はじめに

  • 口内炎とは? 口内炎は、口内の粘膜に起こる炎症で、痛みや不快感を伴うことが多いです。最も一般的な種類としてアフタ性口内炎がありますが、原因は栄養不足やストレス、外的な刺激など多岐にわたります。本記事では、口内炎の種類、原因、治し方について詳しく解説しています。特に、治し方や予防策を学ぶことで、口内炎が引き起こす生活の不便さを軽減することが期待できます。

動画 29秒 口内炎を早く治す8つの方法!日常ケアと医療の選択

口内炎の種類と原因

口内炎の種類

  • アフタ性口内炎 アフタ性口内炎は、口内炎の中でも最も多く見られる一般的なタイプです。小さな丸い潰瘍が口の中にでき、白っぽい膜で覆われ、周囲が赤く腫れることが特徴です。原因は明確には分かっていませんが、ストレスや栄養不足、ホルモンの変化などが引き金となることが多いです。このタイプの口内炎は通常1週間から2週間で自然に治癒しますが、痛みが強い場合は市販薬や医療機関での治療が有効です。
  • ヘルペス性口内炎 ヘルペスウイルスが原因で発症するヘルペス性口内炎は、主に幼児に多く見られます。この口内炎は複数の小さな水疱が集まって形成され、破れて潰瘍となるため非常に痛みを伴います。ウイルスが原因であるため、抗ウイルス薬が処方されることが多いです。また、症状が悪化しないよう水分補給や栄養管理を行いながら適切な休養を取ることが大切です。
  • 外傷性口内炎 外傷性口内炎は、口内を誤って噛んだり、硬い食べ物による刺激で傷つけたりした際に発症します。一般的に、傷が自然に治癒することで口内炎も改善しますが、痛みがひどい場合には抗炎症剤や軟膏が有効です。このタイプの口内炎は、原因が明確であるため、再発を防ぐために日常生活での注意が必要です。

口内炎の原因

  • 栄養不足 口内炎の原因の一つに栄養不足が挙げられます。特にビタミンB群や鉄分が不足すると、口内の粘膜が弱まり口内炎が発生しやすくなります。ビタミンB2やB6は細胞の再生を助けるため、これらが不足すると口内の傷が治りにくくなります。そのため、バランスの取れた食事を心がけ、栄養素を意識的に摂取することが大切です。栄養の偏りを防ぐために、日々の食事で緑黄色野菜や魚、卵などを摂取することが推奨されます。
  • ストレスと睡眠不足 ストレスや睡眠不足も口内炎の発症に関与しています。ストレスがかかると体の免疫力が低下し、口内の粘膜が炎症を起こしやすくなります。また、睡眠不足は体の回復能力を低下させ、炎症が治りにくくなる要因となります。ストレスを管理し、質の良い睡眠を取ることが、口内炎の予防および治癒に効果的です。リラクゼーション法を取り入れるなど、心身の健康を保つことが重要です。
  • 免疫力の低下 体の免疫力が低下すると、口内炎を含むさまざまな炎症が発生しやすくなります。免疫力の低下は、過労や慢性的な疾患、不規則な生活習慣が原因となります。特に季節の変わり目や風邪などで体調を崩しやすい時期には、口内炎のリスクも高まります。免疫力を維持するためには、規則正しい生活や十分な睡眠、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。

日常生活の改善

  • 食事の見直し 口内炎の治癒を早めるためには、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。特にビタミンB群やビタミンCを豊富に含む食品を摂取することで、粘膜の修復を促進することができます。ビタミンB群はレバーや卵、魚に多く含まれ、ビタミンCは柑橘類やブロッコリーなどから摂取できます。また、食事内容を見直し、刺激の強い辛い食べ物や酸味の強い食品は避けることで、痛みを軽減し治癒を促すことが期待できます。
  • 水分補給 口内の乾燥は炎症を悪化させる可能性があるため、十分な水分補給が重要です。特に乾燥しやすい季節やエアコンの効いた環境では、こまめに水を飲むように心がけましょう。水分をしっかりと摂ることで、口内の潤いを保ち、細菌の繁殖を抑えることができます。また、アルコールやカフェインなどの利尿作用のある飲み物は避け、なるべく水やお茶などのカフェインレスの飲み物を選ぶことをお勧めします。
  • 十分な休息とストレスの軽減 体の免疫力を高め、口内炎の早期治癒を目指すためには、十分な休息が不可欠です。睡眠不足や過度なストレスは、体の防御機能を低下させ、炎症の治癒を遅らせる原因となります。1日7〜8時間の睡眠を目標に、規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。また、ヨガや瞑想、趣味の時間を持つなど、ストレスを上手に発散する方法を取り入れることで、心身ともに健康な状態を維持しましょう。

自宅でできるケア方法

  • 塩水でうがい 塩水うがいは、古くから行われている自然療法の一つで、口内の細菌を減少させる効果があります。塩には抗菌作用があり、炎症を抑えることが期待できます。ぬるま湯に少量の食塩を溶かしてうがいをすることで、患部の痛みを和らげ、口内の清潔を保つことができます。ただし、塩分濃度が高すぎると逆に粘膜を刺激してしまうため、適量を守ることが重要です。
  • 蜂蜜を使ったケア 蜂蜜は、抗菌作用と抗炎症作用を持つ自然の治療法として知られています。口内炎の患部に蜂蜜を塗布することで、炎症を抑え、治癒を促進する効果が期待できます。蜂蜜にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、粘膜の修復を助ける働きもあります。1日数回、綿棒などで患部に優しく塗布することで、痛みの軽減と治癒をサポートしますが、使用する蜂蜜は純粋なものを選ぶようにしましょう。
  • 市販薬の使用 口内炎の痛みを和らげるために、市販薬を使用するのも有効です。特に、軟膏タイプやスプレータイプの薬は、患部を直接保護し、痛みを軽減する効果があります。また、抗炎症成分を含む薬を使用することで、炎症の拡大を防ぐことも可能です。市販薬を使用する際は、使用方法を守り、指示された頻度で使用することが大切です。症状が改善しない場合は、医師の診断を受けることが推奨されます。

