歯が痛いと「虫歯かもしれない」と考える方が多いですが、歯痛の原因は虫歯だけではありません。

神経の炎症、歯の根の先にたまった膿、歯周病、親知らず、歯ぎしり・食いしばり、知覚過敏、さらには副鼻腔炎や顎関節症など、歯以外の病気が原因で痛みを感じることもあります。

歯痛は原因によって治療法が異なります。痛み止めで一時的に落ち着いても、原因が残っていれば再発したり、さらに悪化したりすることがあります。まずは痛みの出方を確認し、早めに歯科医院で診断を受けることが大切です。

歯痛の原因を考えるうえで重要なのは、「どのように痛むか」です。

冷たいものがしみる場合は、初期虫歯や知覚過敏が考えられます。

温かいものがしみる、何もしなくてもズキズキ痛む、夜眠れないほど痛む場合は、歯の神経に炎症が起きている可能性があります。

噛むと痛い場合は、歯の根の先の炎症、歯根膜炎、歯ぎしり・食いしばりなどが関係していることがあります。

歯ぐきが腫れて痛い場合は、歯周病の急性発作や親知らずの炎症が疑われます。

虫歯がないのに痛む場合は、副鼻腔炎、顎関節症、三叉神経痛、筋肉のこりによる関連痛など、歯以外の原因が隠れていることもあります。

歯痛の原因① 虫歯

虫歯は、歯痛の代表的な原因です。

初期の虫歯では、ほとんど自覚症状がありません。しかし、虫歯が象牙質まで進むと、冷たいものや甘いものがしみるようになります。

さらに虫歯が神経まで達すると、ズキズキとした強い痛みが出ます。何もしなくても痛む、夜になると痛みが強くなる、痛み止めが効きにくいといった症状が出ることもあります。

虫歯が進行して神経が死んでしまうと、一時的に痛みが消えることがあります。しかし、治ったわけではありません。そのまま放置すると、細菌が根の先まで広がり、膿がたまって再び強い痛みや腫れを起こすことがあります。

歯痛の原因② 歯髄炎

歯髄炎とは、歯の神経に炎症が起きている状態です。虫歯が深く進行したときに起こりやすく、患者さんが強い痛みを感じやすい病気です。

歯髄炎では、ズキズキと脈を打つような痛みが出ることがあります。特に夜間や横になったときに痛みが強くなることがあります。

冷たいものや温かいものが強くしみる、痛みが長く続く、何もしなくても痛いという場合は、神経の炎症が進んでいる可能性があります。

このような場合、虫歯を削るだけでは改善が難しく、根管治療が必要になることがあります。

歯痛の原因③ 根の先に膿がたまる病気

虫歯を長く放置した場合や、過去に神経を取った歯の根管内で細菌感染が起こった場合、歯の根の先に膿がたまることがあります。

これを根尖性歯周炎といいます。膿の袋が大きくなると、歯根嚢胞として確認されることもあります。

症状としては、噛むと痛い、歯が浮いたように感じる、歯ぐきが腫れる、膿が出る、歯ぐきに小さなできもののような穴ができる、などがあります。

痛みが強い時期と落ち着く時期を繰り返すこともありますが、原因がなくなったわけではありません。再根管治療や外科的処置が必要になる場合があります。

歯痛の原因④ 歯周病

歯周病は、初期の段階では痛みが出にくい病気です。そのため、気づかないうちに進行していることがあります。

しかし、体調不良や疲労、ストレスなどをきっかけに、歯ぐきが急に腫れて痛みが出ることがあります。これを歯周病の急性発作といいます。

歯ぐきが腫れる、膿が出る、口臭が強くなる、歯が浮いた感じがする、噛むと痛い、歯がぐらつくといった症状がある場合は、歯周病が進行している可能性があります。

応急的に膿を出したり、洗浄したりすることで痛みが軽減することもありますが、根本的には歯周病治療と継続的なメンテナンスが必要です。

歯痛の原因⑤ 親知らず

親知らずは、斜めに生えていたり、一部だけ歯ぐきから出ていたりすると、周囲に汚れがたまりやすくなります。その結果、親知らずの周囲の歯ぐきに炎症が起こることがあります。

これを智歯周囲炎といいます。

奥歯の後ろが痛い、歯ぐきが腫れる、口が開きにくい、飲み込むと痛い、頬や顎まで腫れてきた、という場合は注意が必要です。

炎症が強い時は、まず洗浄や薬で腫れを落ち着かせ、その後に抜歯を検討することがあります。親知らずの位置や神経との距離によっては、レントゲンやCTによる確認が重要です。

