目次

はじめに

「差し歯が突然取れてしまった…どうすればいいの?」
そんな不安と焦りの中でこの記事にたどり着いた方も多いはずです。
実は、差し歯が取れるのは珍しいことではなく、誰にでも起こりうるトラブル。大切なのは、正しい対処をすぐに行うことです。

本記事では、差し歯が取れたときに絶対にやってはいけないNG行動から、自宅でできる応急処置、歯科での治療法、費用の目安までをわかりやすく解説します。
また、夜間や休日でも対応できる緊急時の歯科医院の探し方や、取れやすい人の特徴・再発防止のためのポイントも網羅。

もしもの時に備えても、今まさに困っている方にも、きっと役立つ内容です。
正しい知識で、あなたの大切な歯を守りましょう。

差し歯が取れた時の急患対応
差し歯が取れた時の急患対応

急に差し歯や詰め物が取れて困った時、 当院では 急患対応をしております。  日曜日、祝日も診療していますので緊急時には予約なしでも結構ですので、お電話の上ご来院ください!

「差し歯が突然取れた!」──そんなとき、焦りから自己流で戻そうとしたり、瞬間接着剤で無理やり装着してしまう方もいます。しかし、これは非常に危険です。差し歯が取れた背景には、接着剤の劣化や虫歯、歯根の破折など、何らかのトラブルが隠れている可能性があります。

誤った対処をすると、差し歯の再利用ができなくなるばかりか、歯根を傷めて抜歯が必要になることも。応急処置としてやってよいこと・やってはいけないことを理解し、できるだけ早く歯科医院を受診するのがもっとも安全な対策です。

この記事では、差し歯が取れたときの応急処置や原因、治療法、費用の目安までを丁寧に解説します。万が一に備えて、ぜひ最後までお読みください。

🔍 STEP 1:差し歯と土台の状態チェック

取れた差し歯のチェック
取れた差し歯のチェック
歯根のチェック
歯根のチェック

差し歯が取れたら、まずは取れた差し歯とお口の中を確認しましょう。差し歯に血が付着している場合は、歯根が破折している恐れがあります。また、強い臭いがする場合は、歯根内部で虫歯や細菌感染が進んでいる可能性も。

鏡を使って歯の根元を確認し、歯が黒ずんでいないか・割れていないかを見てください。自分での確認が難しいときは、家族に手伝ってもらいましょう。

🧼 STEP 2:清掃と衛生管理

取れた差し歯を歯ブラシで磨く
取れた差し歯を歯ブラシで磨く
差し歯が取れた歯根を磨く
差し歯が取れた歯根を磨く
歯根の中を歯間ブラシで清掃
歯根の中を歯間ブラシで清掃

差し歯と歯根の衛生状態を保つことが重要です。まず、取れた差し歯の内側を歯ブラシで優しく磨きましょう。唾液や食べカス、古い接着剤が付着していると、再装着時に虫歯の原因になります。

次に、歯根側の穴もしっかり清掃してください。歯ブラシが届きにくい場合は、歯間ブラシを使うと効果的です。太めのタイプを使うと、汚れを効率よく除去できます。

🪥 STEP 3:ポリグリップでの仮固定方法

新ポリグリップクリームタイプを接着剤代わりに差し歯を戻す
新ポリグリップクリームタイプを接着剤代わりに差し歯を戻す
新ポリグリップクリームタイプ
新ポリグリップクリームタイプ
タフグリップクションタイプはNG
タフグリップクションタイプはNG

歯科受診までの応急処置としては、**新ポリグリップ(クリームタイプ)**がおすすめです。少量(米粒の半分〜1個分)を差し歯の内側に塗り、軽く噛んで固定します。口腔内用の入れ歯安定剤なので、安全性が比較的高いのが特徴です。

