- 1. 歯磨き粉の適量とは?
- 1.1. 年齢別|歯磨き粉の使用量とフッ素濃度
- 2. フッ素入り歯磨き粉はなぜ虫歯予防に効果がある?
- 2.1. 歯の再石灰化を促す
- 2.2. 歯を酸に強くする
- 2.3. 虫歯菌の働きを抑える
- 3. 歯磨き粉をつけすぎるとどうなる?
- 3.1. 泡立ちすぎて磨き残しが増えることがある
- 3.2. 子どもは飲み込みに注意する
- 3.3. 歯磨き粉が少なすぎるのもよくない?
- 4. フッ素の効果を高める歯磨き粉の使い方
- 4.1. 就寝前を含めて1日2回歯を磨く
- 4.2. 歯磨き後は何度もすすがない
- 5. 子どもの歯磨き粉の使い方
- 5.1. 歯が生えてから2歳まで
- 5.2. 3~5歳
- 5.3. 6歳以上
- 6. 子どもの歯磨き粉を選ぶときの注意点
- 6.1. ジェルタイプの歯磨き粉でもいい?
- 6.2. 大人もフッ素濃度を確認しよう
- 7. まとめ
- 7.1. 関連記事
- 8. 虫歯予防は、毎日の正しい歯磨きから
- 9. 【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
- 10. 筆者・院長
- 10.1. 深沢 一
- 10.1.1. メッセージ

毎日の歯磨きで何気なく使っている歯磨き粉ですが、「たくさん使うほど虫歯予防に効果がある」と思っていませんか。
歯磨き粉は、多く使えばよいというものではありません。特にフッ素(フッ化物)配合歯磨き粉は、年齢に合ったフッ素濃度と使用量を守ることが大切です。
近年、フッ素入り歯磨き粉の推奨される濃度や使用量が見直されており、以前とは基準が変わっている部分もあります。
この記事では、現在の推奨に基づいて、大人・子どもの歯磨き粉の適量、年齢別のフッ素濃度、虫歯予防効果を高める使い方についてわかりやすく解説します。
歯磨き粉の適量とは?
歯磨き粉の適量は、年齢によって異なります。
特にフッ素配合歯磨き粉では、「フッ素濃度」と「使用量」の両方を年齢に合わせることが重要です。

現在、日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科医学会の4学会では、次の使用方法を推奨しています。
年齢別|歯磨き粉の使用量とフッ素濃度
| 年齢 | 歯磨き粉の使用量 | 推奨されるフッ素濃度 |
|---|---|---|
| 歯が生えてから2歳 | 米粒程度(1~2mm程度) | 900~1,000ppmF |
| 3~5歳 | グリーンピース程度(約5mm) | 900~1,000ppmF |
| 6歳~成人・高齢者 | 歯ブラシ全体(1.5~2cm程度) | 1,400~1,500ppmF |
以前は、小さな子どもには500ppm程度の低濃度の歯磨き粉が勧められることもありました。
しかし、現在は国内外の知見を踏まえ、歯が生えてから5歳までは900~1,000ppmF、6歳以上では1,400~1,500ppmFのフッ素配合歯磨き粉が推奨されています。
ただし、小さな子どもでは歯磨き粉を飲み込む可能性があるため、フッ素濃度だけでなく、年齢に応じた使用量を守ることが重要です。
フッ素入り歯磨き粉はなぜ虫歯予防に効果がある?
フッ素には、虫歯予防に役立つ複数の働きがあります。

歯の再石灰化を促す
食事をすると、細菌がつくる酸によって歯の表面からカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出す「脱灰」が起こります。
フッ素には、唾液中のカルシウムやリンが歯に戻る「再石灰化」を促す働きがあります。
歯を酸に強くする
フッ素が歯の表面に作用することで、酸に対する抵抗性を高め、虫歯になりにくい環境をつくります。
虫歯菌の働きを抑える
フッ素には、虫歯の原因となる細菌の働きを抑え、酸がつくられるのを抑制する作用もあります。
そのため、フッ素入り歯磨き粉は毎日の虫歯予防に有効な方法の一つです。
歯磨き粉をつけすぎるとどうなる?
歯磨き粉は多ければ多いほど効果が高くなるわけではありません。

泡立ちすぎて磨き残しが増えることがある
歯磨き粉を大量につけると、短時間で口の中が泡でいっぱいになることがあります。
そのため「十分に磨いた」という感覚になり、ブラッシング時間が短くなってしまうことがあります。
大切なのは歯磨き粉の量を増やすことではなく、歯ブラシの毛先を歯面や歯と歯ぐきの境目にきちんと当て、丁寧に歯垢を取り除くことです。
子どもは飲み込みに注意する
乳幼児は、歯磨き粉をうまく吐き出せず、飲み込んでしまうことがあります。
歯が形成される時期にフッ素を過剰に摂取する状態が長期間続くと、「歯のフッ素症」が生じる可能性があります。
そのため、子どもではフッ素を避けるのではなく、年齢に合った濃度と使用量を守って使用することが重要です。
歯磨き粉が少なすぎるのもよくない?
フッ素配合歯磨き粉の場合、使用量が少なすぎると、口の中に供給されるフッ素量が少なくなり、期待する虫歯予防効果を十分に得にくくなる可能性があります。
「子どもだからフッ素入り歯磨き粉はほんの少しだけ」「大人でも少量で十分」と自己判断するのではなく、年齢に応じた適量を目安にしましょう。
フッ素の効果を高める歯磨き粉の使い方
歯磨き粉は、量だけでなく使い方も重要です。

