目次

「歯がグラグラしているけど痛くないから大丈夫?」
そんなお悩みを抱えていませんか?
歯の揺れは、歯周病や歯根のダメージなど、深刻な口腔トラブルのサインかもしれません。
本記事では、歯がグラグラする原因から、放置によるリスク、歯科での治療法、そして日常でできる予防法まで詳しく解説します。
早期発見・早期治療が歯を守るカギです。気になる症状がある方はぜひ参考にしてください。

歯がグラグラする感覚は、誰しもが不安になるものです。「このまま抜けてしまうのでは…」と心配になるかもしれません。まずは、グラつきの原因を知り、適切な対処をすることが大切です。

歯がグラつく
歯がグラつく

🔎歯がグラつくとはどんな状態?

歯がグラグラするとは、歯が本来の位置でしっかり固定されていない状態を指します。少し押すと揺れる、噛んだ時にグラッとするなどの症状が見られます。歯の土台となる「歯槽骨」や「歯根膜」に異常があることが多く、放置すると悪化する可能性もあります。

正常
正常
歯槽骨が3分の2以上溶けると歯のぐらぐらが始まる
歯槽骨が3分の2以上溶けると歯のぐらぐらが始まる

🦠よくある原因一覧

🦷 歯周病(中等度〜重度)

最も多い原因が歯周病です。歯周病が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け、歯が固定できなくなります。特に痛みなく進行することも多く、気づいたときには歯が揺れていることも。

🪓 歯根破折

歯の根が折れてしまうことで、歯が不安定になります。噛んだ時にズキッとしたり、グラグラ感がある場合は要注意です。破折の位置によっては抜歯が必要になることもあります。

🤕 歯の外傷(転倒・ぶつけた)

転倒やスポーツ中の接触などで歯をぶつけると、歯根周辺の組織が損傷し、グラつきが出ることがあります。早期に歯科医院を受診することで、歯の保存が可能になるケースも。

👴 加齢による骨の吸収

年齢とともに骨密度が低下し、歯を支える力が弱くなることがあります。特に歯周病を併発している場合は注意が必要です。

😬 噛みしめ・歯ぎしり

強い力で歯を噛みしめるクセや、夜間の歯ぎしりが原因で歯に過度な負担がかかり、グラつくことがあります。知らず知らずのうちに症状が進行しているケースもあります。

🦷 矯正治療中の歯の動き

矯正治療では歯を動かすため、ある程度の揺れが一時的に生じることがあります。これは正常な反応ですが、過度な揺れや痛みがある場合は矯正担当医に相談を。

「少し揺れてるけど痛みはないから大丈夫」と放置してしまうのは非常に危険です。歯のグラつきは、体が出している“危険サイン”のひとつ。放っておくと、取り返しのつかない結果につながることもあります。

⚠️自然には治らない?進行と歯の喪失リスク

歯のグラグラは、自然に元に戻ることはほとんどありません。原因が歯周病や歯根破折などの場合、進行性の病気であるため、放置するほど症状は悪化します。やがて歯が完全に支えを失い、最終的には抜け落ちてしまうことも珍しくありません。

🧱歯槽骨が溶けるメカニズム

歯は「歯槽骨(しそうこつ)」という骨に支えられて固定されています。しかし歯周病が進行すると、歯周病菌が出す毒素によってこの骨が少しずつ溶かされていきます。

はじめは歯茎が腫れる・出血する程度ですが、骨の吸収が進むと歯の固定力が失われ、グラグラしてきます。そして歯槽骨が一定以上失われると、抜歯せざるを得ない状態になるのです。

🦷見逃すと手遅れになるサイン

以下のような症状がある場合は、歯を残すためにも早急に歯科を受診すべきです:

  • 歯を軽く押すと前後左右に動く
  • 噛んだときに違和感や浮いた感じがある
  • 歯茎から膿が出ている、口臭が強くなった
  • 朝起きたとき、口の中がネバつく
  • 歯が長くなったように見える(歯茎が下がっている)

