目次

お子さまの歯並びが気になり、矯正治療を検討されている保護者の方へ──。

「急速拡大装置(RPE)」は、歯を抜かずに上顎の骨を広げることができる小児矯正の中でも特に注目されている治療法です。
歯並びだけでなく、口呼吸や顔貌のバランス改善にも効果があるため、多くの成長期のお子さまに導入されています。
本記事では、急速拡大装置の仕組み・種類・メリット・注意点・費用や適応年齢までをわかりやすく解説します。

🧠 急速拡大装置(RPE)の役割と仕組み

急速拡大装置(Rapid Palatal Expander:RPE)は、上顎の骨を左右に広げるための矯正装置です。特に成長期の子どもに使用され、上顎が狭く歯がきれいに並ばないケースなどに効果を発揮します。

正中口蓋縫合を広げる
正中口蓋縫合を広げる

装置の中心にあるネジを毎日少しずつ回すことで、上顎の中央にある「正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう)」を開き、骨を拡大していきます。これにより歯が並ぶスペースを確保したり、鼻腔を広げて呼吸を助けたりすることが可能になります。

短期間で骨格から変化を起こすこの仕組みは、永久歯の抜歯を回避できる非抜歯矯正の大きな味方とも言えます。

🏥 上顎を広げる理由と適応症例(叢生・口呼吸・顔貌バランス)

急速拡大装置が必要とされるのは、以下のような問題がある場合です。

狭窄歯列弓
狭窄歯列弓
叢生(そうせい)
叢生(そうせい)
  • 叢生(そうせい):歯がガタガタに重なり合って生えている状態。上顎のスペース不足が原因であることが多く、骨から広げる必要があります。
  • 口呼吸:上顎が狭いと鼻腔も圧迫されやすく、鼻呼吸ができずに口呼吸になる子も。RPEで顎を広げると鼻の通りが改善し、健康面にも良い影響があります。
  • 顔の左右非対称や出っ歯・受け口傾向:顎のバランスが悪いと顔貌(がんぼう)に影響します。拡大装置により骨格の成長バランスを整えることができます。

このように、急速拡大装置は歯並びの改善にとどまらず、呼吸機能や顔の成長バランスにも関係する多機能な装置です。

急速拡大装置には、固定式・可撤式・成人用のMSE矯正といった種類があり、年齢や顎の状態によって使い分けられます。それぞれの特徴と使用方法を詳しく見ていきましょう。

🔩 固定式(RPE)装置の構造と使用方法

**固定式の急速拡大装置(Rapid Palatal Expander:RPE)**は、主に成長期の子どもに使われるもっとも一般的な装置です。

急速拡大装置
急速拡大装置
ネジを回す
ネジを回す

🧱 構造のポイント

  • 上顎の奥歯(第1小臼歯〜第1大臼歯)に金属のバンドを取り付ける
  • 装置の中央にあるネジ(スクリュー)を回すことで、骨を左右に広げていく
  • 1日1回、1/4回転=約0.25mmずつ拡大する

🔑 使用方法の流れ

  1. 専用のキーを使ってネジを回す(多くは保護者が行う)
  2. およそ2〜4週間で5〜7mm程度拡大される
  3. その後、3〜6ヶ月間は装置をそのまま固定し、新しくできた骨を安定させる

🔍 特徴:

  • 骨格自体を広げることができる
  • 非抜歯矯正の土台作りとして効果的
  • 短期間で結果が出やすい

🧼 可撤式(拡大床)との比較と特徴

可撤式の拡大装置(拡大床)は取り外し可能なプレートタイプの装置で、ゆっくりと顎や歯列の幅を広げていきます。

🛠 構造と使用法

  • プラスチック製のプレートにスクリューが内蔵され、ネジを回して少しずつ拡大
  • 就寝中などの時間に毎日装着
  • 装着時間が少ないと効果が出にくい

🔍 特徴と比較ポイント

比較項目固定式(RPE)可撤式(拡大床)
固定性高い(取り外し不可)低い(自分で装着)
効果骨を広げる歯列を拡げる
清掃性やや難しい清掃しやすい
適応骨格改善が必要な場合歯列調整が主目的
使用期間約3〜6ヶ月数ヶ月〜1年以上

📌 ポイント:拡大床は使用状況に左右されやすく、サボると効果が落ちるため、継続管理ができる家庭向けです。

🛠 成人対応のMSE矯正とは?

