目次

✓ 治療した歯がいつまでも痛い

✓ 歯ぐきが腫れる

✓ 膿が出る

✓ 噛むと違和感がある

✓ レントゲンで黒い影があると言われた

これらは根管治療がうまく治癒していないサインかもしれません。

しかし、すぐに抜歯になるとは限りません。

再根管治療や歯根端切除術によって歯を残せるケースも多くあります。

根管治療の失敗症例:奥歯の根管治療が難しい理由は複雑に分岐する細く曲がった根管があるため
根管治療の失敗症例:奥歯の根管治療が難しい理由は複雑に分岐する細く曲がった根管があるため
根管治療の成功症例
根管治療の成功症例

根管治療は、歯の神経が感染した際に根の中を清掃・消毒し、細菌の侵入を防ぐために密閉する治療です。

しかし、根管は非常に細く複雑な構造をしているため、治療後も細菌が残存したり再感染したりすることがあります。

その結果、根の先に炎症が残り、痛みや腫れ、膿などの症状が現れることがあります。

治療後も痛みが続く

根管治療直後には一時的な違和感が出ることがありますが、数週間以上経っても痛みが続く場合は注意が必要です。

根の先に炎症が残っている可能性があります。

歯ぐきが腫れる

歯ぐきが繰り返し腫れる場合、根の先で細菌感染が続いていることがあります。

膿が出る

歯ぐきに小さなできもの(フィステル)ができ、そこから膿が出ることがあります。

これは根尖病巣が存在するサインです。

噛むと痛い

噛んだ時だけ痛みが出る場合は、歯根膜や根尖部に炎症が残っている可能性があります。

レントゲンで黒い影がある

レントゲンで根の先に黒い影が認められる場合、根尖病巣(根尖性歯周炎)が疑われます。

根尖病巣が大きくなる

初期の炎症は無症状でも、時間の経過とともに病変が拡大することがあります。

歯根嚢胞へ進行する

慢性的な炎症が続くと、病変が嚢胞化して大きくなることがあります。

周囲の骨が溶ける

感染が長期間続くと歯を支える骨が吸収されます。

最終的に抜歯が必要になることも

病変が大きくなりすぎると歯を保存できなくなる場合があります。

複雑に曲がった根管

奥歯や犬歯などでは根管が大きく湾曲していることがあります。

器具が届きにくく、感染源を取り切れないことがあります。

見落とされた根管

歯によっては複数の根管があります。

見つかりにくい根管が未処置のまま残ると炎症の原因になります。

側枝感染

根管には主根管から枝分かれした「側枝」が存在します。

側枝は非常に細いため器具が届かず、細菌が残存しやすい部位です。

根管充填不足

根の先端まで緊密に封鎖されていない場合、細菌が繁殖する原因となります。

被せ物からの再感染

治療後の被せ物に隙間があると、そこから細菌が侵入し再感染を起こすことがあります。

根尖病巣が認められる症例

レントゲンで根の先に黒い影が認められる場合、根尖病巣が形成されている可能性があります。

これは骨が炎症によって吸収されている状態です。

根管治療が失敗したケースのレントゲン解説(上顎2番が原因歯)
根管治療が失敗したケースのレントゲン解説(上顎2番が原因歯)

側枝感染による再発

主根管は適切に治療されていても、側枝に感染が残ることで根尖病巣が治らないことがあります。

側枝感染が治癒を妨げる理由|根管治療が難しくなる見えない通路
側枝感染が治癒を妨げる理由|根管治療が難しくなる見えない通路

曲がった根管による感染残存

湾曲が強い根管では十分な清掃が難しく、感染が残存することがあります。

奥歯の根管治療が難しい理由は複雑に分岐する細く曲がった根管があるため
奥歯の根管治療が難しい理由は複雑に分岐する細く曲がった根管があるため

再根管治療(リトリートメント)

