歯石取りのデメリット

歯石取りは歯周病の治療で大変重要な処置です。しかし、歯石取りにはリスクもあります。当院では歯石取りのリスクを熟知した上で、リスクを最小限に抑える配慮をしながら行っています。

安全に配慮し歯石除去を行っています

ハンドスケーラーで歯根が削られる

歯石除去時に歯根が削られるリスク

ハンドスケーラーの刃の部分はかなり鋭利になっています。そのため、歯根に付着した歯肉縁下歯石(黒い歯石)を除去する時、僅かですが歯根も同時に削り取られることになります。

イラストの様に、ハンドスケーラーを使い何度も歯石除去を行うと歯根が削り取られてしまうデメリットがあります。

そこで、超音波スケーラーにより、出来るだけ歯根や歯根膜を傷つけないように歯石取りを行うよう十分な配慮をして実施しています。

そのため当歯科医院ではハンドスケーラーによるルートプレーニング(SRP) は特別な事情がない限り行なっておりません。

歯石取りで歯原性菌血症が起こるリスク

歯原性菌血症

歯原性菌血症が起こらないように配慮

歯周ポケット内の歯石を除去する際に出血することがあります。特に重度歯周病で歯肉に炎症が起こっている場合には尚更です。この時、歯茎の中では、毛細血管を介して歯周病菌や歯周病菌が出す LPS(毒素)が動脈の中に入り込んでいきます。これを歯原性菌血症と呼びます。

歯周病菌や LPS は動脈の内側にある内皮細胞を攻撃し損傷を与えます。動脈内を流れるコレステロールが損傷を受けたところから血管壁に入り込みアテローム性プラークを形成します。これが動脈硬化です。動脈硬化が起こると脳梗塞や心筋梗塞などの発症リスクが高まります。

そこで、当院では歯肉に炎症がある状態でいきなり歯石取りを行うことは致しません。まず、歯磨き指導で炎症を抑えつつ、歯肉縁上歯石から徐々に取っていき、炎症が治まったことを確認してから歯肉縁下歯石の除去へと進みます。

歯石取りのメリット

歯石取り

歯石取りは歯周病の治療や予防に効果的

写真は、黄色に石灰化した歯石が歯の裏側にびっしり付いています。

下顎前歯部の裏側には大唾液線の一つ「顎下腺」の開口部があり、唾液に含まれるカルシウムが常時供給されるため歯石の沈着が起きやすい場所です。

歯石を取らなければならない理由は気持ち良いからだけではありません。

歯石に隠れて見えない歯周ポケット内では歯周病菌の繁殖が起こっています。歯石を取らずにそのままにしておくと歯周ポケット内では歯周病菌による炎症が歯周組織の深部に進み、歯槽骨の破壊を伴って重度歯周病へまっしぐらです。

多くの症例で、超音波スケーラーを使用し、歯石除去することで歯茎の炎症が治まり、歯周病の進行は止まります。

しかし、深い歯周ポケットがある場合には、超音波スケーラーだけではなくハンドスケーラーによる歯周ポケット内の歯石除去やフラップ手術などの歯周外科治療をしなければ歯周病を改善出来ない症例もあります。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、患者様の大切な歯を1本でも延命するため、軽度歯周病から重度歯周病に至るまで様々な対策を行い、歯周病予防をはじめ、早期発見・早期治療で症状の改善・維持を行い、抜歯回避に努めております。

江戸川区篠崎で歯石取りをご希望の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談下さい。

【動画】歯石の痛くない取り方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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