これらは、すでに歯周病が中等度以上に進行している可能性が高いサインです。早めの対応が、歯を守るカギになります。

歯がグラつくのに気づいたとき、すぐに歯科を受診するのが理想ですが、すぐに行けない場合には自分でできるチェックや応急処置が大切です。正しい対応を知っておくことで、悪化を防ぎ、治療効果を高めることができます。

🪥自分でできる確認ポイント

まずは以下のポイントをチェックしてみましょう:

  • 🦷 どの歯が、どの方向にグラついているか?
     → 縦方向の動きは歯根破折の可能性もあるため要注意。
  • 😬 痛みがあるか、ないか?
     → 無痛でも歯周病が進行していることがあります。
  • 🦷 歯茎の状態を確認
     → 赤く腫れている、出血している、膿が出ている場合は炎症のサインです。
  • 🪥 歯磨き中にグラつきや出血があるか?
     → 歯周病の進行具合を把握する手がかりになります。

🧊腫れや痛みがある場合の対処法

痛みや腫れがある場合は、次の方法で応急処置を行いましょう:

  • グラグラした歯を無理に動かさない
     → 舌や指で触れないように意識します。
  • 🧊 冷やす(アイスパックなど)
     → 外側の頬から冷やすことで炎症や腫れを和らげます。
  • 💊 市販の痛み止めを使用する
     → ロキソニンなどの解熱鎮痛薬で一時的に痛みを抑えられます。
  • 🦷 強いうがいは控える
     → 歯周ポケット内の血餅や膿の出口を刺激する可能性があります。

🍽️食事や生活で気をつけたいこと

日常生活の中でも、以下の点に注意して歯を保護しましょう:

  • 🍞 柔らかい食べ物を選ぶ
     → 硬いものは避け、噛む力がかからないようにします。
  • 🦷 患部側では噛まない
     → 片側の歯がグラついている場合、反対側で咀嚼を。
  • 🍷 刺激物は避ける
     → アルコールや辛いものは、歯茎の炎症を悪化させることがあります。
  • 🦷 毎日の歯磨きは優しく丁寧に
     → 出血があってもやさしく磨くことが大切です(歯科推奨の歯ブラシを使用)。

歯がグラグラする原因によって、歯科医院での治療方法は異なります。症状に合った適切な処置を受けることで、歯の保存や症状の改善が期待できます。ここでは、代表的な治療の流れをご紹介します。

🔍歯周病の場合の治療ステップ

歯周病が原因で歯が揺れている場合、進行度に応じて以下のような治療が行われます。

🦷💫歯がグラグラする症状

歯周病が進行し歯根を支えている歯槽骨が溶けると、歯のグラグラが始まります。初期症状として歯は左右に動くようになり、歯周病の重症化で上下にプカプカ動くようになります。

歯周病で歯がグラグラする
歯周病で歯がグラグラする

🪥 スケーリング・ルートプレーニング

歯や歯周ポケットにたまった歯石やプラークを取り除く処置です。
歯の根元までしっかりクリーニングすることで、炎症を抑え、歯周病の進行を止める第一段階の治療です。

🦷 歯周外科治療

スケーリングでは取りきれない深部の汚れを、歯茎を開いて徹底的に除去します。
ポケットが深くなっているケースや骨の吸収が進んでいるケースに適応されます。

🧬 再生療法

失われた骨や歯周組織を再生させる先進的な治療です。
エムドゲイン、リグロスなどの薬剤や人工骨を使って、歯を支える力を回復させることが可能です。

🪛歯根破折・重度の揺れには?