最も一般的な治療法です。

既存の根管充填材を除去し、再度清掃・消毒を行い、根管を封鎖します。

適切に行えば多くの歯で改善が期待できます。

症例紹介

治療前は根の先に大きな根尖病巣(黒い影)が認められ、痛みや炎症が続いていました。

再根管治療によって感染源を除去した結果、根尖病巣は消失し、周囲の骨も再生しました。

このように、根管治療のやり直しによって歯を抜かずに保存できるケースも少なくありません。

根管治療が失敗した症例
根管治療が失敗した症例
再根管治療後に根尖病巣が治癒
再根管治療後に根尖病巣が治癒

歯根端切除術

再根管治療で改善しない場合に行われる外科的治療です。

歯ぐきを開き、病変と根の先端を直接取り除きます。

さらにMTAセメントなどを用いて逆根管充填を行い、再感染を防ぎます。

根管治療が失敗した症例

上顎前歯の根尖部に大きな根尖病巣が認められた症例です。

根管充填が根の先端まで十分に届いておらず、細菌感染が持続した結果、周囲の骨が大きく吸収されていました。このまま放置すると、痛みや腫れ、膿の排出を引き起こす可能性があります。

根管治療が失敗したケースのレントゲン解説(上顎2番が原因歯)
根管治療が失敗したケースのレントゲン解説(上顎2番が原因歯)

歯根端切除術による治療

感染した根尖部を切除し、病巣や嚢胞を摘出した後、根の先端をMTAで緊密に封鎖しました。

これにより、通常の再根管治療では届きにくい根尖部の感染源を直接除去することができます。

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<figure class="wp-block-image aligncenter size-full is-resized"><img src="https://2525.biz/wp-content/uploads/2025/09/dr666-2.jpg" alt="歯根端切除術・逆根充・歯根嚢胞摘出術" class="wp-image-41844" style="width:462px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">歯根端切除術・逆根充・歯根嚢胞摘出術</figcaption></figure>
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歯根端切除術・逆根充・歯根嚢胞摘出術

術後の経過

術後3か月のレントゲンでは、根尖病巣が明らかに縮小し、周囲骨の再生が確認されました。

歯根端切除術は難易度の高い治療ですが、抜歯を回避し、自分の歯を残せる可能性のある有効な治療法です。

同症例の経過観察:3か月後の根尖病巣の縮小
同症例の経過観察:3か月後の根尖病巣の縮小

次のような場合は保存が困難になることがあります。

  • 歯根破折
  • 重度の歯周病
  • 広範囲の骨吸収
  • 再治療を行っても改善しない場合

根管治療とインプラントの違い

歯を残せる可能性がある場合は、まず根管治療を検討します。天然歯は噛む感覚に優れ、自分の歯を維持できることが大きなメリットです。

一方、歯根破折などで保存が難しい場合は、インプラントが選択肢となります。インプラントは人工歯根を埋め込むため、しっかり噛める高い安定性が期待できます。

保存不能となった上顎前歯を抜歯した直後の状態。
保存不能となった上顎前歯を抜歯した直後の状態。
骨の治癒後、適切な位置にインプラントを埋入した術中所見。
骨の治癒後、適切な位置にインプラントを埋入した術中所見。
インプラント一次手術後の縫合法。治癒を待ち、次段階の二次オペでアバットメント装着を予定しています。
インプラント一次手術後の縫合法。治癒を待ち、次段階の二次オペでアバットメント装着を予定しています。

根管治療は歯を残す治療、インプラントは失った歯を補う治療です。

どちらが適しているかは、お口の状態を診査したうえで判断します。

  • 拡大鏡による精密治療
  • 根管長測定器による正確な根管長の把握
  • ニッケルチタンファイル使用
  • MTAセメント対応
  • 歯根端切除術に対応

Q. 根管治療をやり直せば必ず治りますか?

必ず治るわけではありませんが、多くの症例で改善が期待できます。

Q. 根尖病巣は自然に治りますか?

原因となる感染が残っている場合、自然治癒はほとんど期待できません。

Q. 痛みがなくても失敗していることはありますか?

あります。レントゲン検査で偶然発見されることも少なくありません。

Q. 抜歯と言われましたが残せる可能性はありますか?

再根管治療や歯根端切除術によって保存できる場合があります。

「痛みが取れない」「また腫れてきた」──根管治療に不安を感じる方も多いですが、再治療や外科的処置で改善できる可能性があります。失敗してもすぐに抜歯ではなく、レントゲン検査で現在の状態を正確に診断し、保存の可能性を検討することが大切です。

【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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