- 1. 【動画 35秒】子どもの口呼吸は危険!歯並び・発達・学習能力への影響とは?
- 2. 口呼吸の放置は危険!歯並び悪化?知らないと怖い健康リスク
- 2.1. 1. 口呼吸とは?その仕組みと特徴
- 2.1.1. 口呼吸と鼻呼吸の違い
- 2.1.1.1. 鼻呼吸が基本である理由
- 2.1.1.2. 口呼吸が体に及ぼす影響
- 2.1.2. なぜ口呼吸になってしまうのか?
- 2.1.2.1. 気道抵抗が少ない口呼吸
- 2.1.2.2. 口の筋力低下
- 2.1.2.3. アレルギーや鼻炎
- 2.1.2.4. 習慣(幼少期からの影響)
- 2.1.2.5. ストレスや姿勢の問題
- 2.2. 2. 口呼吸がもたらす5つの健康リスク
- 2.2.1. 免疫力の低下と感染症リスクの増加
- 2.2.1.1. 口呼吸によるウイルスや細菌の侵入
- 2.2.1.2. 風邪やインフルエンザ、喘息のリスク
- 2.2.2. 歯並び・顎の成長への悪影響
- 2.2.2.1. 口呼吸が歯列矯正に与える影響
- 2.2.2.2. 顎の成長と顔の変形リスク
- 2.2.2.2.1. アデノイド顔貌の特徴
- 2.2.3. 口臭・虫歯・歯周病のリスク増加
- 2.2.3.1. 唾液の減少による口腔内環境の悪化
- 2.2.3.2. 口呼吸とドライマウスの関係
- 2.2.4. 睡眠障害やいびきの原因
- 2.2.4.1. 睡眠時無呼吸症候群との関連
- 2.2.4.2. 口呼吸がもたらす浅い睡眠
- 2.2.5. 集中力低下や発達への影響(特に子ども)
- 2.2.5.1. 子どもの口呼吸が学習能力に影響する理由
- 2.2.5.2. ADHDとの関連性
- 2.3. 3. 口呼吸をチェック!あなたは大丈夫?
- 2.3.1. セルフチェック方法
- 2.3.1.1. 口の乾燥や喉の痛みはないか?
- 2.3.1.2. 朝起きたときに口が開いているか?
- 2.3.1.3. いびきがあるか?
- 2.3.2. 専門医が行う診断方法
- 2.3.2.1. 耳鼻咽喉科・歯科での検査方法
- 2.3.2.2. 口腔筋力の測定
- 2.4. まとめ
- 3. 口呼吸を改善するための5つの対策
- 3.1. 1. 正しい舌の位置と口周りの筋肉トレーニング
- 3.1.1. あいうべ体操(舌筋を鍛える)
- 3.1.2. 口輪筋のストレッチ
- 3.2. 2. 鼻呼吸の習慣をつける方法
- 3.2.1. 意識的に鼻呼吸をする練習
- 3.2.2. 口閉じテープの活用
- 3.3. 3. 鼻づまりを改善する方法
- 3.3.1. 花粉症・アレルギー性鼻炎対策
- 3.3.2. アデノイド肥大対策
- 3.3.3. プール性鼻炎対策
- 3.3.4. 鼻ポリープ(鼻茸)・鼻中隔湾曲
- 3.3.5. 点鼻薬・鼻うがいの効果的な使い方
- 3.4. 4. 睡眠環境の見直し
- 3.4.1. 口呼吸を防ぐ寝具選び
- 3.4.2. 正しい寝姿勢と枕の高さ
- 3.5. 5. 子どもの口呼吸対策
- 3.5.1. 乳幼児期からの口腔機能トレーニング
- 3.5.2. 小児矯正の重要性
- 3.6. まとめ
- 4. 口呼吸の放置は危険!専門医に相談するタイミング
- 4.1. 1. 自己対策で改善しない場合の対処法
- 4.1.1. 耳鼻咽喉科や歯科での治療選択肢
- 4.1.2. 矯正治療が必要なケース
- 4.2. 2. 手術や矯正治療の選択肢
- 4.2.1. 鼻中隔矯正術(鼻の構造的問題を改善)
- 4.2.2. 口腔機能発達矯正(MFT:口腔筋機能療法)
- 4.3. まとめ
- 5. まとめ:今すぐできる「鼻呼吸」改善の第一歩
- 5.1. 1. 口呼吸のリスクと改善策を総まとめ
- 5.2. 2. まずは今日からできる簡単なトレーニングを実践しよう!
