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【🎞️ 2分31秒】歯石取りと歯のクリーニングで取り戻す歯茎の健康

歯石とは、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)が、唾液などに含まれるカルシウムやリン酸などの成分によって石灰化し、硬くなったものです。

プラークは細菌を含むバイオフィルムで、十分に除去されない状態が続くと、時間の経過とともに石灰化して歯石が形成されます。石灰化が始まるまでの時間や歯石のできやすさには個人差があるため、「何時間で歯石になる」と一律に示すことはできません。

一度形成された歯石は歯ブラシやデンタルフロスによるセルフケアでは除去することが難しく、歯科医院で専用の器具を用いて取り除く必要があります。

特に下の前歯の裏側や上の奥歯の頬側など、唾液腺の開口部に近い場所は歯石が付着しやすい傾向があります。

歯石を放置するとどうなる?

歯石そのものが歯周病を直接引き起こすわけではありません。しかし、歯石の表面はプラークが付着・停滞しやすいため、歯ぐきの炎症を持続させる要因の一つになります。

歯肉炎・歯周炎との関係

歯石の表面には新たなプラークが付着しやすく、その状態が続くと歯ぐきに炎症が起こり、

  • 歯ぐきが赤く腫れる
  • 歯磨きの際に出血する
  • 歯周ポケットが深くなる

といった変化がみられることがあります。

歯周炎が進行すると、歯を支える歯槽骨などの歯周組織が失われ、歯の動揺や、重症例では歯の喪失につながることがあります。

口臭との関係

口臭の原因の一つに、口腔内細菌が産生する揮発性硫黄化合物(VSC)があります。

歯石が付着している部分はプラークが停滞しやすく、歯肉炎や歯周炎を伴っている場合には、口臭に関係することがあります。

ただし、口臭には舌苔や唾液量、全身状態などさまざまな要因があるため、歯石だけが原因とは限りません。

虫歯との関係

歯石そのものが虫歯を直接引き起こすわけではありません。

ただし、歯石の周囲はプラークが停滞しやすく、歯磨きもしにくくなることがあります。そのため、口腔清掃が不十分な状態が続けば、虫歯のリスクに影響する可能性があります。

歯周病では、炎症を起こした歯周組織から口腔内細菌やその成分が血流に入り込むことがあります。また、歯磨きや歯科治療などをきっかけに、一時的な菌血症が生じることもあります。

近年、歯周病と糖尿病や心血管疾患など、さまざまな全身疾患との関連が研究されています。

特に糖尿病と歯周病には相互に影響し合う関係があることが知られています。一方、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などについては関連を示す研究がありますが、歯周病がこれらの疾患を直接引き起こすと単純に結論付けることはできません。

歯石除去を含む適切な歯周病治療やセルフケアは、歯や歯ぐきの健康を維持するために重要です。全身疾患との関係については、個々の健康状態も含めて考える必要があります。

歯石取りは「スケーリング」と呼ばれ、歯面や歯周ポケット内などに付着した歯石や沈着物を専用の器具で除去する処置です。

歯周病が認められる場合には、プラークコントロールなどとともに歯周基本治療の一環として行われます。

スケーリングの流れ

1.歯周組織の検査

必要に応じて、

  • 歯周ポケットの深さ
  • プロービング時の出血
  • 歯の動揺
  • プラークや歯石の付着状況

などを確認します。

症例によってはレントゲン検査を行い、歯槽骨の状態なども評価します。

2.歯石除去

歯石の付着部位や量、歯周組織の状態などに応じて、超音波スケーラーや手用スケーラーを使い分けながら除去します。

3.必要に応じた歯面清掃・研磨

歯面に残った着色や沈着物などの状態に応じて、歯面清掃や研磨を行うことがあります。

歯面研磨はすべての患者さんに必ず必要な処置ではなく、口腔内の状態に応じて判断します。

4.ブラッシング指導

歯石の再形成を抑えるためには、そのもとになるプラークを日常的に取り除くことが重要です。

歯並びや歯ぐきの状態に合わせて、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどの使用方法を確認します。