⚠ただし、「クッションタイプ」や「タフグリップ」など流動性の低い製品は、差し歯が浮いてしまうため使用は避けてください

⚠️ やってはいけない応急処置

瞬間接着剤アロンアルファ
瞬間接着剤アロンアルファ
  • 瞬間接着剤(アロンアルファ)などを使うのは絶対にNGです。歯科用の接着とは異なり、歯根内部に入り込んで固まってしまうと、差し歯が再利用できなくなるうえ、歯を傷つけるリスクもあります。
  • また、「取れたまま放置する」のも厳禁です。歯根がむき出しの状態では、象牙質が虫歯になりやすく、細菌感染のリスクも高まります

まずは落ち着いて清掃と仮固定を行い、なるべく早く歯科医院を受診してください。応急処置はあくまで一時的な対応にすぎません。

差し歯は一度装着すれば半永久的に持つと思われがちですが、実は取れてしまうリスクも珍しくありません。その多くは、日々の生活や見えない口腔環境の変化が関係しています。

🦠 主な原因一覧

■ 接着剤の劣化

差し歯は特殊な歯科用セメントで接着されていますが、経年劣化や水分・唾液の影響により徐々に接着力が弱まっていきます。とくに10年以上経過している差し歯は、外れるリスクが高くなります。

■ 虫歯・歯根の感染

差し歯の内部や歯根部分に虫歯が進行していると、土台がもろくなって差し歯が支えられなくなります。また、歯根の中で感染が起こると膿が溜まり、差し歯を押し出してしまうこともあります。

■ 外力・事故・噛み合わせ

硬いものを噛んだり、事故で口元をぶつけたりすると、差し歯に急な衝撃が加わって外れてしまうことがあります。また、日常的に噛み合わせが強すぎると、知らぬ間に差し歯に負担がかかり続けるため注意が必要です。

■ 歯根の短さ・土台の高さ不足

もともとの歯根が短い、または差し歯の土台(コア)の高さが低いと、差し歯の安定性が悪く外れやすくなります。とくに歯ぎしりや食いしばりのある方は、構造的に取れやすい傾向があります。


これらの原因を放置していると、差し歯の再装着ができなくなるばかりか、抜歯や再治療が必要になる可能性もあります。違和感を感じた時点で、早めの診察が大切です。

「なぜか自分だけ何度も差し歯が取れる…」というお悩みを抱える方は少なくありません。実は、歯や噛み合わせの構造的な条件によって、差し歯が取れやすくなるケースがあります。

🦷 歯根・ポストの構造的な問題

土台の長さが短い
土台の長さが短い
土台の高さが低い
土台の高さが低い

差し歯は、歯の根に差し込まれた「ポスト(支柱)」に土台を立てて装着されます。このポストが短すぎると、差し歯は十分な固定力を得られず、外れやすくなります

また、元々歯根が短い方は、ポストを深く差し込むことができず、結果として差し歯の安定性が低くなります。こういったケースでは、差し歯の治療自体に限界があるため、あらかじめ将来的な脱落を見越した治療計画(ブリッジやインプラントの検討)が必要になることもあります。

🦷 咬合(噛み合わせ)の問題

噛み合わせのバランスが悪いと、一部の歯に過剰な力が集中し、差し歯が強い力で押され続ける状態になります。とくに以下のような習慣がある方は注意が必要です。

  • 硬いものをよく噛む(氷・せんべい・ナッツ類など)
  • 無意識の歯ぎしり食いしばりがある
  • 寝ている間に顎に力が入っている(朝起きると顎が疲れている)

これらの習慣があると、差し歯や土台に負担が蓄積し、やがて脱落する原因になります。ナイトガード(就寝時のマウスピース)を活用するなど、力のコントロールも重要な対策のひとつです。


差し歯が頻繁に取れる場合、単なる接着の問題ではなく、根本的な原因が隠れている可能性があります。気になる方は一度歯科で精密な診断を受けてみましょう。

差し歯が取れた場合でも、多くは再接着が可能です。しかし中には、差し歯そのものを再利用できないケースも存在します。その多くは、歯の内部に重大なトラブルが起きている場合です。

