クワドヘリックスとは

  • クワドヘリックスは上部歯列弓の幅を拡大する固定式の矯正装置です。
  • 歯と口蓋骨に優しく圧力をかけることで、出っ歯、叢生や交叉咬合などの治療に役立ちます。
  • 5mm前後の拡大を目標とします。一般的に使用期間は約6ヶ月です。
  • 下顎歯列の拡大にはクワドヘリックスと同じような効果を持ったバイヘリックスが使われます。
目次

クワドヘリックスはどんな症例に適用される?上顎歯列狭窄・交叉咬合の改善法

クワドヘリックスとは?

クワドヘリックス
クワドヘリックス

クワドヘリックスの基本構造と役割

クワドヘリックス(Quad Helix)は、V字状に狭くなった上顎の狭窄歯列弓を4つの輪の弾性力で上顎第1大臼歯と上顎側方歯群(犬歯・小臼歯)を徐々に拡大する固定式の拡大装置です。上顎第1大臼歯に巻かれたバンドをセメントで固定するので患者さん自身では取り外しが出来ません。この装置は、ワイヤーの弾性を利用して歯に持続的な圧力をかけ、徐々に上顎の幅を広げる働きをします。

クワドヘリックスの主な役割は以下のとおりです:

  • 上顎の歯列弓を拡大:歯列の幅を広げることで、歯の並びを改善。
  • 交叉咬合(クロスバイト)の改善:上下の噛み合わせのズレを修正。
  • 永久歯のスペース確保:将来的な抜歯を回避するため、早期にスペースを確保。

この装置は取り外しができないため、患者自身が外すことはできず、矯正歯科医によって定期的に調整されます。

他の矯正装置との違い(バイヘリックスとの比較)

クワドヘリックスと似た働きをする装置には、バイヘリックス(Bi-Helix) があります。それぞれの違いを比較すると以下のようになります。

矯正装置特徴適応症例
クワドヘリックス4つのループを持つ固定式の装置で、上顎の歯列拡大に用いられる。上顎の狭窄、交叉咬合、歯列不正の改善。
バイヘリックスクワドヘリックスよりもシンプルな2つのループを持ち、下顎の歯列拡大に用いられる。下顎の狭窄、歯列不正の改善。

クワドヘリックスは上顎の拡大に特化しており、適度な力で持続的に歯を広げるため、比較的快適な矯正方法とされています。一方、バイヘリックスは下顎の拡大に用いられることが多いです。

固定式拡大装置のメリット・デメリット

クワドヘリックスを含む固定式拡大装置には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 患者の協力が不要:取り外しができないため、装着時間を気にする必要がない。
  • 持続的な力を加えられる:ワイヤーの弾性を利用し、安定した矯正力を発揮。
  • 治療効果が確実:取り外し式装置よりも効果が出やすい。

デメリット

  • 違和感が強い:装着直後は話しづらさや食事のしにくさを感じることがある。
  • 装置の調整が必要:1〜2ヶ月に一度、矯正歯科での調整が必要。
  • 清掃が難しい:歯列の内側に装置があるため、食べかすが詰まりやすく、清掃に手間がかかる。

クワドヘリックスは特に小児矯正でよく使用される装置ですが、大人の矯正にも適用されることがあります。適切な歯磨きと定期的な歯科受診を行うことで、よりスムーズな治療が可能になります。

クワドヘリックスの仕組み

どのように歯列を拡大するのか?