歯科医院での治療

  • 受診のタイミング 自宅でのケアを行っても口内炎が改善しない場合、医療機関を受診することを検討しましょう。特に、2週間以上治らない場合や、痛みが強く食事が摂れない場合には、専門的な治療が必要です。口内炎は軽度なものであれば自然に治りますが、重症化すると治癒までに時間がかかることがあります。医療機関では、症状に応じた適切な治療を受けることができます。
  • 薬物療法 医療機関での治療としては、ステロイドを含む軟膏や、抗炎症薬が処方されることがあります。ステロイド軟膏は、患部の炎症を効果的に抑え、早期の治癒を促します。また、痛みが強い場合には、鎮痛薬が併用されることもあります。症状がひどい場合は、医師の指示に従いながら継続的に治療を受けることが重要です。これにより、痛みを緩和し、口内炎の再発を防ぐことができます。
  • レーザー治療 近年では、口内炎の治療にレーザーを用いるケースも増えています。レーザー治療は、患部の痛みを迅速に和らげ、治癒を促進する効果があります。特に、痛みが強い場合や頻繁に再発する口内炎に対して有効です。治療時間も短く、痛みを感じることが少ないため、患者にとって負担が少ないのが特徴です。レーザー治療は、専門の医療機関でのみ行われるため、希望する場合は歯科医師に相談しましょう。

日々の口腔ケア

  • 適切な歯磨き方法 口内炎を予防するためには、日々の口腔ケアが欠かせません。特に、歯磨きの際には歯ブラシの選び方や磨き方に注意が必要です。柔らかめの歯ブラシを使用し、力を入れすぎずに優しく磨くことで、口内の粘膜を傷つけることを防ぐことができます。また、フロスやデンタルリンスを併用することで、歯間や口腔全体を清潔に保つことができます。こうしたケアを日常的に行うことで、口内炎のリスクを減らすことができます。
  • 口内保湿 口内の乾燥を防ぐことも、口内炎予防において重要です。乾燥した口腔内は細菌が増殖しやすく、炎症が起こりやすくなります。こまめな水分補給に加え、口腔保湿ジェルなどを使用することで、口内の潤いを保つことが可能です。また、唾液の分泌を促進するガムを噛むことも効果的です。特に高齢者は唾液分泌が低下しがちなので、意識して保湿ケアを行うことが推奨されます。

免疫力を高める生活習慣

  • バランスの取れた食事 免疫力を維持するためには、栄養バランスの取れた食事が基本となります。特にビタミンやミネラルが不足すると、体全体の免疫力が低下し、口内炎などの炎症が発生しやすくなります。毎日の食事において、肉、魚、野菜、果物をバランス良く取り入れることを心がけましょう。特に、ビタミンCを含む柑橘類や、鉄分を多く含む緑黄色野菜は、免疫力を強化する効果があります。
  • 定期的な運動 運動は、体の免疫機能を高めるために重要な役割を果たします。適度な運動を日常生活に取り入れることで、血行が良くなり、体全体の免疫力が向上します。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、自分の体力に合った運動を続けることが大切です。特にストレスを感じやすい方には、運動を通じてリフレッシュすることが、口内炎を含む様々な健康問題の予防につながります。
  • 口内炎はどれくらいで治りますか? 口内炎は通常1週間から2週間で自然に治癒しますが、原因や体調によって治癒期間が異なることがあります。例えば、栄養不足や免疫力の低下が原因である場合は治癒に時間がかかることがあり、医療機関での治療が必要になることもあります。また、市販薬や自然療法を取り入れることで、症状の緩和や早期の治癒が期待できます。
  • 口内炎が痛くて食事ができない時はどうすればいいですか? 口内炎が痛くて食事ができない場合、刺激の少ない食べ物を選ぶことがポイントです。例えば、ヨーグルトや豆腐、お粥などの柔らかくて冷たい食品は、痛みを和らげるのに役立ちます。また、酸味の強い食品や辛い食品は避けるようにしましょう。痛みが強い場合は、食前に市販の鎮痛スプレーなどを使用することで、食事をしやすくすることも可能です。
  • 口内炎は感染しますか? 口内炎は基本的に感染しない非感染性の炎症です。しかし、ヘルペスウイルスが原因の口内炎の場合は、ウイルスが唾液などを介して他人に感染する可能性があります。そのため、ヘルペス性口内炎の場合は、他人との食器の共有や接触に注意が必要です。特に幼児や免疫力の低下している方には感染しやすいので、適切な対策を講じることが重要です。

口内炎は多くの人が経験する一般的な症状ですが、適切なケアを行うことで痛みを軽減し、早期に治癒することが可能です。本記事で紹介した治し方や予防法を取り入れることで、口内炎の発症を抑え、健康な口腔状態を維持することができます。早期の対応が重要であり、症状が長引く場合は無理をせず当院にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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