- 1. 🦷歯髄再生治療とは
- 1.1. 🌱歯髄再生の新時代:再生医療がもたらす希望
- 1.2. ⚠️現在の状況と注意点
- 2. 🛠️歯髄再生治療の流れ(概要)
- 2.1. 🦷虫歯による歯髄感染と「抜髄」治療
- 2.1.1. 🦴奥歯(大臼歯)での根管治療の難しさ
- 2.1.2. 🔁数年後に起こる再治療の現実
- 2.1.3. 🌟歯髄再生治療への期待
- 2.2. 🧼ナノバブル薬剤導入無菌化法とは
- 2.2.1. 🦷根管内の細菌除去への応用
- 2.3. 🦴感染根管歯での歯髄再生成功例
- 2.3.1. 🔑根管内無菌化の重要性
- 2.4. 🧬自家歯髄幹細胞を使った再生治療
- 2.4.1. 🧪幹細胞膜分取法とは
- 2.4.2. 🦷無菌化した根管内への幹細胞移植
- 2.4.3. 🌱歯髄内の神経・血管の再生効果
- 2.4.4. ⚙️従来の治療法との違い
- 2.5. 🏗️コンポジットレジンで上部を密閉後、土台作りへ
- 2.5.1. ✂️プレパレーション(支台歯形成)
- 2.5.2. 🧪印象採得(型取り作業)
- 2.5.3. ⚠️対象とならないケースについて
- 2.6. 🏗️人工歯冠のセメンティング(接着)
- 2.6.1. 💎選べる被せ物の種類
- 2.6.2. 🔄ステップ6〜7は通常治療と同様
- 2.6.3. 🌟神経再生による大きなメリット
- 3. 江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった虫歯治療は当院へ
- 4. 【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル
- 5. 筆者・院長

虫歯が進行して神経(歯髄)を抜かなければならない場合、これまでは根管治療によって歯を保存するしかありませんでした。しかし、根管治療後の歯はもろくなり、将来的な歯根破折のリスクが高まることが課題でした。
そんな中、失われた神経や血管を再び再生し、歯の健康を取り戻すことを目指す「歯髄再生治療」が注目されています。
本記事では、最先端の歯科再生医療である歯髄再生治療について、わかりやすくご紹介します。
🦷歯髄再生治療とは
- ナノバブル技術を活用した新しい治療法
ナノバブル(直径約100~300nm)の泡を、ナノ多孔質フィルムに加圧気圧(0.1~0.25Mpa)を通して発生させます。 - 無菌化した根管への自家歯髄幹細胞の移植
無菌化した根管内に、自身の歯髄幹細胞を培養したものを移植し、歯髄・象牙質の再生を目指します。

🌱歯髄再生の新時代:再生医療がもたらす希望
- 失われた神経の再生への挑戦
虫歯が深くなり、神経を抜いた歯でも歯髄を再生できる可能性が研究されています。 - 長寿医療研究センターでの成功例
国立長寿医療研究センターの中島美砂子先生が、5症例における歯髄再生成功を発表しました。
⚠️現在の状況と注意点
- まだ研究段階であり、臨床応用は未実施
※当院では現在、この治療の臨床応用は行っていません。
🛠️歯髄再生治療の流れ(概要)
- 根管模型の注意点
※治療説明に用いられる模型は単純な形状ですが、実際の根管は木の幹と枝のように非常に複雑です。
🦷虫歯による歯髄感染と「抜髄」治療
- 虫歯が神経に達した場合の対処
虫歯が歯髄(神経)に達すると、「抜髄」と呼ばれる神経を取り除く治療が必要になります。 - ファイルを使った感染除去
針状の治療器具「ファイル」を使い、感染した象牙質を丁寧に掻き取ります。

🦴奥歯(大臼歯)での根管治療の難しさ
- 根管の数と構造の複雑さ
大臼歯では根管が3~4本あり、さらに神経の走行が複雑なため、治療が非常に難しくなります。 - 完全な無菌化は困難
複雑な根管構造により、すべての細菌を除去することは難しく、根尖病巣(根の先にできる炎症)が発生するリスクがあります。
🔁数年後に起こる再治療の現実
- 痛みの再発と再根管治療の必要性
治療後しばらくして痛みが再発することがあり、その際には再び根管治療(再根管治療)が必要となります。
🌟歯髄再生治療への期待
- 再生医療が変える未来
これまでの課題を克服する手段として、歯髄の再生治療に大きな期待が寄せられています。
🧼ナノバブル薬剤導入無菌化法とは
- ナノバブルの基本構造
ナノバブルは、直径約100~300nmの極小の泡で、ナノ多孔質フィルムに加圧気圧(0.1~0.25Mpa)をかけることで発生します。 - ナノバブルの特性を活かした洗浄技術
通常の液体では届きにくい微細な場所にも、ナノバブルが薬剤を運び込むことができます。

