歯磨き中に歯茎から出血する経験を持つ方は少なくないでしょう。多くの人にとって、わずかな出血は一時的なものだと軽視されがちです。

しかし、これを放置することで重大な口腔内のトラブルへと発展する可能性があります。歯肉炎や歯周病など、出血が示す問題を早期に発見し対処することが、健康な歯と歯茎を守るために欠かせません。

本記事では、歯磨き中に出血する原因とその正しい対処法、さらに出血を防ぐための予防策について詳しく解説していきます。日々のケアに役立つ情報を得て、健康的な口腔環境を維持しましょう。

【動画 27秒】歯磨き中の出血、原因から予防策まで徹底ガイド

歯磨き中の出血の主な原因

歯磨き中に出血する原因にはいくつかの要因があります。最も一般的なのは歯肉炎や歯周病です。これらは、歯と歯茎の境界にプラークや歯石が溜まることで発生します。プラークは細菌の集まりで、時間が経つと硬化して歯石になります。これが歯茎を刺激し、炎症を引き起こして出血に繋がるのです。

また、硬すぎる歯ブラシや磨き方が乱暴な場合も、歯茎を傷つける原因となります。その他にも、ホルモンバランスの乱れや特定の薬の副作用が歯茎の健康に影響し、出血を引き起こすことがあります。

歯磨き中の出血

歯周病が全身の健康に及ぼす悪影響

歯周病は歯を失うリスクを高めるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、糖尿病との関係が深く、歯周病が進行すると血糖値の管理が難しくなることが報告されています。

また、心血管疾患のリスクを高める要因としても知られており、口腔内の健康が全身の健康に直結していることが明らかです。こうしたリスクを回避するためには、早期に原因を特定し、適切な対応を行うことが重要です。

全身の健康にも悪影響を及ぼす

応急処置

歯磨き中に出血を見つけた際には、まずは冷静に対処しましょう。出血が軽度であれば、ブラッシングの力を弱め、柔らかめの歯ブラシを使用することで改善が見込めます。

また、出血が続く場合には、抗菌成分が含まれた歯磨き粉を使用し、歯茎の炎症を抑えることも有効です。しかし、数日経っても改善が見られない場合や、痛みを伴う場合は、歯科受診を検討すべきです。専門的な診断が必要なケースも多いため、適切なタイミングでプロの判断を仰ぐことが大切です。

セルフケア

適切なセルフケアも、出血の予防に欠かせません。まず、正しい歯ブラシの選び方を心がけましょう。歯茎を傷つけないように柔らかめのブラシを選び、歯と歯茎の境目を優しく磨くことが推奨されます。

また、歯間ブラシやフロスを使用することで、歯と歯の間に溜まるプラークを効果的に除去することが可能です。抗菌成分入りの歯磨き粉や消臭効果のあるうがい薬を利用することも、口腔内の清潔を保つ手助けとなります。

歯科治療の必要性

出血が繰り返し起こる場合は、歯科医院での診察が必要です。プロによる歯石除去(スケーリング)は、歯周病の予防や改善に非常に効果的です。また、歯周ポケットの深さを確認し、必要に応じて治療を行うことで、歯茎の健康を取り戻すことができます。歯茎の腫れや痛み、出血が続くといった症状が見られた場合は、専門的な診断を受けることが重要です。

正しいオーラルケアの方法

歯磨き中の出血を防ぐためには、正しいオーラルケアを習慣化することが大切です。毎日の歯磨きでは、ブラシの角度を45度に保ち、歯と歯茎の境目を優しく磨くことを意識しましょう。食後すぐに歯を磨くことや、フロスや歯間ブラシを使用することも効果的です。また、食生活の改善も重要で、糖質を控えめにし、ビタミンCなどの栄養素を積極的に摂取することで、歯茎の健康を保つことができます。

歯科医院での定期検診の重要性

定期的な歯科検診を受けることは、歯磨き中の出血を予防するうえで非常に効果的です。歯科医によるプロフェッショナルクリーニング(PMTC)やエアフローは、日常のセルフケアでは除去しきれない歯石やプラークを取り除くことができます。

通常、半年に一度の定期検診が推奨されており、早期に問題を発見して対処することで、歯周病の進行を防ぐことができます。

定期的な歯科検診

生活習慣の見直し

生活習慣も歯茎の健康に大きく影響します。例えば、喫煙は歯茎への血流を悪化させ、歯周病のリスクを高めます。また、飲酒も口腔内の環境を悪化させることがあるため、適度な摂取が求められます。

さらに、ストレス管理を行うことで免疫力を高め、歯茎の健康維持に繋げることが可能です。日々の生活習慣を見直し、より健康的な選択を心がけましょう。

歯磨き中の出血が見られた場合、専門家のアドバイスを受けることが大切です。歯科医は、個々の症状に応じた最適なケア方法を提案してくれます。例えば、歯茎をマッサージするようなブラッシング方法は、歯茎の血行を促進し、炎症の予防に役立ちます。

また、定期的にスケーリングや歯周ポケットの清掃を受けることで、細菌の繁殖を抑えることができます。専門家のアドバイスを取り入れた日々のケアで、健康な口腔環境を維持しましょう。

歯磨き中に出血することは、決して軽視してはいけません。放置すると歯周病の進行や、さらには全身の健康に悪影響を及ぼすことがあります。早期発見と適切な治療が、歯と歯茎の健康を守る鍵となります。セルフケアと歯科医のサポートをうまく組み合わせることで、口腔内の健康を維持し、より良い生活を送ることができます。

江戸川区篠崎で歯磨き時に血が出る方は、ぜひ遠慮なく当院にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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