🦷歯ぐきの腫れや出血、口臭など、歯周病の症状にお悩みではありませんか?
その原因の多くは、歯の表面や歯周ポケット内にこびりついた「バイオフィルム」という細菌のかたまりです。
このバイオフィルムを効率よく除去し、歯周病の進行を防ぐ治療法が**「デブライドメント」**です。

本記事では、デブライドメントとはどのような処置なのか、使用される機器や具体的な治療方法、さらには虫歯や歯ぐきの健康を守るための予防効果まで、わかりやすく解説していきます。

🔍歯周病の原因「バイオフィルム」を取り除く治療

デブライドメントとは、歯周病の原因である「バイオフィルム」を物理的に除去する治療法です。バイオフィルムとは、歯垢(プラーク)が集まり、細菌が膜のように歯や歯ぐきの表面に定着した状態を指します。この膜は非常に強固で、通常の歯みがきでは落としきれません。デブライドメントでは、専用の器具を使ってこのバイオフィルムを破壊・除去し、歯周病の進行を抑えることが目的です。

デブライドメン
デブライドメン

🧫プラークや歯石の温床を徹底除去

バイオフィルムが蓄積すると、そこに歯石も付着しやすくなり、歯ぐきの炎症や出血、歯のグラつきといった症状を引き起こします。デブライドメントでは、スケーリング(歯石除去)やPMTC(専門的な歯面清掃)、さらにエアフローといった機器を組み合わせて、プラーク・歯石の温床を根本から除去します。これにより、歯周ポケットの中まで清潔に保ち、再発を防ぐことができます。

🪥スケーリングやPMTCとの違いとは?

デブライドメントにはいくつかの手法があり、代表的なものがスケーリングとPMTCです。
スケーリングは、歯の表面や歯周ポケット内に付着した歯石を、専用の器具で機械的に除去する処置です。一方、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、歯科衛生士などの専門家によって行われる歯面の徹底クリーニングで、主にバイオフィルムやステインの除去に用いられます。

これらの治療は「見える部分」だけでなく、「見えない歯周ポケット内」に対してもアプローチできるため、初期〜中等度の歯周病に効果的です。

💨エアフローによる歯面清掃の特徴

エアフロー
エアフロー

エアフローとは、微粒子パウダー・水・空気を噴射して、歯面や歯周ポケット内の汚れを除去する最新のクリーニング技術です。
特に歯ぐきの奥深くにあるバイオフィルムに効果的で、従来のブラシや器具では届きにくい部分まで清掃が可能です。

また、エアフローは歯や歯肉へのダメージが少なく、痛みもほとんど感じにくいため、患者さんにとって負担の少ない治療法として人気があります。歯の表面だけでなく、インプラント周囲や歯周ポケット内の除菌にも優れており、メンテナンスとしても非常に有効です。

🔧歯面に優しい直線型チップで痛みを最小限に

スプラソンP-MAX2
スプラソンP-MAX2

スプラソンP-MAX2は、超音波を用いた歯周治療機器で、特にデブライドメントにおいて高い性能を発揮します。
この機器の最大の特長は、直線的な形状をした専用チップを使用する点です。チップを強く押し当てることなく振動が伝わるため、歯面や歯根への圧が少なく、処置中の痛みが抑えられます。

従来の機器では歯面に圧をかけて使用する必要があり、敏感な歯肉や歯根に負担がかかることがありましたが、P-MAX2ならその心配が少ないため、患者さんのストレス軽減にもつながります。

📉歯根を傷つけずに高精度な清掃が可能

スプラソンP-MAX2は、あらかじめ設定されたパワー(振幅とトルク)で安定した超音波振動を出すため、歯科医師が余計な力を加えなくても高精度な清掃が可能です。
歯周ポケットの奥深くにあるバイオフィルムや沈着物を除去する際にも、歯根表面を傷つけることなく処置できるのが大きな利点です。