**MSE矯正(Mini-Screw Assisted Rapid Palatal Expansion)**は、成人でも顎の拡大ができる最新の方法です。

🧬 MSEの特徴

  • ミニスクリュー(小さなネジ)を上顎の骨に埋め込む
  • スクリューを支点にして骨を左右に広げる
  • 骨癒合が進んだ成人でも顎の拡大が可能

📌 MSEはこんな方に向いています

  • 16歳以上で上顎が狭く、従来のRPEでは効果が出にくい方
  • 外科手術を避けたいが、骨格レベルの改善が必要なケース

⚠ 外科処置が必要になる場合もあり、痛み・腫れが出ることもありますが、これまで拡大が困難だった成人矯正に新たな選択肢を提供しています。

急速拡大装置の治療は、「事前検査→装着→ネジ回し→固定→保定」というステップを踏んで進みます。1つひとつの流れを把握しておくことで、不安を軽減し、スムーズな矯正治療につながります。

🦷 治療前の診断・X線検査の重要性

治療前には、以下のような精密検査が行われます。

セファロX線検査
セファロX線検査

📋 主な検査内容

  • 口腔内検査:歯並び・噛み合わせ・むし歯・歯周病のチェック
  • X線検査(パノラマ・セファロ):顎の大きさ、骨の成長度、歯の位置を把握
  • CT撮影(必要に応じて):正中口蓋縫合の状態や鼻腔の広さを詳細に確認

✅ この診断により、急速拡大装置が適応かどうか、どの装置が適しているかを判断します。

🔧 装置の装着〜ネジ回しの方法と注意点

装置装着後は、家庭でのネジ回し(拡大操作)が重要になります。

🔩 装着時の流れ

  • 歯科医院で装置を固定(通常は奥歯にバンドを装着)
  • 装置の安定性と適合をチェック
  • ネジの回し方について、ご家族へ丁寧なレクチャー

🛠 ネジ回しの方法(一般例)

  • 専用キーを使って1日1回、1/4回転(約0.25mm)
  • ネジを“奥から手前”に向かって回す(回転方向の指示を確認)
  • 回し忘れや回しすぎに注意!

注意点

  • ネジを多く回しすぎると痛みや歪みの原因に
  • 回し忘れが続くと骨が硬化して拡大しづらくなる
  • 異常や痛みが続く場合は、すぐ歯科医院へ相談

⏱ 拡大期間・固定期間・保定期間の全体スケジュール

急速拡大装置の治療には、3つのステージがあります。

📅 ① 拡大期間(約2〜4週間)

  • 毎日ネジを回して、5〜7mmの拡大を目指す
  • 歯の隙間があいてくるのが目安(正中離開)

📅 ② 固定期間(約3〜6ヶ月)

  • 拡大後は装置をそのままにして骨の安定化を促す
  • この間、装置はネジを回さずそのまま保持

📅 ③ 保定期間(6ヶ月〜1年以上)

  • 装置を外した後、**リテーナー(保定装置)**を装着
  • 顎の形や歯列を維持するため、指示された時間しっかり装着

📝 成人(MSE矯正)の場合は骨が硬いため、

  • 拡大期間:2〜4週間
  • 固定期間:6ヶ月以上かかることもあります。

📌 まとめ:治療の全体像

治療段階期間主な内容
拡大期間2〜4週間ネジ回しで顎を拡大
固定期間3〜6ヶ月装置をそのまま保持して骨の安定化
保定期間6ヶ月〜リテーナー装着で後戻りを防止

急速拡大装置の治療は、短期間で骨格改善ができる一方、計画的な進行と定期的な通院が不可欠です。ご家庭での協力が成功のカギになります。

急速拡大装置は、単なる歯並び改善にとどまらず、顎の骨格・呼吸・顔立ちにまで良い影響を与える、非常に多機能な装置です。特に成長期の子どもにとっては、将来の選択肢を広げる大きなメリットがあります。

✅ 非抜歯矯正の可能性を高める

急速拡大装置の最大の特徴は、歯を抜かずにスペースを確保できることです。

🦷 通常、歯が並ぶスペースが足りない場合には抜歯が選択されますが、上顎の骨自体を広げれば、歯を抜かずに自然な歯列が作れる可能性が高まります。

📌 とくにこんなお子さんにおすすめ:

