ウォーキングブリーチの効果と注意点:失活歯のホワイトニング
神経が死んだ歯を放置すると変色
神経の死んだ歯は根管治療
歯の歯髄を除去することを抜髄と言います。また、根の中を薬で消毒することを根管治療と呼んでいます。
前歯を強く打つと、多くのケースで一時的な痛みの後、症状が緩和します。治ったと思って、そのまま放置すると数ヶ月~数年後に歯が変色してきます。
歯の色が変色した歯髄は死んでいいるので細菌感染を伴い根尖病巣を作り、歯茎にフィステルが出来ることがあります。そのため、抜髄や根管治療が必要となります。
外傷により変色した歯の本体には損傷(虫歯による実質欠損)が無いため、抜髄は歯の裏側に穴を開けて行い、根管治療が完了したら裏側の穴をコンポジットレジンで充填して終了します。
しかし、治療が完了してから数ヶ月~数年経つと歯が変色してきます。この時、変色した失活歯をホワイトニングするのにウォーキングブリーチやインターナルブリーチなどの治療法が有効となります。
ウォーキングブリーチの術式
STEP
根管治療
強くぶつけた歯の神経は死に、次第に黒っぽく変色します。
痛みが起これば根管治療が必要となり、歯の裏側に穴を開けて感染した歯髄を除去し、根管内を根充剤で封鎖します。
根管治療が終了すれば裏側に開けた穴をコンポジットレジンで塞げば治療は終了します。しかし、変色した歯はそのままです。
STEP
ホワイトニング剤(漂白剤)を入れる
根管内にホワイトニング剤(漂白剤)を入れて仮に封鎖します。漂白剤の成分は象牙細管を通ってエナメル質まで到達し、象牙質及びエナメル質内の色素沈着を漂白します。
STEP
2回目のホワイトニング剤填入
漂白剤の効果は8時間ほど持続しますが、1回の処置で十分な結果が得られない場合には、漂白剤を新しいものと取り替える処置を2、3度繰り返すことで変色した歯は綺麗に白くなります。(歯の黒ずみの度合いによって回数は異なります。)
STEP
コンポジットレジン充填
裏側に開けた穴をコンポジットレジンで埋めて治療は完了します。治療期間は概ね、1週間から3週間といったところです。
ウォーキングブリーチ法のデメリット
欠点
歯根破折
歯の神経を取ると歯質は弱くなります。さらに、コンポジットレジンを除去する際に健全歯質は薄くなります。根管内に入れた過酸化水素が反応して内圧が高まります。その圧力で歯根が破折することがまれにあります。
欠点
痛みが起こる
漂白剤の化学反応で内圧力が高まると、ウォーキングブリーチの処置後2時間ほどで強い痛みが起こることがあります。痛みが起こった場合には直ちに来院してホワイトニング剤を除去する必要があります。
欠点
白い歯の状態の持続期間
ウォーキングブリーチで綺麗な白い歯になっても何年か経つと再び変色するリスクがあります。
歯根破折のリスクを抑えるインターナルブリーチ法とは?
歯根破折のリスクを低減
インターナルブリーチとは歯の中に漂白薬を入れてホワイトニングする方法の総称です。 ウォーキングブリーチもその一つといえます。
ウォーキングブリーチは上記の様な歯根破折のリスクがあるので、漂白剤を根管に入れて蓋をするのではなく、歯科医院において薬剤を根管に入れて反応させ、帰宅時には歯根の中には漂白剤を入れない方法を狭義の意味でインターナルブリーチと呼んでいます。
ウォーキングブリーチとインターナルブリーチを併用することも可能で、短期間に効果を期待される方にはお薦めです。
インターナルブリーチの方が治療の手間がかかるため費用は割高になります。
ウォーキングブリーチの費用
自費治療
保険適用外です。
治療内容 | 費用(税別) | |
---|---|---|
ウォーキング ブリーチ | 変色歯1歯 (神経のある歯はできません) | 1回目 ¥13,000 2回目以降 ¥3,000 |
インターナル ブリーチ | 変色歯1歯 (神経のある歯はできません) | 1回目 ¥15,000 2回目以降 ¥5,000 |
ウォーキング インターナル併用 | 変色歯1歯(神経のある歯はできません) | 1回目¥17,000 2回目以降¥7,000 |
江戸川区篠崎でウォーキングブリーチをご希望の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、加齢や飲食等で歯の色素付着にお悩みの方に、オフィスホワイトニングとして短期間でホワイトニング効果を実感できる歯や歯茎に負担の少ないビヨンドホワイトニングをご提供しております。まや、歯の色が濃い方はホームホワイトニングをお薦めしています。江戸川区篠崎でウォーキングブリーチ治療をご検討中の方はぜひ、当院へお気軽にご相談ください。
【動画】ホームホワイトニングの効果的なやり方
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。