LPS(内毒素)と動脈硬化—歯周病がもたらす危険性

歯原性菌血症とは

歯周病菌や内毒素(LPS)が血管の中に入り、アテローム性動脈硬化を起こす模式図
歯周病菌や内毒素(LPS)が血管の中に入り、アテローム性動脈硬化を起こす模式図

歯周病菌・虫歯菌・菌体内毒素(LPS)が血管内に侵入

歯原性菌血症とは、簡単に言うと口の中の細菌が血管の中に入り込むことをいます。 具体的な侵入経路は、歯周病菌(グラム陰性桿菌)の菌体及び内毒素(LPS:リポポリサッカライド)が、炎症を起こした歯肉の血管の中に侵入します。

もう一つは、大きくなったう蝕に生息する虫歯菌が象牙質内の細い管を伝わって歯髄内の血管の中に侵入します。

う蝕や歯周病が重症化すると、菌の本体や菌体内毒素(LPS)が大量に血管内に入り込むことになります。歯周病や虫歯を治療せずに放置すると血管(特に動脈)は障害を受け続け、アテローム性動脈硬化を引き起こしてきます。

抜歯やルートプレーニングといった出血を伴う歯科治療においても同様に一時的な菌血症が起こります。歯周病が重症化した口腔内では更にそのリスクは増大します。

内毒素(LPS:リポポリサッカライド)
内毒素(LPS:リポポリサッカライド)

内毒素(LPS:リポポリサッカライド)

LPSは、歯周病菌が持つ毒素で、歯槽骨の破壊に関与し、歯周病の進行を早めると言われています。

LPSは血管の内壁に取り付き、血管の内皮細胞に障害を加え、動脈硬化に関わっていることがわかって来ました

歯原性菌血症とアテローム性動脈硬化の関連性

メタボリックシンドロームの病態の核心は、血管の損傷ということに尽きます。「人は血管と共に老いる」という言葉があるように、血管の損傷は、様々な病気を発症させる要因となります。

歯原性菌血症が起こるとメタボリックシンドロームによって起こった血管の損傷を更に増悪させる事になります。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、歯科治療は保険診療を主体に診療を行っております。江戸川区篠崎の歯科にて、歯原性菌血症予防を保険で受診したい方は当院までお気軽にご相談下さい。
保険証の期限切れにご注意ください。保険証の確認が取れない場合は保険診療として取り扱うことができません。

また、マイナンバーカードによるマイナ保険証での受診にも対応しています。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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