  • 永久歯の生えるスペースが不足している
  • 叢生(歯のガタガタ)が強い
  • 将来的に抜歯矯正を避けたいと考えている

非抜歯で矯正ができることで、歯の本数を保ったまま、美しい歯列と噛み合わせが実現できます。

✅ 顎の骨格を整え、顔貌バランスを改善

上顎の成長不足は、顔の左右非対称や出っ歯・受け口など、見た目の印象に大きな影響を与えます。

急速拡大装置を使うことで、

  • 上顎の横幅の不足を補う
  • 顔全体の骨格バランスを整える
  • 成長を利用しながら自然な顔立ちへ導く

🌸 特に、成長期に介入することで外科手術が不要になるケースもあり、将来的な審美的・機能的満足度にもつながります。

✅ 鼻腔拡大による口呼吸・いびきの改善

上顎の幅が狭いと、鼻腔も狭くなりがちです。そのため、以下のような問題が起こりやすくなります:

口呼吸が鼻呼吸に
口呼吸が鼻呼吸に
  • 鼻詰まりが多い
  • 日常的な口呼吸
  • 睡眠中のいびきや無呼吸

急速拡大装置により上顎を拡げると、鼻腔も自然と広がるため、
✅ 空気の通りが良くなり
✅ 鼻呼吸がしやすくなり
✅ いびきや口呼吸の改善が期待できます

これは単なる審美や歯並び以上に、健康面への恩恵が非常に大きいという点で見逃せないメリットです。

急速拡大装置は多くのメリットがある一方で、治療初期の不快感や日常生活での支障も少なくありません。ただし、それらは正しい対処法で十分にコントロール可能です。ここではよくある悩みとその解決法を紹介します。

😣 装着初期の痛み・違和感とその対処法

装置を装着した直後は、圧迫感や軽い痛み、違和感を感じることがあります。これは上顎の骨が広がる自然な反応ですが、特に最初の3日〜1週間はつらく感じることも。

🔍 対処法

  • 柔らかい食事を中心にする(おかゆ、豆腐、スープなど)
  • 冷たい飲み物やアイスで痛みを軽減
  • ✅ 痛みが強い場合は**市販の鎮痛剤(例:ロキソニン)**を服用
  • ✅ 数日で慣れるケースが多いため、無理せず様子を見る

⚠️ 痛みが1週間以上続く、ネジ回し後に激痛がある場合は、必ず歯科医に相談しましょう。

🪥 口腔ケアの難しさと虫歯・歯肉炎の予防策

固定式の急速拡大装置は、食べかすが詰まりやすく、清掃がしにくいという課題があります。放っておくと虫歯や歯肉炎のリスクが高くなるため、毎日の丁寧なケアが必須です。

🪥 おすすめのケア方法

  • 通常の歯ブラシに加えて矯正用歯間ブラシを使用
  • ネジ部分には**フロスや洗口液(フッ素入り)**を併用
  • 食後すぐにうがいをすることで食べかすを洗い流す
  • 必要に応じて歯科衛生士による定期的なクリーニングも検討

📌 装置がある期間は「虫歯リスクが上がる前提」で、普段より一段上の口腔管理が求められます。

💬 発音障害と適応への工夫

上顎に装置があることで、サ行・タ行が発音しづらくなるケースがあります。特に学校や職場で話すことが多い人にはストレスになるかもしれませんが、多くの方が1〜2週間で慣れます。

🎙 慣れるための工夫

  • 📖 ゆっくり話す・大きめの声で発音を意識
  • 📚 「さしすせそ」「たちつてと」を含む音読を繰り返す
  • 💧 水分をとりながら話すことで滑舌が改善しやすい
  • 🎤 スマホで自分の発音を録音して練習するのも有効

🧠 舌の動かし方が変わるだけでなく、脳の「慣れ」も重要。最初は違和感があっても、練習と時間が解決してくれるケースがほとんどです。

急速拡大装置(RPE)は、成長期の骨の柔らかさを利用した治療法のため、使用するタイミングが非常に重要です。年齢や骨の成長段階によって、治療の方法や効果が大きく変わります。