歯痛の原因⑥ 歯ぎしり・食いしばり

虫歯がないのに噛むと痛い、朝起きた時に歯が痛い、歯が浮いた感じがするという場合、歯ぎしりや食いしばりが関係していることがあります。

歯に強い力がかかり続けると、歯を支えている歯根膜に負担がかかり、炎症を起こすことがあります。これを歯根膜炎といいます。

また、日中に無意識に上下の歯を接触させているTCH、いわゆる歯牙接触癖も、歯痛や顎の疲れの原因になります。

治療としては、ナイトガードの使用、噛み合わせの確認、生活習慣の見直し、TCHの改善指導などを行います。

歯痛の原因⑦ 知覚過敏

知覚過敏は、冷たいものや歯ブラシの刺激で一瞬キーンと痛む状態です。

虫歯の痛みと似ていますが、刺激がなくなるとすぐに痛みが消えることが多いのが特徴です。

歯ぐきが下がって歯の根元が露出したり、強すぎるブラッシング、歯ぎしり、くさび状欠損などによって起こることがあります。

ただし、自己判断で知覚過敏と思っていても、実際には虫歯が隠れていることもあります。症状が続く場合は、歯科医院で確認することが大切です。

歯痛の原因⑧ 虫歯ではない歯痛

歯や歯ぐきに明らかな異常がないのに痛みが続く場合、非歯原性歯痛の可能性があります。

代表的なものに、副鼻腔炎、顎関節症、三叉神経痛、筋肉のこりによる関連痛、ストレスや心理的要因による痛みなどがあります。

副鼻腔炎では、上の奥歯が重く痛むことがあります。顎関節症では、口を開ける時の痛みや顎の音、耳の前の違和感を伴うことがあります。三叉神経痛では、電気が走るような鋭い痛みが短時間で繰り返されることがあります。

このような場合、歯を削ったり神経を取ったりしても痛みが改善しないことがあります。必要に応じて耳鼻咽喉科、神経内科、ペインクリニックなどと連携して診断を進めることが重要です。

歯痛は、自然に治ったように感じることがあります。しかし、痛みが消えたからといって、原因がなくなったとは限りません。

虫歯が進行して神経が死ぬと、一時的に痛みが弱くなることがあります。その後、根の先に膿がたまり、歯ぐきや顎の骨に炎症が広がることがあります。

歯周病を放置すると、歯を支える骨が失われ、歯がぐらつき、最終的に抜歯が必要になることもあります。

親知らずの炎症を放置すると、頬や顎の下まで腫れたり、口が開きにくくなったり、飲み込みにくくなったりすることがあります。

強い腫れ、発熱、口が開かない、飲み込みにくい、息苦しいなどの症状がある場合は、早急な対応が必要です。

歯が痛い時に、自己判断で温めるのは避けましょう。感染による腫れがある場合、血流が増えて痛みや腫れが強くなることがあります。

飲酒も避けてください。痛みが悪化したり、薬の副作用が出やすくなったりすることがあります。

激しい運動や長風呂も、炎症がある場合には痛みを強めることがあります。

また、痛い歯を指や舌で触り続けることも刺激になります。痛み止めだけで何日も様子を見るのではなく、早めに原因を確認することが大切です。

すぐに歯科医院を受診できない場合は、応急的に痛みを和らげる方法があります。

まずは、痛み止めを使用する方法があります。ロキソニンSなどの市販薬を使用する場合は、必ず説明書を確認し、用法・用量を守ってください。妊娠中、授乳中、持病がある方、他の薬を服用している方は、自己判断で使用せず、医師・歯科医師・薬剤師に相談してください。

腫れがある場合は、頬の外側から軽く冷やすことで痛みが和らぐことがあります。ただし、強く冷やしすぎたり、長時間冷やし続けたりするのは避けましょう。

歯磨きは無理のない範囲で行い、汚れをためないようにします。痛いからといって全く磨かないと、歯ぐきの炎症が悪化することがあります。

応急処置はあくまで一時的な対処です。痛みが落ち着いても、原因が残っていれば再発する可能性があります。

痛み止め・ロキソニンS

ロキソニンS
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対象疾患
  • 歯根先端の膿による痛みや腫れ(歯根嚢胞)。
  • 歯周病や智歯周囲炎の歯茎の痛みや腫れ。
  • 虫歯による歯の神経の痛みや腫れ。
ロキソニンSの注意

第一三共ヘルスケアのロキソニンSの詳細をご確認の上、服用してください。

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冷えピタ

冷えピタ
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使い方

智歯周囲炎の痛みや腫れが出てきた時には冷えピタなどの冷湿布を頬に貼ると痛みや腫れが軽減します。

冷やすことで親知らず周囲の歯茎の炎症が抑えられます。

歯茎が腫れて24時間以内なら「冷えピタ」のような湿布薬や水で濡らしたタオルで冷やす程度が良いでしょう。

ただし、24時間を超えてからは行わないようにしてください。血液循環を阻害する可能性があり、治癒を遅らせることになる可能性があります。

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歯痛の治療で大切なのは、まず原因を正確に見極めることです。