🦷根管内の細菌除去への応用
- ナノバブルと薬剤(抗生物質)の組み合わせ
ナノバブルに薬剤を混ぜ、根管内に注入することで、象牙細管の奥深くにまで薬剤が浸透します。 - より高い無菌化効果を実現
従来の方法よりも、根管内部の徹底的な洗浄と除菌が期待できます。
🦴感染根管歯での歯髄再生成功例
- ナノバブル併用群の成果
ナノバブルと抗生剤を併用したグループでは、3回の治療で根管内の菌が完全に検出されなくなりました。 - 従来法との比較結果
抗生剤のみを使用した従来の治療では、4回の治療後も菌が検出され、ナノバブル併用群との効果の違いが明確に示されました。

🔑根管内無菌化の重要性
- 歯髄再生治療成功のカギ
感染根管治療では、根管内の徹底した無菌化が歯髄再生治療成功の最も重要なポイントとなります。
🧬自家歯髄幹細胞を使った再生治療
- 不用歯からの幹細胞採取
親知らず(知歯)などの不要な歯から自家歯髄幹細胞を採取し、培養を行います。

🧪幹細胞膜分取法とは
- 幹細胞の遊走性を活用
歯髄未分取細胞を専用の膜に通過させることで、遊走性の高い幹細胞のみを選別・培養します。
🦷無菌化した根管内への幹細胞移植
- 無菌化した根管への移植と密封
無菌化された根管内に培養した幹細胞を移植し、根管上部はコンポジットレジンなどで密封します。
🌱歯髄内の神経・血管の再生効果
- 歯根の栄養供給が復活
移植された幹細胞により、歯髄内で神経や血管が再生し、歯根への栄養供給が改善され、歯の強度が回復します。
⚙️従来の治療法との違い
- ガッタパーチャーによる封鎖との比較
従来はガッタパーチャーポイントで根管をできるだけ密封し、細菌の侵入を防ぐ方法が主流でしたが、幹細胞移植では「歯そのものの再生」を目指す点が大きく異なります。
🏗️コンポジットレジンで上部を密閉後、土台作りへ
- コンポジットレジンでの充填と密閉
無菌化した根管の上部をコンポジットレジンで充填・密閉し、基礎を固めます。 - 金属製コア(土台)の作成
さらに強度を確保するため、金属製のコア(土台)を立てます。

✂️プレパレーション(支台歯形成)
- 人工歯冠を被せるための形成作業
コアを立てた後、人工のクラウンを被せるために土台を削り、適切な形に整えます。
🧪印象採得(型取り作業)
- 石膏模型作成のための型取り
プレパレーション後、正確な石膏模型を作るために印象採得(型取り)を行います。
⚠️対象とならないケースについて
- 歯冠が大きく崩壊している場合
虫歯により歯冠部が大きく失われた歯では、深く安定したポスト(土台の芯棒)を作ることができず、この治療法の適応外となる可能性があります。
🏗️人工歯冠のセメンティング(接着)
- 技工士による人工歯冠の作製
専門の歯科技工士が作成した人工歯冠を使用します。 - セメントで歯に固定
完成した冠を歯にしっかりとセメントで接着し、治療が完了します。
💎選べる被せ物の種類
- 素材のバリエーション
被せ物にはポーセレン、ジルコニア、金属など、見た目や耐久性に応じたさまざまな素材が選べます。
🔄ステップ6〜7は通常治療と同様
- 従来のクラウン治療と同じ流れ
コア作成後から人工歯冠をセットするまでの流れは、一般的なクラウン治療と同じ手順です。
🌟神経再生による大きなメリット
- 歯根破折リスクの軽減
神経が再生されることで、従来しばしば起こっていた「歯根破折」のリスクを大幅に減らせることが期待されます。
江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった虫歯治療は当院へ

現在、歯科医療の分野では、失われた神経や血管を再生させる歯髄再生治療が大きな注目を集めています。
虫歯が深く進行して神経を抜かなければならないケースでも、自分の歯の健康を取り戻せる可能性が期待されています。
当院(江戸川区篠崎)でも、歯髄再生治療に関する最新情報を積極的に収集・研究しておりますが、現時点ではまだ研究段階であり、当院での臨床応用は行っておりません。
今後、より安全性と効果が確立され、皆さまにご提供できる体制が整い次第、改めてご案内いたします。
「将来にわたって自分の歯を守りたい」と願うすべての患者さまに、最善の選択肢をご提案できるよう、引き続き努めてまいります。
【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。