📅 6歳〜15歳がベストなタイミング

急速拡大装置は、6歳〜15歳の子どもに最も適した矯正装置です。この時期は、上顎の骨がまだ柔らかく、中央の「正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう)」が開いているため、無理なく骨を左右に広げることが可能です。

6歳〜15歳がベストなタイミング
6歳〜15歳がベストなタイミング

🧒 理想的な開始時期の目安

  • 永久歯が生えそろい始める 小学校中学年〜高学年ごろ
  • 歯の重なり(叢生)や口呼吸が目立ってきたタイミング
  • 顎の左右差や出っ歯・受け口の兆候が見られる場合

📌 このタイミングで適切に上顎を拡大しておくことで、

  • 将来の抜歯を避けやすくなる
  • 歯列矯正の難易度が大きく下がる
  • 顔貌や呼吸機能への良い影響が得られる

⚠️ 思春期以降(16歳前後〜)になると、骨の癒合が進み、**通常のRPEでは効果が出にくくなります。**タイミングを逃さないことが大切です。

🧒 成人矯正はMSEで対応可能か?

16歳以降や成人の場合は、骨が硬くなっているため、通常の急速拡大装置では上顎を拡げるのが難しくなります。

そこで登場するのが、
🔧 **MSE矯正(Mini-Screw Assisted Expansion)**です。

🛠 MSEの特徴

  • ミニスクリューを上顎骨に直接埋め込み、骨に直接力をかけて拡大する方法
  • 骨が硬くなった大人でも、外科手術をせずに顎の拡大が可能
  • 拡大量や痛みに配慮した安全性の高い治療法

📌 成人で以下のような方におすすめ:

  • 上顎が狭く、非抜歯矯正が困難と言われた
  • 鼻詰まりやいびきがひどい(鼻腔が狭い)
  • 外科手術は避けたいが、骨格改善を希望している

⚠️ MSEは外科的要素が含まれるため、専門的な設備と経験のある矯正歯科での治療が必須です。

急速拡大装置は、骨格そのものにアプローチする本格的な矯正治療のひとつです。費用は気になるポイントですが、保険適用や医療費控除の対象になる場合もあり、賢く制度を活用することが重要です。

💵 急速拡大装置の費用相場と総額の目安

急速拡大装置は基本的に**自由診療(自費診療)**となるため、歯科医院によって価格が異なりますが、以下が一般的な目安です。

📌 費用相場(全国平均)

内容費用の目安(税込)
初診・精密検査3万〜5万円
急速拡大装置(RPE)15万〜40万円
MSE(成人用ミニスクリュー拡大)30万〜50万円
リテーナー(保定装置)2万〜5万円

🧾 総額の一例:

  • 小児矯正(検査+RPE+リテーナー):約20万〜50万円
  • 成人矯正(検査+MSE+保定):約40万〜70万円

⚠ 治療の流れによっては、この後に**ワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザライン)**を併用するケースもあり、トータルでは100万円を超えることもあります。

🏥 保険適用となる条件(顎変形症・先天性疾患など)

急速拡大装置を用いた矯正治療は、原則保険適用外ですが、以下の特定のケースでは健康保険の対象となります。

📋 保険適用の主な条件

  1. 顎変形症と診断された場合
     上下の顎のズレが大きく、外科手術(外科的矯正)と組み合わせる治療
  2. 先天性疾患による咬合異常
     例:唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)やクルーゾン症候群など
  3. 重度の咬合異常や骨格異常があり、厚生労働省指定の疾患に該当する場合

🏥 注意点

  • 保険適用を受けるには、**「指定自立支援医療機関(顎口腔機能診断施設)」**での治療が必要
  • 審美目的の矯正(見た目の改善のみ)は対象外

🧠 まずは歯科医に診断を受け、「保険適用の可能性があるか」を確認することが大切です。

🧾 医療費控除の対象と申請方法

急速拡大装置による治療費は、医療費控除の対象になる場合があります。これは、家計負担を軽減できる重要な制度です。

📌 医療費控除の概要

  • 対象:その年の1月1日〜12月31日までに支払った医療費の合計が10万円(または所得の5%)を超えた場合
  • 控除対象:本人・配偶者・扶養家族の分を合算可能