- 5.3. まとめ
- 6. 江戸川区篠崎で口呼吸にお悩みの方へ|健康を守る正しい呼吸習慣をサポート!
- 7. 【動画】アデノイド顔貌
- 8. 筆者・院長
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口呼吸の様々なデメリットは、「出っ歯や乱杭歯などの悪い歯並びになる」「睡眠の質が落ちる」「学業成績が悪くなる」「虫歯、歯周病、口臭になり易い」「動脈硬化が起こり易い」「疲れ易い体になる」などです。
【動画 35秒】子どもの口呼吸は危険!歯並び・発達・学習能力への影響とは?
口呼吸の放置は危険!歯並び悪化?知らないと怖い健康リスク
1. 口呼吸とは?その仕組みと特徴
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口呼吸と鼻呼吸の違い
鼻呼吸が基本である理由
人間の体は本来、鼻呼吸が基本となるように設計されています。鼻から息を吸い、鼻から吐く呼吸法が鼻呼吸です。1日のうち、起きている時も寝ている時も、ほとんどの時間を鼻で呼吸するのが正しい方法です。ただし、例外として会話や歌を歌う時、激しいスポーツ中は、口呼吸になることがあります。
鼻には以下のような機能があり、体を守る役割を果たしています。
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- 空気を加湿・温める:鼻の粘膜が空気を加湿し、適温に調整することで、喉や肺への負担を軽減する。
- 異物を除去するフィルター機能:鼻毛や粘液がウイルスや細菌、ホコリなどをキャッチし、体内に入るのを防ぐ。
- 一酸化窒素の生成:鼻腔で作られる一酸化窒素(NO)は血流を改善し、肺の酸素交換を促進する。
- 効率的な酸素の取り込み:鼻呼吸は胸郭が広がりやすい為、肺胞が膨らみやすく、効率的に酸素を取り入れることが出来る。
- 脳の冷却:鼻呼吸は「脳の冷却作用」がある為に脳の正常な作用を保ち、あらゆる能力を向上させる可能性があることが指摘されています。
一方で、口呼吸にはこれらの機能がなく、直接外気が体内に入り込むため、健康リスクが高まります。
口呼吸が体に及ぼす影響
口呼吸を続けることで、以下のような影響が体に現れます。
- 免疫力の低下:ウイルスや細菌が直接喉に届きやすくなり、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなる。
- 口腔環境の悪化:口内が乾燥し、唾液の抗菌作用が低下することで、虫歯や歯周病、口臭の原因となる。
- 睡眠の質の低下:口呼吸によりいびきをかきやすくなり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こすことがある。
- 顎の発達異常:特に子どもの場合、口呼吸によって舌の位置が下がり、歯並びや顔の成長に影響を与える。
なぜ口呼吸になってしまうのか?
気道抵抗が少ない口呼吸
鼻呼吸は気道抵抗が大きいことが特徴です。そのため、風邪やインフルエンザなどで鼻づまりになると、気道抵抗の少ない口呼吸に慣れてしまい、そのまま口呼吸が習慣化してしまうことがあります。結果として、鼻呼吸に戻らないまま成長し、大人になってからさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
また、オリンピック選手も運動時には気道抵抗の少ない口呼吸を行っています。頑強な肉体を持っているにもかかわらず、意外と風邪を引きやすいことがありますが、これは口呼吸が原因と考えられています。
口の筋力低下
口周りの筋肉(口輪筋や舌の筋肉)が弱まることで、口が自然と開いてしまい、口呼吸の習慣がつきやすくなります。
- 高齢者は加齢による筋力低下が原因となることが多い。
- 柔らかい食べ物を好む現代の食生活も、咀嚼回数の減少によって口周りの筋力を低下させる要因の一つ。
アレルギーや鼻炎
慢性的な鼻詰まりは、無意識のうちに口呼吸を促進します。
- 花粉症やアレルギー性鼻炎がある人は鼻の通りが悪くなり、口呼吸になりやすい。
- 鼻中隔湾曲症などの鼻の構造的な問題がある場合も、鼻呼吸が困難になる。
習慣(幼少期からの影響)
子どもの頃に口呼吸の習慣がつくと、そのまま大人になっても改善されないことが多い。
- 指しゃぶりや口に物をくわえる癖があると、口呼吸の習慣がつきやすい。
- 扁桃肥大やアデノイド肥大があると、鼻呼吸が困難になり、口呼吸が癖になる。
ストレスや姿勢の問題
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、無意識に口呼吸になりやすくなります。
