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ノンクラスプデンチャーは、金属のバネが見えない部分入れ歯を総称する呼び名です。見た目の美しさと快適性を両立した選択肢として注目されています。本記事では、ノンクラスプデンチャーの基本情報や特徴、適応症例について詳しく解説します。

当院で製作したノンクラスプデンチャーの症例写真をご紹介します。 左の写真は装着時の状態ですが、入れ歯がどこに入っているのか全くわからないほど自然な仕上がりとなっています。右の写真では、丸で囲った部分を拡大し、入れ歯の外形を示しています。この様に、ノンクラスプデンチャーの入れ歯は非常に審美的に優れていることがお分かりいただけると思います。

ノンクラスプデンチャーを装着

ノンクラスプデンチャーの概要

ノンクラスプデンチャーの定義と特徴

ノンクラスプデンチャーは、金属のバネを使わず、柔軟性と歯茎の色と極めて近い特殊な樹脂素材で作られた部分入れ歯です。そのため、装着時に金属部分が目立たず、自然な口元を実現します。また、軽量で装着感に優れ、金属アレルギーのリスクが低い点も大きなメリットです。

ノンクラスプデンチャーの構造

structure

床のウイング状部分で入れ歯を維持

入れ歯を装着して食事をする際に、動かないようにするために、右写真の赤い点で示された箇所(入れ歯の翼状になった歯茎部分)が犬歯のアンダーカット部にしっかりと収まる構造になっています。この部分が、従来の金属バネに相当する役割を果たし、入れ歯を固定し脱落を防ぎます。

従来の部分入れ歯との違い

従来の部分入れ歯は、周囲の歯に金属製のバネを引っ掛けて固定します。一方、ノンクラスプデンチャーはバネを使わない設計のため、見た目が自然であるだけでなく、軽量で柔軟性があるため、長時間の使用でも快適です。

保険適用の部分入れ歯とノンクラスプデンチャーの見た目の違いを実感してください。

保険適用の部分入れ歯のメリット・デメリット

保険適用の部分入れ歯
保険適用の部分入れ歯
金属バネが目立つ

写真の症例ではクラスプを犬歯に架けて入れ歯の安定を図ります。通常の会話でも金属製のクラスプが見えるので、とても目立ちます。保険適用です。

メリット
  • 保険適用で安価。
  • 破折しても修理が効く。
メリット
  • 金属製のクラスプを使うので審美性が悪い。
  • 強度が低いので厚く作る必要があり違和感が出やすく装着感が悪い。
  • よく割れる。

ノンクラスプデンチャーの適応症例と使用可能な状況

ノンクラスプデンチャーは、部分的に歯を失った方が対象です。 特に以下のような方に適しています。

  • 審美性を重視したい方(前歯や目立つ部分に欠損がある場合)
  • 金属アレルギーのリスクを避けたい方
  • 軽量で装着感の良い入れ歯を希望する方
  • 保険外治療でも快適性を優先したい方

ただし、大きな欠損がある場合や咬合力を強く求められる場合では、耐久性の面で他の選択肢が適している場合もあります。

ノンクラスプデンチャーのデメリット・メリット

ノンクラスプデンチャーは多くの利点がある一方で、注意すべき課題も存在します。このセクションでは、そのメリットとデメリットを詳しく解説します。

デメリット

Demerit

 修理が困難

一部の製品では、樹脂(ピンクの部分)を削除することは可能ですが、新たに樹脂を追加することはできません。そのため、歯が1本損しても歯を増やす(歯を追加すること)ことができない場合があります。

 リベースができない

病気などで歯茎が痩せた場合、ポリアミド樹脂(スマイルデンチャーの材質)はリベース(入れ歯の内側にクッション材を入れる補修)ができません。ただし、ポリエステル共重ね体(エステショットデンチャーの材質)ではリベースが可能です。

