「歯石取りはどれくらいの頻度で受ければいいの?」「毎回クリーニングは必要なの?」と疑問に思ったことはありませんか。

歯石は一度付着すると歯ブラシでは取り除くことができず、放置すると歯周病や口臭の原因になることがあります。しかし、歯石取りの適切な頻度はすべての人が同じではなく、お口の状態や歯周病のリスクによって異なります。

この記事では、歯石ができる仕組みや歯石取りが必要な理由、リスク別の適切な通院頻度、歯科医院で行う治療の流れについて、歯科医師がわかりやすく解説します。

「歯石取りはどのくらいの間隔で受ければよいですか?」というご質問を多くいただきます。

実は、歯石除去の適切な頻度はすべての人が同じではありません。

歯周病の有無や進行度、セルフケアの状態、唾液の性質、喫煙習慣、歯並びなどによって、お口の環境は大きく異なります。そのため、1~2か月ごとの管理が必要な方もいれば、6か月ごとの定期検診で十分な方もいます。

大切なのは、ご自身のお口の状態に合わせたメインテナンスを受けることです。

歯石は、単なる汚れではありません。

歯の表面に付着したプラーク(歯垢)が唾液中のカルシウムやリンと結合して石灰化したもので、細菌が繁殖しやすい環境を作ります。

歯の表面の歯石だけでなく歯周ポケット内にも歯石(縁下歯石)がある
歯の表面の歯石だけでなく歯周ポケット内にも歯石(縁下歯石)がある
重度歯周病で歯石が多量に付着。1〜2ヶ月ごとの定期除去が必要
重度歯周病で歯石が多量に付着。1〜2ヶ月ごとの定期除去が必要

プラーク(歯垢)

食後数時間で形成される細菌の塊です。やわらかいため、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどで取り除くことができます。

歯石

プラークは約48~72時間で石灰化し、歯石へと変化します。

一度歯石になると歯ブラシでは除去できず、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。

さらに歯石の表面はザラザラしているため、新たなプラークが付着しやすくなり、

  • 歯ぐきの炎症
  • 出血
  • 歯周ポケットの深化
  • 歯槽骨の吸収

といった歯周病の進行につながります。

特に歯ぐきの中に付着する縁下歯石は、自分では確認できず、歯周病を悪化させる大きな原因になります。

歯石除去は、単に歯石を削り取るだけの処置ではありません。

歯周病の進行度に応じて、段階的に治療を進めます。

歯石取りの流れ:縁上歯石除去→歯周ポケット内部の歯石(縁下歯石)を除去

① スケーリング(縁上歯石除去)

歯ぐきより上に付着した歯石を除去します。

目的

  • 歯肉の炎症を抑える
  • 出血や腫れを改善する
  • 細菌量を減らす

炎症を落ち着かせることで、その後の治療効果も高まりやすくなります。

② SRP(スケーリング・ルートプレーニング)

歯周ポケット内の歯石や感染した歯根面を清掃する処置です。

必要に応じて局所麻酔を使用し、歯根表面を滑らかに整えながら歯周病の原因を取り除きます。

目的

  • 歯周病菌の除去
  • 歯ぐきの改善
  • 歯周ポケットの改善

③ 歯周外科・歯周組織再生療法

SRPだけでは改善が難しい重度歯周病では、

  • フラップ手術
  • GTR法
  • リグロスやエムドゲインなどを用いた歯周組織再生療法

が検討されることがあります。

歯石の付きやすさには個人差があります。

唾液の性質

唾液がアルカリ性寄りでカルシウム濃度が高い方は、歯石が形成されやすい傾向があります。

唾液量の減少

加齢や口呼吸、ドライマウスでは自浄作用が低下し、プラークが停滞しやすくなります。

喫煙

喫煙は歯面を粗くし、歯石が付着しやすくなるだけでなく、歯周病の症状を分かりにくくするため、重症化のリスクを高めます。

歯並び・矯正装置

歯が重なっている部分や矯正装置の周囲は磨き残しが多くなり、歯石が付きやすくなります。

1~2か月ごと

次のような方では短い間隔での管理が推奨されます。

  • 重度歯周病
  • 矯正治療中
  • セルフケアが難しい
  • 歯ぐきの腫れや出血が続く

細菌数を継続的にコントロールすることが重要です。

3か月ごと(最も一般的)

多くの方に推奨されるメインテナンス間隔です。

歯周病の原因となる細菌叢は、専門的なクリーニング後も時間の経過とともに再び病原性を高めることが知られています。

そのため、約3か月ごとの定期管理は、歯周病予防において広く推奨されています。

6か月ごと

以下のような低リスクの方では、6か月ごとの定期検診が目安となります。

  • 歯周組織が健康
  • セルフケアが良好
  • 磨き残しが少ない

ただし、自覚症状がなくても定期的なチェックは欠かせません。

妊娠中の方

妊娠中はホルモンバランスの変化により、妊娠性歯肉炎を起こしやすくなります。

体調が安定している時期に、歯科医院でのクリーニングや口腔管理を受けることがおすすめです。

「何回も通院が必要なの?」と思われる方もいらっしゃいます。

保険診療では、安全で効果的な治療を行うために、医学的な手順に沿って進めます。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 歯周検査
  2. スケーリング
  3. 再評価
  4. 必要に応じてSRP
  5. メインテナンス

重度歯周病では、一度に大量の歯石を除去すると、

  • 強い出血
  • 知覚過敏
  • 術後の痛み

などが生じることがあるため、複数回に分けて安全に治療を進める場合があります。

次のような症状がある場合は、歯科医院での診察をおすすめします。

  • 歯磨きで出血する
  • 口臭が気になる
  • 歯ぐきが赤く腫れている
  • 歯が長く見える
  • 歯がグラつく
  • 歯石を舌で触れる

これらは歯周病が進行しているサインの可能性があります。

市販のスケーラーを使った自己処置は避けましょう。

誤った方法で歯石を取ろうとすると、

  • エナメル質を傷つける
  • 歯ぐきを傷つける
  • 知覚過敏を起こす
  • 歯石を取り残す
  • 歯ぐきの中の歯石を悪化させる

などのリスクがあります。

特に縁下歯石は目で確認できないため、専門的な器具と技術による処置が必要です。

歯石取りは見た目をきれいにするためだけの処置ではなく、歯周病の予防・再発防止や、お口の健康を長く維持するための重要なメインテナンスです。

適切な間隔で歯石を除去することで、

  • 歯周病の予防・進行抑制
  • 歯を長く残すサポート
  • 口臭の改善・予防
  • 全身の健康維持につながる可能性

が期待できます。

「痛くなったら歯科医院へ行く」のではなく、**「健康な状態を維持するために定期的に通う」**ことが、将来もご自身の歯を守るための大切なポイントです。

まずは歯周検査を受け、ご自身に合ったメインテナンス間隔を歯科医師・歯科衛生士と相談してみましょう。

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歯石取りの適切な頻度は、お口の状態や歯周病のリスクによって一人ひとり異なります。当院では、歯周検査をもとに患者さまに適したメインテナンス計画をご提案しています。

歯ぐきの出血や口臭、歯石が気になる方はもちろん、症状がない方もお気軽にご相談ください。定期的なケアで、大切な歯を長く守るお手伝いをいたします。

【動画】歯石の痛くない取り方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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