また、猫背などの姿勢の悪さも口呼吸の原因になります。
- スマホやPCの長時間使用による前傾姿勢が、気道を狭めて口呼吸を引き起こす。
- ストレスや緊張状態で交感神経が活発になり、呼吸が浅くなり口呼吸に。
このように、口呼吸の原因は多岐にわたり、生活習慣や体の構造によっても影響を受けます。次のセクションでは、口呼吸が引き起こす具体的な健康リスクについて詳しく解説します。
2. 口呼吸がもたらす5つの健康リスク
口呼吸は単なる癖ではなく、全身の健康に影響を及ぼす要因です。ここでは、口呼吸が引き起こす5つの代表的な健康リスクについて詳しく解説します。
免疫力の低下と感染症リスクの増加
口呼吸によるウイルスや細菌の侵入
鼻呼吸では、鼻の粘膜がフィルターの役割を果たし、ウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぎます。しかし、口呼吸をすると外気が直接喉に入り、病原菌がダイレクトに体内へ侵入しやすくなります。
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風邪やインフルエンザ、喘息のリスク
- 口呼吸をしていると喉の粘膜が乾燥し、免疫機能が低下。その結果、風邪やインフルエンザにかかりやすくなる。
- 研究によると、口呼吸の人はインフルエンザウイルスの感染リスクが約2倍になるとも言われている。
- さらに、最近では新型コロナウイルスなどの呼吸器感染症リスクとも関連が指摘されている。
- 喘息が起こりやすく、重症な喘息患者の8~9割が口呼吸をしているとの報告があります。
歯並び・顎の成長への悪影響
口呼吸が歯列矯正に与える影響
口呼吸の習慣があると、舌が常に下がった状態になり、歯並びや顎の発育に影響を与えます。
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出っ歯で開咬の症例
舌が中切歯(前歯)を押すために出っ歯となり、歯の間に隙間が出来る開咬も生じています。
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乱杭歯(ガタガタの歯並び)
V字型の狭い歯列のため、歯を並べるスペースが不足し乱杭歯(ガタガタの歯並び)になっています。
- 出っ歯(上顎前突)や開咬になりやすい:舌が下がることで上顎が前方に成長し、前歯が突出しやすくなる。
- 歯並びが悪くなる:本来、舌の位置が歯列を整える役割を果たすが、口呼吸によってそのバランスが崩れる。
- 矯正治療をしても、口呼吸を改善しないと後戻りしやすいため、治療の効果が長持ちしにくい。
- 舌突出癖:口呼吸は、お口ポカンの状態となり口輪筋(口を閉じる筋肉)が緩み、相対的に舌の力が強くなり舌突出癖が起こります。
- 狭いV字型歯列になり乱杭歯になる:上顎骨を横に広げて成長させることが出来ずに、狭いV字型歯列になり乱杭歯(歯がガタガタの状態)が起こりやすくなります。
顎の成長と顔の変形リスク
- 口呼吸の子どもは、下顎が後方へ成長しやすく、**「アデノイド顔貌」**と呼ばれる特徴的な顔つき(面長で顎が小さい)になりやすい。
- 顎の発育が不十分だと、気道が狭くなり、将来的に睡眠時無呼吸症候群のリスクも高まる。
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アデノイド顔貌の特徴
アデノイド顔貌は突出した唇と後退した小さな下顎が特徴の顔です。
アデノイド顔貌はアデノイド肥大によって鼻呼吸から口呼吸に変わることで起こる顔の変化です。
必ずしもアデノイド肥大が原因ではなく、他の鼻が詰まることが誘因になった場合でも同様な呼び方をします。
口臭・虫歯・歯周病のリスク増加
唾液の減少による口腔内環境の悪化
- 口呼吸をすると口内が乾燥し、唾液の分泌が減少。唾液には殺菌作用があるため、その働きが低下すると細菌が繁殖しやすくなる。
- その結果、虫歯や歯周病のリスクが大幅に増加する。
口呼吸とドライマウスの関係
- 口呼吸の人は**ドライマウス(口腔乾燥症)**になりやすい。
- ドライマウスになると、口臭が強くなるだけでなく、食べ物を飲み込みにくくなるなどの問題も発生する。
- 特に高齢者は唾液分泌量が減少しやすいため、誤嚥性肺炎のリスクも高まる。
睡眠障害やいびきの原因
睡眠時無呼吸症候群との関連