 耐久性と長期使用の課題

特に強い噛み合わせの力がかかる場合や、大きな欠損を補う場合には、耐久性を向上させるために、金属床と組み合わせることが推奨される場合があります。

メリット

Merit

 高い審美性

ノンクラスプデンチャーは金属のクラスプ(バネ)を使用しないデザインのため、装着しても目立たず、自然な口元を実現します。 入れ歯の樹脂素材は歯茎と似ているため、見た目にも非常に自然です。そのため、特に前歯など目立つ部位の欠損において、審美性を重視している患者さんに選ばれています。

咬合力

日常生活の食事で必要な咬合力を十分に発揮できるため、柔らかい食材から普通の食材まで問題なく噛むことが可能です。

装着感と快適性

ノンクラスプデンチャーは、強度があるため薄く作ることができ、軽量で装着感が良いのが特徴です。 また、柔軟性のある素材で作られているため、歯茎や口腔内にしっかりとフィットします。さらに、軽量であるため長時間使用しても疲れにくく、特に従来の入れ歯で装着感に不満を感じていた方にも適しています。

取り外しが簡単で周囲の歯に優しい

材料は柔らかく柔軟性があるため、義歯の脱着がスムーズで、周囲の歯にかかる力が優しく、残存歯を痛めにくい特徴があります。ただし、ポリエステル共重合体を使ったエステショットデンチャーの場合には若干取り外しに困難なケースがあります。

ノンクラスプデンチャーの寿命

lifespan

 経年劣化

ノンクラスプデンチャーは一般的に素材の寿命が短いため約3~5年程度と言われていますが、定期的な清掃や歯科医院での調整を行うことで、義歯の寿命を延ばすことができます。当院では10年以上使用されているケースもあります。

経年劣化で特に問題となるのは変色です。 研磨によってある程度の改善はできますが、完全に元の状態に戻すことはできません。 ただし、咀嚼機能には影響がなく、通常使用することは可能です。しかし、歯茎や残存歯の状態が変化すると、再製作が必要になる場合があります。

ノンクラスプデンチャーの種類

ノンクラスプデンチャーの性能や使用感は、使用される素材と製作技術に大きく依存します。日本においては10種類以上の製品があり、各技工所により呼び名、素材がそれぞれ異なります。それぞれの素材によってメリット、デメリットが異なります。このセクションでは、素材や技術の詳細について解説します。

製品と素材

製品素材と特徴
スマイルデンチャーナイロン樹脂系のポリアミド
弾力性が極めて高く、強度があるので薄く作れ、装着した時の違和感が起こりにくいのが特徴です。修理が出来ない欠点がありますが、割れた場合には無料で再作製します
バルプラストナイロン系素材・ポリアミド
弾力性が極めて高く割れることは殆どない。逆に、修理が出来ません。スマイルデンチャーと殆ど性能は一緒です。
エステショットポリエステル共重合体
スマイルデンチャーに比べやや硬く弾力性がやや落ちるため、義歯の取り外しが難しい。チェアサイドで即時重合レジンでの修理が可能です。
スマートデンチャーポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂
生体為害性、吸水性が低い。チェア-サイドで修理・修復が可能。
※当院では、様々なノンクラスプデンチャーを試した結果、最も成績の良いスマイルデンチャーを採用しています。

歯科医師と歯科技工士による製作プロセス

ノンクラスプデンチャーの製作は、熟練した歯科医師と歯科技工士による丁寧な工程を経て行われます。

  1. 患者の口腔内の型取り(印象採得):歯科医師は、患者の歯茎や残存歯の形状を正確に記録するため、型取りを行います。
  2. デザインの決定:歯科医師は、型取りのデータを元に、正しいデンチャーのデザインを決定します。この際、審美性や機能性、噛み合わせのバランスを考慮します。
  3. 素材の選択と加工:歯科技工士は選ばれた素材を使用して、専用の機械や手作業で加工を進めます。これには高い精密性と技術力が求められます。
  4. 仕上げと調整:歯科医師は、完成したデンチャーを、患者の口腔に合わせて最終調整を行います。装着感を大切にしながら微調整を行うことで、快適な使用感を実現します。

