骨粗鬆症とは?高齢者に多発する骨折の原因と予防法
骨粗鬆症とは
骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 日本では、約1,000万人の患者さんがいるといわれており、高齢者人口の増加に伴ってその数は増える傾向にあります。
骨の構造から見ると、皮質骨(骨の周りの部分)よりも海綿骨(骨の中心部分)で骨の量の減少が明らかです。骨の柔軟性に関わるコラーゲンを多く含む海綿骨の量が減ると、複雑にからみあったスポンジのような網目構造がくずれて、スポンジのスカスカ部分が多くなり骨が弱くなるのです。
そして骨は、柔軟性を失い骨折しやすい体になるのです。中でも、大腿骨頚部(脚のつけ根)や前腕、上腕骨頚部(肩)に骨折が多く見られます。
カルシウム摂取で骨粗鬆症は防げるか?
仮に骨が固くなったとしても、柔軟性がなければ骨折は防げません。むしろ、コラーゲンを増やす食事や生活習慣を身に着けることが重要です。
従って、カルシュウムを大量に摂ったからといって骨粗鬆症を防げるわけではありません。
骨粗鬆症による骨の組成変化
骨がスカスカの状態に
健康な人の骨は皮質骨や海綿骨が緻密ですが、骨粗しょう症の進行とともにスカスカの状態になっていきます。
骨粗鬆症は死亡リスクの高い疾患
骨粗鬆症の5年生存率は約50%
骨粗鬆症と聞くとあまり恐ろしい病気の様に感じない方が多いと思います。 しかし5年生存率は約50%と高く、決してあなどれない病気です。
椎体骨折と大腿頸部骨折患者の5年生存率を見るとそれぞれ60%、50%となっています。 また、骨粗鬆症になると脳梗塞や心筋梗塞などの血管の病気になりやすい事も死亡率を高めています。
特に閉経後の女性は急速な女性ホルモンの分泌の低下が骨粗鬆症の原因となりますので注意してください。
骨粗鬆症になり易い人は?
- 女性である
- 早期閉経の女性である
- 55歳以上である
- やせていて小さな体格ある
- 屋外に出ることが少ない
- ダイエットをしたことがある
- 運動不足である
- 喫煙・飲酒の習慣がある
- 胃や腸の手術をしたことがある
- 内服のステロイド剤を使っている
骨粗鬆症の予防と改善
ー 食事 ー
カルシウムの過剰摂取を避ける。カルシウム豊富な食材を意識して摂取する必要はありません。むしろ、マグネシウムを多く含む食材(きな粉、イワシ丸干し、干しえび、アオサ、青のり、わかめ、ひじき)を摂取することが重要です。
ー 運動 ・日光浴ー
骨に力をかけることで、骨を強くする。日光にあたると皮下でビタミンDがつくられる(腸からのカルシウムの吸収を高める)。昼間に30分ほど外にいるだけでも十分(夏は日陰でもよい)。
歯周病と骨粗鬆症の関係
歯周病は歯周ポケットに存在する細菌によって、歯茎に炎症が起こり、歯周組織の破壊(歯肉の炎症や歯根を支えている骨が溶かされる)が起こる病気です。
骨粗鬆症のために歯周組織の骨もスカスカの状態になっていたら、歯周病でさらに骨を溶かすことはたやすい事です。
したがって、骨粗鬆症の方は歯周病になりやすく重症化しやすいわけです。
特に閉経後の女性の方は歯周病を重症化しないためにも骨粗鬆症に配慮した生活習慣を身につけることが重要です。
骨粗鬆症の治療薬・ビスフォスフォネート製剤と歯科治療
ビスフォスフォネート製剤の副作用
骨粗鬆症の第1選択の治療薬として使われる「ビスフォスフォネート製剤」は、大変効果のある薬剤ですが、副作用として、顎骨骨髄炎・顎骨壊死などの問題を起こすことが稀にあります。
発生頻度は1%未満と低いですが、口腔内の環境が不衛生であったり、歯周病・根尖病巣などの慢性炎症が存在する口腔環境下で頻度は高まります。特に3年以上継続的に使用している場合に顎骨骨髄炎・顎骨壊死の頻度が更に高まっています。
骨粗しょう症の方は、歯科治療を受ける際には必ず歯科医師に薬剤の服用(注射もあり)について告げることが重要です。
※「ビスフォスフォネート製剤」は、がん治療の化学療法と併用して破骨細胞の活性化を阻害する薬としてもよく使用されています。
江戸川区篠崎で歯周病予防・治療をご検討の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、患者様の大切な歯を1本でも延命するため、軽度歯周病から重度歯周病に至るまで様々な対策を行い、歯周病予防をはじめ、早期発見・早期治療で症状の改善・維持を行い、抜歯回避に努めております。
江戸川区篠崎で骨粗鬆症に罹患していて歯周病予防・歯周病治療をご希望の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談下さい。
【動画】歯周病の手遅れの症状
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。