歯石取りとクリーニングを行った症例

術前

歯石取り術前
術前

歯面には黒褐色の歯石やプラークの付着がみられ、歯ぐきには腫れや発赤、出血が認められました。また、歯と歯の間などには磨き残しも多くみられました。

歯ぐきの腫れが強く、見た目だけでは歯周炎が進行しているようにもみえましたが、レントゲン検査では明らかな歯槽骨吸収はほとんど認められませんでした。

一部では歯周ポケットが約6mmと深く測定されましたが、歯槽骨の状態などから、歯ぐきの腫脹によって見かけ上ポケットが深くなっている「仮性ポケット」が含まれていると考えられました。

歯周基本治療としてブラッシング指導と歯石除去を行いました。歯石の付着量が多かったため、口腔内の状態を確認しながら複数回に分けて処置しています。

本症例では、歯周病の検査・治療として保険診療の範囲で対応しました。

歯石除去後2か月経過

歯石除去後2ヶ月経過
歯石除去後2ヶ月経過

歯石除去終了後、約2か月経過した時点の口腔内写真です。

術前と比較して歯ぐきの腫れや炎症所見の改善がみられます。メインテナンスでは口腔内の状態を確認し、必要に応じてエアフローを用いた歯面清掃を行いました。

歯石除去後4か月経過

歯石除去後4ヶ月経過

前回から約2か月経過した時点の口腔内写真です。

歯ぐきの状態はさらに落ち着いています。本症例では、口腔内の状態を確認しながら定期的なメインテナンスを継続しました。

歯石除去後1年経過

歯石除去後1年経過
歯石除去後1年経過

歯石除去後、約1年経過した時点の口腔内写真です。

下顎では歯ぐきの腫れが大きく改善しています。一方、上顎の一部には軽度の炎症所見が残っているため、引き続きセルフケアの確認とメインテナンスが必要です。

本症例では明らかな歯槽骨吸収がほとんど認められなかったため、炎症が改善した後も著しい歯肉退縮はみられませんでした。

ただし、炎症の改善後に歯ぐきの位置が変化する程度は、もともとの歯周組織の状態や歯槽骨の吸収程度などによって異なります。

今後も歯周組織の状態やプラークの付着状況を確認しながら、必要に応じて歯石除去や専門的なクリーニングを行い、良好な状態の維持を目指します。

超音波スケーラー

超音波振動などを利用して、歯面に付着した歯石や沈着物を除去する器具です。

広い範囲に歯石が付着している場合などに効率よく処置できます。

手用スケーラー

歯科医師や歯科衛生士が手で操作して、歯石や沈着物を除去する器具です。

歯の形態や歯石の付着部位を確認しながら細かな操作を行えることが特徴です。

実際の治療では、歯石の付着状況や歯周ポケットの深さなどに応じて、超音波スケーラーと手用スケーラーを使い分けたり、併用したりします。

歯石取りで感じる痛みや刺激の程度には個人差があり、歯ぐきの炎症、歯石の付着部位、知覚過敏の有無などによって異なります。

痛みが出やすいケース

歯ぐきに炎症がある

歯肉炎や歯周炎によって歯ぐきに炎症がある場合には、処置中に痛みや出血を伴うことがあります。

知覚過敏がある

歯肉退縮などによって歯根面が露出している場合には、スケーラーの振動や注水などによってしみることがあります。

歯周ポケット内に歯石が付着している

歯ぐきの中に付着した歯石を除去する際には、刺激や痛みを感じることがあります。

痛みが強い場合や深い部分の処置が必要な場合には、必要に応じて局所麻酔を使用することもあります。

歯石取り後の症状

一時的に歯がしみる

歯石を除去した後、露出した歯根面などが一時的にしみることがあります。

もともと歯肉退縮がある場合や、歯周炎によって歯根面が露出している場合などに起こりやすい症状です。

出血や違和感

炎症のある歯ぐきを処置した場合には、処置後に軽い出血や違和感がみられることがあります。

症状の程度や続く期間には個人差があります。強い痛みや出血が続く場合には歯科医院へ相談してください。

歯肉炎や歯周炎などの診断のもと、治療の一環として必要な検査や歯石除去を行う場合には、健康保険が適用されます。

一方、病気の治療ではなく、着色除去や審美目的などでクリーニングを希望する場合には、自費診療となることがあります。

費用は、行う検査や処置内容、歯周病の状態、処置する範囲、自己負担割合などによって異なります。

そのため、一律の金額ではなく、診察・検査後に治療内容とあわせて確認することをおすすめします。

歯石取りは何回通う?