ノンクラスプデンチャーの製作には、高精度の機器と卓越した技術が必要です。その仕上がりの品質が患者の満足度に直結します。

技術的課題と最新技術の進化

ノンクラスプデンチャーにはいくつかの技術的な論点があるもの、最近の技術進化により多くの課題が克服されています。

  • 技術的制約:
    • 大規模な歯の欠損では、素材の強度が十分でない場合があります。
    • 金属フレームと比べて耐久性が劣り、使用状況によっては変形や破損のリスクがある場合があります。
  • 最新技術の進化:
    • CAD/CAM技術の導入により、より高精度な製作が可能になりました。
    • 新しい素材(例:高強度ナイロン)の開発により、耐久性や審美性が向上します。
    • 3Dプリンティング技術を活用したデンチャー製作が注目されており、製作時間の短縮と精密さの向上が実現しています。

これらの技術革新により、ノンクラスプデンチャーはさらに多くの患者にとって魅力的な選択肢となりつつあります。

費用と保険適用の対象者

ノンクラスプデンチャーは、その審美性や快適性から多くの患者に支持されていますが、費用や保険適用についての疑問を持つ方も少なくありません。このセクションでは、治療費の特徴や他の義歯との比較を詳しく解説します。

費用と保険適用の対象者

保険外治療として提供される

ノンクラスプデンチャーは、一般的に保険適用外の治療とされています。その理由は、使用される素材や技術が保険診療の範囲を超えており、患者の個別のニーズに応じた対応が求められるためです。

保険治療では機能性を重視するため、費用を抑えた金属製バネ付きの義歯が標準となります。

ノンクラスプデンチャーの費用

自費治療

保険適用外で、歯数で値段が異なります。

内容費用(税別)費用(税込み)
1床(1本~3本) 145,000円159,500円
1床(4本~8本)157,000円172,700円
1床(9本~)165,000円181,500円
※ 型取りや調整などの費用すべて含んだ価格です。

安価とコストパフォーマンス

保険適用の部分入れ歯は数千円~数万円程度で提供される場合が多いです。 ただし、ノンクラスプデンチャーは以下の点でコストパフォーマンスが高いと考えられます。

  1. 審美性:金属が見えないため自然な見た目を実現。
  2. 快適性:軽量で装着感が良く、長時間の使用でも快適です。
  3. 耐久性:適切なケアを行うと長期的な使用可能。

初期費用は高いですが、満足度の高い仕上がりや生活の質の向上を考慮すると、十分に価値があると感じる患者が多いです。

他の治療法との比較(保険適用義歯、インプラントなど)

ノンクラスプデンチャーは他の治療法と比較して以下の特徴があります。

保険適用義歯
保険適用義歯
インプラント
インプラント
治療法費用審美性装着感耐久性
保険適用義歯数千円~数万円金属バネが目立つ違和感を感じることもある比較的低い
ノンクラスプデンチャー16万円~18万円高い快適適切なケアで維持可能
インプラント32万円~/本非常に高い非常に快適非常に高い
  • 保険適用義歯:費用が抑えられる一方、審美性や快適性の限界があります。目立たない部分入れ歯は保険でどこまで可能?
  • インプラント:見た目や機能は優れたものですが、費用が高額で手術が必要です。篠崎インプラント外来
  • ノンクラスプデンチャー:保険適用義歯とインプラントの中間的な選択肢であり、審美性・快適性のバランスが良い治療法です。

ノンクラスプデンチャーは、費用・機能・見た目のバランスに優れた治療法です。 高い審美性と快適性を維持しつつ、インプラントよりも手軽で、保険適用義歯よりも満足度の高い選択肢と言えます。

