目次

「もうそろそろ断乳しなければ」と寂しい気持ちになっているお母さんへ。「断乳」はしなくていいのです。子供が自然とおっぱいを止める「自然卒乳」が母子共に有益なことがわかっています。

逆に、いつまでも卒乳出来ない場合でも同様です。可能な限り授乳を続けて下さい。

しかし、赤ちゃんの乳歯が生えてくると乳首に当たって痛くて授乳できないと悩んでいるお母さんもおられることでしょう。

今回は、母乳育児の重要性や乳首が当たって痛い時の対策、 歯科の視点からは乳歯の虫歯と歯並びの問題などについても解説します。

1-1. 卒乳と断乳の違いとは?

卒乳とは、赤ちゃんが自発的に母乳を飲まなくなり、自然に授乳が終わる過程を指します。一方、断乳は、親の意志で授乳を中止することを意味します。
違いのポイント

  • 卒乳:赤ちゃんのペースで進める、心理的負担が少ない
  • 断乳:スケジュールを決めて実施、短期間で終了できる

1-2. 自然卒乳と計画的卒乳のメリット・デメリット

自然卒乳のメリット

  • 赤ちゃんの成長に合わせたタイミングで卒乳が可能
  • 親子のストレスが少なく、心理的負担が軽減

自然卒乳のデメリット

  • 卒乳の時期が明確でなく、ダラダラと長引く可能性
  • 夜間授乳が長期間続く場合も

計画的卒乳のメリット

  • スケジュールが明確で、親が計画的に進められる
  • 夜間の授乳を早期に減らせる

計画的卒乳のデメリット

  • 赤ちゃんが強い不安を感じる場合がある
  • 親も強い意志が必要

1-3. 授乳によって愛情ホルモン(オキシトシン)が分泌され、母性愛が深まる

授乳時に分泌されるオキシトシン(愛情ホルモン)は、母子の絆を深め、リラックス効果をもたらします。卒乳のタイミングは赤ちゃんの成長や離乳食の進み具合を考慮し、無理なく進めることが大切です。卒乳は赤ちゃんの自立の一歩でもあるため、スキンシップを増やしながら安心感を与えることがポイントです。

愛情ホルモンが出る
愛情ホルモンが出る

催乳ホルモンのプロラクチン

赤ちゃんが母乳を欲しがり乳首に吸い付くと、その哺乳刺激で脳下垂体から「母乳を作りなさい」という指令を下す母乳分泌ホルモンの一つ「催乳ホルモン・プロラクチン」の分泌が起こります。赤ちゃんが乳輪までしっかりと咥え「深飲み」すれば更にこのホルモンの分泌は高まります。

射乳ホルモンのオキシトシン

プロラクチンの分泌と同時に起こるのが射乳ホルモンであるオキシトシンの分泌です。オキシトシンは乳腺を収縮させ、「母乳を送り出しなさい」という指令を出すホルモンです。

これら二つのホルモンの分泌によりストレスを抑え、赤ちゃんを慈しむ母性愛が深まります。母乳育児は子育てを楽しく感じさせる最良の方法であり、家族関係を良好にし、親子の絆を強める一助となるはずです。

1-4. 授乳時の痛み対策

ラッチオンを意識しよう
ラッチオンを意識しよう

ラッチオンを意識しよう

「ラッチオン」とは、赤ちゃんが乳首に吸いつこうとする動作に合わせて、ママが上手に乳首を赤ちゃんの口にふくませ吸着させることです。

ラッチオンのコツは赤ちゃんの唇が外に向かって大きく開き、朝顔のような形状になることです。できるだけ乳首を深くくわえさせ乳輪部全体を含ませるようにします 。

medela「ピュアレーン」
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乳頭保護クリームなどの保湿剤を使って乳首を保護しましょう。赤ちゃんの口に入っても安心なものを選ぶのがポイントです。おすすめはmedela「ピュアレーン」です。

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1-5. 日本と海外の卒乳の考え方の違い

日本では、1歳前後を目安に卒乳するケースが多く、職場復帰などのライフイベントに合わせる傾向があります。一方、海外では自然卒乳が推奨されることが多く、2〜3歳まで授乳を続ける文化も存在します。