💥 歯根破折|金属ポストによる応力集中

差し歯の構造
差し歯の構造
歯根の破折
歯根の破折
左:金属の土台、右:歯根が割れて抜歯
左:金属の土台、右:歯根が割れて抜歯

差し歯の土台として金属ポストを使用していると、噛む力が一点に集中しやすくなり、歯根にひびが入るリスクがあります。特に、神経を抜いて脆くなった歯は、「枯れ木」のように割れやすい状態に。

一度歯根が割れてしまうと、そこから細菌感染が進行し、差し歯の再装着はできません。この場合は、抜歯をしてインプラントやブリッジなど、別の治療法に切り替える必要があります。

歯根破折は、見た目ではわかりにくいため、レントゲンやCTによる精密診断が重要です。

🦷 大きな虫歯の進行|土台崩壊と再製作の判断基準

差し歯の歯根が大きな虫歯
差し歯の歯根が大きな虫歯

差し歯の下にある歯根や土台が虫歯で崩壊している場合も、差し歯を戻すことはできません。とくに、根の奥深くまで虫歯が進んでいると、歯を支える構造自体が失われてしまっていることがあります。

このようなケースでは、まず虫歯を除去し、新しい土台(コア)を再作成する必要があります。さらに、虫歯の進行度によっては抜歯が避けられない場合も

再治療では、仮歯を作って審美性や咀嚼機能を一時的に保ちつつ、必要に応じてインプラントや入れ歯などを検討します。


差し歯の再装着が難しい場合でも、選択肢はひとつではありません。**的確な診断と治療計画が、歯の未来を左右します。**不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。

差し歯が取れたとき、気になるのが「費用はいくらかかるの?」という点。治療費は保険診療か自費診療か、そして差し歯の状態によって大きく異なります。

🏥 保険診療の費用目安(再装着・土台作成)

差し歯が取れただけで、土台や差し歯に破損がなければ保険適用で再装着できます。

内容点数自己負担(3割)の目安
差し歯の再装着(1本)約80点約240円
ブリッジ(5歯以下)の再装着約250点約750円
ブリッジ(6歯以上)の再装着約450点約1,350円

さらに初診料(約3,000円)や、レントゲン撮影費(約1,000〜2,000円)が追加されることが多いため、合計で2,000〜4,000円前後が一般的な目安です。

ただし、土台(コア)が壊れていた場合は再作製が必要になり、以下の費用がかかることもあります。

  • 金属コアの再作製(保険適用):約1,000~2,000円(3割負担)

💰 自費診療の費用相場(セラミックなど)

一方で、差し歯自体が自費素材(セラミック・ジルコニアなど)で作られていた場合、再装着や再作製は保険適用外になります。

自費治療内容費用相場(1本あたり)
自費差し歯の再装着約5,000~20,000円
セラミッククラウンの再作製約50,000~150,000円

また、土台(ファイバーコアなど)も自費対応の場合、10,000円前後が追加でかかることもあります。


事前に保険・自費の区別を確認し、見積もりを提示してくれる歯科医院を選ぶことが安心の第一歩です。不明な点があれば、遠慮なくご相談ください。

突然差し歯が取れてしまったとき、平日であればすぐにかかりつけの歯科医院に連絡すれば安心です。しかし、夜間や休日・旅行先などでは対応に迷う方が多いのではないでしょうか。ここでは、緊急時に受診先を探すための実用的な方法をご紹介します。

🌙 休日・夜間でも診療している歯科医院を探すには?

