- 1. 【動画 34秒】金属床義歯の特徴・メリット・費用を解説
- 2. 金属床義歯の全て|特徴・メリット・デメリットから費用
- 2.1. 1. 金属床義歯とは?
- 2.1.1. 金属床義歯の基本構造と材料
- 2.1.2. チタン床とコバルトクロム床の違い
- 2.1.3. 金属床義歯の適応と非適応
- 2.2. 2. 金属床義歯のメリットとデメリット
- 2.2.1. 金属床義歯の主なメリット
- 2.2.1.1. 薄さによる違和感の軽減
- 2.2.1.2. 耐久性と長持ちする性能
- 2.2.1.3. 温度や味覚への影響が少ない特性
- 2.2.2. 金属床義歯のデメリット
- 2.2.2.1. 高額な費用
- 2.2.2.2. 製作に時間がかかる点
- 2.2.2.3. 重量感や金属アレルギーのリスク
- 2.2.2.4. 修理の難しさ
- 2.2.2.5. 審美的問題
- 2.2.3. 金属床義歯の装着例
- 2.3. 3. 金属床義歯の費用と保険適用
- 2.3.1. 自由診療としての金属床義歯の費用目安
- 2.3.2. コストを軽減するための選択肢
- 2.3.2.1. 医療費控除の活用
- 2.4. 4. 金属床義歯の製作プロセス
- 2.4.1. 治療の流れ
- 2.4.1.1. 型取りから完了までのステップ
- 2.4.2. 金属床義歯を作る際の注意点
- 2.5. 5. 他の義歯との比較
- 2.5.1. レジン床義歯との違い
- 2.5.1.1. コストの比較
- 2.5.1.2. 機能面の比較
- 2.5.2. 保険適用のレジン床義歯
- 2.5.3. レジン床義歯の装着例
- 2.5.4. インプラントや他の選択肢との違い
- 2.5.4.1. インプラントとの違い
- 2.5.4.2. 他の選択肢(固定ブリッジなど)との違い
- 2.6. 6. 金属床義歯を長く持たせるためのケア方法
- 2.6.1. 日常の清掃とメンテナンス
- 2.6.2. 定期検診の重要性
- 3. 江戸川区篠崎で、金属床義歯を使って快適な毎日を手に入れましょう
- 4. 【動画】目立たない部分入れ歯のスマイルデンチャー
- 5. 筆者・院長
【動画 34秒】金属床義歯の特徴・メリット・費用を解説
金属床義歯の全て|特徴・メリット・デメリットから費用
1. 金属床義歯とは?
上顎奥歯が金属床義歯の例
金属床は左右の人工歯部を連結するための金属製のプレートです。上顎金属床は薄いため舌感が良く発音にも支障はきたしません。
左右上顎奥歯と前歯が金属床義歯の例
3ヶ所の部分入れ歯を薄い金属床で連結しています。金属床は広範囲に渡っても薄く平坦なため舌に触れても違和感や異物感を感じずらい特徴があります。
金属床義歯の基本構造と材料
金属床義歯は、歯ぐきに接触する床部分に金属を使用する義歯の種類です。この金属部分は、強度が高く薄く作られるため、通常のレジン(樹脂)床義歯と比較して装着した時の違和感が少ないのが特徴です。
主な材料として以下が使用されます。
- チタン:軽量で生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクが低い。
- コバルトクロム:強度が高く、比較的コストが抑えられる。
- 金合金:耐久性が高く、腐食に強いが、コストが高い。
チタン床とコバルトクロム床の違い
金属床義歯に用いられるチタンとコバルトクロムには、それぞれの特徴があります。
- 軽さ:チタンはコバルトクロムよりも軽量で、装着時の負担が軽減されます。
- アレルギーリスク: チタンは生体親和性が高く、アレルギーのリスクが低い。
- 強度:チタン、コバルトクロムともには高い強度を持ち、加工しても耐久性が維持されます。
- 費用: チタンはコバルトクロムよりも技工代が高価で、選択肢としてコスト面を考慮する必要があります。