具体例

  • 日本:卒乳時期を明確にし、子どもの生活リズムに合わせる
  • 海外:WHOが「2歳以上までの授乳」を推奨し、自然なタイミングを尊重

2-1. いつがベスト?卒乳の一般的な時期

卒乳の時期は赤ちゃんや家庭の状況によって異なりますが、多くのママが卒乳を意識し始めるのは1歳〜1歳半頃とされています。

一般的な卒乳のタイミング

  • 1歳前後:離乳食が進み、栄養のほとんどを食事から摂れるようになる
  • 1歳半〜2歳頃:言葉の理解が進み、授乳以外での安心感を得られるようになる
  • 2歳以降:自然卒乳が増える時期。WHOは2歳以上の授乳を推奨

ただし、卒乳のタイミングは家庭の事情や赤ちゃんの個性によって大きく変わるため、一律に決める必要はありません。

2-2. 卒乳を決める3つの判断基準

  1. 栄養面の準備ができているか
    • 1日3回の食事をしっかり摂れる
    • 母乳・ミルクなしでも成長に必要な栄養が補えている
  2. 赤ちゃんの精神的な準備
    • 授乳以外の方法で安心できる(抱っこ・遊び・言葉がけなど)
    • おっぱいを求める頻度が減っている
  3. ママのライフスタイルの変化
    • 職場復帰や保育園入園に向けて授乳時間を調整したい
    • ママの体調や負担を考えて卒乳を進めたい

これらの要素が整っていれば、スムーズな卒乳がしやすくなります。

2-3. 卒乳に適した時期と避けるべきタイミング(風邪・離乳食の進み具合など)

卒乳に適した時期

  • 赤ちゃんの健康状態が良いとき
  • 離乳食がしっかり進み、食事のリズムが安定している
  • ママの体調も良好で、無理なく卒乳に向き合える

避けるべきタイミング

  • 風邪や体調不良のとき
    • 授乳は赤ちゃんの安心材料。体調が悪い時に卒乳するとストレスが増す
  • 離乳食が進んでいないとき
    • 食事量が十分でないと栄養不足につながる可能性
  • 引っ越しや保育園入園などの環境変化があるとき
    • 生活リズムが変わる時期は赤ちゃんも不安になりやすい

卒乳のタイミングを見極め、無理のないペースで進めることが大切です。

2-4. 自然卒乳の奨め

断乳ではなく自然な卒乳を目指す
断乳ではなく自然卒乳を目指す

子供の年齢に縛られない

近年、子供の意思で自然と母乳を卒業する「自然卒乳」という考え方が一般的になってきました。

つまり、子供の年齢には、縛られないということです。

以前は、母親の意思で母乳をやめるという言葉が母子健康手帳にも載っていましたが、「卒乳」の方がずっと子供の自然な成長発育に有効であることがわかったため「断乳」は削除されました。

4歳まで母乳を飲んでいた保育園に通う子供が、ある日突然、お母さん「僕は今日で母乳をやめる」と言ってお母さんの洋服を自ら下したそうです。その時、お母さんはとても感動して、その日一日眠れなかったそうです。

自然卒乳を提唱し、日本に広めたのは、橋本武夫先生です。彼のプロフィールは、新生児医療の草分けでもある生マリア病院の新生児医療センターで約40年間、新生児医療に従事し、2008年聖マリア学院大学教授、聖マリア医療福祉研究所所長などを務められました。

卒乳は子供に決めてもらおう

近年、子供の栄養状態は高くなりましたが、母親の置かれている社会的な環境が変化し、育児不安や育児虐待といった問題が指摘されるようになりました。

母乳分泌ホルモンは前述した通り、母親の精神を安定させる効果があります。母乳育児は赤ちゃんにとってのメリットだけではなく、母親にとっても良好な母子関係が形成出来き、育児不安の軽減に繋がるはずです。

卒乳は母親が決めるのではなく子供に決めてもらうのが良いのではないでしょうか。

3-1. 段階的に卒乳を進めるスケジュール

卒乳は、赤ちゃんのペースに合わせて徐々に授乳回数を減らすのが理想的です。以下のステップで進めると、赤ちゃんもママもストレスが少なくなります。

ステップ1:日中の授乳回数を減らす(1〜2週間)