当院では、痛みの出方、痛む部位、いつから痛いのか、冷たいものや温かいものへの反応、噛んだ時の痛み、腫れや発熱の有無などを確認します。

必要に応じて、レントゲン検査を行い、虫歯の深さ、根の先の膿、親知らずの位置、歯周病の進行状態などを調べます。

歯痛の原因が虫歯なのか、神経の炎症なのか、歯周病なのか、親知らずなのか、歯ぎしりなのかによって治療法は異なります。

痛みを抑える応急処置だけでなく、できるだけ歯を残すことを考えながら、原因に合わせた治療をご提案します。

虫歯が浅い場合は、虫歯を取り除いて詰め物で修復します。

虫歯が神経まで達している場合は、根管治療が必要になることがあります。根管治療では、感染した神経や細菌を取り除き、根の中を消毒して薬剤で密閉します。

根の先に膿がたまっている場合は、再根管治療や外科的処置が必要になることがあります。

歯周病による腫れや痛みがある場合は、歯周ポケット内の洗浄、歯石除去、膿の排出、必要に応じた投薬などを行います。その後、歯周病の進行を抑えるための継続的な治療が必要です。

親知らずによる痛みの場合は、まず炎症を抑えたうえで、抜歯が必要かどうかを判断します。

歯ぎしりや食いしばりが原因の場合は、ナイトガードの作製、噛み合わせの確認、TCHの改善指導などを行います。

非歯原性歯痛が疑われる場合は、必要に応じて専門医療機関をご紹介します。

歯痛を防ぐためには、痛くなってから受診するのではなく、痛くなる前に予防することが大切です。

毎日の歯磨きでは、歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、奥歯の溝を丁寧に清掃しましょう。歯ブラシだけでは落としきれない汚れには、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が効果的です。

フッ素入り歯磨き粉を使用することで、虫歯予防にもつながります。

また、歯周病や根の先の病気は、自覚症状が少ないまま進行することがあります。定期検診やレントゲン検査、専門的なクリーニングを受けることで、痛みが出る前に問題を発見しやすくなります。

歯ぎしりや食いしばりがある方は、ナイトガードや生活習慣の見直しも大切です。

歯が痛いのに虫歯ではないことはありますか?

あります。歯周病、親知らず、歯ぎしり、知覚過敏、副鼻腔炎、顎関節症、三叉神経痛などが原因で歯が痛むことがあります。

夜になると歯が痛くなるのはなぜですか?

横になることで血流が変化し、神経の炎症による痛みを強く感じることがあります。また、静かな環境では痛みに意識が向きやすくなるため、夜間に痛みが強く感じられることがあります。

痛み止めを飲んで治まれば大丈夫ですか?

痛み止めで症状が一時的に落ち着くことはありますが、原因が治ったわけではありません。痛みが繰り返す場合や腫れがある場合は、早めに歯科医院を受診してください。

妊娠中でも歯痛の治療はできますか?

妊娠中でも、状態に応じて歯科治療は可能です。ただし、薬の使用やレントゲン撮影については注意が必要なため、妊娠中であることを必ず歯科医院に伝えてください。

歯痛と発熱がある場合は危険ですか?

歯の炎症が広がっている可能性があります。歯ぐきや頬が腫れている、口が開きにくい、飲み込みにくい、強いだるさがある場合は、早急な受診が必要です。

歯痛の原因は、虫歯だけではありません。神経の炎症、根の先の膿、歯周病、親知らず、歯ぎしり、知覚過敏、歯以外の病気など、さまざまな原因が考えられます。

大切なのは、痛みの種類から原因を見極め、早めに適切な治療を受けることです。

痛み止めで一時的に落ち着いても、原因が残っていれば再発することがあります。歯をできるだけ残すためにも、歯が痛い、噛むと痛い、歯ぐきが腫れている、夜眠れないほど痛いといった症状がある場合は、早めに歯科医院へご相談ください。

当院では、基本的にご予約いただいた患者様を優先して治療を行っております。そのため、急患の患者様には、予約患者様の空き状況などを考慮し、治療が開始できる時間までお待ちいただく場合がございます。

また、予約患者様でいっぱいの場合には、鎮痛剤や抗生剤の投与のみの対応となる場合があることをご了承ください。

さらに、腫れが強い場合には、口が十分に開けられなかったり、麻酔が効きにくくなったりすることがあります。患者様の「すぐに治療して痛みを取り除いてほしい」というお気持ちは十分に理解しておりますが、そのような場合は、当日は痛みや腫れを抑えるお薬を服用いただき、翌日以降に治療を開始することがございます。

江戸川区篠崎で急な歯の痛みにお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。

【動画】歯茎の出来物、フィステル、口内炎、口腔癌の見分け方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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