
歯肉炎は、歯と歯ぐきの境目に蓄積したプラーク(歯垢)が原因で起こる炎症です。初期段階では痛みが少ないため気付きにくいものの、放置すると歯周病へ進行する可能性があります。今回は20代女性の歯肉炎症例をご紹介します。
初診時|プラークの蓄積による歯肉の腫脹と発赤



患者様は歯ぐきの腫れとブラッシング時の出血を主訴に来院されました。
口腔内を確認すると、上顎前歯部を中心にプラークの付着が多く認められ、歯肉全体に発赤と腫脹がみられました。歯ぐきは丸みを帯びて厚ぼったく腫れ、炎症が広範囲に及んでいる状態でした。
特に左上2番は舌側へ位置しており、歯ブラシが届きにくいため清掃不良となり、周囲の歯肉に強い腫れが認められました。このように歯並びの影響で磨き残しが生じると、局所的に歯肉炎が悪化しやすくなります。
治療内容|スケーリングと歯磨き指導
治療ではまず、歯科医院でスケーリングを行い、歯面や歯肉縁付近に付着したプラークや歯石を除去しました。
その後、患者様の磨き残しやすい部位を確認しながら歯磨き指導を実施しました。特に前歯部や歯並びが重なっている部分の清掃方法について説明し、セルフケアの改善を図りました。
歯肉炎の改善には歯科医院での処置だけでなく、毎日のプラークコントロールが重要です。
術後1か月|歯肉の腫れと発赤が大幅に改善



スケーリングと適切なブラッシングを継続した結果、術後1か月で歯肉の状態は大きく改善しました。
前歯部の発赤や腫脹は著しく軽減し、歯肉の輪郭も明瞭になっています。歯ぐきの厚ぼったさがなくなり、健康的なピンク色へと回復しました。
特に初診時に強い炎症がみられた左上2番周囲も改善し、歯肉の引き締まった状態が確認できました。
このように歯肉炎は、原因であるプラークを適切に除去できれば比較的短期間で改善が期待できます。
術後3か月|セルフケア不足による再発傾向



しかし術後3か月の時点では、前歯部を中心に再びプラークの付着が認められました。
特に下顎前歯部ではプラークコントロールが不十分となり、歯肉縁付近に発赤や軽度の腫脹が再発していました。治療によって一度改善した歯肉も、セルフケアが不十分になると再び炎症を起こしてしまいます。
歯肉炎は「治して終わり」ではなく、良好な状態を維持するための継続的なセルフケアと定期的なメインテナンスが重要です。
歯肉炎予防のポイント

毎日の丁寧な歯磨き
歯と歯ぐきの境目を意識して磨き、プラークを蓄積させないことが大切です。
歯科医院での定期クリーニング
セルフケアだけでは除去できない歯石や磨き残しを定期的に除去します。
歯並びに応じた清掃器具の活用
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで清掃効果が向上します。
まとめ
今回の症例では、スケーリングと歯磨き指導によって歯肉炎が大きく改善しました。しかし、その後のセルフケア不足により再び炎症がみられる結果となりました。
歯肉炎はプラークコントロールによって改善・予防できる疾患です。症状が軽いうちから適切なセルフケアと定期的な歯科受診を継続することで、将来的な歯周病の予防につながります。歯ぐきの腫れや出血が気になる場合は、早めに歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
江戸川区篠崎で歯肉炎予防をお考えの方へ

歯ぐきの腫れや出血は、歯肉炎のサインかもしれません。歯肉炎は初期段階であれば、適切な歯磨きと歯科医院でのクリーニングによって改善が期待できます。しかし、症状が軽いため放置されやすく、進行すると歯周病へ発展することもあります。
江戸川区篠崎で歯ぐきの健康を守りたい方は、毎日の正しいブラッシングに加え、定期的な歯科検診とクリーニングがおすすめです。磨き残しや歯石はご自身では完全に除去できないため、専門的なケアが重要です。
「歯磨きすると血が出る」「歯ぐきが赤く腫れている」「口臭が気になる」といった症状がある方は、お早めにご相談ください。健康な歯ぐきを維持し、将来の歯周病を予防しましょう。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。