  • 授乳の代わりに、食事やおやつを充実させる
  • おっぱい以外のスキンシップ(抱っこ、遊びなど)を増やす

ステップ2:寝かしつけ授乳をやめる(2週間〜1ヶ月)

  • お風呂後に授乳せず、絵本や音楽でリラックスさせる
  • パパや家族が寝かしつけを担当する

ステップ3:夜間授乳をやめる(2週間〜1ヶ月)

  • 夜間に泣いたときは、水や麦茶を飲ませる
  • 添い寝で安心感を与える

ステップ4:完全卒乳へ(1ヶ月〜3ヶ月)

  • 1日1回の授乳をやめる
  • 卒乳後もスキンシップを意識して赤ちゃんの安心感を保つ

このように、赤ちゃんの様子を見ながら段階的に進めることが大切です。

3-2. 夜間授乳の減らし方と赤ちゃんの寝かしつけ

夜間授乳は赤ちゃんの安心材料ですが、卒乳を考える場合は徐々に頻度を減らしていくことが大切です。

夜間授乳を減らす方法

  • 授乳時間を短くする → 1回の授乳時間を徐々に短くしていく
  • 授乳の代わりに他の方法で寝かしつけ → 抱っこや背中トントンを活用
  • 水や麦茶を与える → 喉の渇きを癒しつつ、おっぱい以外の選択肢を作る
  • 寝かしつけのルーティンを作る → お風呂→絵本→寝る の流れを習慣化

赤ちゃんが安心できる環境を作ることで、スムーズに夜間授乳を卒業できます。

3-3. 赤ちゃんがぐずらないための心理的アプローチ

卒乳は赤ちゃんにとって大きな変化。できるだけぐずらず、スムーズに進めるためのポイントを紹介します。

心理的アプローチのコツ

  • 「おっぱいバイバイ」を楽しいものにする
    → 「もうすぐおっぱい卒業だね」とポジティブに伝える
  • スキンシップを増やす
    → 授乳の代わりにたくさん抱っこや遊びをする
  • お気に入りのアイテムを活用
    → ぬいぐるみやタオルなど、安心できるものを持たせる
  • 焦らず、赤ちゃんのペースに合わせる
    → 無理に授乳をやめず、少しずつ間隔を空ける

赤ちゃんが不安にならないよう、ゆっくりと進めることが大切です。

3-4. 母乳の分泌量を調整する方法

卒乳を進める際、母乳が急に溜まってしまうと乳腺炎のリスクがあります。以下の方法で、母乳の分泌量を調整しましょう。

母乳の減らし方

  1. 授乳回数を少しずつ減らす(1日1回ずつ減らす)
  2. 搾乳する場合は少量ずつ(しこりができないように注意)
  3. カフェイン・水分摂取量を適度に調整(急激に減らさない)
  4. 乳房マッサージを活用する(張りが強いときにやさしくほぐす)

急激に授乳をやめると、ママの体にも負担がかかるため、無理のないペースで調整しましょう。

3-5. 保育園入園・職場復帰と卒乳の関係

ママの職場復帰や保育園入園のタイミングで卒乳を考える方も多いですが、事前に準備しておくことでスムーズに進められます。

保育園入園・職場復帰と卒乳の関係
保育園入園・職場復帰と卒乳の関係

保育園入園前に準備すること

  • 日中の授乳回数を減らす(保育園に慣れる前に、おっぱいなしで過ごす時間を増やす)
  • 哺乳瓶・ストローマグに慣れさせる(授乳以外の水分補給手段を確保)
  • 寝かしつけの方法を変えてみる(保育士さんでも対応できるように、抱っこやトントンで寝る練習)

職場復帰後の母乳との付き合い方

  • 搾乳を活用するか決める(復帰後もしばらく母乳を続ける場合は、搾乳スケジュールを考える)
  • 卒乳後の体調変化に注意(ホルモンバランスの変化による体調不良も考慮する)

無理に卒乳を進めるのではなく、ママと赤ちゃんにとってベストな方法を選ぶことが重要です。

4-1. 授乳卒業後の栄養補給(牛乳・フォローアップミルクは必要?)