特に5mm以上の歯周ポケットにおいては、視認性が低く難易度が高いため、このような高性能な機器の使用が、歯周組織を保護しつつ、効果的な除菌と治療を実現します。

🦴骨吸収の進行を視覚的に確認

骨吸収の進行を視覚的に確認
骨吸収の進行を視覚的に確認

デブライドメントを行うことで、歯周病による骨の吸収(骨の溶解)の進行状況を把握し、適切な治療計画を立てることが可能です。
実際のレントゲン画像では、第2小臼歯の手前側で歯槽骨が大きく吸収されている様子が確認されました。歯ぐきの腫れや出血だけでは判断できない進行度も、レントゲンを使うことで明確に視覚化され、患者への説明や予後管理にも役立ちます。

歯科医師がプローブ(探針)を用いて、レントゲン写真と照合することで、実際の歯周ポケットの深さや骨の状態をより正確に評価できます。

📏歯周ポケット深さとバイオフィルムの関係

スプラソンP-MAX2によるデブライドメント
スプラソンP-MAX2によるデブライドメント

歯周ポケットが深くなるほど、内部にバイオフィルムが形成されやすく、通常の歯みがきや一般的なクリーニングでは届かなくなります。
レントゲン上での骨吸収の進行と、歯周ポケットの深さは密接に関係しており、5mm以上のポケットでは病原性の高いバイオフィルムが多く存在する可能性があります。

そのため、デブライドメントではスプラソンP-MAX2やエアフローなどの精密な機器を使用し、ポケット内部の清掃を徹底することが重要です。レントゲンとポケット検査を組み合わせることで、治療前後の変化を客観的に把握でき、効果的な治療の指標となります。

🧪歯周ポケット内のバイオフィルムを徹底除去

ポケットディプラーキングとは、歯周ポケットの内部に付着したバイオフィルムを物理的に破壊・除去する処置です。
この処置は、特に歯周病の再発予防やメンテナンスにおいて非常に重要で、通常のスケーリングやブラッシングでは取り除けない深部の汚れにも対応できます。

バイオフィルムは時間とともに成熟し、抗菌薬にも強い耐性を持つため、定期的に物理的なリセットが必要です。ポケットディプラーキングは、そのバイオフィルムを根本から除去するための有効な手段です。

🦠エアフロー専用チップで効率よく洗浄

処置には、エアフロー専用のチップが用いられます。このチップは、歯周ポケットの深さに応じて設計された細くて直線的な形状をしており、ポケット内の汚れにピンポイントで届きます。
水と微細なパウダーを同時に噴射することで、歯や歯ぐきにやさしく、かつ強力にバイオフィルムを洗浄できます。

特に炎症が少ない状態でもポケット内の清掃は重要であり、見た目には健康そうでも、ポケット内部には病原性細菌が潜んでいることがあるため、エアフローの使用は再発防止に効果的です。

🛡️虫歯予防にもつながる副次的効果

ポケットディプラーキングは歯周病対策だけでなく、虫歯予防にもつながるメリットがあります。
バイオフィルムの中には虫歯の原因菌(ミュータンス菌)も含まれており、これらを定期的に除去することで、歯の表面や歯間部の再石灰化が進み、虫歯のリスクを軽減することができます。

また、口腔内の衛生状態が改善されることで、口臭の予防や全身の健康維持にも良い影響を与えるとされています。定期的なディプラーキングは、健康な歯ぐきと歯を長く保つための重要なケアといえるでしょう。

江戸川区篠崎で歯周病治療をご検討中の方へ

当院では、歯ぐきの腫れ・出血・口臭などの原因となるバイオフィルムを、**専用機器による「デブライドメント」**で徹底的に除去しています。

スプラソンP-MAX2やエアフローを用いた低刺激な治療で、歯根を傷つけず、痛みを抑えたケアが可能です。
「歯みがきだけでは届かない奥の汚れが気になる」「繰り返す歯ぐきの炎症に困っている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

江戸川区篠崎の地域密着型歯科医院として、皆さまのお口の健康をサポートいたします。

【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

Follow me!