- 1. ⚠️ 根管治療が失敗したときの主な症状
- 1.1. 🤕 治療後の痛みや腫れが続く
- 1.2. 😬 噛むと強い違和感がある
- 1.3. 🩻 レントゲンで炎症や膿が確認できる
- 2. 🔍 根管治療が失敗する原因
- 2.1. 🌀 複雑な根管形態で感染を取り切れなかった
- 2.2. 🦠 治療中の細菌感染
- 2.3. 💥 根管の破折や穿孔(治療中のトラブル)
- 2.4. 🦷 被せ物の不適合による再感染
- 3. 🛠️ 失敗した場合の治療の選択肢
- 3.1. 🔄 再根管治療(リトリートメント)でやり直す
- 3.1.1. 根管治療が失敗した症例
- 3.1.1.1. 🦷 所見の概要
- 3.1.1.2. 🔍 考えられる原因
- 3.1.1.3. ⚡ 臨床症状
- 3.1.1.4. 🩺 治療方針
- 3.1.2. 再根管治療後に根尖病巣が治癒
- 3.1.2.1. 🦷 所見の概要
- 3.1.2.2. 🔍 治療の流れ
- 3.1.2.3. 🩺 まとめ
- 3.2. 🩺 外科的根管治療(歯根端切除術など)
- 3.3. 🦷 抜歯後のインプラント・ブリッジ・入れ歯
- 4. ⚖️ インプラントとの比較|どちらを選ぶべき?
- 4.1. 🦷 歯を残せるなら根管治療を優先
- 4.2. 🔄 再発リスクが高い場合はインプラントが選択肢になる
- 4.3. 💰 費用・治療期間・寿命の違い
- 5. 🛡️ 根管治療の失敗を防ぐためにできること
- 5.1. 🔬 歯科用CTやマイクロスコープを導入している医院を選ぶ
- 5.2. 🧴 無菌的な治療環境(ラバーダム防湿など)の有無を確認
- 5.3. 📅 定期検診で経過観察を受ける
- 6. ✅ まとめ|根管治療の失敗は再治療やインプラントで対応できる
- 7. 根管治療が失敗しても諦めないでください
- 8. 【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
- 9. 筆者・院長

「根管治療をしたのに痛みが残る」「再び腫れてきた」──そんな経験はありませんか?根管治療は歯を残すための大切な治療ですが、成功率は100%ではなく、失敗してしまうケースもあります。この記事では、根管治療が失敗したときの症状・原因・再治療やインプラントとの違い・失敗を防ぐポイントをわかりやすく解説します。
⚠️ 根管治療が失敗したときの主な症状

🤕 治療後の痛みや腫れが続く
根管治療後は一時的に違和感が出ることがありますが、数週間経っても痛みや歯ぐきの腫れが改善しない場合は要注意です。内部に細菌が残っていたり、新たに感染している可能性があります。
😬 噛むと強い違和感がある
食事のときに噛むと「ズキッ」と痛む、あるいは「違和感が強い」と感じるのは、根の周囲に炎症が残っているサインかもしれません。噛む力が伝わるたびに炎症部分が刺激され、症状が長引くことがあります。
🩻 レントゲンで炎症や膿が確認できる
見た目や感覚だけでは判断できない場合もあります。歯科でレントゲンを撮影すると、根の先に黒い影(炎症や膿のサイン)が映ることがあります。この場合、再治療や外科的処置が必要になることが多いです。
🔍 根管治療が失敗する原因
🌀 複雑な根管形態で感染を取り切れなかった
歯の根の中(根管)はとても細く、複雑に枝分かれしています。特に奥歯は根管の形態が入り組んでおり、器具が届かずに細菌や感染部分を完全に取り除けない場合があります。これが残存感染の原因となり、治療失敗につながることがあります。
🦠 治療中の細菌感染
治療中にラバーダム(ゴムのシート)を使わず、唾液や細菌が根管内に入ってしまうと、再び感染が起こるリスクがあります。無菌的な環境を保ちながら治療を行うことがとても重要です。
💥 根管の破折や穿孔(治療中のトラブル)
治療器具の操作中に、**根管が削れすぎて穴が開いたり(穿孔)、歯根が割れてしまう(破折)**ことがあります。これらのトラブルが起こると、感染が広がりやすくなり、治療の成功率は下がります。
🦷 被せ物の不適合による再感染
根管治療が成功しても、その後に装着する被せ物(クラウン)がきちんと適合していないと、すき間から細菌が侵入します。その結果、再感染して炎症や膿が再び発生することがあります。
🛠️ 失敗した場合の治療の選択肢
🔄 再根管治療(リトリートメント)でやり直す
根管治療が失敗した場合、まず考えられるのが**再根管治療(リトリートメント)**です。以前の詰め物を取り除き、再度根管を清掃・消毒して新しい薬剤を充填します。歯を残せる可能性が最も高い方法のひとつです。
根管治療が失敗した症例
このデンタルX線写真は、上顎右側の前歯部(2番・3番)に根尖病巣(こんせんびょうそう)が確認できる症例です。以下に詳細を説明します。