グラグラが歯根破折によるものであったり、歯の支持組織が完全に失われている場合は、残念ながら歯の保存が難しいケースもあります。

歯根破折で重度の揺れ
歯根破折で重度の揺れ

❌ 抜歯

歯を残すことが困難と判断された場合、感染の拡大を防ぐために抜歯が選択されます。
特に縦に割れた破折やグラつきが著しい場合には早めの決断が重要です。

🦷 インプラント治療

抜歯後、人工歯根(インプラント)を埋め込んで噛む力を回復させます。
周囲の歯を削らずに済むため、機能的かつ審美的にも優れた治療法です。

🧬骨再生療法とは?再建治療の可能性

歯を支える「歯槽骨」が溶けてしまった場合でも、近年では骨を再生させる技術が進化しています。

  • 🧫 リグロス法
     歯の根に特殊なゲルを塗布して歯周組織の再生を促します。
  • 🦴 人工骨や自家骨移植
     骨が大きく失われた部位に、人工的に骨を補填する方法です。

これらの治療はすべてのケースに適応できるわけではありませんが、歯の延命や保存に役立つ可能性があります。まずはCTなどでの精密診断が必要です。

歯がグラグラしているけど、すぐに抜きたくない…。
そんなときに一時的に歯を安定させる方法が「暫間固定(ざんかんこてい)」です。

🔧暫間固定とは?

暫間固定とは、グラグラしている歯とその周囲の歯をワイヤーや接着剤で連結し、歯を一時的に固定する処置です。
歯をしっかり安定させて、痛みや噛みにくさを和らげたり、治療までの期間を安全に保つ目的で行います。

🛠️ 使用する素材には以下のようなものがあります:

  • 金属製のワイヤー+接着剤(レジン)
  • レジンだけで連結する方法
  • プラスチック製の仮歯をブリッジのように固定する方法
接着性レジンによる暫定固定
接着性レジンによる暫定固定
歯周病で歯がグラグラした時の暫間固定です。
審美的に治療する必要がある前歯では歯と同じ色の接着性レジンで固定します。
ワイヤーと接着性レジンで暫定固定
ワイヤーと接着性レジンで暫定固定
奥歯では審美的要求が低いことと咬合力が強いため、ワイヤーで補強し外れにくくします。
前写真のX線画像
前写真のX線画像
重度歯周病で歯槽骨が破壊されたエックス線写真。
矢印で示した所が全体的に黒くなっています。これは遠心根周辺の骨がほとんど溶けているからです。

🩺どんな時に行うの?

  • 重度の歯周病で歯がグラついている場合
  • 歯周外科や再生治療の後
  • 歯ぎしり・食いしばりによる咬合性外傷
  • 転倒や事故などで歯に強い衝撃を受けたとき
歯周外科や再生治療の後
歯周外科や再生治療の後
重度の歯周病で歯がグラついている
重度の歯周病で歯がグラついている

このようなケースでは、すぐに抜歯せずに歯を一時的に安定させ、治療の準備を整える大切なステップとして暫間固定が行われます。

⚠️暫間固定の注意点

暫間固定は“仮の処置”です。長期間の使用には向いておらず、以下のような不都合もあります:

  • 🧼歯磨きがしにくくなるため、念入りな清掃が必要
  • 👅装置が舌にあたって違和感を感じることがある
  • 🧲接着力がそこまで強くないため、取れてしまうことも

そのため、**あくまで本格的な治療に向けた「つなぎの処置」**として考えていただくことが大切です。

💰暫間固定の治療費

歯がグラグラした時の暫間固定は保険適用

内容保険点数
暫間固定-簡単なものエナメルボンドシステムによるもの200点
暫間固定-困難なものエナメルボンドシステムによるもの500点
暫間固定除去1装置につき30点
※ 初診料、再診料、処方箋料、レントゲン撮影料などがかかります。薬は投薬内容により費用が異なりますが、薬局に支払う必要があります。
歯周病の治療を行う場合には、歯周病の治療費、検査料、指導料などがかかります。