クワドヘリックスは、上顎の歯列を拡大するために持続的な矯正力を加える固定式装置です。クワドヘリックスの原理は、装着する前にクワドヘリックスを約1cm左右に広げ、同時にバンド部分を回転させた状態で強引に上顎大臼歯にセメントで装着します。

すると、次第に上顎大臼歯は左右に拡大され、大臼歯の回転も加わってアームが側方歯群(小臼歯・犬歯)順次当たってきます。このメカニズムにより、歯列全体が拡大されることになります。

拡大のメカニズム

  1. 第一大臼歯に固定:クワドヘリックスは、上顎の第一大臼歯(奥歯)に金属バンドで固定される。
  2. ワイヤーの弾性で圧力を加える:装置に組み込まれたループ状のワイヤーが歯列内側(口蓋側)に配置され、歯列に持続的な外向きの圧力を加える。
  3. 歯と顎の骨が順応する:骨のリモデリング(吸収と再生)が起こり、歯列弓の幅が広がる。
  4. 調整を繰り返しながら拡大:1〜2ヶ月ごとに矯正歯科で調整しながら、適切な歯列の拡大を行う。

この方法により、歯列の幅を無理なく拡大し、抜歯を避けながらスペースを確保することが可能になります。

口蓋の圧力調整と適応メカニズム

クワドヘリックスは、口蓋(上顎の内側)に適度な圧力をかけることで歯列を拡大します。そのメカニズムを詳しく説明します。

  1. 歯の傾斜移動と骨の適応
    • クワドヘリックスが発揮する持続的な圧力により、奥歯の傾斜移動(外側へ傾く動き)が起こる。
    • 同時に、歯槽骨(歯を支える骨)にも適度な負荷がかかり、徐々にリモデリング(再構築)される。
  2. 歯列の対称的な拡大
    • クワドヘリックスのワイヤー形状により、歯列の左右がバランスよく拡大される。
    • 必要に応じてワイヤーを調整することで、非対称な歯列にも対応可能。
  3. 適応症例に応じた力の調整
    • 軽度な拡大が必要な場合:ワイヤーをわずかに広げるだけで済む。
    • 大幅な拡大が必要な場合:より強い力をかけ、調整頻度を高める。

このメカニズムにより、患者ごとに適切な圧力をかけながら歯列拡大を進めることができます。

クワドヘリックスが適応される症例

クワドヘリックスは、特定の歯並びや噛み合わせの問題に対して効果的です。以下のような症例に適応されます。

上顎が狭く出っ歯
上顎が狭く出っ歯
上顎が狭く歯がガタガタ
上顎が狭く歯がガタガタ

1. 上顎の狭窄(歯列弓が狭いケース)

  • 遺伝的な要因や指しゃぶりなどの癖によって、上顎の幅が狭くなっている場合に使用。
  • 顎の成長を利用して、適切なスペースを確保し、歯並びを整える。

2. 交叉咬合(クロスバイト)の改善

  • 交叉咬合とは、上下の歯の噛み合わせが逆になっている状態。
  • クワドヘリックスで上顎を広げることで、噛み合わせを正常に戻す。

3. 叢生(歯のガタガタ)の改善

  • 歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なって生えている状態(乱ぐい歯)。
  • クワドヘリックスで歯列を広げ、スペースを確保することで、歯並びを整えやすくする。

4. 永久歯抜歯を回避するための小児矯正

  • 小児期に歯列を広げることで、将来的に抜歯をせずに矯正できる可能性を高める
  • 早期治療を行うことで、成長を利用した効果的な矯正が可能になる。

クワドヘリックスは、歯列拡大の目的だけでなく、噛み合わせの改善や永久歯の適切な生え変わりをサポートする重要な矯正装置です。
患者ごとの症状や年齢に応じて、適切な適応を判断し、矯正治療の計画を立てることが重要です。

クワドヘリックスは、固定式のため患者の協力が不要で確実な治療効果を得られるという利点があります。一方で、装着直後の違和感や清掃の難しさといった課題もあるため、矯正歯科医の指導に従いながら適切にケアすることが大切です。