🧾 控除対象になる費用の例

  • 急速拡大装置の治療費
  • 精密検査・通院費(電車・バス代など)
  • 処方薬や歯科用消耗品(必要に応じて)

注意点

  • 審美目的のみの治療(見た目改善だけ)の場合、控除対象外になることがあります
  • 医師の診断書をもらっておくと安心

📑 申請方法

  • 確定申告書と「医療費控除の明細書」を提出(e-Tax対応)
  • 領収書は5年間保存が必要(提出は不要)

💡 仮の控除額シミュレーション

  • 医療費総額:60万円
  • 所得税率:20%
    → 控除対象:60万円 − 10万円 = 50万円
    → 税額軽減:50万円 × 20% = 10万円分の還付

急速拡大装置を安全かつ効果的に使用するには、日々のケアと生活習慣の見直しが不可欠です。ちょっとした気配りが、虫歯やトラブルの予防につながります。

🪥 歯磨き方法とおすすめ清掃グッズ

固定式の急速拡大装置は、装置の周囲に汚れがたまりやすく、清掃が難しいのが特徴です。虫歯や歯肉炎を防ぐために、以下のような方法が効果的です。

🔹 歯磨きの基本ステップ

  1. 通常の歯ブラシで全体を丁寧に磨く
  2. 装置の周囲は矯正用歯間ブラシワンタフトブラシで細かく清掃
  3. **フロス(糸ようじ)**で歯の間のプラークも除去
  4. 最後にフッ素入り洗口液で仕上げ(虫歯予防)

🧼 おすすめ清掃アイテム

  • 矯正用歯間ブラシ(SS〜Mサイズ)
  • ワンタフトブラシ(細かい装置の隙間用)
  • フッ素濃度950ppm以上の歯磨き粉 or 洗口液

📌 ポイント:朝・夜+食後1回の1日3回磨くのが理想的!

🍬 NG食品と食事の注意点

装置が破損したり、汚れが詰まりやすくなる食品には注意が必要です。

🚫 避けたい食品

  • 粘着性:キャラメル、ガム、餅、グミ
  • 硬いもの:せんべい、氷、ナッツ、硬いフランスパン
  • 繊維質:セロリ、長ねぎ、ほうれん草(装置に絡みやすい)

🍽 おすすめの食事内容

  • やわらかい主食(ごはん、うどん、スープ)
  • 柔らかいタンパク質(豆腐、ひき肉、卵)
  • 切って食べる野菜や果物(バナナ、にんじんのスティックなど)

📌 コツ:小さくカットして食べる、前歯で噛まないなど、工夫するだけでも装置トラブルを防げます。

🧊 痛み・不快感への対応策

拡大中は骨が広がる過程で、一時的に圧迫感や違和感を伴うことがあります。

❄️ 痛みや不快感への対処法

  • 冷たい水やアイスで口内を冷やす
  • 痛みが強ければ**市販の鎮痛薬(ロキソニン・イブなど)**を服用
  • 硬いものを避けた柔らかい食事にする
  • 話す量を減らす、無理に発音しない などの工夫も効果的

⚠ 痛みが1週間以上続く・装置が外れる・出血がある場合はすぐに歯科医院へ。

🔁 ネジ回しを忘れたときの正しい対処法

ネジ回しは1日1回のルールで進めることが基本ですが、忘れてしまった場合の対応も重要です。

🔁 回し忘れた場合の対応目安

忘れた日数対応方法
1日程度翌日から通常通り再開(多く回さない)
2〜3日連続歯科医院に連絡し、指示を仰ぐ
1週間以上顎の骨が固まり始める可能性あり。必ず診察を受ける

絶対NG!

  • 忘れた分を一気に回す(激痛や装置破損の原因に)

📌 ネジを回す時間を**毎日同じタイミングに固定(例:朝食後)**することで、忘れにくくなります。

急速拡大装置の治療を検討されている方から寄せられる、よくある質問とその回答をまとめました。不安や疑問の解消にお役立てください。

🤔 装置の装着は痛い?