✅まずは診察を

歯のグラつきには必ず「原因」があります。
暫間固定はその場しのぎではなく、歯を守るための重要な治療の一部です。

「できるだけ歯を残したい」「痛みを抑えて治療したい」とお考えの方は、まずは検査を受けて、状態に応じた最適な治療方針をご提案いたします。

お子さまの歯がグラグラしているのに気づいたとき、「これは自然なこと?」「歯医者に連れて行くべき?」と不安になる親御さんも多いはずです。ここでは、乳歯の生え変わりと病的なケースの見分け方を解説します。

子供の歯がグラグラしている
子供の歯がグラグラしている

🍼自然な生え変わりか、病的な揺れか?

子どもの歯がグラグラする原因の多くは「乳歯の生え変わり」です。一般的には5歳〜7歳ごろから始まり、下の前歯から順に永久歯へと置き換わっていきます。

🟢自然な生え変わりの特徴:

  • グラグラしていても痛みが少ない
  • 数週間〜数ヶ月かけて抜ける
  • 歯ぐきに腫れや出血がない

🔴注意が必要なケース:

  • 明らかに強くグラついているのに数ヶ月抜けない
  • 歯ぐきが腫れて膿が出ている
  • 永久歯が内側や外側からズレて生えてきている(二重歯列)
  • ケガなどで突然グラつき始めた

これらの症状がある場合は、乳歯の自然脱落ではなく、歯根吸収の異常や外傷の可能性があります。

🧑‍⚕️小児歯科での対応と注意点

心配な場合は、小児歯科での診察を受けることをおすすめします。診察では以下のような対応が行われます。

  • レントゲン撮影で歯根の状態や永久歯の位置を確認
  • 生え変わりのスケジュールのチェック
  • 必要に応じて乳歯の抜歯や虫歯の治療
  • 歯並びの異常に対して矯正治療の検討

📝保護者の方へのアドバイス:

  • 無理にグラグラの歯を抜こうとしない
  • 歯ブラシは優しく、でも毎日しっかり
  • 硬い食べ物で無理に抜こうとしない(トラブルのもとになります)

正しい知識を持って対応すれば、お子さんも不安にならずに生え変わりを迎えることができます。

歯ぎしり(ブラキシズム)や強い食いしばりが原因で、歯がグラついてしまうことがあります。これは「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」と呼ばれる状態で、歯に過剰な力がかかることで、歯の根を支える歯根膜歯槽骨にダメージが生じます。

咬合性外傷による歯根膜の拡大
咬合性外傷による歯根膜の拡大

🔍治療の基本方針

咬合性外傷による歯のグラつきは、力のコントロールが最優先です。以下のような治療が一般的に行われます:

ナイトガード(マウスピース)の装着 😬🛡️

就寝中に装着することで、歯ぎしり・食いしばりの力を物理的に緩和し、歯根膜や歯周組織を保護します。個々のかみ合わせに合わせて作るオーダーメイドタイプが効果的です。

ナイトガード(マウスピース)の装着
ナイトガード(マウスピース)の装着

かみ合わせ(咬合)の調整 🔧🦷

上下の歯の当たり方にズレがある場合、高い部分をわずかに削って力のバランスを調整します。これにより、特定の歯に集中していた負荷が分散され、歯根膜への負担が減少します。

ストレス・習癖へのアプローチ 🧘‍♂️💤

日中の無意識な食いしばり、姿勢の悪さ、ストレスなども原因となるため、生活習慣の見直しやセルフモニタリングも重要です。

歯周病の有無をチェック 🔬🦠

咬合性外傷単独ならば、歯槽骨の吸収は見られないことが多いですが、歯周病を併発していると治療方針が変わります。 歯周検査やレントゲンにより、併発の有無を確認し、必要なら歯周病治療も並行します。