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- 口呼吸の人は気道が狭くなりやすく、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**のリスクが高まる。
- SASになると、夜間に何度も呼吸が止まり、脳が酸素不足になるため、日中の眠気や集中力低下につながる。
- 重症化すると、高血圧や心筋梗塞、脳卒中のリスクも増大する。
口呼吸がもたらす浅い睡眠
- 口呼吸の人は鼻呼吸に比べて呼吸が浅くなるため、睡眠の質が低下しやすい。
- 特に、成長ホルモンが分泌される**深い睡眠(ノンレム睡眠)**の時間が短くなり、疲れが取れにくくなる。
- いびきがひどくなることで、家族の睡眠にも影響を与える。
集中力低下や発達への影響(特に子ども)
子どもの口呼吸が学習能力に影響する理由
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- 口呼吸の子どもは、酸素摂取量が低下し、脳への酸素供給が不足しやすくなる。
- その結果、集中力が低下し、授業に集中できなくなることがある。
- 慢性的な睡眠不足や疲労感が学習効率の低下につながる。
ADHDとの関連性
- 近年、口呼吸と**注意欠陥多動性障害(ADHD)**の関連性が指摘されている。
- 口呼吸による酸素不足が神経発達に影響を与え、注意力や落ち着きのなさにつながる可能性がある。
- また、口呼吸の子どもは睡眠時無呼吸症候群になりやすく、これが行動の衝動性や感情のコントロールに影響を与えるとも言われている。
このように、口呼吸は単なる習慣ではなく、全身の健康や発達に深刻な影響を及ぼす可能性があります。次のセクションでは、口呼吸をチェックする方法と改善策について詳しく解説します。
3. 口呼吸をチェック!あなたは大丈夫?
口呼吸は無意識に行っていることが多く、自覚していない人も少なくありません。しかし、放置すると健康リスクが高まるため、早めにチェックし、必要に応じて改善することが重要です。ここでは、自分でできるセルフチェック方法と、専門医での診断方法について詳しく解説します。
セルフチェック方法
まずは、以下のポイントをチェックしてみましょう。3つ以上当てはまる場合は、口呼吸の可能性が高いため、改善が必要です。
口の乾燥や喉の痛みはないか?
- 朝起きたときに口がカラカラに乾いている
- のどがイガイガしたり、痛みを感じることが多い
- 口の中がネバつくことがある
口呼吸をしていると、唾液の分泌が減り、口内や喉が乾燥しやすくなります。これにより風邪やインフルエンザ、口臭のリスクが高まります。
朝起きたときに口が開いているか?
- 目が覚めたときに口が開いていることが多い
- 枕やシーツによだれの跡が残っている
- 寝ている間に口が乾燥して目が覚める
睡眠中は無意識に口呼吸になりやすいため、朝の状態をチェックすることが重要です。
いびきがあるか?
- 家族やパートナーからいびきを指摘されたことがある
- 寝ているときに呼吸が止まることがある(睡眠時無呼吸症候群の可能性)
- 日中、強い眠気を感じることがある
口呼吸の人はいびきをかきやすく、睡眠の質が低下することが多いです。特に、睡眠時無呼吸症候群のリスクがある場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。
専門医が行う診断方法
口呼吸が疑われる場合、耳鼻咽喉科や歯科で診断を受けることができます。以下のような検査方法で、口呼吸の原因や影響を詳しく調べることが可能です。
耳鼻咽喉科・歯科での検査方法
- 鼻の通気性検査(鼻腔通気度測定)
- 鼻の通り具合を測定し、鼻詰まりの有無をチェック。
- 鼻中隔湾曲症やアレルギー性鼻炎の影響を調べる。
- 喉や口腔の診察
- 扁桃腺やアデノイドの肥大があると、気道が狭くなり口呼吸の原因となるため、喉の状態を確認する。
- 舌の位置や口腔内の形状をチェックし、正しい舌の使い方ができているかを判断する。
- 睡眠時の呼吸検査
- いびきや睡眠時無呼吸の症状がある場合、**ポリソムノグラフィー(終夜睡眠ポリグラフ検査)**を行い、睡眠中の呼吸状態を詳しく調べることができる。
口腔筋力の測定
- オーラルディアドコキネシス(ODK)
- 「パ」「タ」「カ」を1秒間に何回発音できるかを測定し、口の筋力や舌の運動能力を評価する。
- 高齢者や子どもの口呼吸改善に役立つ指標となる。
- 舌圧測定
- 舌の押し出す力を測定し、舌の筋力が低下していないかをチェックする。
- 舌圧が低いと、正しい鼻呼吸が難しくなるため、必要に応じてトレーニングを行う。
まとめ