クワドヘリックスは、上顎の歯列を広げるための固定式矯正装置です。装着の手順から治療の流れ、治療期間中の注意点まで詳しく解説します。

クワドヘリックスの装着と治療の流れ
クワドヘリックスの装着と治療の流れ

初回装着時の手順と治療計画

1. 事前診査と診断

  • まず、矯正歯科で歯列の状態や顎の成長を確認するために、X線撮影や口腔内スキャンを行います。
  • クワドヘリックスの適応症例であるかどうかを診断し、治療計画を立てます。

2. 歯の型取り

  • クワドヘリックスは患者ごとにオーダーメイドで作製されるため、歯型を採取して専用の装置を作ります。

3. 装着(1回目の治療)

  • クワドヘリックスは第一大臼歯(奥歯)に金属バンドで固定されます。
  • ワイヤーのテンションを適切に調整し、歯列全体に均一な拡大力を加えます。
  • 固定式のため、患者自身が取り外すことはできません。

4. 治療計画の説明

  • 矯正歯科医から、治療の進行状況や調整の頻度、日常生活での注意点について説明を受けます。
  • 初期の違和感や痛みについても、適切な対処法を指導されます。

装着後の違和感と調整の頻度

1. 初期の違和感

クワドヘリックスを装着した直後は、次のような違和感が生じることがあります:

  • 異物感:口蓋に装置があるため、話しづらさや違和感を感じる。
  • 痛みや圧迫感:歯が動く過程で圧力を感じることがある(通常1週間程度で軽減)。
  • 食事のしづらさ:装置が舌に当たりやすく、食べにくいと感じることがある。

対処法

  • 数日間はやわらかい食事を選ぶ(スープ、ヨーグルト、豆腐など)。
  • 口の中を刺激しないように、ゆっくりと噛む。
  • 違和感が強い場合は、痛み止め(市販の鎮痛剤)を服用する。

2. 調整の頻度

  • 1〜2ヶ月に1回の頻度で矯正歯科を受診し、装置の調整を行います。
  • 調整時には、ワイヤーの形状を微修正し、適切な圧力を維持します。
  • 調整後は再び軽い痛みを感じることがありますが、通常2〜3日で落ち着きます。

3. 日常生活での注意点

  • 装置の破損を防ぐため、硬い食べ物を避ける(氷、ナッツ、キャラメルなど)。
  • 口腔ケアを徹底する(歯列の内側に食べ物が詰まりやすいため、フロスや歯間ブラシを活用)。
  • 装置が外れたり、ワイヤーが変形した場合はすぐに歯科へ相談

治療期間とその間の注意点

1. 治療期間の目安

  • クワドヘリックスの装着期間は約6ヶ月〜1年が一般的。
  • 症例によっては、4ヶ月程度で十分な拡大が完了する場合もある

2. 治療終了の判断

  • 歯列の拡大が完了し、適切なスペースが確保された段階で装置を取り外す
  • 拡大後の歯列が後戻りしないよう、リテーナー(保定装置)を装着する場合がある

3. 治療中の注意点

  • 定期的に矯正歯科を受診し、進行状況を確認する。
  • 歯磨きを丁寧に行う(クワドヘリックスの周囲は汚れが溜まりやすいため、専用の歯間ブラシを使用)。
  • 装置に違和感や異常があれば、すぐに歯科へ連絡

【まとめ】

クワドヘリックスは固定式のため、矯正効果が確実で患者の協力を必要としない
初期の違和感はあるが、1週間程度で慣れる
1〜2ヶ月に1回の頻度で調整が必要
治療期間は6ヶ月〜1年が目安で、終了後はリテーナーで保定することも

クワドヘリックスの治療は、上顎の拡大や噛み合わせの改善に効果的ですが、適切なメンテナンスや歯科医の指導を守ることが重要です。

クワドヘリックスは固定式の矯正装置であり、装着直後や調整後に痛みや違和感を感じることがあります。ここでは、痛みの持続期間や食事の注意点、ワイヤーが当たる際の対処法について詳しく解説します。

装着直後の痛みはどのくらい続く?