✅ 治療のゴール

  • 歯にかかる力をコントロールして歯根膜腔の拡大を元に戻す
  • グラグラした歯の安定化と痛みの軽減
  • 再発防止のための習慣改善と継続的ケア

📝ポイント:咬合性外傷による歯のグラつきは、早期の対応で改善が見込めるケースが多いです。違和感を感じたら、まずはレントゲン検査を受け、力のバランスを見直すことが大切です。

差し歯(クラウン)は、歯の根にセメント(接着剤)で固定されていますが、経年劣化やかみ合わせの力などによって、接着が緩みグラつくことがあります。

「少し揺れているだけ」と放置してしまうと、内部で虫歯が進行してしまい、差し歯が再利用できなくなる可能性もあります。以下のような治療が必要です。

差し歯が外れて歯がグラグラする
差し歯が外れて歯がグラグラする

🔍治療の流れ

外れた差し歯のチェックと再装着 🔧🦷

グラつきが軽度で、差し歯や土台に問題がなければ、再度清掃・消毒のうえ、専用のセメントで再装着が可能です。
※自己判断で市販接着剤などを使うのは絶対NGです。

中の歯が虫歯・劣化している場合は… 🔍🦠

差し歯が外れた原因が中の歯の虫歯や破折である場合、以下のような処置が必要になります:

  • 虫歯治療・根管治療(歯の神経治療)
  • 新しい土台(コア)の再作製
  • クラウンの再作成・装着

ブリッジの一部が外れている場合の対応 🔩🦷

3本つながったブリッジなどの一部が外れてグラグラしている場合、固定されている歯にも負担がかかる状態です。

  • まずは全体を外して清掃・診断
  • 必要であればブリッジ全体の再作製
  • 部分的な修復や接着で対応できることもあります(要診断)

🛡️ 放置のリスク

  • グラグラした状態を放置すると、隙間から細菌が侵入して虫歯が進行
  • 内部の歯が使えなくなると、抜歯やインプラント・ブリッジ再設計が必要になることも

✅ 早期受診で差し歯を守る!

「少し揺れている気がする」「噛んだとき違和感がある」と思った時点で、早めにご来院ください。差し歯を長持ちさせるためにも、早期発見・早期対応がとても大切です。

転倒やスポーツなどで歯をぶつけてしまい、「前歯がグラグラしている…」と感じたら、それは歯の脱臼や歯根破折が原因かもしれません。
外傷による歯のグラつきは初期対応と診断が重要です。歯を残せるかどうかは、**「歯の揺れの程度」と「歯根・歯槽骨の損傷の有無」**によって決まります。

✅【永久歯の場合】

外傷による歯のグラつき
外傷による歯のグラつき

軽度なグラつき(軽度の不完全脱臼)

  • 歯根や歯槽骨に大きな損傷がなく、軽くグラついているだけの場合
  • 👉 安静にして経過観察(約1週間)で自然に回復することもあります

中等度〜重度のグラつき(中等度以上の不完全脱臼)

  • 歯が明らかに揺れており、噛むと痛い・違和感がある
  • 👉 両隣の歯に接着剤で固定(暫間固定)し、歯根膜の自然治癒を待つ(約1ヶ月)
  • 必要に応じて**神経の治療(根管治療)**を行うこともあります

完全脱臼してしまった場合

  • 歯が完全に抜けてしまった(完全脱臼)
  • 👉 可能であれば早期に「再植」(歯を元に戻す)処置を行います
  • 歯根膜が損傷していなければ、再度噛めるようになることもあります(時間との勝負)

歯根破折を伴う場合

  • レントゲン検査で破折を確認し、破折位置が浅ければ保存可
  • 深い破折は抜歯の適応となる可能性があります

🍼【乳歯の場合】

子どもが転倒して乳歯がグラグラする
子どもが転倒して乳歯がグラグラする

軽度な揺れ・症状が軽い場合

  • 衝撃が弱く、グラつきが少ない → 経過観察(定期検診)で様子を見ます

強い衝撃・歯根吸収が進んでいる場合

  • レントゲン診断で永久歯への交換が近いと判断されれば、抜歯を選択することも
  • 永久歯が生えるまで半年以上ある場合 → 暫間固定を行って様子を見ます

永久歯への影響に注意

  • 強い衝撃を受けた乳歯のあとには、後続永久歯に白いシミ(ホワイトスポット)などの異常が出ることがあります
  • 👉 将来的な歯の見た目や機能の変化を予測し、定期的なチェックが重要です

