インプラント治療を検討しているものの、「高血圧だから無理かもしれない」「糖尿病でも手術できるの?」と不安に感じている方は少なくありません。実際には、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの持病があっても、適切にコントロールされていればインプラント治療が可能なケースは多くあります。

本記事では、持病や喫煙がインプラント治療に与える影響と、安全に治療を受けるためのポイントについて歯科医師の視点からわかりやすく解説します。

高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの持病があると、「インプラントは受けられないのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。

しかし、持病があるからといって必ずしもインプラント治療ができないわけではありません。重要なのは、全身状態が適切に管理されていることです。事前に健康状態を把握し、必要に応じて主治医と連携しながら治療計画を立てることで、リスクを評価したうえでインプラント治療を検討できるケースがあります

高血圧の方がインプラントを受ける場合

高血圧によるリスク

高血圧が十分にコントロールされていない場合、手術中や術後に以下のようなリスクが高まります。

  • 術中の血圧上昇
  • 術後の出血が止まりにくい
  • 心臓や血管への負担増加
  • 全身状態によっては手術延期や中止の可能性

安全に治療を行うためのポイント

血圧が安定している場合は、多くのケースでインプラント治療が可能です。治療前には血圧測定を行い、必要に応じて主治医と相談しながら投薬内容や体調管理を確認します。

糖尿病の方がインプラントを受ける場合

糖尿病によるリスク

糖尿病では血糖コントロールが不十分な状態が続くと、免疫機能が低下し、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 傷の治りが遅くなる
  • 細菌感染のリスクが高まる
  • インプラント周囲炎を発症しやすい
  • 骨との結合(オッセオインテグレーション)が不安定になる

治療前に確認すべきこと

インプラント治療では、HbA1cなどの検査結果を参考にしながら血糖コントロールの状態を確認します。適切に管理されている糖尿病患者では、良好な治療成績が報告されています。

骨粗しょう症の方がインプラントを受ける場合

骨粗しょう症による影響

骨粗しょう症では骨密度が低下しているため、インプラントを支える骨量が不足していることがあります。

また、骨代謝に影響を与える薬剤を服用している場合には注意が必要です。

特に注意が必要な薬剤

これらの薬剤は顎骨壊死との関連が指摘されており、服用状況や投与期間によってリスク評価が必要になります。

治療前の対応

骨粗しょう症だからといってインプラントが不可能になるわけではありません。主治医と連携し、服薬状況や全身状態を確認したうえで慎重に治療方針を決定します。

喫煙者がインプラントを受ける場合

喫煙がインプラントに与える影響

喫煙はインプラント治療の成功率を低下させる代表的な危険因子です。

喫煙によって血流が悪化し、組織への酸素供給が低下するため、

  • 傷の治癒遅延
  • 骨との結合不良
  • 感染リスクの増加
  • インプラント周囲炎の発症

などが起こりやすくなります。

禁煙の重要性

インプラント治療を成功させるためには、術前・術後の禁煙が重要です。できる限り長期間の禁煙、あるいは完全禁煙が望まれます。

その他に注意が必要な疾患

インプラント治療では、以下のような疾患にも注意が必要です。

免疫疾患

感染や創傷治癒の遅延が起こる可能性があります。

血液・内分泌疾患

  • 貧血
  • 甲状腺疾患

全身状態によっては手術リスクが高まります。

肝臓・腎臓の病気

  • 慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 慢性腎不全

薬剤の代謝や出血傾向への配慮が必要です。

悪性腫瘍の治療中

がん治療中や治療直後は、全身状態や免疫力を十分に評価したうえで治療の可否を判断します。

成長期の未成年

顎の骨の成長が完了していない場合、将来的な噛み合わせや位置の変化が生じるため、通常は成長終了後に検討します。

インプラント治療の成功には、お口の状態だけでなく全身の健康管理が欠かせません。

1. 持病を安定した状態に保つ

高血圧や糖尿病などの持病は、まず十分にコントロールされた状態で治療を行うことが重要です。

2. 主治医と歯科医師が連携する

服薬内容や全身状態を共有し、必要に応じて医科と歯科が連携しながら治療を進めます。

3. リスクに応じた治療計画を立てる

患者様ごとの健康状態や生活習慣を考慮し、無理のない治療スケジュールを作成することが大切です。

持病があるからといって、インプラント治療をあきらめる必要はありません。高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などがあっても、全身状態が適切に管理されていれば治療可能なケースは数多くあります。

大切なのは、事前の精密検査と十分なリスク評価、そして主治医と歯科医師の連携です。持病をお持ちの方は自己判断せず、まずはインプラントに詳しい歯科医院へ相談することをおすすめします。

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インプラント治療が可能かどうかは、病名だけでは判断できません。持病の状態や服用中のお薬、お口の状態などを確認したうえで、治療の可否を慎重に判断します。

「持病があるので他院で断られた」「薬を飲んでいるけれどインプラントができるか知りたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

【動画】奥歯を抜歯したまま放置すると?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

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