モニタリングの重要性
- 2.2.1. 🔎 必須とされるモニタリング項目
- 2.3. 💊 アドレナリン非含有麻酔薬の選択肢
- 2.3.1. 💡 シタネスト・オクタプレシンの活用
- 3. ⚠️ アドレナリン投与時の注意点|服用薬による反応の違い
- 3.1. 🚫 α遮断薬を服用している患者の場合
- 3.2. ⚠️ β遮断薬を服用している患者の場合
- 3.3. 💊α/β遮断薬の例
- 4. ⚠️ 異常高血圧とは?
- 4.1. 🩺 急性の血圧上昇による緊急病態
- 4.2. 🔍 異常高血圧の主な症状
- 4.3. 🦷 歯科治療時に起こりやすい理由
- 4.3.1. 💥 ストレスが引き金に
- 5. 🚨 異常高血圧への対応方法
- 5.1. 🪑 姿勢の調整(座位または半座位)
- 5.2. 💨 酸素吸入の実施
- 5.3. 💊 ニフェジピン内服による降圧
- 5.3.1. 🔹 使用薬:ニフェジピンカプセル(Ca拮抗薬)
- 6. 高血圧でも安心して通える歯科医院をお探しの方へ
- 7. 筆者・院長
高血圧の方へ|歯科麻酔・治療中のリスクと当院の安全管理体制とは
🩺 日本における高血圧症の現状
- 日本の高血圧症患者は約4,300万人と推定されています。

🔍 高血圧症の分類と原因
✅ 本態性高血圧症(約9割)
- 明確な原因は不明。
- 遺伝や生活習慣の影響が関与していると考えられています。
✅ 二次性高血圧症(約1割)
- 腎臓疾患
- 内分泌系の異常(例:甲状腺、副腎など)
- 血管の病変
- 妊娠などが原因となる
⚠️ 高血圧が引き起こす主な合併症
- 脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)
- 心血管疾患(心筋梗塞、狭心症)
- 腎臓病
- 動脈硬化
※血圧が高くてもすぐに発症するわけではありませんが、長期的には深刻なリスクとなります。
🩸 血圧が高い状態が続くことの影響
- 血管に持続的な圧力がかかり、血管壁がもろくなる
- 血管の老化が進み、合併症のリスクが高まる
💊 高血圧症の治療法
🏃♂️ 生活習慣の改善(軽度の場合)
- 運動習慣の見直し
- 塩分・脂質の摂取制限
- 禁煙・節酒
💊 薬物療法(中〜重度の場合)
- カルシウム拮抗薬
- ACE阻害薬
- ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
- 利尿薬
- α/β遮断薬
💉 歯科で使用される局所麻酔薬について
🔹 一般的に使われる麻酔薬
- キシロカイン、オーラ注など
- アドレナリンを含有
🔹 アドレナリンの役割と作用
- 麻酔効果を高め、持続時間を延長
- 血管収縮作用あり
- 心拍出量の増加により血圧が上昇する可能性
⚠️ 高血圧症患者への注意点
- アドレナリンの影響で血圧が急上昇することがあるため、投与量や方法に細心の注意が必要
🏥 当院の痛みに配慮した麻酔への取り組み
🌟 表面麻酔の活用
- 麻酔注射の前に歯ぐきの表面に麻酔を塗布
- 針の痛みを軽減
🌟 針の無い麻酔器の導入
- 針を使わずに麻酔薬を注入できる器具を使用
- 小さなお子様や痛みに敏感な方にも安心
🦷 高血圧症患者への歯科麻酔使用に関する最新知見(2019年 歯科麻酔学会)
✅ 術前コントロールが良好であれば治療可能
- 高血圧症患者であっても、血圧が安定していれば治療は可能
- アドレナリン含有の**キシロカイン(2%リドカイン+1/8万アドレナリン)**が使用可能
- 抜歯や外科処置も含めた幅広い治療が対象
📊 術中モニタリングの重要性
🔎 必須とされるモニタリング項目
- 血圧の定期的な測定
- 脈拍の確認
- パルスオキシメーターでの酸素飽和度管理