クワドヘリックスを装着した直後は、以下のような症状が出ることがあります:

  • 歯が押されるような圧迫感
  • 軽度の痛みや違和感
  • 舌にワイヤーが当たる感覚
  • 発音しにくさや食事のしづらさ

痛みの持続期間

  • 装着後1~3日間が最も強い痛みを感じやすい。
  • 1週間程度で違和感が徐々に軽減し、装置に慣れてくる。
  • 調整後も2~3日間は軽度の痛みを感じることがあるが、次第に慣れる。

痛みへの対処方法

  1. 痛み止めを使用する
    • 市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を使用することで痛みを軽減できる。
  2. やわらかい食事を摂る
    • 硬い食べ物を避け、スープやヨーグルトなどの柔らかいものを選ぶ。
  3. 冷やす(軽度の痛みの場合)
    • 頬の外側から冷たいタオルや保冷剤を当てると、痛みが和らぐことがある。

食事の注意点(避けるべき食べ物)

クワドヘリックスを装着中は、装置の破損や痛みの悪化を防ぐために、食事に気をつける必要があります

避けるべき食べ物
避けるべき食べ物

避けるべき食べ物

食べ物の種類理由
硬い食べ物ナッツ類、せんべい、生のニンジン、氷を噛む → 装置が曲がる・破損のリスク
粘着性のある食べ物ガム、キャラメル、グミ、モチ → ワイヤーに絡みつき清掃が困難
繊維質の多い食べ物セロリ、ほうれん草など → ワイヤーに引っかかりやすい
炭酸飲料や砂糖の多い飲食物炭酸飲料、ジュース、飴 → 装置周囲の虫歯リスクを高める

おすすめの食べ物

おすすめの食べ物
おすすめの食べ物
  • やわらかい食事:スープ、リゾット、ヨーグルト、豆腐など
  • 小さくカットして食べる:果物や肉類は小さく切って食べる
  • ストローを使う:ジュースやスムージーを飲む際に装置に触れにくい

食後は、装置周りの清掃をしっかり行い、食べかすが残らないように注意しましょう。

ワイヤーが当たる場合の対処方法

クワドヘリックスは、上顎の内側にワイヤーが配置されるため、舌や頬に当たって痛みを感じることがあります。

ワイヤーが当たる主な原因

  • 装着直後の違和感
  • ワイヤーの調整後の位置変化
  • 装置の変形やずれ

対処方法

  1. 歯科用ワックスを使用する
    • 矯正歯科で提供される矯正用ワックスをワイヤーに付けると、舌や頬の粘膜への刺激を軽減できる。
    • ワックスは食事や歯磨き後に交換すると衛生的。
  2. 舌や頬の粘膜を保護する
    • うがいをこまめに行い、口内の清潔を保つ。
    • 蜂蜜やオリーブオイルを粘膜に塗ると、粘膜を保護しやすい。
  3. 歯科医院で調整してもらう
    • ワイヤーの先端が尖っていたり、痛みが続く場合は歯科医院で調整を依頼
    • 無理に自己処理せず、専門家に相談するのが安全。

【まとめ】

装着直後の痛みは1週間程度で軽減するが、調整後も一時的な痛みが出ることがある
硬い食べ物や粘着性のある食べ物は避け、装置が破損しないように注意する
ワイヤーが舌や頬に当たる場合は、矯正用ワックスを使うか、歯科医院で調整してもらう

クワドヘリックスの治療は、初期の痛みや違和感に適切に対処しながら進めることで、スムーズに歯列拡大ができるため、焦らず慣れていくことが大切です。

クワドヘリックスは矯正治療の一環として使用されるため、費用が気になる方も多いでしょう。ここでは、自費診療と保険適用の違い、他の拡大装置との費用比較、矯正治療全体の費用感について詳しく解説します。

自費診療と保険適用の違い

クワドヘリックスは保険適用される?