🦷 所見の概要
- 対象歯:上顎右側2番(側切歯)および3番(犬歯)
- 根尖部の透過像:両歯の根尖部に黒っぽい(X線透過性の高い)領域があり、これは骨が溶けている=炎症による骨吸収を示しています。
- 診断名:根尖性歯周炎(根尖病巣)
🔍 考えられる原因
- 根管治療の失敗(再感染)
根管内に残存細菌がいる、または根尖まで十分に清掃・封鎖できていないために炎症が再発した可能性が高いです。 - 根尖封鎖不全
ガッタパーチャによる根管充填が根尖までしっかり届いておらず、感染経路が残っている状態が見られます。 - メタルコアによる再治療困難
金属製のポスト(メタルコア)が挿入されており、再根管治療を行う際に除去が難しいことがあります。
⚡ 臨床症状
- 自発痛(何もしなくてもズキズキ痛む)
- 咬合痛(噛んだ時に痛み)
これらは、根尖部の炎症が進行し、歯根膜や周囲骨に波及していることを示します。
🩺 治療方針
- 再根管治療(リトリートメント)
- メタルコアを除去し、根管内を再清掃・再消毒。
- 根尖まで確実にガッタパーチャで封鎖する。
- 外科的歯内療法(根尖切除術)
- 再治療が難しい場合や改善がみられない場合は、外科的に根尖部を切除して病巣を除去。
- 予後
- 適切な処置で多くは治癒可能ですが、再発リスクもあるため経過観察が重要です。
再根管治療後に根尖病巣が治癒
このX線画像は、前回の根尖病巣が治癒した再根管治療後の経過症例を示しています。以下のように説明できます。

