
💡お子さまが6歳前後になると、生えてくるのが「第一大臼歯(だいいちだいきゅうし)」、通称“6歳臼歯”です。噛み合わせの土台となるとても大切な永久歯ですが、実はこの時期に生えたばかりの歯はまだ未完成。歯の根(歯根)ができあがるのは9〜10歳頃といわれており、この「根未完成歯」の時期に虫歯が進行すると、通常の治療が難しくなることがあります。
この記事では、根未完成歯の特徴や、虫歯が神経に達した場合のリスク、治療の方法と予後について、レントゲン画像での違いも交えてわかりやすく解説します。お子さまの歯を守るために、ぜひ参考になさってください。
🦷 子どもの第一大臼歯に潜むリスクとは?
✅ 根未完成歯とは?
6歳頃に生える第一大臼歯(通称:6歳臼歯)は、実は歯根がまだ完成していません。歯根が完全にできあがるのは9〜10歳頃で、それまでの間は「根未完成歯」と呼ばれます。
この時期に虫歯が進行して神経(歯髄)まで達すると、通常の根管治療が難しくなるため、特に注意が必要です。
⚠️ C3虫歯による歯髄炎のリスク
歯根がまだ完成していない根未完成歯で虫歯が進行し、神経に達して歯髄炎になると、通常の根管治療が非常に困難になります。
これは、歯根の先端がラッパ状に開いていて、薬剤が留まりにくく、治療の効果が得られにくいためです。適切な処置をしないと、炎症が悪化するリスクもあります。
🛠 根未完成歯の治療法
根未完成歯が歯髄炎になった場合、乳歯と同じような処置として水酸化カルシウム製剤を根の中に充填します。
これは、根の先端が自然に閉じてくるのを促すための方法ですが、治療効果には個人差があり、確実な方法とは言えません。
そのため、治療後も慎重に経過を観察し、必要に応じて再治療が検討されます。
🧪 治療の経過と予後
根未完成歯の治療後、根の先がうまく閉じれば、成長に合わせて成人と同じ根管治療に移行できます。
しかし、根の先が閉じない場合は膿がたまり続けることがあり、炎症が改善しなければ最終的に抜歯が必要になるケースもあります。
そのため、定期的なレントゲンチェックや慎重な経過観察が重要です。
🔍 レントゲン比較で見る違い
- 子どもの第一大臼歯(根未完成歯)
レントゲンでは、歯根の先端がラッパ状に開いているのが特徴です。まだ発育途中で、根が完全に形成されていません。 - 成人の第一大臼歯(根完成歯)
歯根の先端はしっかり閉じており、レントゲンでも明瞭に確認できます。治療の安定性が高い状態です。
この違いにより、治療の方法や予後にも大きな差が生じます。


🏥江戸川区篠崎でお子さまの歯の健康管理をお考えの方へ

6歳頃に生える「第一大臼歯(6歳臼歯)」は、歯根が未完成のため“根未完成歯”と呼ばれ、この時期に虫歯が進行すると、神経まで達しやすく治療が困難になるリスクがあります。
当院では、根未完成歯の正しい診断と専門的な処置を行い、お子さまの大切な永久歯を守るサポートをしています。小児歯科に力を入れており、レントゲン診査や定期検診にも対応しておりますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
【動画】子供の虫歯の見分け方
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。