ノンクラスプデンチャーの選択が向いている人

ノンクラスプデンチャーは、その特徴から特定の患者層に適した治療法です。このセクションでは、どのような方にノンクラスプデンチャーが向いているかを詳しく解説します。

審美性を重視する患者層

ノンクラスプデンチャーは、見た目の美しさを重視する患者に最適な選択肢です。金属のバネがないため、入れ歯を装着していることが目立ちにくく、口元に自然な印象を与えます。

  • 前歯の欠損がある方:笑った際に金属部分が見えるのを避けたい方に最適です。
  • 職業やライフスタイル:接客業や営業職など、人と接する機会が多い方に特に適しています。

審美性を求める患者にとって、ノンクラスプデンチャーは信頼性の高い選択肢です。

金属アレルギーの患者

金属アレルギーをお持ちの方にも、ノンクラスプデンチャーは適しています。金属を使用しない設計のため、アレルギー反応の心配はありません。

  • アレルギーのリスク回避:従来の部分入れ歯で発生する可能性のある金属アレルギーは避けられます。
  • 素材の安全性:ノンクラスプデンチャーに使用される樹脂やナイロンは、体に優しい素材で、安全にご使用いただけます。

金属アレルギーが原因で従来の義歯に不安を感じていた患者様にとって、ノンクラスプデンチャーは大きな解決策となります。

部分入れ歯を検討している方

部分入れ歯を必要とする患者の中で、以下の条件に該当する方には、特にノンクラスプデンチャーが適しています。

残っている歯がしっかりしている方
ノンクラスプデンチャーは、周囲の健康な歯を支えにして固定する設計となっています。

噛む力が適度な方
強い噛み合わせが必要な場合には、耐久性の面で他の選択肢を検討することをお勧めします。

最初の部分入れ歯を装着する方
従来の保険適用の義歯に比べて装着感が良いため、違和感を感じず、スムーズに使用を始められます。

ノンクラスプデンチャーの維持とケア方法

ノンクラスプデンチャーを快適に使い続けるためには、正しいメンテナンスとケアが必要です。このセクションでは、日常のケア方法や定期的なチェックの重要性、さらに寿命を延ばすための具体的な方法について解説します。

日常的なメンテナンス方法

ノンクラスプデンチャーの清潔さを保つためには、日常的なケアが重要です。

  1. 毎日の清掃:
    • 専用の義歯用ブラシを使用して、優しく洗浄します。
    • 通常の歯ブラシでは表面に傷が生じる可能性があるため、避けましょう。
    • 歯磨き粉は研磨剤が含まれることが多く、変色や劣化を考えるため使用を控えるべきです。
  2. 義歯洗浄剤の使用:
    • ノンクラスプデンチャー専用の洗浄剤を利用して、細菌や汚れを除去します。
    • 一晩つけ置きするタイプや短時間で洗浄できるタイプがあります。
  3. 食後のすすぎ:
    • 食事の後は必ず水が流れて義歯をすすぎ、食べかすや汚れを落とします。

これらを習慣化することで、ノンクラスプデンチャーの見た目や機能を維持できます。

定期的な歯科チェックの重要性

ノンクラスプデンチャーの快適な装着感と良好な状態を維持するためには、定期的に歯科でチェックを受けることが重要です。

定期的な歯科チェックの重要性
  • 調整と修理:
    • 使用中に歯茎の変化や義歯の劣化が起こる場合があります。
  • 噛み合わせの確認:
    • 使用中に噛み合わせがずれる可能性があります。そのため、定期的なチェックを受けて適切な状態を維持しましょう。
  • 口腔内の健康管理:
    • 残っている歯や歯茎の健康状態を確認することで、口腔全体のトラブルを予防できます。