クワドヘリックスは、基本的に自費診療となるケースがほとんどです。ただし、特定の疾患に該当する場合に限り、健康保険が適用されることがあります。

保険適用されるケース(国の指定疾患)

  • 先天性の顎変形症(顎変形症)
  • 唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)
  • 特定の先天性疾患(ダウン症候群など)
  • 顎の重度な発育異常

上記のような病的な症状がある場合は、保険適用の可能性があり、自己負担が3割(小児の場合は2割)になります。

自費診療になるケース

  • 一般的な歯並びの改善噛み合わせの矯正が目的の場合、健康保険は適用されません
  • 混合歯列期の小児矯正(成長期に合わせた拡大治療)も自費診療となります。

他の拡大装置との費用感比較

クワドヘリックスは、上顎の歯列を拡大するための矯正装置ですが、他にもいくつかの選択肢があります。それぞれの装置の費用を比較してみましょう。

矯正装置費用(目安)特徴
クワドヘリックス5万~15万円固定式のため、確実な拡大効果が期待できる。
急速拡大装置(RPE)10万~20万円大幅な歯列拡大が必要な場合に適用。ネジを回して調整。
バイヘリックス5万~12万円クワドヘリックスよりもシンプルな装置で、下顎の拡大に使用。

クワドヘリックスの特徴

  • 費用は5万~15万円程度と、比較的リーズナブル。
  • 固定式のため、装着期間中は確実に矯正効果が得られる
  • 取り外し式の拡大装置(W型拡大装置など)よりも、効果が早く現れやすい

矯正治療全体の費用感

クワドヘリックスは、矯正治療の一部として使用されることが多く、単独での治療というよりは、他の矯正治療と組み合わせて行われるケースが一般的です。そのため、矯正治療全体の費用感も把握しておく必要があります。

矯正治療の種類費用の目安
部分矯正(小児矯正)30万~50万円
クワドヘリックス単体5万~15万円
本格的なワイヤー矯正(全体矯正)70万~150万円
マウスピース矯正(インビザラインなど)80万~130万円
外科手術を伴う矯正(顎変形症など)150万~300万円(保険適用あり)

クワドヘリックスは、小児期の早期矯正として使用されることが多く、単体の費用は比較的抑えられるのが特徴です。ただし、その後の本格的な矯正治療(ワイヤー矯正やマウスピース矯正)と組み合わせる場合、最終的な費用は数十万円~100万円以上かかることもあります。

※クワドヘリックスは矯正治療の一環として使用されることが多く、当院では検査・診断後に治療計画を策定し、総額をご提示いたします。また、追加の費用はかかりません。

詳細は下記リンクから確認できます。


【まとめ】

クワドヘリックスは基本的に自費診療で、費用は5万~15万円程度
顎変形症や口蓋裂などの特定疾患の場合は保険適用の可能性あり
他の拡大装置(W型拡大装置、急速拡大装置など)と比較すると、費用は中程度
矯正治療全体では、小児矯正は30万~50万円、全体矯正では70万~150万円かかる場合も

クワドヘリックスを検討する際は、自費診療での負担額や、全体的な矯正治療の流れを考慮して計画を立てることが重要です。

クワドヘリックスは、上顎の歯列を拡大するための矯正装置として、多くの症例で使用されています。ここでは、実際の治療前後の比較、成功事例と治療のポイントを紹介します。


実際の治療前後の比較

クワドヘリックスを使用した矯正治療では、上顎の幅が狭い症例や噛み合わせの問題を改善することができます。以下は代表的な治療例です。

症例①:上顎の狭窄による歯列不正

治療前の状態

  • 上顎が狭く、歯が重なり合って生えている(叢生)
  • 永久歯が生えるスペースが不足し、抜歯のリスクが高い
  • 噛み合わせのズレ(交叉咬合)が見られる

クワドヘリックス使用期間

  • 約6ヶ月間装着(1~2ヶ月ごとに調整)