🅰️ 装置の装着自体はほとんど痛みはありません。
ただし、装着初日やネジを回し始めた直後は、上顎に圧迫感や軽い痛みを感じることがあります。これは骨が広がり始める生理的反応であり、多くの場合は3〜5日ほどで自然に慣れていきます。

🧊 痛みが強い場合の対処法:

  • 冷たい水やアイスで冷却
  • 市販の鎮痛薬(ロキソニン・イブなど)の服用
  • 柔らかい食事に切り替える

📌 数日以上痛みが続く場合は、無理をせず歯科医院にご相談ください。

🔄 後戻りのリスクはある?

🅰️ 固定期間と保定期間をしっかり守れば、後戻りのリスクはかなり低く抑えられます。

拡大が完了した直後は、骨がまだ安定しておらず、放置すると**元の状態に戻ってしまう(後戻り)**恐れがあります。そのため、以下の2段階が非常に重要です:

  1. 固定期間(約3〜6ヶ月):装置をそのまま付けて骨の再生と安定を待つ
  2. 保定期間(約6ヶ月〜1年以上):リテーナーで形をキープ

📌 歯科医の指示通りにリテーナーを装着することで、後戻りの多くは防げます。

🗣 発音は変わる?

🅰️ はい、一時的にサ行・タ行などが話しづらくなることがあります。
これは、上顎に装置があることで舌の動きが制限されるために起こるものです。

💬 多くの方は、1〜2週間で自然と慣れ、元の発音に戻ります。適応を早めるには以下のようなトレーニングが効果的です。

🔊 発音の慣れ方:

  • 「さしすせそ」「たちつてと」をゆっくり音読
  • 水分をとりながら話すと滑舌がよくなる
  • 鏡を見ながら話して舌の動きを意識

📌 発音が心配な方には、音読トレーニングシートのご用意もあります。お気軽にご相談ください。

⏱ どのくらいで効果が出る?

🅰️ 急速拡大装置は、早ければ2〜4週間で上顎の拡大が完了します。
拡大が進むと、前歯の間にすき間があく「正中離開(せいちゅうりかい)」が現れることが多く、これは効果が出ているサインです。

その後は、**骨を安定させるための固定期間(3〜6ヶ月)**に入り、装置をそのままにしておくことで顎の形が安定していきます。

📌 拡大そのものは短期間で完了しますが、最終的な矯正や後戻り防止まで含めると全体で半年〜1年半程度の治療計画になることが一般的です。

急速拡大装置(RPE)は、上顎の骨格そのものを広げることで、歯並び・呼吸・顔貌バランスにまで多面的な効果をもたらす矯正装置です。

🦷 抜歯せずに矯正したい方、叢生や口呼吸が気になるお子さんにとって、非常に有効な治療選択肢となります。

✅ 急速拡大装置の重要ポイント

  • 顎を広げることで将来的な矯正治療がスムーズに
     歯が並ぶスペースを確保し、抜歯を回避できる可能性が高まります。
  • 成長期の子どもに最も効果的
     6歳〜15歳の骨が柔らかい時期がベストタイミング。顔立ちのバランス改善にもつながります。
  • 成人でもMSE矯正で拡大は可能
     骨が硬くなっても、ミニスクリューを活用した方法で対応可能です。

🔑 治療成功のカギは「ケア」と「連携」

  • 装置の使い方やネジ回しの習慣づけ
  • 虫歯・歯肉炎を防ぐための毎日の口腔ケア
  • 痛みや違和感への早めの対応と相談
  • 歯科医との密なコミュニケーション

このような日常の積み重ねが、成功する矯正治療に直結します。


📞 まずは矯正相談から一歩を!

急速拡大装置が必要かどうかは、顎の状態や成長具合を見たうえでの専門的な診断が不可欠です。気になる症状やご不安があれば、ぜひお近くの矯正歯科でご相談ください。

江戸川区篠崎で急速拡大装置を用いた矯正治療をご検討の方へ

「お子様の歯並び、大丈夫ですか?」
江戸川区篠崎駅前の当院では、顎の成長を見据え、美しい歯並びへ導く「急速拡大装置」を使用した矯正治療を行っています。

顎が小さく、歯が並ぶスペースが足りない
噛み合わせがずれている(交叉咬合)
将来的に歯を抜かずに矯正したい

このようなお悩みをお持ちの方に、成長期に適した治療をご提案させていただきます。 お子さまの歯並びが気になる方は、お気軽にご相談ください!

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

Follow me!