✅「奥歯7番はいらないのでは?」と悩む方は少なくありません。特に「親知らず(8番)」と混同してしまい、勘違いされるケースも多く見られます。実際に7番は噛む力やかみ合わせを支える大切な歯であり、安易に抜歯すると後悔につながることもあります。

本記事では、奥歯7番の役割や「抜いた方がよいケース」「残すべきケース」、さらに失った際の治療法まで、歯科医の視点でわかりやすく解説します。

奥歯7番とは?位置と役割📍

7番とは、前歯から数えて7本目にあたる奥歯です。多くの方は6番(第一大臼歯)の奥に位置し、さらにその奥に親知らず(8番)が存在する場合もあります。
7番は噛む面が広く、食べ物をすり潰す働きを担っています。左右上下に存在することで、食事の際の噛み合わせを安定させる役割を果たしています。

「奥歯7番はいらない」と言われる理由🤔

一部では「7番は抜いてもいいのでは?」と言われることがあります。その理由には以下のようなものがあります。

  • 親知らずと勘違い:8番(親知らず)は噛み合わせに大きな影響を与えない場合もあるため、「奥歯はいらない」と混同されがちです。
  • 虫歯や歯周病のリスク:一番奥にあるため歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病の温床となりやすいのです。
  • 生え方や噛み合わせの問題:斜めに生えていたり、隣の歯と干渉することでトラブルを起こすこともあります。

7番を抜歯するとどうなる?⚠️

もし7番を失うと、次のような影響が出る可能性があります。

  • 噛む力の低下🍚
    食べ物をしっかりすり潰せず、消化不良や胃腸への負担が増えることがあります。
  • 歯並びやかみ合わせの乱れ😬
    隣の歯が傾いたり、反対側の歯が伸びてきて全体のバランスが崩れることがあります。
  • 治療の必要性💰
    奥歯がないまま放置すると、ブリッジやインプラントなどで補う必要が出てきます。

7番を残した方が良いケース✅

7番はできる限り残すべき歯です。特に以下のようなケースでは重要になります。

  • 6番が失われている場合
    6番を失った際に7番が残っていれば、ブリッジやインプラントの支えになります。
  • 補綴治療の土台として必要な場合
    入れ歯やブリッジの支点となることで治療の安定性が増します。
  • 噛み合わせのバランスを維持するため
    左右の噛み合わせが均等でなければ、顎関節症などのリスクが高まります。

7番を抜いた方が良いケース🦠

一方で、抜歯が望ましいケースも存在します。

  • 重度の虫歯や歯周病
    根まで侵されて保存できない場合は抜歯が選択されます。
  • 親知らずが代わりになる場合
    親知らず(8番)がまっすぐ生えて機能していれば、7番を抜いても代替可能なことがあります。
  • 矯正治療の一環
    歯並び改善のために計画的に7番を抜歯するケースもあります。
上の7番と下の7番の前後的位置関係
上の7番と下の7番の前後的位置関係

上下の7番の位置関係とは?

奥歯(大臼歯)は上下で噛み合い、咀嚼に大きな力を発揮します。

  • 上の7番(上顎第二大臼歯) は下の7番よりもやや後方に位置することが多く、噛み合いの面積は広いが、完全に真上に相対しているわけではありません。
  • 下の7番(下顎第二大臼歯) は上の7番より前方に位置し、下顎全体を支える強い咬合力を担います。

この前後的な位置関係により、抜歯後の歯の動きに違いが生じます。

上の7番を抜歯した場合:下の7番は挺出しにくい

下の7番は前方寄りにあり、上顎の7番と完全に対向していないことが多いです。そのため、上の7番を失っても、下の7番が「相手を探して大きく挺出する」可能性は比較的低いと考えられます。
ただし、噛み合わせ全体のバランスが崩れるリスクはあるため、定期的なチェックは必要です。

下の7番を抜歯した場合:上の7番は挺出しやすい

上の7番は下の7番の少し後方に位置しており、相手を失うと空間方向に伸びやすくなります。上顎の歯は下顎の歯よりも動きやすいため、挺出のリスクが高いのです。
結果として、噛み合わせが乱れたり、下顎の治療計画(インプラント・ブリッジなど)が難しくなる場合があります。

まとめ

  • 上7番を抜歯 → 下7番は挺出しにくい(ただし噛み合わせに注意)
  • 下7番を抜歯 → 上7番は挺出しやすい(早めの補綴が推奨される)

このように、前後的な位置関係と上顎・下顎の動きやすさの違いが、挺出リスクの差を生んでいます。

もし7番を抜歯した場合、その後の治療法を検討する必要があります。

  • インプラント
    天然歯に近い噛み心地を取り戻せますが、費用が高めです。
  • ブリッジ
    両隣の歯を削って人工歯を固定します。比較的短期間で治療可能です。
  • 部分入れ歯
    費用を抑えられますが、異物感や見た目の面でデメリットがあります。

奥歯7番は「いらない歯」ではなく、噛む力や歯並びの安定にとても重要な役割を果たしています。
ただし、虫歯や歯周病で保存が難しい場合や、矯正治療の一環で計画的に抜く場合もあります。

💡 親知らず(8番)との混同に注意しながら、7番の健康を守ることが大切です。不安がある方は、必ず歯科医院で相談し、自分に合った最善の選択をしましょう。

江戸川区篠崎で「奥歯7番を抜いていいの?」と不安を感じている方へ

奥歯7番は「いらない歯」ではなく、噛む力や歯並びを守る大切な役割を担っています。抜歯が必要かどうかは、お口の状態によって異なります。当院ではレントゲンや噛み合わせ検査を行い、一人ひとりに合った治療方針をご提案いたします。気になる方はぜひ一度ご相談ください。

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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