🦷 所見の概要
- 対象歯:上顎右側2番(側切歯)・3番(犬歯)
- 画像の特徴:以前認められた根尖部のX線透過像(黒い影)が消失しており、周囲骨の構造が再生していることが確認できます。
- 診断名:根尖性歯周炎の治癒(根尖病巣消失)
🔍 治療の流れ
- メタルコアの除去
- 初回治療時に挿入されていた金属製ポストを慎重に除去。
- これにより、根管内部へのアクセスが確保されました。
- 再根管治療(リトリートメント)
- 旧充填材(ガッタパーチャ)を除去し、感染源となっていた細菌や壊死組織を徹底的に清掃・消毒。
- 根尖まで確実に根管充填を行い、密閉性を改善。
- 根尖病巣の治癒
- 数か月〜1年の経過で、骨の再生が進み、黒い透過像(病巣部)が消失。
- X線上で正常な骨の密度に戻っています。
- 最終補綴(メタルボンドクラウン)
- 治癒後、強度と審美性を両立するメタルボンド冠を装着。
- 噛み合わせ・見た目ともに良好な状態が維持されています。
🩺 まとめ
この症例は、根管治療のやり直しによって感染を除去し、歯を抜かずに治癒へ導いた成功例です。
根尖部の病巣は完全に吸収され、周囲骨が再生していることから、再根管治療の効果が明確に確認できます。
🩺 外科的根管治療(歯根端切除術など)
再根管治療でも改善しない場合は、外科的根管治療が行われることがあります。代表的なのは歯根端切除術で、歯ぐきを開いて根の先端部分を切除し、感染源を直接取り除きます。難易度は高いですが、歯を抜かずに保存できる可能性があります。
🦷 抜歯後のインプラント・ブリッジ・入れ歯
どうしても歯を残せない場合は抜歯が選択されます。その後は、
- 🦷 インプラント:自然な噛み心地と長期安定性
- 🔗 ブリッジ:比較的短期間での修復が可能
- 🪥 入れ歯:費用を抑えられる選択肢
といった方法があります。患者さんの希望や口腔内の状態に合わせて最適な治療法を選びます。
⚖️ インプラントとの比較|どちらを選ぶべき?
🦷 歯を残せるなら根管治療を優先
自分の歯は、何よりも大切な財産です。残せる可能性があるなら、まずは根管治療を優先するのが基本です。天然の歯は噛み心地や感覚が優れており、インプラントでは完全に代替できない部分があります。
🔄 再発リスクが高い場合はインプラントが選択肢になる
根管治療を繰り返しても炎症が治まらない、歯根が破折しているなど、保存が難しいケースではインプラントが有効な選択肢となります。インプラントは人工歯根を顎の骨に埋め込むため、安定性が高く、しっかり噛めるようになります。
💰 費用・治療期間・寿命の違い
- 根管治療:保険適用で比較的安価、治療期間は数回で済むことも多い。ただし再発リスクあり。
- インプラント:保険適用外で高額、治療期間も数か月かかる。ただし適切に管理すれば10年以上の長期安定性が期待できる。
👉 どちらが適しているかは、歯の状態・年齢・ライフスタイルによって変わります。歯科医師とよく相談して決めることが大切です。
🛡️ 根管治療の失敗を防ぐためにできること
🔬 歯科用CTやマイクロスコープを導入している医院を選ぶ
根管は非常に細く複雑で、肉眼だけでの治療は限界があります。歯科用CTで立体的に確認し、マイクロスコープで拡大視野下で治療することで、成功率は大きく向上します。医院選びの際は、これらの設備が整っているかチェックしましょう。
🧴 無菌的な治療環境(ラバーダム防湿など)の有無を確認
治療中に細菌が侵入すると再感染のリスクが高まります。そのため、ラバーダム(ゴムのシート)を使い、無菌的に処置できる環境が整っていることが重要です。感染を防ぐ工夫をしている医院を選ぶと安心です。
📅 定期検診で経過観察を受ける
根管治療が終わった後も、定期的に歯科でチェックを受けることが大切です。レントゲンで炎症や膿が再発していないか確認し、必要に応じて早めに対応することで、歯を長く守ることができます。
✅ まとめ|根管治療の失敗は再治療やインプラントで対応できる
根管治療は🦷非常に精密で難易度の高い治療のため、残念ながら失敗してしまうケースもあります。ですが、そこで終わりではありません。
🔄 再根管治療
🩺 外科的処置(歯根端切除など)
🦷 インプラント・ブリッジ・入れ歯
といった選択肢があり、歯を守るための方法は複数存在します。
大切なのは、できる限り歯を残すことを第一に考えること。そのうえで、自分の症状やライフスタイルに合った治療法を歯科医師と一緒に選びましょう✨。
根管治療が失敗しても諦めないでください

「痛みが取れない」「また腫れてきた」──根管治療に不安を感じる方も多いですが、再治療や外科的処置で改善できる可能性があります。失敗してもすぐに抜歯ではなく、歯を守る方法があることを知っていただきたいです。
【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。