- セルフチェックを行い、口の乾燥やいびきの有無を確認
- 耳鼻咽喉科や歯科で専門的な検査を受けることで、より詳細な診断が可能
- 口腔筋力の測定により、口呼吸の改善に向けたトレーニングの必要性を判断
口呼吸の放置は、将来的に歯並びや全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。次のセクションでは、口呼吸を改善する具体的な方法について詳しく解説します。
口呼吸を改善するための5つの対策
口呼吸の習慣は、適切なトレーニングや生活習慣の見直しによって改善できます。ここでは、効果的な5つの対策について詳しく解説します。
1. 正しい舌の位置と口周りの筋肉トレーニング
口呼吸の人は、**舌の位置が低い(舌が口の底についている)**ことが多く、口周りの筋力も不足しがちです。以下のトレーニングを取り入れることで、正しい舌の位置を維持し、鼻呼吸を習慣化できます。
あいうべ体操(舌筋を鍛える)
「あいうべ体操」は、口周りの筋肉と舌を鍛える簡単なトレーニングです。
- 「あ」:「あー」と口を大きく開く。(喉の奥が見えるくらい)
- 「い」:「いー」と口を大きく横に広げる。(口角を上方、後にしっかり引く)
- 「う」:「うー」と口を強く前に突き出す。(口をすぼめ、口の周りの筋肉をギュッと力を入れ、唇をとがらせる)
- 「べ」:「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす。(できるだけ遠くへ)
→ 1セット10回、1日3セットを目安に行うことで、舌と口周りの筋力が向上し、口呼吸が改善されやすくなります。
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口輪筋のストレッチ
口の周りの筋肉(口輪筋)が衰えると、口がポカンと開いてしまいやすくなります。以下のストレッチを行うことで、口を閉じる力を鍛えましょう。
- **「お」**の形を作るように口をすぼめて10秒キープ
- 口を閉じた状態で風船を膨らませる(口の周りの筋肉を鍛えるのに効果的)
- 唇を閉じたまま頬を膨らませる→左右交互に動かす
→ 1日3回、1セット10秒ずつを目安に行いましょう。
2. 鼻呼吸の習慣をつける方法
意識的に鼻呼吸をする練習
日中の意識的なトレーニングによって、鼻呼吸の習慣を定着させることができます。
- 口を閉じる意識を持つ(ガムを噛む、舌を上あごにつける)
- 鼻からゆっくり吸って、ゆっくり吐く呼吸法を意識する
- 鼻呼吸をしながらストローを使った呼吸トレーニング(ストローをくわえ、ゆっくり吸って吐く)
口閉じテープの活用
寝ている間に口が開いてしまう人には、**「口閉じテープ」**が有効です。
- 市販の専用テープを口の中央に縦に貼ることで、強制的に口が開かないようにする。
- 継続的に使用することで、寝ている間の口呼吸を防ぎ、鼻呼吸を習慣化できる。
- 剥がれやすい場合は、肌に優しい医療用テープを使用するのもおすすめ。
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口閉じテープのやり方
優肌絆 肌にやさしいテープ 不織布(白) 太幅 25mm*4.5m ニトムズ。
敏感肌や赤ちゃんにも使える、お肌にやさしい不織布のテープを就寝時に唇に縦に貼って寝るだけです。
口呼吸の予防になり、口・のどの乾燥、いびきの音を予防し、眠りの質を向上できます。
口閉じ専用テープが他社から販売されていますが、「肌にやさしいテープ」が安くて良いと思います。購入するときは「太幅」をお薦めします。
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3. 鼻づまりを改善する方法
花粉症・アレルギー性鼻炎対策
鼻詰まりがあると、無意識に口呼吸になってしまいます。以下の対策で、鼻の通りをよくしましょう。
- 花粉症やアレルギーの原因物質(ダニ・ハウスダスト)を減らす
- ハウスダストカットタイプの空気清浄機(ダイキンがお薦め)を使う。室内の空気を清潔に保つ
- こまめに鼻をかみ、鼻づまりを解消する習慣をつける
- 犬や猫を家の中で飼わない。
アデノイド肥大対策
アデノイド(咽頭扁桃)の肥大は誰にでも起こりえる生理的な現象で、5歳頃をピークに次第に縮小し15歳頃までには正常の大きさになります。アデノイド肥大が鼻づまりのきっかけとなって口呼吸が始まり、そのまま大人になるまで持続してしまうことがあります。
- 軽度の場合には抗生剤や点鼻薬で、重度の場合には摘出手術。
プール性鼻炎対策