卒乳後、母乳やミルクをやめると「栄養は足りるの?」と不安になるママも多いですが、離乳食がしっかり進んでいれば特別な対応は不要です。

フォローアップミルク
フォローアップミルク

牛乳は必要?

  • 1歳を過ぎると、牛乳を飲ませることが可能
  • 牛乳はカルシウムやたんぱく質が豊富で栄養補給に役立つ
  • ただし、1日200〜400ml程度に抑え、飲みすぎには注意(鉄欠乏性貧血のリスクがあるため)

フォローアップミルクは必要?

  • 基本的には食事から栄養を摂ることが理想的
  • 離乳食が十分に摂れない場合は一時的に活用するのもOK
  • 2歳頃までの栄養補助として利用する家庭もある

牛乳かフォローアップミルクか迷ったら?

  • 食事のバランスが取れている → 牛乳でOK
  • 鉄分や栄養の不足が気になる → フォローアップミルクを活用

赤ちゃんの成長や食事の進み具合に応じて、無理なく調整しましょう。

4-2. 赤ちゃんの情緒面の変化とケア方法

卒乳は、赤ちゃんにとって大きな環境の変化。母乳は栄養だけでなく、安心感を与える役割も持っていたため、精神的なケアが必要になります。

卒乳後に起こりやすい情緒面の変化

  • 甘えん坊になる(ママとのスキンシップを求める)
  • ぐずる・機嫌が悪くなる(いつもと違う環境に戸惑う)
  • 指しゃぶりやおしゃぶりの使用が増える(安心感を得るため)

赤ちゃんを安心させるケア方法

  1. スキンシップを増やす
    • たくさん抱っこしたり、マッサージをしてあげる
  2. 授乳の代わりに別の習慣を作る
    • 絵本の読み聞かせや寝る前のハグを習慣化する
  3. パパや家族の協力を得る
    • ママ以外の人と過ごす時間を増やし、安心感を分散

赤ちゃんが「おっぱいがなくても安心できる」と感じるようになると、卒乳後の不安が減ります。

4-3. 睡眠リズムの変化と夜泣き対策

母乳を卒業すると、夜間の授乳がなくなることで睡眠リズムが変化します。一時的に夜泣きが増えることもあるため、対策をしておきましょう。

卒乳後の睡眠リズムの変化

  • 授乳で寝かしつけていた場合、寝つきが悪くなることがある
  • 夜間覚醒(夜中に目を覚ます回数)が増えることも
  • 生活リズムが安定すると、夜通し眠れるようになる

夜泣き対策

  1. 寝かしつけの新しい習慣を作る
    • 例)お風呂 → 絵本 → トントンで寝る
  2. 部屋を暗くして睡眠環境を整える
    • 静かで落ち着いた環境を作り、安心感を与える
  3. 夜中に目覚めてもすぐに授乳しない
    • 水や麦茶を飲ませたり、抱っこで落ち着かせる

卒乳後、しばらくは睡眠の変化があるかもしれませんが、2週間〜1ヶ月程度で安定することが多いです。

ママも無理をせず、家族と協力しながら赤ちゃんの睡眠リズムを整えていきましょう。

4-4. 母乳育児と虫歯の関係

 母乳育児と虫歯の関係
母乳育児と虫歯の関係

最新の虫歯予防法で安心育児

以前は、1歳を過ぎても母乳保育をしていると赤ちゃんに虫歯が発生するのではと問題視されていました。

そこで「母乳を与えるのを止めなければ」と考え、断乳する母親が多かったと思います。

しかし現在では、様々な虫歯予防法が用意されています。例えば、赤ちゃんへのフッ素の使用、キシリトールの使用、リカルデントの使用などです。

また、虫歯菌の母子感染防止の方法は、ほぼ確立されています。

4-5. 母乳育児と歯並びの関係

母乳育児2年間の重要性とは

母乳を飲ませる期間が2ヶ月以下だと子供の歯並びが悪くなる危険性が4倍になることが知られています。

赤ちゃんの哺乳運動は舌や顎の成長が正常になされるために必須なのです。もし、十分な顎骨の成長が起こらず、適切な舌の使い方が出来ないと子供の歯並びはガタガタの乱杭歯や出っ歯になってしまいます。従って母乳保育は最低でも2年間は必要です。