安全な治療のためには、リアルタイムでの生体情報モニタリングが重要です。
💊 アドレナリン非含有麻酔薬の選択肢
💡 シタネスト・オクタプレシンの活用
- 主成分:プロピトカイン+フェリプレッシン
- アドレナリンを含まないため、心血管系への影響が少ない
- 高血圧や心疾患の患者で使用を検討
血圧 | キシロカイン | シタネスト・オクタプレシン |
---|---|---|
180/110 mmHg以上 | 原則禁忌(大学病院へ依頼-静脈内鎮静法) | - |
術前コントロール良好 | 使用OK 初回投与量は1.8 mL(1本)まで。 術中に片方でも180/110 mmHgになった場合は、 治療を中断し160mmHg以下になるのを待つ。 | 〇 キシロカイン投与後に血圧,心拍数の 上昇を認めた場合の追加使用時。 |
β遮断薬服用者 | 使用OK 初回投与量は1.8 mL(1本)まで。 術中に片方でも180/110 mmHgになった場合は、 治療を中断し160mmHg以下になるのを待つ。 | 〇 キシロカイン投与後に血圧,心拍数の 上昇を認めた場合の追加使用時。 |
α遮断薬服用者 | 原則禁忌(アドレナリン反転が起こり血圧の急激な低下) (高血圧だけではなく精神疾患の薬の中にも含まれる) | 〇 |
⚠️ アドレナリン投与時の注意点|服用薬による反応の違い
🚫 α遮断薬を服用している患者の場合
- アドレナリン投与によりβ刺激作用が優位になる
- その結果、血管が拡張し、血圧が低下する危険性あり
- アドレナリンは**禁忌(使用不可)**となるケースが多い
⚠️ β遮断薬を服用している患者の場合
- アドレナリン投与によりα刺激作用が優位になる
- その結果、血管が収縮し、血圧が上昇する可能性あり
- アドレナリン含有のキシロカインは1.8ml(1本)まで使用可能
💊α/β遮断薬の例
商品名 | 一般名 | |
---|---|---|
α遮断薬 | エブランチル カルデナリン デタントール ミニプレス | ウラピジル ドキサゾシンメシル酸塩 ブナゾシン塩酸塩 プラゾシン塩酸塩 |
非選択性β遮断薬 | インデラル ナディック ハイパジール カルビスケン ミケランLA | プロプラノロール塩酸塩 ナドロール ニプラジロール ピンドロール カルテオロール塩酸塩 |
⚠️ 異常高血圧とは?
🩺 急性の血圧上昇による緊急病態
- 収縮期180/拡張期110 mmHg以上の急激な血圧上昇
- 脳・心臓・腎臓・大血管などに急性の障害を引き起こす可能性あり
- 速やかな血圧の降下が必要
🔍 異常高血圧の主な症状
- 意識障害
- 強い頭痛
- 吐き気・嘔吐
🦷 歯科治療時に起こりやすい理由
💥 ストレスが引き金に
- 痛みや不安などの精神的ストレスが原因となる
- 歯科では以下の処置時に起こりやすい:
- 局所麻酔後
- 抜歯などの外科処置
- TBI(歯磨き指導)
- 歯周ポケット洗浄などの軽度処置でも発症することがある
🚨 異常高血圧への対応方法
🪑 姿勢の調整(座位または半座位)
- 異常高血圧時は脳への血流が過剰になるため、
ユニットを起こして座位または半座位に調整 - 寝かせたままだと脳出血のリスクが高まるおそれあり
💨 酸素吸入の実施
- 酸素吸入を行い、全身の酸素供給をサポート
- それでも改善が見られない場合は薬物療法へ移行
💊 ニフェジピン内服による降圧
🔹 使用薬:ニフェジピンカプセル(Ca拮抗薬)

- 5〜10mgのニフェジピンカプセル(サワイ)を内服
- 効果は20〜30分かけて徐々に現れる
- 舌下投与は急激な血圧低下を招くため禁忌
高血圧でも安心して通える歯科医院をお探しの方へ

江戸川区篠崎の当院では、高血圧の患者さまにも安心して歯科治療を受けていただけるよう、血圧管理や麻酔方法に十分配慮した診療体制を整えています。表面麻酔や針のない麻酔器も活用し、痛みや不安を最小限に抑えた治療を提供しています。
持病があって歯科治療をためらっていた方も、まずはお気軽にご相談ください。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。