一度プールを経験すれば、目が真っ赤になるのでプールの水が目に悪いことは誰でも知っています。同様にプールの水は鼻にもよくありません。塩素系の消毒薬が鼻や喉の粘膜を刺激して鼻炎になる子供がいます。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎をもっている場合には症状は更に重くたくなります。プールで水泳をするといった日常的にありふれたく行動であっても口呼吸を誘発する一因となるのです。
- 塩素の感受性は個人差がある為、鼻が詰まる、鼻水が出るなど鼻に違和感を覚えたら、泳いだ後に鼻うがい・喉うがいをしっかりする。
鼻ポリープ(鼻茸)・鼻中隔湾曲
鼻の中に鼻ポリープ(鼻茸)が出来ると空気の通りが悪くなります。また、鼻の中央部が湾曲する鼻中隔湾曲症でも同様のことが起こります。こんな時、口呼吸に移行しやすくなります。ただし、この疾患の頻度は高くありません。
- 軽度の場合にはステロイド剤や生物学的製剤で縮小させる。重度の場合では内視鏡による摘出手術。
点鼻薬・鼻うがいの効果的な使い方
- 馬油点鼻薬を使用する(一時的に鼻の通りを良くするが、使いすぎに注意)
- 鼻うがい(生理食塩水)を習慣化(鼻の奥の異物を洗い流し、通気性を確保)
→ 鼻呼吸がしやすい環境を整えることが、口呼吸改善の第一歩!
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馬油(ソンバーユ)点鼻薬のやり方
「あいうべ体操」を発案した「みらいクリニック」院長 今井一彰先生お薦めの馬油(ソンバーユ)を使った点鼻です。
寝る前に1ml程度両方の鼻から垂らすだけです。馬油には固形タイプもありますが、点鼻には液体タイプを使用してください。この液状タイプを鼻腔から入れることで、のどちんこの裏の鼻咽腔の炎症を取っていきます。
馬油の第一の効果として人体の皮膚の完全殺菌も等しい力「完全捕菌」をすること「保湿」であると今井先生は話しています。その為、みらいクリニックでは、馬油の点鼻を指導し、アトピー性皮膚炎にも効果を上げている様です。
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鼻うがいのやり方
鼻腔の炎症を取るのに適したのが鼻うがいです。鼻腔、特に上咽頭部の炎症が取れれば鼻づまりも解消し、結果的に口呼吸の改善にもつながるというわけです。
ボトルを鼻に当て、片手で中央部を押すだけで簡単に使用できます。
口うがいをしても、上咽頭部を綺麗にすることはできません。そこで、鼻うがいを推奨しているのが腎臓内科医師の堀田修先生です。
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鼻うがい健康法
上咽頭部の、粘膜は繊毛上皮で出来ています。ここで細菌やウイルス等の細かい異物をキャッチします。
上咽頭部に炎症が起こるとその直上にある視床下部に様々な影響を与えると考えられています。
視床下部には、体温調節中枢、下垂体ホルモンの調節中枢、浸透圧受容体などがあります。また、視床下部は生殖行動や飲水行動、睡眠などの本能行動の中枢、及び怒りや不安などの情動行動の中枢部もあるからです。
日本病巣疾患研究会のホームページの堀田修「病気が治る鼻うがい健康法」2011年KADOKAWA)より引用
4. 睡眠環境の見直し

口呼吸を防ぐ寝具選び
- 鼻呼吸を促す「横向き寝」がおすすめ(仰向けは口呼吸になりやすい)
- 通気性の良い布団や枕を使用し、鼻詰まりを防ぐ
正しい寝姿勢と枕の高さ
- 高すぎる枕は気道を圧迫するためNG(適切な高さは5cm〜10cm程度)
- 抱き枕を活用して、自然な横向き寝をサポートする
- 口閉じテープと併用し、鼻呼吸を習慣化
→ 寝ている間の環境を整えることで、無意識の口呼吸を防ぐことが可能!
5. 子どもの口呼吸対策
子どものうちに口呼吸を改善することが、将来的な健康リスクを防ぐ重要なポイントになります。
乳幼児期からの口腔機能トレーニング
- 「あいうべ体操」やガム噛みトレーニングで口周りの筋力を鍛える
- ストローや風船を使った遊びを通じて、舌や頬の筋肉を鍛える
- 食事の際によく噛む習慣をつける(柔らかい食事ばかりにしない)
小児矯正の重要性
- 舌の位置が正しくない場合は、MFT(口腔筋機能療法)を取り入れる
- 歯並びの乱れがある場合は、小児矯正を検討(顎の成長が柔軟なうちに改善できる)
- 耳鼻咽喉科と歯科の連携が重要(扁桃腺肥大やアデノイドの影響をチェック)
→ 子どもの頃から正しい呼吸習慣を身につけることが、健康な成長につながる!