3~6ヶ月ごとの定期健診を受けることで、トラブルの早期発見・解決が可能です。

長期使用のポイント

ノンクラスプデンチャーを快適に使用し、良好な状態を保つためのポイントを以下にまとめました。

  1. 取り扱い注意:
    • 義歯を落としたり、無理な力を加えないようにしましょう。 特に素材の柔軟性を損なう可能性があります。
  2. 適切な保管:
    • 使用しないときは、水や専用の保管液に浸けて乾燥を防ぎます。
    • 乾燥は素材の劣化や変形の原因となります。
  3. 硬い食べ物を食べる:
    • 硬いものを噛むと義歯が変形するリスクがあります。ナッツや硬いキャンディなどは避けるべきです。
  4. 変色を防ぐ:
    • コーヒーやワインなど、色素の強い飲み物食品は控えるか、後に飲んだりしっかり洗浄することが大切です。

これらを守ることで、ノンクラスプデンチャーの寿命を長く、快適に使用できます。

ノンクラスプデンチャーの将来性

ノンクラスプデンチャーは、多くの患者に支持されている治療法ですが、今後さらに進化する可能性を秘めています。本記事では、その普及の背景や増加傾向について解説します。

技術革新の可能性

ノンクラスプデンチャーに使用される素材や製作技術は、日々進化しています。 今後は以下のような技術革新が期待されています。

  • 新素材の開発:
    • 現在使用されている樹脂やナイロンに比べ、さらに耐久性が高く、色落ちしにくい素材の開発が進められています。
    • バイオ素材の導入により、生体適合性が向上する可能性があります。
  • デジタル技術の活用:
    • CAD/CAM技術のさらなる発展により、より精密で限界での製作が可能になります。
    • 3Dプリンティング技術を活用したデンチャー製作が進化し、カスタマイズ性が向上することが期待されています。
  • アフターケアの最適化:
    • 義歯の状態をモニタリングするセンサー技術の開発により、患者のケアがこれまで以上に簡単で効率的になる可能性があります。

これらの技術革新により、ノンクラスプデンチャーはさらに患者満足度の高い治療法となります。

海外での普及状況

ノンクラスプデンチャーは、海外でも注目されている治療法です。 特に、欧米では以下のような理由で普及が進んでいます。

  • 審美性を重視:西洋の患者は審美性を重要視する傾向が強く、ノンクラスプデンチャーが選ばれることが多いです。
  • 技術の発展:デジタル製作技術の活用により、高品質なノンクラスプデンチャーが比較的短期間で提供されています。
  • 専門技能工の増加:専門的な訓練を受けた歯科技工士が増え、製作精度が向上しています。

アジア圏でも日本と同様、審美性を求める患者の増加により、ノンクラスプデンチャーの普及が進んでいます。

日本国内の利用者増加傾向

日本国内では、以下の理由によりノンクラスプデンチャーの利用者が増加しています。

  • 高齢化社会の進展:高齢者人口の増加に伴い、部分入れ歯の必要性が高まっています。特に、審美性と快適性を重視したノンクラスプデンチャーが選ばれる傾向にあります。
  • 審美歯科への関心:若年層や中年層を中心に、見た目を重視した治療法が人気を集めています。ノンクラスプデンチャーは、そのニーズに応える形で広く支持されています。
  • 歯科クリニックの導入:多くの歯科医院が治療メニューにノンクラスプデンチャーを取り入れており、患者様にとって利用しやすい環境が整いつつあります。
  • 情報提供の普及:歯科医院や専門サイトでの情報発信が広がり、ノンクラスプデンチャーの認知度が向上しています。

これらの課題を背景に、日本国内でのノンクラスプデンチャーの必要性は今後さらに拡大していくと考えられます。

ノンクラスプデンチャーを検討されている患者の多くが、治療や使用感について具体的な疑問を持っています。このセクションでは、よくある質問とその回答をわかりやすくまとめました。