就寝前を含めて1日2回歯を磨く
4学会の推奨では、フッ素配合歯磨き粉を使用して、就寝前を含め1日2回歯を磨くことが勧められています。
特に就寝中は唾液の分泌量が減少するため、寝る前に丁寧に歯を磨くことが大切です。
歯磨き後は何度もすすがない
歯磨き後に何度も水ですすぐと、口の中に残ったフッ素が流れ出てしまいます。
歯磨き後は歯磨き粉を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回程度にしましょう。
「歯磨き粉が口に残っている感じがするから」と何度もすすがないことが、フッ素を口の中に残すポイントです。
子どもの歯磨き粉の使い方

歯が生えてから2歳まで
歯が生えてきたら、900~1,000ppmFのフッ素配合歯磨き粉を使用できます。
使用量は、**米粒程度(1~2mm程度)**が目安です。
就寝前を含めて1日2回歯を磨きます。歯磨き後に歯磨き粉を吐き出すことが難しい場合は、必要に応じてティッシュなどで軽く拭き取っても構いません。
歯磨き粉は子ども自身に持たせたままにせず、保護者が量を管理しましょう。
3~5歳
900~1,000ppmFのフッ素配合歯磨き粉を、**グリーンピース程度(約5mm)**使用します。
歯磨き後は歯磨き粉を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回程度にします。
子どもが自分で適量を出すことが難しい場合は、保護者が歯ブラシにつけてあげましょう。
6歳以上
6歳以上では、大人と同じように1,400~1,500ppmFのフッ素配合歯磨き粉が推奨されています。
使用量は歯ブラシ全体、1.5~2cm程度が目安です。
歯磨き後は軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回程度にします。
子どもの歯磨き粉を選ぶときの注意点
子ども用の歯磨き粉を選ぶときは、「子ども用」と書かれているかだけでなく、フッ素濃度を確認することが大切です。
歯が生えてから5歳までは900~1,000ppmF、6歳以上では1,400~1,500ppmFが現在の目安です。
また、1,400~1,500ppmF程度の高濃度フッ素配合歯磨き粉は、6歳未満の子どもには使用しないようにしましょう。
歯磨き粉は子どもの手の届かない場所に保管し、大量に飲み込まないよう注意することも大切です。

ジェルタイプの歯磨き粉でもいい?
ジェルタイプの歯磨き粉にもフッ素配合製品があります。
泡立ちが少ない製品は、口の中を確認しながら磨きやすいというメリットがあります。
ただし、「ジェルだから虫歯予防効果が高い」「泡立たないからフッ素が多い」とは限りません。
製品を選ぶ際は、タイプだけで判断せず、フッ素が配合されているか、何ppmF含まれているかを確認しましょう。
大人もフッ素濃度を確認しよう
フッ素濃度を気にするのは子どもだけではありません。
6歳以上の子どもから成人・高齢者まで、1,400~1,500ppmFのフッ素配合歯磨き粉が推奨されています。
特に、虫歯になりやすい方、歯ぐきが下がって歯根が露出している方、口が乾きやすい方などは、虫歯のリスクが高くなることがあります。
毎日の歯磨きだけでなく、定期的に歯科医院でお口の状態を確認し、自分に合ったセルフケアについて相談するとよいでしょう。
まとめ
歯磨き粉は、「多ければ多いほどよい」というものではありません。
現在の推奨では、フッ素配合歯磨き粉について、**歯が生えてから2歳までは900~1,000ppmFを米粒程度、3~5歳では900~1,000ppmFをグリーンピース程度、6歳以上では1,400~1,500ppmFを歯ブラシ全体(1.5~2cm程度)**使用することが目安とされています。
また、就寝前を含めて1日2回磨き、歯磨き後のうがいは少量の水で1回程度にすることもポイントです。
年齢に合ったフッ素濃度と適切な使用量を守り、毎日の歯磨きに上手に取り入れて虫歯予防につなげましょう。
関連記事
虫歯予防は、毎日の正しい歯磨きから

歯磨き粉の種類やフッ素濃度、使用量は、年齢やお口の状態によって適したものが異なります。毎日きちんと磨いていても、磨き残しやセルフケアの方法によっては虫歯のリスクが高くなることがあります。定期検診では、お口の状態を確認し、一人ひとりに合った歯磨き方法や歯磨き粉の選び方をアドバイスします。
【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