🩺大切なのは「早めの診断」と「適切な固定・経過観察」

歯をぶつけた際、すぐに痛みが引いたとしても、歯根膜や神経がダメージを受けている可能性があります。
放置すると後から歯が変色したり、使えなくなることもあるため、受傷後はできるだけ早く歯科医院へご相談ください。

歯がグラグラするのを防ぐには、日々の生活習慣とセルフケアがとても重要です。歯周病や歯のダメージを未然に防ぐために、今日からできる予防法をご紹介します。

🪥正しい歯磨きと歯間ブラシの活用

歯周病予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。とくに歯と歯ぐきの境目にはプラークがたまりやすく、歯周病菌の温床になります。

予防に効果的なケア方法:

  • 歯ブラシは柔らかめで小さめのものを選ぶ
  • 歯と歯ぐきの境目に毛先を45度で当てて小刻みに動かす
  • 歯間ブラシやフロスで、歯と歯の隙間も丁寧に清掃
  • 電動歯ブラシも有効(正しい使い方を歯科で指導してもらいましょう)

🦷磨き残しが多いと、歯茎の腫れや出血→歯槽骨の吸収→歯のグラつき、へとつながってしまいます。

🧂食生活と栄養バランス

体の健康は口の中から。歯や歯ぐきを健康に保つには、栄養バランスの取れた食事も欠かせません。

食生活と栄養バランス
食生活と栄養バランス

🍽️意識したい栄養素:

  • ビタミンC:コラーゲン生成を助け、歯茎を強くします(ブロッコリー・キウイなど)
  • カルシウム・ビタミンD:歯や骨の強化に欠かせません(小魚・牛乳・きのこ類など)
  • タンパク質:歯周組織の再生に必要(肉・魚・大豆製品)

また、砂糖の摂りすぎは虫歯だけでなく歯周病菌の繁殖にも関与します。甘いものは控えめに、食後は必ず歯を磨く習慣をつけましょう。

💤歯ぎしり・くいしばり対策(マウスピースなど)

無意識のうちに歯に強い力が加わる「歯ぎしり」や「くいしばり」も、歯のグラつきを引き起こす原因です。とくに睡眠中の歯ぎしりは自覚がなく、放置されがちです。

😬こんな症状がある方は要注意:

  • 朝起きたときに顎が疲れている
  • 歯がすり減っている・ヒビが入っている
  • 知らない間に奥歯がグラグラしている

🛡️**対策として有効なのが「ナイトガード(マウスピース)」**です。歯科医院で自分の歯型に合わせて作ることで、歯への負担を軽減し、歯の保存に役立ちます。

歯がグラグラする症状について、患者さまからよく寄せられるご質問にお答えします。不安や疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。

💬歯が揺れていても保存できる?

保存できるケースもあります。
歯がグラついているからといって、すぐに抜歯とは限りません。歯周病による揺れであれば、適切な治療とセルフケアで歯の揺れを改善できることもあります。また、再生療法で歯を支える骨を再建できるケースもあります。

ただし、歯根が折れている場合や重度に動揺している歯は、残すことが難しいこともあるため、まずは歯科での診断が大切です。

💬痛くない場合でも受診すべき?

はい、受診をおすすめします。
歯周病は「静かに進行する病気」と言われており、痛みが出たときにはすでに手遅れというケースもあります。
グラグラしていても痛みがなければ…と自己判断せずに、早めに検査を受けることで、歯を守れる可能性が高まります。

💬何科にかかればいい?

