「歯が伸びる」という現象をご存知ですか?歯が伸びるとは、歯が本来の位置から上や下に伸びているように見える状態のことを指します。この現象は特に歯が抜けたまま放置された場合に起こりやすく、歯並びや咬み合わせに悪影響を与えることがあります。

この記事では、歯が伸びる原因やその治療方法、予防策について詳しく解説していきます。この症状を無視すると、日常生活に大きな不便をもたらす可能性があるため、早期の対処が重要です。症状に心当たりのある方は、ぜひ参考にしてください。

【🎞️31秒】歯が勝手に伸びる「挺出」とは? 放置のリスクと対策

🔍 そもそも「挺出(ていしゅつ)」とは?

  • 歯が自然に上下に動いて伸びる現象
  • 隣の歯や噛み合う歯が欠けたり抜けたりすると、支えを失って挺出が起こる
  • 特に噛み合う相手の歯が無くなると、反対側の歯が伸びてくることが多い

📸 症例紹介:実際に伸びた歯の例

🖼 パノラマレントゲンで確認

上顎4番・5番・6番が挺出
上顎4番・5番・6番が挺出
  • 上顎の第一大臼歯・第二小臼歯・第一小臼歯の3本が下方向に挺出
  • 噛み合う歯がないため、下の歯茎に向かって伸びている

❌ 歯の喪失を放置する

  • 抜けた歯を放置すると、対合歯が挺出してしまう

🦠 歯周病の進行

  • 歯槽骨が溶けて歯が浮いたように見えることも

⚖️ 噛み合わせの不良

  • 一部の歯に過剰な力がかかると移動や挺出の原因に

👄 審美面の問題

  • 前歯が伸びると見た目が悪化し、笑顔にも影響

🍴 機能面の問題

  • 噛む力が低下し、咬合回復が難しくなる

💢 全身への影響

  • 肩こり・頭痛・顎関節痛・冷え性・鼻づまりなど、多岐にわたる症状の引き金にも

✅ 予防のポイント

  • 歯を失ったらすぐに治療(インプラント・ブリッジ・部分入れ歯)
  • 定期的な歯科検診と咬合チェック

🛠 治療の選択肢

  • 歯周病:歯肉治療や骨再生療法
  • 軽度挺出:咬合調整(歯を削る)、クラウンで補綴
  • 重度挺出:矯正治療や必要に応じて抜歯

① 補綴による治療例

上顎7番・8番が挺出し、下の歯茎に干渉
上顎7番・8番が挺出し、下の歯茎に干渉

上顎7番・8番が挺出して下の歯茎を噛んでいます。上顎7番・8番があっても下の歯がないため、勝手に下がってきてしまいました。

8番(親知らず)は抜歯、7番は根管治療+クラウンで連結補強
8番(親知らず)は抜歯、7番は根管治療+クラウンで連結補強

上顎8番(親知らず)は全く噛み合わせに参加していないため抜歯を行いました。上顎7番は根管治療を行ない歯の高さを低くして、上顎6番と金属の被せ物で連結しました。

② 矯正による挺出治療

  • ブラケットとワイヤーを使って矯正
  • すべての挺出が対象ではなく、固定源との関係で可否を判断

残念ながら、歯が一度伸びてしまった場合、自然に戻ることはほとんどありません。専門的な治療が必要です。

伸びた歯は放置するとさらに挺出が進み、他の歯にも影響を与えます。できるだけ早く歯科医に相談してください。

治療法によって費用は異なります。インプラント、矯正、ブリッジなど、それぞれの治療法のコストを考慮し、自分に合ったものを選びましょう。

歯が伸びる症状は、見た目や機能面に悪影響を与える可能性があります。しかし、早期に原因を特定し、適切な治療を行うことで、症状の進行を防ぐことができます。定期的な検診や早期治療、専門家のアドバイスを活用することで、自分の歯を長く健康に保つことが可能です。歯に異変を感じたら、江戸川区篠崎の当院までお気軽にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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