また母乳が出ない母親は咀嚼型ニプルを使用することで同様の効果が期待出来ます。

5-1. 卒乳後のおっぱいケア(張り・痛み・しこり対策)

卒乳後は母乳の分泌が減少しますが、急に授乳をやめると乳房の張りや痛みが生じることがあります。適切なケアを行い、トラブルを防ぎましょう。

おっぱいの張りや痛みの対処法

  • 授乳回数を徐々に減らす(一気にやめると乳腺炎のリスクが上がる)
  • 張りが強い場合は少しずつ搾乳する(しこりができない程度に調整)
  • 冷やす(冷たいタオルやキャベツの葉を当てると痛みを和らげる)

しこりができた場合の対策

  • しこり部分を優しくマッサージ(強く押しすぎない)
  • 授乳や搾乳で少しずつ圧を抜く
  • 温めてから軽くマッサージし、張りを和らげる

しこりが長期間続く場合や、痛みが強い場合は助産師や医師に相談しましょう。

5-2. 乳腺炎を防ぐ方法

卒乳後に母乳がうまく排出されないと、乳腺炎になることがあります。特に、母乳の分泌が多い人は注意が必要です。

乳腺炎を防ぐためのポイント

  1. 一気に授乳をやめず、段階的に減らす
    • 卒乳の1ヶ月前から少しずつ授乳回数を減らす
  2. 母乳が溜まりすぎないようにする
    • 強く張る場合は、少しずつ搾乳して圧を抜く
  3. 食生活を見直す
    • 脂っこい食事や甘いものを控え、乳腺が詰まりにくい食事を心がける
  4. しこりや熱感を感じたらすぐに対処
    • 乳房の痛みや赤み、発熱がある場合は乳腺炎の可能性があるため、早めに医療機関を受診

無理に授乳をやめるのではなく、自分の体調と相談しながら卒乳を進めましょう。

5-3. ホルモンバランスの変化による体調不良と対処法

卒乳後は女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の変化により、体調が不安定になることがあります。

よくある体調変化

  • 情緒不安定(イライラ・落ち込み)
  • 抜け毛が増える(産後のホルモンバランスの影響)
  • 頭痛や倦怠感を感じる

ホルモンバランスを整える方法

  1. 栄養バランスの取れた食事を摂る
    • ビタミンB群、鉄分、カルシウムを意識する
  2. 適度な運動をする
    • 軽いストレッチやウォーキングで血流を促進
  3. 睡眠時間をしっかり確保する
    • 夜泣きが続く場合は、家族の協力を得て休息を取る

ホルモンバランスの乱れは、時間とともに落ち着いていくことが多いですが、体調が悪化する場合は医師に相談しましょう。

5-4. 妊娠しやすくなる?卒乳後の妊娠・生理再開について

授乳中は「プロラクチン」というホルモンが多く分泌されるため、生理が不安定になることがあります。しかし、卒乳するとホルモンバランスが変わり、生理が再開しやすくなります。

生理再開のタイミング

  • 卒乳後1〜3ヶ月以内に生理が来る人が多い
  • 個人差があり、半年以上かかることもある

卒乳後に妊娠しやすくなる理由

  • 授乳による排卵抑制がなくなるため、排卵が再開しやすい
  • ホルモンバランスが安定し、妊娠しやすい状態に

注意点

  • 生理が再開していなくても排卵が起こる可能性があるため、妊娠を希望しない場合は避妊を意識する
  • 逆に、なかなか生理が戻らない場合は、婦人科で相談するのも◎

卒乳後は妊娠の可能性も高まる時期なので、次の妊娠を希望するかどうかを考えながら、体調管理をしていきましょう。

6-1. 卒乳は子どもの成長に影響する?

卒乳は、子どもの成長にとって自然な過程ですが、「早すぎると発育に影響があるのでは?」と不安に思うママも多いでしょう。

卒乳が子どもの発育に与える影響

  1. 栄養面の影響
    • 1歳以降は母乳よりも食事が主な栄養源になるため、卒乳自体が発育に悪影響を与えることはない
    • ただし、離乳食の進み具合によっては栄養不足にならないよう注意
  2. 情緒面の影響
    • 母乳は「栄養」だけでなく「安心感」を与える役割もある
    • 急な卒乳ではなく、スキンシップを増やしながら進めることで、心理的な不安を軽減できる
  3. 免疫面の影響
    • 母乳には免疫成分が含まれているが、1歳以降の免疫機能は食事や環境で補われる
    • バランスの取れた食生活と適度な運動が免疫力を高めるカギ

6-2. 卒乳後、赤ちゃんはおしゃぶりを使うべき?

