ブリッジの歯が痛む6つの原因とその解決策

歯のブリッジ治療は、歯の欠損部分を補うための一般的な歯科治療ですが、設計やかみ合わせに問題がある場合、痛みや不快感を生じる可能性があります。以下に、主な原因と対策について詳しく解説します。

【動画 28秒】ブリッジの歯が痛む6つの原因とその解決策

歯のブリッジが痛いと感じる主な理由

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 健康な歯を削ることによる神経への影響

ブリッジを作る際には、土台となる健康な歯を削る必要があります。 特に、土台となる歯同士の平行性が悪い場合、削る量が多くなるため、神経に刺激が加わりやすくなります。結果、次のような症状が現れることがあります。

  • 冷たいものや熱いもので凍みるようにな
    切削量が多いと、神経が刺激を受けやすくなります。
  • 噛んだ時の痛み
    噛み合わせた時に痛みが生じることがあります。症状が改善しない場合、神経を除去する治療が必要になることもあります。

回避法

歯を削った後、象牙質の表面を特殊な薬剤でコーティングを行います。

必要最小限の切削に留める設計を心がけます。

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 噛み合わせの不調

土台となる歯の本数に対して歯の欠損部が多い場合などロングスパンブリッジとなり負担加重が起こります。また、噛み合わせが高すぎる、または低すぎる場合、歯に過剰な負担がかかり、痛みや違和感を引き起こすことがあります。こうした場合、噛む動作がスムーズでなくなり、支台歯(ブリッジを支える歯)や他の健康な歯に負担をかけることになります。

回避法

  • 土台の歯の負担を軽減するために、インプラントや部分義歯など他の治療法を検討します。
  • 痛みが続く場合、早期に歯科医の正しい噛み合わせになるよう調整を受けて、噛む力を分散させます。

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 歯周病の進行による歯の動揺

ブリッジ周辺の歯茎に腫れや出血が見られる場合、それは歯肉炎や歯周病の兆候です。これらの症状はブリッジ周辺の清掃が不十分な場合に発生しやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを用いて、細かくケアすることが重要です。歯周病が進行し、歯槽骨の破壊が進むと歯がグラグラになり動揺が起こります。このような場合、ブリッジに過剰な力がかかることで痛みが生じます。

回避法

  • 歯周病の進行を防ぐために、定期的な歯周病検査とクリーニングを行います。
  • 歯の動きが大きい場合は、ブリッジを取り外し、他の治療法を検討します。

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 土台の歯に虫歯ができた場合

ブリッジを適切に清掃しないと、被せ物と歯茎の境目から虫歯が発生することがあります。ブリッジの内部で進行する虫歯は、外からは見えにくく、痛みが突然発生することがあります。この場合、支台歯の内部で細菌が繁殖し、感染が広がっている可能性があり、進行するとC3(神経に到達した虫歯)に至り、強い痛みを発生させます。

回避法

  • ブリッジ装着後は、専用のデンタルフロスや歯間ブラシを使い、徹底した清掃を行います。
  • 定期検診のレントゲン診断で早期に問題を発見し、適切な治療を行うこと虫歯の早期発見を心がけます。

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 強い歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯に過剰な負担をかけるため、ブリッジや土台の歯に痛みを感じます。

回避法

  • 夜間にナイトガード(スプリント)を装着して歯を保護します。
  • 歯ぎしりや食いしばりの原因となるストレスを軽減する方法を取り入れます。

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 支台歯の歯根破折

支台歯の歯根が割れてしまうと、非常に強い痛みを感じます。歯根破折が起こる原因には、噛む力の負担や過度な衝撃が含まれます。

回避法

  • 歯根破折が起こると抜歯が必要になることもあります。。

痛みを放置するとどうなるのか?

放置のリスク

ブリッジの痛みを放置すると、支台歯や周囲の歯に悪影響を及ぼし、ブリッジ全体の寿命が短くなる可能性があります。また、痛みが続くことで噛む際の不快感が増し、他の健康な歯にも負担をかけてしまいます。

重症化した場合の治療例

痛みを放置してしまうと、根管治療が必要になる場合があります。虫歯や歯根破折が重症化した場合、ブリッジの再構築や、最悪の場合インプラントへの移行を検討しなければならないこともあります。

歯のブリッジの痛みを軽減する応急処置

自宅でできる応急処置

痛みを感じた際は、患部を冷やしたり、市販の鎮痛剤を使用することで一時的に痛みを和らげることができます。しかし、応急処置はあくまで一時的なものであり、根本的な原因の解決には歯科医の診察が必要です。

歯科医院での処置例

歯科医院では、噛み合わせの調整、虫歯治療、または根管治療を行うことで痛みを取り除きます。緊急時には迅速に対応することで、さらなる悪化を防ぐことができます。

痛みを防ぐための予防策

日常のケア方法

ブリッジの痛みを防ぐためには、日々のケアが重要です。デンタルフロスや歯間ブラシを用いてブリッジ周辺を清掃し、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることを心がけましょう。

歯科医院でのメンテナンス

歯科医院での定期検診では、噛み合わせやブリッジの状態を確認し、必要に応じて調整を行います。これにより、痛みの発生を未然に防ぐことができます。


他の治療法との比較

ブリッジとインプラント

ブリッジとインプラントにはそれぞれメリットとデメリットがあります。ブリッジは比較的短期間で治療が完了しますが、支台歯に負担がかかります。一方、インプラントは独立して機能するため、他の歯に負担をかけませんが、外科手術が必要で治療期間も長くなります。

部分入れ歯との違い

部分入れ歯は取り外しが可能で、手入れがしやすい一方で、装着時の安定性に欠けることがあります。ブリッジは固定されているため安定性が高いですが、支台歯に負担がかかる点で痛みのリスクが異なります。

ブリッジの痛みはさまざまな原因が考えられますが、早期の対応が非常に重要です。痛みを感じた場合は、放置せずに速やかに当院にご相談ください。その際は、痛みの場所、タイミング、強さなどを詳細にお伝えください。適切なケアと専門医による診察で、ブリッジの快適な使用を続けることができます。

【動画】奥歯を抜歯したまま放置すると?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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