前歯のブリッジ治療は、失った歯の機能や審美性を回復する優れた治療法ですが、長期間の経過によって歯肉退縮(歯ぐき下がり)が起こることがあります。今回の症例では、前歯部のメタルボンドブリッジ装着後に歯肉退縮が進行したケースをご紹介します。

赤矢印は歯肉退縮、横矢印は1〜3番のメタルボンドブリッジ。支台歯の歯肉が下がり、境目が見えやすくなっています。
赤矢印は歯肉退縮、横矢印は1〜3番のメタルボンドブリッジ。支台歯の歯肉が下がり、境目が見えやすくなっています。

写真では、上顎前歯部に装着されたメタルボンドブリッジ周囲の歯肉が大きく下がっています。

特に赤矢印で示した部分では、

  • ブリッジの支台歯周囲の歯肉退縮
  • 歯根面の露出
  • ブラックトライアングル(歯と歯の間の隙間)

が認められます。

また、左右の犬歯から前歯にかけて歯肉ラインが不揃いとなり、見た目にも違和感が生じています。

メタルボンドブリッジで歯肉退縮が起こる原因

歯周病の進行

最も多い原因は歯周病です。

歯周病によって歯を支える骨(歯槽骨)が吸収されると、その上にある歯ぐきも一緒に下がります。

ブリッジが入っていても歯周病は進行するため、定期的なメインテナンスが欠かせません。

加齢による変化

年齢とともに歯肉は徐々に退縮する傾向があります。

特に装着から10年以上経過した補綴物では、歯肉ラインの変化が目立つことがあります。

過度なブラッシング

強い力で歯磨きを続けると歯肉が傷つき、徐々に退縮することがあります。

特に犬歯周辺はブラッシング圧が集中しやすい部位です。

不適合な補綴物

ブリッジやクラウンの適合が悪い場合、歯肉への慢性的な刺激によって炎症が起こり、歯肉退縮を助長することがあります。

歯肉退縮した前歯ブリッジの治療選択肢
歯肉退縮した前歯ブリッジの治療選択肢

歯肉退縮が生じた場合には、状態に応じて次のような治療を検討します。

ブリッジの再製作

最も一般的な方法です。

現在の歯肉ラインに合わせて補綴物を作り直し、見た目と清掃性を改善します。

歯周外科治療

歯肉移植術や結合組織移植術などにより、露出した歯根面を覆う治療を行うことがあります。

ただし適応症は限られます。

インプラント治療への変更

支台歯の状態が悪い場合には、ブリッジではなくインプラント治療を選択するケースもあります。

前歯のブリッジを長期間良好な状態で維持するためには、

  • 毎日の丁寧な歯磨き
  • 歯間ブラシやフロスの使用
  • 定期的な歯科検診
  • 歯周病の予防と早期治療

が重要です。

歯肉退縮は一度進行すると自然に元へ戻ることはほとんどありません。そのため、早期発見・早期対応が前歯の審美性と機能を守る鍵となります。

メタルボンドブリッジは審美性と強度に優れた治療法ですが、長期間の使用や歯周病の影響により歯肉退縮が起こることがあります。歯ぐきが下がると歯根面の露出や見た目の変化が生じるため、定期的なメインテナンスと適切な治療が重要です。

前歯のブリッジ周囲の歯ぐきが下がってきた、歯が長く見えるようになった、隙間が気になるといった症状がある場合は、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。

江戸川区篠崎で前歯のブリッジ周囲の歯ぐき下がりにお悩みの方へ

「前歯が長く見えるようになった」「ブリッジの境目が見えてきた」「歯と歯の間に隙間ができた」といった症状は、歯肉退縮(歯ぐき下がり)が原因かもしれません。特にメタルボンドブリッジは長期間の使用により、歯周病や加齢などの影響で歯ぐきが下がり、見た目や清掃性に影響を及ぼすことがあります。

当院では、前歯の審美性と機能性の両面を考慮し、ブリッジの再製作や歯周治療など患者様に適した治療をご提案しています。前歯の見た目が気になる方はお気軽にご相談ください。

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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