金属床義歯の適応と非適応
金属床義歯は、以下のようなケースで適応されます。
- 金属アレルギーの患者: アレルギーリスクがある患者は別素材を選択する必要があります。
- コストが厳しい場合: 保険適用外のため費用負担が大きくなります。
2. 金属床義歯のメリットとデメリット
金属床義歯の主なメリット
薄さによる違和感の軽減
- 金属床義歯は、床部分が非常に薄く作られるため、従来のレジン(樹脂)床義歯に比べて装着時の違和感や異物感が軽減されます。 特に舌の動きや発音に与える影響が少なく、日常生活が快適になります。
耐久性と長持ちする性能
- 金属は非常に強度が高く、衝撃や摩耗にも耐えられるため、長期的に使用することが可能です。これにより、頻繁な修理や交換の手間が減少します。
温度や味覚への影響が少ない特性
- 金属は熱伝導率が高く、食事中の温度を直接感じられるため、自然な味覚を感じることができます。また、食事の楽しみが増す点も大きな魅力です。
金属床義歯のデメリット
高額な費用
- 金属歯は保険適用外となるため、レジン(樹脂)床義歯に比べて高額です。 素材や形態、歯科医院によって義歯の費用は異なりますが、20万円以上かかることが一般的です。
製作に時間がかかる点
- 金属床義歯の製作には、精密な型取りや歯科技工が必要なため、通常の義歯よりも製作期間が長くなる傾向があります。患者のスケジュールとの調整が重要です。
重量感や金属アレルギーのリスク
- 一部の患者には金属部分の重量が気になることがあります。また、特定の金属にアレルギーを持つ患者は、事前にアレルギー検査を行う必要があります。チタンなどのアレルギーリスクが低い素材の選択が推奨されます。
修理の難しさ
- 歯茎が痩せた時や破折した時の修理が難しいので、一旦預かって技工所で修理が必要になります。1週間ほど預かるので、その間、入れ歯がなくて食事に支障をきたす場合があります。(予備の入れ歯があればOK)
審美的問題
- 金属バネ(クラスプ)をかけるので目立ちます。※保険適用のレジン床義歯でも同様です。
金属床義歯の装着例
金属床義歯の装着前の正面観
上顎に金属床義歯を装着します。前歯にクラスプがかかると目立つので、上顎左2番3番はコーヌステレスコープ義歯の内冠がセットされています。
金属床義歯の装着後の咬合面観
上顎口蓋を覆うように金属床が作られています。奥であまり目立たないので、小臼歯2ヶ所にはクラスプを設置しています。
3. 金属床義歯の費用と保険適用
自由診療としての金属床義歯の費用目安
金属床義歯は保険適用外であるため、自由診療となります。そのため費用が高額になる傾向がありますが、具体的な費用の目安を以下のようです。
- 部分入れ歯:チタン床の場合は30万円~、コバルトクロム床の場合は20万円~が一般的な相場です。
- 総入れ歯: チタン床の場合は30万円~、コバルトクロム床の場合は20万円~になることが多く、素材や歯科医院によってはさらに高価になる場合があります。また
、地域差や歯科技工士の技術レベルにより価格が異なることがあります。
コストを軽減するための選択肢
医療費控除の活用
金属床義歯の費用は高額ですが、医療費控除を活用することで税金の還付を受けられる可能性があります。
- 条件:1年間の医療費総額が10万円を超える場合が対象となります。家族全員の医療費を合算できます。
- 必要書類:歯科医院が発行する領収書や医療費明細書が必要です。
4. 金属床義歯の製作プロセス
治療の流れ
型取りから完了までのステップ
金属床義歯が完成するまでのプロセスを以下のように解説します。
初回診察と相談
口腔内を診査し、場合によってはレントゲン撮影をします。患者のニーズや要望をヒアリングし、診断結果をもとに治療方針を決定します。
スタディーモデル作成
