全身麻酔とお口とは全く関係ないと思っている方は多いのではないでしょうか。ところが全身麻酔をかけて手術する場合、身体の抵抗力が低下するため、口腔内が清潔に保たれていないと、全身麻酔時に気管挿管(呼吸に必要なチューブを口から気管内に挿入する方法)時に口腔細菌が気管内に押し込まれ、重篤な合併症を引き起こしやすくなります。

手術前後の時期に口腔ケアを行うことを周術期口腔管理といいます。この時期にしっかりと口腔ケアが出来ている方とそうでない方では、病気の再発や合併症の発症比率が明らかに違うことが統計的に分かっています。

手術日が決定したら出来るだけ早めに歯科医院の受診を

歯周病に罹患
歯周病に罹患

歯周病の治療は早めに済ませましょう

手術日が決定したら出来るだけ早めに歯科医院の受診をお薦めします。口腔内に歯石や歯垢が沢山溜まっていて、歯茎に炎症がある方は、出来るだけ早めに歯周病の治療を済ませておくことが重要です。歯周病治療は症状にもよりますが最短でも1ヶ月は必要だからです。

写真の様な状態で手術に臨むと合併症リスクが相当上がるものと思われます。

手術前の注意

手術前の口腔ケア

全身麻酔当日は絶食になるため口腔内細菌が増殖します。そのため、口腔ケアは念入りに行う必要があります。しっかり歯磨きをすることが好ましいのですが、うまく出来ない方は歯磨き粉は付けずに歯ブラシで歯茎を刺激するだけでも唾液分泌が促進され、口腔環境は良好になります。

特に、口腔内が清潔でないと呼吸器外科(肺がんの手術など)では気管挿管により細菌が気管内押し込まれやすく合併症のリスクが上がります。

歯周病で歯に動揺がある方へ

気管挿管時に動揺歯が抜けてしまう恐れがあります。当院では手術前に動揺歯を保護するマウスピース(マウスプロテクター)を保険(病名:挿管時口腔内装置必要状態)でお作りすることが出来ます。ご相談ください。また、前歯にインプラントやセラミッククラウンなどの人工歯が入っている方も、欠ける事もありますので、マウスプロテクターの作成をお薦めします。

入れ歯安定剤を使用している方へ

手術前の食事では入れ歯安定剤の使用を控えてください。気管挿管時に入れ歯安定剤を気管内に押し込んでしまうリスクがあるためです。

手術後の注意

特に、消化器系の手術では、術後の食事が口から摂取できるまで数日かかるため、口腔内の細菌が増殖しやすくなります。術後合併症を起こさないために入院中の絶食期間中・経管栄養中は前述の方法で口腔粘膜刺激を行い唾液の分泌を促してください。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、患者様の大切な歯を1本でも延命するため、軽度歯周病から重度歯周病に至るまで様々な対策を行い、歯周病予防をはじめ、早期発見・早期治療で症状の改善・維持を行い、抜歯回避に努めております。

江戸川区篠崎で全身麻酔をかけて手術を予定している方で歯周病治療をご希望の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談下さい。

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