歯石取りに必要な通院回数は、歯石の量や付着している場所、歯周病の程度などによって異なります。

比較的少量の歯石であれば少ない回数で終了することもありますが、歯石が広範囲に付着している場合や、歯周ポケット内の処置が必要な場合には、部位を分けて複数回にわたり治療することがあります。

治療回数は一律ではないため、歯周組織の検査結果に基づいて治療計画を立てます。

歯石除去やメインテナンスが必要になる頻度は、患者さんによって異なります。

歯周病の状態だけでなく、

  • プラークコントロールの状態
  • 歯石のできやすさ
  • 歯周ポケットの深さ
  • 喫煙習慣
  • 糖尿病などの全身状態
  • 過去の歯周病の進行程度

などを考慮して、受診間隔を決めます。

「健康な人は半年ごと」「歯周病なら3か月ごと」などと一律に決めるのではなく、歯科医院で口腔内の状態を評価し、その方に合った間隔で定期管理を受けることが大切です。

すでに形成された歯石を自宅で取り除くことは困難ですが、歯石のもとになるプラークを毎日のセルフケアで除去することで、新たな歯石の形成を抑えることにつながります。

正しい歯磨き

歯石そのものを歯ブラシで除去することはできませんが、歯石になる前のプラークは歯磨きで除去できます。

特に歯と歯ぐきの境目など、プラークが残りやすい部分を意識して丁寧に磨きましょう。

デンタルフロス・歯間ブラシの使用

歯ブラシだけでは、歯と歯の間など毛先が届きにくい場所のプラークを十分に除去できないことがあります。

デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を適切に併用すると、歯間部のプラーク除去に役立ちます。

歯間ブラシはサイズが合っていないと歯ぐきを傷つけることもあるため、歯科医院で適切なサイズや使用方法について指導を受けることをおすすめします。

禁煙

喫煙は歯周病の重要なリスク因子の一つです。

喫煙者では歯周病が進行しやすく、治療への反応にも影響することが知られています。

歯石予防だけを目的として禁煙を説明するのではなく、歯周組織の健康を維持する観点から禁煙を検討することが大切です。

口腔内を清潔に保つ

唾液には口腔内を洗い流したり、酸を中和したりする働きがあります。

ただし、「よく噛んで唾液を増やせば歯石を予防できる」とは一概にいえません。歯石の予防で特に重要なのは、歯石になる前のプラークを毎日のセルフケアで丁寧に除去することです。

市販されているスケーラーなどを使用して、自分で歯石を除去することはおすすめできません。

歯石は歯ぐきの上だけでなく、歯周ポケットの内部に付着していることもあります。また、見た目だけでは歯石の付着範囲や歯周病の状態を正確に判断することは困難です。

誤った方法で器具を使用すると、

  • 歯ぐきを傷つける
  • 歯面を傷つける
  • 歯石を十分に除去できない
  • 歯周病の発見が遅れる

といった問題につながる可能性があります。

歯石が気になる場合には、自分で無理に取り除こうとせず、歯科医院で検査を受けたうえで歯科医師や歯科衛生士による処置を受けましょう。

歯石は、歯面に付着したプラークが石灰化して硬くなったものです。一度形成された歯石はセルフケアだけでは除去することが難しいため、歯科医院での専門的な処置が必要になります。

歯石そのものが歯周病や虫歯を直接引き起こすわけではありませんが、その表面にはプラークが付着・停滞しやすいため、歯ぐきの炎症を持続させる要因になります。

歯石を予防するために大切なのは、毎日の歯磨きやデンタルフロス、歯間ブラシなどによって、歯石になる前のプラークをできるだけ除去することです。

さらに、歯科医院で定期的に口腔内を確認し、必要に応じて歯石除去や専門的なクリーニングを受けることで、歯周病の予防や早期発見、口腔内の健康維持につながります。

適切な受診間隔は患者さんごとに異なります。「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、自分の歯や歯ぐきの状態に合ったセルフケアと定期管理を続けることが大切です。

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一度ついた歯石は、歯磨きだけでは落とせません。歯石除去と歯周病チェックで、お口の健康を守りましょう。

「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「しばらく歯石取りをしていない」という方は、症状がなくてもお気軽にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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