入れ歯を作成する際には、精密な型取りと個別の設計が重要です。その基盤となるのがスタディーモデルの作成です。スタディーモデルは、患者さんの口腔内の状態を正確に再現した石膏模型のことです。これをベースに入れ歯の設計や治療計画を立てます。
個人トレー作成
個人トレー(カスタムトレー)とは、患者さんの口腔にぴったり合うように作られた専用の型取り用トレーです。スタディーモデルをベースに作成され、精密な型取りに使用されます。
精密型取り(精密印象)
患者さん専用の個人トレーを用いシリコン印象材など、高精度な材料を用いて型取りを行います。正確な型取りにより、入れ歯が歯茎にしっかりとフィットし、ズレや痛みが起こりにくくなります。
咬合採得
咬合採得とは、上下の顎の正しい位置関係や噛み合わせの状態を記録する作業です。 入れ歯や歯科補綴物(被せ物やブリッジなど)を作る際には、適切な噛み合わせを咬合器に再現することこのプロセスを正確に行うことで、機能的で快適な入れ歯や補綴物を作ることが出来ます。
義歯試適
義歯試適とは、完成前の義歯を患者さんの口腔内に装着して下記の項目をチェックします。
1. 義歯が歯茎や口腔内にしっかりと適合しているか
2.上下の義歯が正しく噛み合うか
3.歯の形や大きさ、色、並びが患者さんの希望や顔立ちにぴったりか
義歯完成後の最終調整
義歯完成後の最終調整とは、完成した義歯を患者さんが装着した後に、実際の使用感に基づいて微調整を行うプロセスです。義歯を装着した状態で患者さんに噛んでもらって、上下の噛み合わせの微調整を行います。また、義歯のふち(辺縁)が頬や舌に触れ痛みや不快感を感じる場合、削除します。
金属床義歯を作る際の注意点
金属床義歯を作成する際に留意すべきポイントを以下に整理します。
- アレルギー検査の実施
- 特定の金属にアレルギーがある場合は、事前検査を行う必要がある。
- アレルギーリスクが低いチタン素材などの選択肢をご提案します。
- 噛み合わせの調整
- 義歯完成後の噛み合わせ調整は非常に重要で、定期的な調整が必要です。
- 製作期間の確認
- 金属床義歯は製作に時間がかかるため、患者のスケジュールを考慮して計画を立てます。
- 費用の事前説明
- 費用の詳細を事前に説明し、追加費用が発生する可能性がある場合もお伝えします。
5. 他の義歯との比較
レジン床義歯との違い
コストの比較
- 内容詳細:
- レジン床義歯: 一般的に保険適用可能で費用が抑えられる。部分入れ歯の場合、数千円~1万円程度で作成可能。
- 金属床義歯:保険適用外となるため自由診療となり、費用は20万円以上と高額。
機能面の比較
- 内容詳細:
- 快適性:金属床義歯は薄く作れ、舌の動きや発音への影響が少なく、装着感が良い。
- 耐久性: レジン床義歯は割れやすく、定期的な修理や交換が必要です。金属床義歯は高い強度を持ち、長期間の使用が可能です。
- 味覚と温度感覚: 金属床義歯は熱伝導性が高く、食事中の知覚や温度感覚が自然に保たれる。一方、レジン床義歯ではこれらの感覚が遮られることが多い。
保険適用のレジン床義歯
利点
- 保険適用であり、安価に作成ができます。
- 床の修理が容易で、歯茎が痩せて入れ歯が合わなくなっても、床の内面を軟性裏層剤で内張(リベース)することで回復しやすく、義歯の破折時もチェアーサイドでの修理が容易です。
- 自分の健康な歯を殆ど削らずに部分入れ歯を作ることができます。
欠点
- 衝撃に弱く壊れやすいため、強度を確保するために床の部分を厚く広く作る事になります。そのため装着感が悪く、舌が触れた時の異物感が起こりやすい難点を有しています。
- 床が大きくなり厚みが増すと、舌の触れる部分が多くなり発音障害が起こりやすくなります。特に、タ行などの破裂音が正確に出しにくくなります。
- レジンは、合成樹脂のため長い間には劣化(収縮や変色)が起こります。