まとめ
- 口周りの筋肉を鍛え、正しい舌の位置を意識する
- 鼻呼吸を習慣化し、寝ている間の口呼吸対策をする
- 鼻づまりを解消し、スムーズな鼻呼吸を可能にする
- 睡眠環境を整え、無意識の口呼吸を防ぐ
- 子どもの口呼吸を早期に改善し、将来的な健康リスクを減らす
これらの対策を実践することで、口呼吸を改善し、健康な鼻呼吸を取り戻すことが可能になります。次のセクションでは、改善が難しい場合の専門医での治療について解説します。
口呼吸の放置は危険!専門医に相談するタイミング
口呼吸は生活習慣やトレーニングで改善できる場合が多いですが、自己対策だけでは改善しにくいケースもあります。特に、慢性的な鼻詰まりや歯並び・顎の成長への影響が見られる場合は、専門医に相談することが重要です。ここでは、口呼吸を改善するための医療的なアプローチについて解説します。
1. 自己対策で改善しない場合の対処法
口呼吸の改善を試みても、以下のような症状が続く場合は専門医の診察を受けることをおすすめします。
✅ 口がいつも乾燥している・喉が頻繁に痛くなる
✅ 睡眠中にいびきがひどい、もしくは呼吸が止まることがある
✅ 鼻詰まりが慢性的に続いており、鼻呼吸が難しい
✅ 歯並びが悪くなり、噛み合わせに違和感がある
✅ 子どもの成長に影響が出ている(顔の形が変わる、歯並びが悪い)
耳鼻咽喉科や歯科での治療選択肢
口呼吸の原因が鼻の疾患や口腔機能の問題にある場合、以下の治療法が検討されます。
- 鼻の通りを改善する治療(耳鼻咽喉科)
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)などがある場合、抗アレルギー薬や点鼻薬を使用
- 慢性的な鼻づまりの原因を特定し、必要に応じて手術を検討
- 口腔機能の改善(歯科・矯正歯科)
- 口周りの筋力を鍛える**MFT(口腔筋機能療法)**を実施
- 歯並びの悪化が原因で口呼吸になっている場合、矯正治療を検討
矯正治療が必要なケース
以下のような状態が見られる場合は、矯正治療による改善が必要となることがあります。
- 上顎前突(出っ歯)
- 口呼吸の影響で上顎が突出し、歯並びが悪化している場合
- 矯正装置を用いて顎の位置を正常化
- 開咬(オープンバイト)
- 舌が下がり、前歯が閉じにくくなっている場合
- 舌の位置を矯正し、適切な噛み合わせに修正
- 顎の発育不良
- 子どもの場合、**顎の発育をサポートする矯正治療(拡大床やマウスピース型矯正)**が有効
2. 手術や矯正治療の選択肢
鼻中隔矯正術(鼻の構造的問題を改善)
鼻中隔が曲がっていると、鼻の通りが悪くなり、口呼吸の原因となります。鼻中隔湾曲症が原因の場合、鼻中隔矯正術が検討されます。
- 鼻中隔の曲がった部分を外科的に矯正し、鼻の通りを改善
- 鼻呼吸がしやすくなることで、自然に口呼吸を改善
- 鼻閉感が強い人や、慢性的な副鼻腔炎がある人に有効
手術は通常1時間程度で完了し、術後は約1週間程度で回復します。
口腔機能発達矯正(MFT:口腔筋機能療法)
口呼吸が舌の位置や口周りの筋力不足によるものの場合、**口腔機能発達矯正(MFT)**が有効です。
- 舌の正しい位置を意識させるトレーニング(舌を上顎につける習慣をつける)
- 口周りの筋肉を鍛えるトレーニング(あいうべ体操・風船膨らませ運動)
- 矯正装置を使用し、**舌の位置を矯正する装置(プレオルソなど)**を併用することもある
→ 特に子どもの場合、早期にMFTを行うことで、歯並びや顔の成長に良い影響を与えるため、専門医の指導のもとで実践するのがおすすめです。
まとめ
- 自己対策で改善しない場合は、専門医(耳鼻咽喉科・歯科)に相談が必要
- 鼻の通りを改善する治療や、口腔機能を鍛えるMFTが有効
- 歯並びや顎の成長に影響が出ている場合は、矯正治療を検討
- 鼻中隔の構造的問題がある場合は、鼻中隔矯正術が選択肢になる
口呼吸は放置すると健康に悪影響を及ぼすため、早めの改善が重要です。