治療後の変化

  • 上顎の歯列が拡大し、永久歯が正しく並ぶスペースを確保
  • 交叉咬合が改善し、噛み合わせが安定
  • 顎の成長に合わせて自然なアーチ形状になった

成功事例と治療のポイント

成功事例①:小児期にクワドヘリックスを使用し、抜歯を回避

  • 患者:10歳の男児
  • 主訴:歯がガタガタで、将来的に抜歯が必要と言われた
  • 治療計画:クワドヘリックスで上顎を拡大し、自然な歯列を確保

治療のポイント

  • 成長期を利用して顎の発育を促すことで、永久歯の生えるスペースを確保
  • 固定式装置のため確実な効果が得られ、患者の協力を必要としない
  • 矯正後の後戻りを防ぐため、リテーナーを装着

🎯 結果

  • 12歳時点で、抜歯をせずに全ての永久歯が正しい位置に生えた
  • 顎の形が整い、自然な歯並びと噛み合わせを獲得

成功事例②:成人矯正で噛み合わせを改善

  • 患者:25歳女性
  • 主訴:噛み合わせが悪く、奥歯に負担がかかっている
  • 治療計画:クワドヘリックスで歯列を拡大し、その後ワイヤー矯正を併用

治療のポイント

  • 成人でもクワドヘリックスは有効(顎の骨の柔軟性が小児より低いため、長めの装着が必要)
  • 噛み合わせを調整するため、他の矯正装置と組み合わせる
  • 定期的な調整で装置の変形を防ぐ

🎯 結果

  • 10ヶ月の治療で噛み合わせが大幅に改善
  • 顎関節の負担が減り、食事がしやすくなった
  • ワイヤー矯正の仕上がりがより自然なものに

Q. クワドヘリックスはどんな患者に適していますか?

矯正歯科医の回答 「クワドヘリックスは、小児から成人まで幅広い年齢層で使用できます。特に、小児期の上顎拡大には非常に有効で、抜歯を避けながらスペースを確保するための第一選択肢となることが多いです。」


Q. クワドヘリックスの治療で気をつけるべきポイントは?

矯正歯科医の回答 「クワドヘリックスは固定式装置なので、患者の協力を必要としませんが、適切な口腔ケアが重要です。装置の周りに汚れが溜まりやすいため、歯磨きを徹底し、フロスや歯間ブラシを活用することをおすすめします。」


Q. クワドヘリックスは大人でも使えますか?

矯正歯科医の回答 「成人矯正でもクワドヘリックスは使用可能ですが、成長期の子どもほど大きな変化は期待できません。しかし、軽度の拡大や噛み合わせの調整には有効で、ワイヤー矯正と併用することで、より自然な歯並びを作ることができます。」


【まとめ】

クワドヘリックスを使用すると、上顎の拡大がスムーズに進み、噛み合わせや歯列の問題を改善できる
小児矯正では抜歯を回避する目的で使用され、成人矯正では噛み合わせの調整に活用される
治療成功のポイントは、成長期の適切なタイミングでの装着、定期的な調整、口腔ケアの徹底
矯正歯科医の適切な診断と治療計画に基づいて使用することが大切

クワドヘリックスは、患者の状態に合わせて柔軟に対応できる矯正装置です。特に小児期の早期矯正において、長期的な歯列の健康を考える上で重要な役割を果たします。

江戸川区篠崎で矯正治療をご検討の方へ—クワドヘリックスで歯並びを整えませんか?

当院では、お子さまの歯並びを改善するために 「クワドヘリックス」 を使用した矯正治療を行っています。これは、顎の成長をコントロールしながら歯列を広げる装置で、抜歯のリスクを減らし、自然な歯並びへと導く効果 があります。

江戸川区篠崎で お子さまの矯正治療をお考えの方 は、ぜひ一度ご相談ください。お子さまの将来の歯並びを考えた、負担の少ない治療をご提案いたします!

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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