ノンクラスプデンチャーは、柔軟性が高い素材で作られているため、従来の金属バネ付き義歯に比べて痛みや違和感が少ないという特徴があります。

  • 痛みが少ない理由:
    • 歯茎や残存歯にかかる圧力が均等に分散される設計になっています。
    • 柔らかい樹脂素材が歯茎に優しくフィットします。

ただし、装着初期に軽い違和感を感じることはあります。この場合、歯科医院での調整を行うことで改善することがほとんどです。

ノンクラスプデンチャーは、金属バネを使用せず審美性が高い部分入れ歯で、軽量で柔軟性があります。

ノンクラスプデンチャーの利点

  1. 審美性が高い: 金属のバネが見えないため、見た目が自然です。
  2. 軽量で装着感が良い:薄く柔らかい素材で作られており、軽量で装着感がよい。
  3. 歯を削らない: 健康な歯を削る必要がなく、ブリッジに抵抗がある方に適しています。

奥歯での咀嚼について

ノンクラスプデンチャーで奥歯での咀嚼は可能ですが、以下の点に注意する必要があります。

  1. 噛む力:奥歯は強い噛む力がかかる部位です。ノンクラスプデンチャーは柔軟性がある分、過剰な力がかかると変形のリスクがあります。この様なことが想定される場合には金属床と組み合わせることで解決できる場合があります。
  2. 咀嚼の安定性: 固定力が強くない場合、硬いものや粘着性のある食品を噛む際に動くことがあります。
  3. 使用感の違い: 天然歯やインプラントに比べて、咀嚼力や安定感に劣る場合があります。

他の選択肢と比較

  • インプラント:骨に固定されるため咀嚼力や安定感は抜群ですが、手術や費用、骨量の条件が必要です。
  • ブリッジ:健康な歯を削る治療がありますが、固定式のため安定感は高いです。

ノンクラスプデンチャーは、これらの治療法に比べて審美性が高く、歯を削らないという大きなメリットがありますが、奥歯での使用には耐久性や安定性の課題もあるため、患者様の生活スタイルや口腔内の状態に合わせて選択する必要があります。口腔内の状態が悪くなると、新しい義歯の製作が必要になることもあります。

ノンクラスプデンチャーの審美性について

人工の歯茎が見える可能性

ノンクラスプデンチャーでは、欠損部分を補うために人工の歯茎部分が設けられます。これが見えるかどうかは、以下の要素によって異なります。

設計と色調の調整:

ノンクラスプデンチャーに使用される人工の歯茎は、患者さまの自然な歯茎の色に近い色合いに調整可能です。

正しく設計されれば、口を大きく開けて笑う場合でも目立たないように作ることができます。

装着位置:

前歯の位置や欠損などによって、人工の歯茎が目立つかどうかが変わります。

特に、歯茎のラインが高い位置にある場合は、人工歯茎が見えにくいことが多いです。

入れ歯がバレる可能性

ノンクラスプデンチャーは、金属バネがないため、従来の部分入れ歯に比べて「入れ歯だ」とバレにくい特徴があります。

  1. 審美性が高い素材:
    • 歯茎に似せた樹脂素材が使用されるため、口元が自然に見えます。
  2. 金属バネがない設計:
    • クラスプ(留め具)が金属ではなく、樹脂素材で歯茎に近いため、見た目が目立ちません。
  3. 個人に合わせたデザイン:
    • 歯科医師が患者さまの顔全体や笑顔のラインを重視して設計するため、目立ちにくいデザインが可能です。

ただし、人工歯茎の範囲が大きい場合や、とんでもなく歯茎が痩せている場合には、近くでよく見ると入れ歯と分かることもあります。その場合は審美的な調整を追加することが可能です。

江戸川区篠崎で目立たない、快適な部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」のご提案

「入れ歯だとバレたくない」「自然に笑いたい」「装着感の良い入れ歯が欲しい」そんなお悩みをお持ちの方におすすめのが、ノンクラスプデンチャーです。

ノンクラスプデンチャーは、見た目の美しさと使いやすさを両立した治療法です。まずはお気軽にご相談ください。患者様に合わせた最適な入れ歯をご提案いたします。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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