卒乳後、赤ちゃんが「口寂しさ」からおしゃぶりを求めることがあります。おしゃぶりの使用にはメリットとデメリットがあるため、赤ちゃんの様子を見ながら適切に判断しましょう。

おしゃぶりのメリット

  • 卒乳直後の赤ちゃんの「口寂しさ」を和らげる
  • 夜泣きの軽減につながることがある
  • 指しゃぶりの代わりになる(指しゃぶりよりはおしゃぶりの方が卒業しやすい)

おしゃぶりのデメリット

  • 長期間の使用は歯並びや噛み合わせに影響することがある
  • 使いすぎると卒乳後の言葉の発達に影響を与えることも

おすすめの対応

  • 卒乳直後は、赤ちゃんが落ち着くために短期間の使用はOK
  • 1歳半〜2歳頃までにおしゃぶりを卒業するのが理想
  • おしゃぶりの代わりに抱っこや遊びで安心感を与える

6-3. 兄弟・双子の場合、卒乳のタイミングはどうする?

兄弟や双子がいる場合、卒乳の進め方に悩むママも多いでしょう。それぞれの状況に応じた対応を考えることが大切です。

兄弟がいる場合

  • 上の子の影響を受けやすい → 兄・姉が卒乳していれば、下の子もスムーズに進むことが多い
  • 下の子の誕生で卒乳を進めるか考える → 赤ちゃん返りを防ぐために、下の子の誕生前後で無理に卒乳を進めない
  • 兄弟それぞれのペースを大切にする → 上の子と下の子で卒乳時期が違ってもOK

双子の場合

  • 一緒に卒乳するのが理想だが、個別対応も必要
    • どちらかが卒乳したら、もう一人も自然と卒乳しやすい
    • 片方が卒乳を嫌がる場合は、無理せずペースを合わせる
  • 寝かしつけや授乳回数を徐々に減らす
    • 双子は同じペースで進めるのが難しいため、少しずつ授乳回数を減らしながら調整

兄弟や双子の場合も、一人ひとりの成長に合わせて無理のない卒乳スケジュールを考えることが大切です。

7-1. 卒乳を成功させるためのポイント

卒乳は、赤ちゃんとママにとって大きな変化のひとつです。スムーズに進めるために、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 卒乳のタイミングを見極める
    • 離乳食がしっかり進んでいるか
    • 赤ちゃんが授乳以外の方法で安心できるようになっているか
  2. 段階的に授乳を減らす
    • まずは日中の授乳を減らし、徐々に夜間授乳をなくしていく
    • 授乳の代わりにスキンシップを増やす
  3. 赤ちゃんの気持ちを大切にする
    • 急な卒乳は避け、赤ちゃんの様子を見ながら進める
    • 不安を和らげるために、お気に入りのぬいぐるみや絵本を活用
  4. ママの体のケアも忘れずに
    • 卒乳後は乳房の張りやしこりに注意し、無理に搾乳せず自然に減らす
    • ホルモンバランスの変化による体調不良に備え、食事や休息を大切に

7-2. ママも赤ちゃんも笑顔で卒乳するために

卒乳は「おっぱいとのお別れ」ではなく、新しい成長のステップです。赤ちゃんが不安にならないように、ママもリラックスして向き合いましょう。

焦らず赤ちゃんのペースを尊重する
卒乳後もスキンシップや愛情表現を増やす
パパや家族のサポートを積極的に活用する

赤ちゃんと一緒に新しい生活リズムを楽しみながら、無理のない卒乳を進めていきましょう。

江戸川区篠崎のママへ!卒乳と歯並び・虫歯予防をサポートします

母乳育児を2年間続けることで、赤ちゃんの口周りの筋肉が適切に発達し、歯並びが良くなると考えられています。母乳を吸う動作は顎の発育を促し、将来の歯並びに良い影響を与えるため、長期授乳にはメリットがあります。

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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