次のセクションでは、今日からできる口呼吸対策のまとめと実践方法について解説します。
まとめ:今すぐできる「鼻呼吸」改善の第一歩
口呼吸は、免疫力の低下や歯並びの悪化、睡眠障害など全身の健康に影響を与えるリスクがあります。しかし、日常生活の中で正しい呼吸法を意識し、適切なトレーニングを行うことで、鼻呼吸を取り戻すことができます。ここでは、口呼吸のリスクと改善策を総まとめし、今日から実践できる簡単なトレーニングを紹介します。
1. 口呼吸のリスクと改善策を総まとめ
✅ 口呼吸のリスク
- 免疫力の低下 → 風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
- 口腔環境の悪化 → 虫歯・歯周病・口臭のリスクが増加
- 睡眠障害 → いびき・睡眠時無呼吸症候群・日中の眠気につながる
- 歯並び・顎の成長への影響 → 子どもの顔の成長や歯列不正の原因になる
- 集中力の低下 → 脳への酸素供給不足により学習や仕事のパフォーマンスが低下
✅ 口呼吸を改善するための5つの対策
- 正しい舌の位置と口周りの筋肉トレーニング(あいうべ体操・口輪筋ストレッチ)
- 鼻呼吸の習慣をつける方法(意識的な呼吸練習・口閉じテープの活用)
- 鼻づまりを改善する方法(花粉症対策・点鼻薬や鼻うがいの活用)
- 睡眠環境の見直し(適切な寝具・正しい寝姿勢を整える)
- 子どもの口呼吸対策(小児矯正・舌のトレーニングの導入)
✅ 専門医に相談が必要なケース
- 自己対策を試しても改善しない
- 慢性的な鼻詰まりがある
- 睡眠時のいびきや無呼吸が続く
- 歯並びが悪化している、顎の成長に影響が出ている
→ 耳鼻咽喉科や歯科で専門的な治療(MFT・矯正・鼻中隔矯正術)を検討する
2. まずは今日からできる簡単なトレーニングを実践しよう!
以下の簡単なトレーニングを毎日実践することで、鼻呼吸を意識しやすくなります。
✅ 1. あいうべ体操(1日3セット)
「あ・い・う・べ」と大きく口を動かしながら発音し、口周りの筋肉を鍛える。
✅ 2. 舌を正しい位置にキープする(1日5分×3回)
舌の先を上前歯の裏側に軽くつけ、そのまま上顎にピタッと押し当てる。
✅ 3. 口閉じテープを試す(就寝時)
夜寝るときに口閉じテープを使用し、無意識の口呼吸を防ぐ。
✅ 4. 鼻うがいで鼻の通りを良くする(1日1回)
生理食塩水で鼻を洗い、鼻の通りを確保。
✅ 5. 意識的に鼻呼吸をする(気づいたらすぐに実践)
スマホを見ているとき、歩いているとき、仕事中など、気づいたら鼻呼吸を意識。
まとめ
口呼吸は放置すると健康に悪影響を及ぼしますが、日々の意識とトレーニングで改善可能です。まずは今日からできる簡単な対策を始めて、健康な鼻呼吸を習慣化しましょう!
✔ まずは自分の口呼吸の状態をセルフチェック!
✔ 簡単なトレーニングを毎日実践!
✔ どうしても改善しない場合は専門医に相談!
健康的な鼻呼吸を取り戻し、快適な生活を送りましょう!
江戸川区篠崎で口呼吸にお悩みの方へ|健康を守る正しい呼吸習慣をサポート!
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口呼吸は、虫歯・歯周病・口臭の原因となるだけでなく、免疫力の低下や睡眠障害、歯並びの乱れにもつながります。特にお子さまの場合、成長期の口呼吸は歯並びや顎の発育に大きな影響を与えるため、早めの対策が重要です。
当院では、口呼吸の原因診断・改善プログラムを提供し、舌の正しい位置やお口の筋力を鍛えるトレーニングを指導しています。お子さまの矯正治療と併せたアプローチも可能です。
「江戸川区篠崎で口呼吸の改善をお考えの方は、ぜひ当院へご相談ください!」
まずはお気軽にご予約を!あなたの健康をサポートします。
【動画】アデノイド顔貌
筆者・院長
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深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。