- 熱の伝導性が悪いため、金属床比べると、余り美味しく食事が取れません。
- 金属のクラスプで入れ歯を固定するため、前歯の方にクラスプがかかると目立ってしまい審美的に問題となります。
レジン床義歯の装着例
レジン床義歯の装着前の咬合面観
上顎右6番7番、左4番5番6番7番欠損です。
レジン床義歯の装着後の咬合面観
上顎口蓋をすべて覆うようにレジン床が作られています。左3番にクラスプがかけられているので目立ちます。
レジンは強度が無いため破折防止用にレジン床内に補強線が馬蹄形に入っています。
インプラントや他の選択肢との違い
インプラントとの違い
- 内容詳細:
- 手術の有無: インプラントは外科的な手術が必要で、骨の状態によっては施術が困難な場合もあります。金属床義歯は手術が不要で、比較的負担なく完了します。
- コスト:インプラント1本あたりの費用は30万円以上となるため、複数本必要な場合は金属床義歯よりも高額になる可能性があります。
- メンテナンス: インプラントは専用のメンテナンスが必要で、定期的なケアが欠かせません。一方、金属床義歯は通常の清掃で対応可能です。
他の選択肢(固定ブリッジなど)との違い
- 内容詳細:
- 適応範囲: 固定ブリッジは隣接する健康な歯を削る必要があるが、金属床義歯は歯の削除を極力抑えられる。
- 取り外しの可否: 金属床義歯は取り外し可能で清掃がしやすい。 固定ブリッジは取り外しができず、清掃が難しい場合がある。
- 費用: 固定ブリッジも保険適用外の場合、高額になるケースがあります。金属床義歯はブリッジより比較的コストを抑えられる。
6. 金属床義歯を長く持たせるためのケア方法
日常の清掃とメンテナンス
- 正しい清掃方法
金属床義歯を清潔に保つためには、正しい清掃が必要です。以下のポイントを具体的に解説します。- 義歯専用ブラシの使用: 通常の歯ブラシではなく、義歯専用ブラシを使うことで効果的に汚れを落とせます。
- 義歯専用洗浄剤の活用: 義歯の金属部分やレジン部分を痛めないために、専用の洗浄剤を使います。浸け置きタイプの洗浄剤を使って、隙間の汚れも取ります。
- 強くこすらない:金属床義歯を傷つける原因となるため、軽い力で丁寧に磨くことが重要です。
- 清掃の頻度
- 毎食後の清掃が望ましいですが、少なくとも朝と夜は必ず清掃することを推奨します。
- 義歯を外した後は口腔内もケアし、歯ぐきや舌も清潔してください。
定期検診の重要性
- 定期検診の目的
義歯の使用期間を延ばすためには、歯科医院での定期検診が必要です。以下の理由を解説します。- フィット感の確認:使用しているうちに義歯のフィット感が変化する場合がありますので、調整が必要です。
- 義歯の状態チェック:金属部分の変形や劣化、破損を早期に発見できます。
- 口腔内の健康確認:義歯だけでなく、歯ぐきや残っている歯の健康状態を定期的に確認することが重要です。
- 検診の頻度
- 最低でも半年に1回の定期検査を推奨します。問題がある場合はさらに短い間隔での検査が必要です。
- 検診時にクリーニングを受けることで、日常の清掃では落ちない汚れを除去できます。
江戸川区篠崎で、金属床義歯を使って快適な毎日を手に入れましょう
金属床義歯は、従来のプラスチック床義歯に比べて装着時の違和感が少なく、自然なフィット感が得られます。また、熱が伝わりやすいため、食べ物や飲み物の温度を感じやすく、より自然な食事が楽しめます。
江戸川区篠崎の当院では、高い技術力の歯科技工士と連携しております。金属床義歯が患者様の生活をどのように変えるか、実際にお試しいただける機会をご用意しております。お気軽にご相談下さい。
【動画】目立たない部分入れ歯のスマイルデンチャー
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。