✅ 「最近、歯がグラグラする…」「噛むと痛みが出る…」そんな症状を感じていませんか?
その原因は、むし歯や歯周病ではなく 『咬合性外傷』 かもしれません。咬合性外傷は、噛み合わせの力が歯や歯ぐきに過剰な負担をかけることで起こるトラブルです。

この記事では、咬合性外傷の原因・症状・治療法・予防法をわかりやすく解説します。

咬合性外傷とは?🤔

咬合性外傷とは、噛み合わせの力が歯や歯ぐきに過度な負担をかけてしまう状態をいいます。歯や歯周組織は、通常の力なら耐えられますが、過度な力がかかるとダメージを受けてしまいます。

咬合性外傷
咬合性外傷

👉 大きく分けて以下の2種類があります。

  • 一次性咬合性外傷:健康な歯や歯周組織に過剰な力が加わる
  • 二次性咬合性外傷:歯周病で弱った歯や骨に力が加わる

外傷性咬合と咬合性外傷の違い:原因と結果で明確に区別する

✅ 外傷性咬合(Occlusal trauma causing force)

“原因” を指す言葉
  • かみ合わせの力(過剰な咬合力)そのものが問題
  • 高すぎる噛み合わせ、早期接触、偏った咬合接触など
  • 歯周組織にダメージを与える咬合の状態 を表す
  • 例:高いクラウンが原因で歯が揺れる → 外傷性咬合(原因)

✅ 咬合性外傷(Trauma caused by occlusion)

“結果” を指す言葉
  • 外傷性咬合(原因)が続いて 歯周組織に生じた破壊・変化のこと
  • 歯根膜腔拡大、動揺、骨吸収など
  • 組織側に実際に起きたダメージ を指す
  • 例:歯根膜腔が拡大し動揺がある → 咬合性外傷(結果)

🦷 6番の重度歯周病が引き起こす4番の過重負担:咬合性外傷の典型例

このX線画像は 上顎4番・5番・6番がブリッジで連結されている症例 で、
特に 4番(前方の支台歯)に強い負担が集中し、咬合性外傷が起きている状態 が示唆されます。

上顎4・5・6番ブリッジに生じた咬合性外傷と支台歯負担過重のレントゲン所見
上顎4・5・6番ブリッジに生じた咬合性外傷と支台歯負担過重のレントゲン所見

① 上顎4番:咬合性外傷による変化

(赤矢印部)

● 歯根膜腔の拡大

4番の根の周囲に 歯根膜腔の明らかな拡大 が見られます。
これは以下のような 咬合性外傷の典型所見 です:

  • かみ合わせの力が過剰にかかっている
  • ブリッジの荷重が前方の4番に偏っている
  • 6番の支持力低下を4番が補ってしまっている
● 動揺の可能性

歯根膜腔の不均一な拡大は 歯のぐらつき(動揺) と関連しており、
長期間続くと歯周組織の破壊がさらに進行します。

② 上顎6番:重度の歯周病による骨吸収

(青矢印部)

● 骨の支持が大きく失われている

6番の歯根周囲の骨が大きく吸収しており、歯周病が進行しています。
歯根長の 1/2 以上に及ぶ骨吸収も見られ、支台歯としての支持力が弱い状態。

● 根尖病巣も認められる

6番の根尖部には、暗い透過像=根尖病巣(根の先の炎症) があり、
歯周病と根尖性病変の複合型が疑われます。

③ ブリッジ全体の力学的問題

● 6番の支持力が低下

骨吸収+根尖病巣+動揺により、6番は本来の支台歯としての役割を果たしにくくなっています。

● 結果として4番に負担が集中

6番の支持力低下を補おうと、
4番が過重負担を受け、歯根膜腔拡大(咬合性外傷)を起こしている状態です。

● 4番の歯周組織にも悪影響

負担過重が続くと、

  • 歯槽骨の吸収
  • 歯根膜の破壊
  • 動揺の悪化

が進み、長期的には 支台歯の喪失リスク が高くなります。

④ 外傷性咬合の典型サイン(本症例に一致)

  • 歯根膜腔の不均一な拡大(特に4番)
  • 歯槽骨の縦方向の吸収
  • 支台歯の動揺
  • 咬合力の逃げ場がないブリッジ構造
  • 歯周病+根尖病巣で支台歯の支持が弱い

これらが複合的に起きると、
ブリッジ全体が不安定になり、負のスパイラルに陥ります。


咬合調整、6番の治療(根管治療・歯周病治療)、ブリッジ再設計(分割含む)などが検討されるケースです。

咬合性外傷の原因⚠️

咬合性外傷の背景には、以下のような要因があります。

  • 歯ぎしり・食いしばり😬
  • 歯並びの乱れや噛み合わせの不調和🦷
  • 詰め物や被せ物の高さが合っていない🛠
  • 歯周病で支えが弱くなっている🦷💔

これらが重なると、歯や歯ぐきに過剰な力がかかり、ダメージが進行します。

咬合性外傷の症状📝

咬合性外傷のサインは見逃さないことが大切です。

  • 歯がグラグラする(動揺)⚡
  • 歯ぐきの腫れや出血🩸
  • 噛むと違和感や痛みを感じる🍖
  • 顎の痛みや歯根膜の炎症😖

早期に気づくことで、歯を守ることができます。

咬合性外傷の診断方法🔍

歯科医院では次のような方法で診断します。

  • 咬合紙による噛み合わせチェック📄
  • レントゲン検査で歯や骨の状態を確認📷
  • 歯周組織の精査で歯ぐきの健康状態を確認🩺

咬合性外傷の治療法💊

治療は原因に応じて行われます。

  • **噛み合わせの調整(咬合調整)**🔧
  • マウスピース(ナイトガード)で負担を軽減😴
  • 歯周病治療との併用🦷🪥
  • 補綴治療や矯正治療による改善📐

放置するとどうなる?⚡

咬合性外傷を放置すると…

  • 歯の寿命が縮む⚰️
  • 歯周病が進行する🦠
  • 顎関節症へ発展する可能性も😵

咬合性外傷の予防法✨

日常生活の工夫で予防することが可能です。

  • 定期的な歯科検診で早期発見🔎
  • 歯ぎしり・食いしばりの改善(ナイトガードの活用)💤
  • 正しい生活習慣を意識(姿勢・食習慣の見直し)🍎

咬合性外傷は「噛み合わせの力」が原因で歯や歯ぐきを壊してしまうトラブルです。
早期発見と適切な治療で歯の寿命を延ばすことができます。違和感や歯の揺れを感じたら、早めに歯科医院を受診しましょう🏥✨

江戸川区篠崎で噛み合わせや歯の揺れにお悩みの方へ

噛み合わせの異常によって歯や歯ぐきに負担がかかる「咬合性外傷」。聞き慣れない言葉ですが、誰にでも起こり得る身近なトラブルです。早めに対処することで歯を守り、快適な噛み合わせを取り戻せます。

「歯が揺れるのが心配」「噛むと違和感がある」そんな症状は咬合性外傷の可能性があります。江戸川区篠崎にある当歯科クリニックで、早めにチェックしてみませんか?

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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