一般歯科、または歯周病治療に力を入れている歯科医院へ。
「歯科医院」とひとことで言っても、虫歯中心、矯正専門など診療内容はさまざまです。

  • 歯周病が原因と思われる場合 → 歯周病専門医または歯周治療対応の一般歯科
  • 外傷や歯根破折の疑いがある場合 → 口腔外科やインプラント対応医院

当院のように幅広く対応できるクリニックであれば、まずご相談いただくことでスムーズな治療に進めます。

💬保険診療でできること・できないこと

多くの初期治療は保険内で対応可能です。
スケーリング(歯石取り)や基本的な歯周治療、レントゲン撮影などは保険適用となります。

🔵保険診療でできる例:

  • 歯周ポケットの検査・歯石除去
  • 歯周外科治療(症状により)
  • 抜歯や仮歯の処置

🔴保険外(自費)となる例:

  • エムドゲイン・リグロスなどの再生療法
  • インプラント治療
  • 精密な歯型スキャン・マウスピース作成
  • 美容目的の処置(審美補綴など)

不安な場合は、事前に**「保険内でできる範囲でお願いします」と相談する**ことで、無理なく治療を進めることができます。

💬歯がグラグラする夢をしょっちゅう見ます。最近では歯が抜ける夢まで見ます。何かの暗示なのでしょうか?

はい、ご質問ありがとうございます。
歯がグラグラしたり抜けたりする夢は、精神的な不安や環境の変化を象徴していると言われています。たとえば、妊娠・就職・引っ越し・人間関係の変化など、「自分の中で何かを失う」「変わる」ことへの不安が夢に表れることがあります。

また、お金や健康、老化への不安、将来への焦りなども無意識に反映されることがあるため、日常生活で「気になっているけれど後回しにしていること」がある場合は、一度見直してみると良いかもしれません。

さらに、夜間低血糖や寝る前の過食が原因で怖い夢を見ることもあります。寝る前の糖質摂取を控えたり、睡眠習慣を整えるだけでも改善することがあります。

もし現実でも歯の違和感があるようでしたら、念のため歯科検診を受けることもおすすめです。夢と体の状態はまったく無関係とは言い切れないこともありますので、ご自身の安心のためにもご相談くださいね。

歯がグラグラするのは、体が発している「見逃してはいけないサイン」のひとつです。原因の多くは歯周病や歯根のトラブルであり、放置すればするほど悪化し、最終的に歯を失うリスクが高まります。

✅ 放置せず、まずは歯科医院で検査を

グラつきの原因を正確に知ることが、最適な治療への第一歩です。
症状が軽いうちに治療を始めれば、歯を残せる可能性は高くなります。

🦷 進行度に応じた治療で歯を守る

  • 歯石除去や歯周ポケットのクリーニング
  • 再生療法や歯周外科治療
  • インプラントなどの高度治療

原因や進行度に応じて、専門的な処置を受けることでグラつきの改善や歯の延命が可能です。

🔄 定期的なメンテナンスが最大の予防

歯のグラグラは予防できる症状です。
毎日のセルフケアと、3〜6ヶ月ごとの定期検診・クリーニングを習慣化することで、歯を健康に保つことができます。


🔔「少し気になるかも」と思ったその時が、歯を守るチャンスです。
ぜひお早めに歯科医院へご相談ください。


「歯がグラグラする…もしかして歯周病?」そんな不安を感じたら、早めの受診が大切です

江戸川区篠崎の当院では、歯周病や歯のグラつきに対する精密な検査と原因に応じた専門的な治療を行っています。
「まだ痛みがないから」と放置せず、違和感を覚えたそのタイミングでご相談ください。
あなたの大切な歯を、できる限り「抜かずに残す」ためのサポートをいたします。
まずはお気軽にご予約・ご相談を。

【動画】歯周病の手遅れの症状

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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