✅ Google検索のコツ

「〇〇市 歯医者 夜間」「〇〇区 休日診療 歯科」など、地域名+診療時間帯を組み合わせて検索すると、診療中のクリニックが地図や口コミ付きで表示されます。
特に「Googleマップ」は現在地からの距離や混雑状況も確認できて便利です。

✅ 自治体や歯科医師会の情報を活用

  • 地方自治体の公式HPには、当番制で診療している休日歯科・夜間診療所の情報が掲載されていることがあります。
    • 例:「〇〇市 休日歯科診療」「〇〇区 夜間救急歯科」
  • 都道府県や市区町村の歯科医師会サイトでは、夜間・休日対応可能な医院のリストを検索できることがあります。

✅ #7119で電話相談(地域により対応)

**#7119「救急安心センター」**は、医療の緊急度を判定して適切な医療機関を案内してくれる公的な窓口です。
一部地域では歯科対応も含まれており、今すぐ行ける歯科医院を教えてもらえることもあります。

利用可能地域かどうかは、厚生労働省の公式サイトや各自治体のHPで確認可能です。


差し歯が取れてしまったときは、早めの受診が歯を守るカギです。休日や夜間でもあきらめず、信頼できる情報源を活用して、適切な処置を受けましょう。

Q1. 差し歯を戻してもすぐにまた取れてしまいました。なぜですか?

A. 差し歯が再び外れる原因には、以下のようなものが考えられます。

  • 接着剤の密着不足(歯根側・差し歯側に汚れが残っていた)
  • 土台や歯根が虫歯・ひび割れなどで弱っている
  • 噛み合わせに問題があり、過剰な力が加わっている

応急処置や簡易接着では、根本的な原因が解決されていないことが多いため、早めに歯科医院で状態を確認し、必要なら土台や差し歯の再作製を検討しましょう。

Q2. 差し歯と土台が一体で外れてしまいました。どうしたらいいですか?

A. 差し歯と金属の土台(ポスト)が一体で外れた場合、歯根からポストごと抜けてしまった状態です。

これは歯根側に大きな虫歯ができていたり、歯根が割れていたりするサインである可能性が高いため、応急処置では対応できません。

⚠差し歯を無理に戻そうとせず、歯科医院でレントゲンなどによる精密な診断を受けてください。

Q3. 引っ越したばかりでかかりつけ歯科がありません。どうすれば?

A. 新しい地域でも、以下のようにして対応可能な歯科医院を探しましょう。

  • 「〇〇市 差し歯 再装着 歯医者」でGoogle検索
  • 歯科医院の公式サイトで「差し歯の応急対応」や「自費診療の可否」を確認
  • 電話で「差し歯が取れて困っている」と事前相談するとスムーズです

初診の場合、初診料やレントゲン費用を含めて2,000〜4,000円前後が目安です。差し歯の状態により費用や治療内容が異なるため、現物を持参し、丁寧に説明してもらいましょう。

差し歯が突然取れると、驚きと不安で焦ってしまいがちです。しかし、正しい応急処置と冷静な判断があれば、大きなトラブルに発展するのを防ぐことができます。

✅ 自分でやって良いこと・悪いこと

  • やって良いこと:差し歯や歯根の清掃、ポリグリップなど安全な入れ歯安定剤での一時固定
  • やってはいけないこと:アロンアルファ等の瞬間接着剤の使用、放置による虫歯・感染リスクの放置

🦷 取れた原因に応じた適切な治療選択

差し歯が取れた背景には、接着剤の劣化・虫歯・噛み合わせ・歯根破折などさまざまな原因があります。それぞれに応じて、再装着・土台の再作成・新しい差し歯の製作・抜歯やインプラントといった治療法を選択していく必要があります。

🔄 定期的なメンテナンスの重要性

差し歯が長く機能するためには、定期的な歯科検診・噛み合わせチェック・歯のクリーニングが欠かせません。予兆(ぐらつき・違和感・臭い)を見逃さず、早めに対応することで大切な歯を守ることができます。


差し歯が取れても、正しい知識と行動があれば安心です。まずは応急処置を行い、早めの歯科受診で原因を見極めましょう。歯を長持ちさせるための第一歩として、この記事がお役に立てば幸いです😊

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  • 🏥 保険診療にも対応しており、費用を抑えての再装着が可能です。
  • 💎 セラミックなどの自費治療をご希望の方も、お気軽にご相談ください。
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【動画】差し歯やブリッジが取れた時の応急処置

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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