- 1. 【🎞️ 28秒】CAD/CAM冠とは?保険適用で白い歯を手に入れる方法
- 2. 📌 CAD/CAM冠とは?
- 2.1. 💡 CAD/CAMって何の略?
- 2.2. 🦷 CAD/CAM冠に使用される素材とは?
- 2.3. 💻 従来の銀歯との違いと登場の背景
- 3. 🏥 保険適用の条件と2024年改定のポイント
- 3.1. 📆 2024年6月から何が変わった?
- 3.2. 📍 部位別の保険適用条件(前歯・小臼歯・大臼歯)
- 3.2.1. ● 前歯(1~3番)・小臼歯(4・5番):
- 3.2.2. ● 第一大臼歯(6番):
- 3.2.3. ● 第二大臼歯(7番):
- 3.3. 🔍 第二大臼歯の適用条件とは?具体例で解説
- 3.3.1. ✅ 保険適用となる条件(いずれか一つを満たすこと):
- 3.3.2. 🔄 具体例:
- 4. 🛠 CAD/CAM冠の製作工程と装着までの流れ
- 4.1. 🔎 スキャナーやミリングマシンの技術解説
- 4.1.1. 🖥️ ① 口腔内スキャナーまたは歯型のデジタル化
- 4.1.2. 🪚 ② ミリングマシン(CAM)
- 4.2. ✨ 精度の高いフィット感の理由
- 4.3. 📸 技工所と歯科医院の連携
- 4.3.1. 歯科医院での役割:
- 4.3.2. 技工所での役割:
- 5. 🌟 CAD/CAM冠のメリット
- 5.1. 🎨 見た目が自然で白い歯に
- 5.2. 💴 保険適用で経済的
- 5.3. 🧬 金属アレルギーの方も安心
- 5.4. 🦷 違和感が少ないフィット感
- 6. ⚠ CAD/CAM冠のデメリットと注意点
- 6.1. 🎭 変色・着色のリスク
- 6.2. 🪓 セラミックに比べると耐久性は劣る?
- 6.3. ⌛ 経年劣化で艶がなくなる?
- 6.4. 🚫 保険が使えないケースもある
- 6.4.1. 主な適用外ケース:
- 7. 🔁 他の素材との比較
- 7.1. ⚖️ セラミック冠 vs CAD/CAM冠
- 7.2. ⚖️ 銀歯 vs CAD/CAM冠
- 7.3. 🧪 PEEK・ジルコニア・ハイブリッドレジンの違い
- 8. 📷 経年劣化の実例紹介
- 8.1. 📸 実際の装着後2〜3年の状態(写真で解説)
- 8.2. 🧼 着色・摩耗の進行パターンと予防策
- 8.2.1. 🟡 着色の進行パターン
- 8.2.2. 🪓 摩耗の進行パターン
- 8.2.3. ✅ 予防策
- 9. 💰 CAD/CAM冠の費用と保険点数
- 9.1. 💳 保険適用時の費用シミュレーション(3割負担での目安)
- 9.2. 🧾 必要な処置・土台治療との費用内訳
- 9.3. 📈 点数改定の可能性と今後の動向
- 9.3.1. 今後の動向としては:
- 10. 🧑⚕️ どんな人におすすめ?
- 10.1. 🧓 金属アレルギーがある方
- 10.2. 😁 銀歯が気になる方
- 10.3. 🔄 被せ物の交換を検討している方
- 10.4. ⚙ 予算内で白い歯を実現したい方
- 11. 📝 治療前に知っておくべきこと
- 11.1. 🧑⚕️ 適応条件の確認と歯科医師との相談
- 11.1.1. 主な確認ポイント:
- 11.2. 🧼 長持ちさせるためのケアと定期健診
- 11.2.1. 自宅でのケア:
- 11.2.2. 歯科医院でのサポート:
- 11.3. ❗ 自費診療との併用やアップグレードも検討を
- 11.3.1. 併用例:
- 11.3.2. アップグレードのメリット:
- 12. 🙋♀️ よくある質問(FAQ)
- 12.1. Q:CAD/CAM冠は何年くらいもちますか?
- 12.2. Q:前歯にも使えますか?
- 12.3. Q:変色したらどうすればいい?
- 12.4. Q:装着中に痛みや違和感はありますか?
- 13. 📝 まとめ
- 14. 📍 江戸川区篠崎でCAD/CAM冠をご検討の方へ
- 15. 筆者・院長

「保険で白い歯にできるって本当?」
銀歯が目立って気になる、でもセラミック治療は高くて手が出ない――そんなお悩みをお持ちの方に注目されているのが、**CAD/CAM冠(キャドキャムかん)**という保険適用の白い被せ物です。
CAD/CAM冠は、コンピューターによる設計・製造技術を活用して作られる、自然な見た目と経済性を兼ね備えた補綴治療。近年は制度改定により、大臼歯への適用も広がり、さらに選びやすい選択肢となりました。
この記事では、CAD/CAM冠のメリット・デメリット、保険適用の条件、他素材との比較、実際の費用や寿命まで、江戸川区篠崎エリアで治療をお考えの方に向けて分かりやすく解説します。
【🎞️ 28秒】CAD/CAM冠とは?保険適用で白い歯を手に入れる方法
📌 CAD/CAM冠とは?

CAD/CAM冠(キャドキャムかん)は、保険診療で白い歯を実現できる最新の被せ物です。コンピューターを用いた設計(CAD)と製造(CAM)技術を活用することで、**精度の高い補綴物(かぶせ物)**を作ることが可能になりました。
従来の保険適用の被せ物といえば銀歯が一般的でしたが、CAD/CAM冠の登場により、見た目が自然で金属アレルギーの心配が少ない治療が広がりを見せています。
2024年の診療報酬改定では、CAD/CAM冠の保険適用範囲が拡大され、前歯・小臼歯に加え、大臼歯にも条件付きで適用可能となりました。これにより、多くの患者さんが保険の範囲内で審美性と機能性を両立した治療を受けられるようになっています。
💡 CAD/CAMって何の略?
「CAD」とは「Computer-Aided Design(コンピューター支援設計)」、「CAM」とは「Computer-Aided Manufacturing(コンピューター支援製造)」の略称です。
つまりCAD/CAM冠とは、スキャンした歯型データをもとにコンピューターで設計(CAD)し、機械が自動で削り出して製作(CAM)する被せ物のことを指します。人の手による誤差が少なく、設計通りの高精度な補綴物を短時間で作れるのが大きな特徴です。
この技術は元々工業分野で使われていたものですが、歯科業界でも導入が進み、今では保険診療でも利用される先進技術として注目されています。
🦷 CAD/CAM冠に使用される素材とは?
CAD/CAM冠には、主に**「ハイブリッドレジン」**という素材が使われています。これは、プラスチック(レジン)とセラミックの中間的な性質を持つ材料で、自然な色合いや適度な硬さを実現しています。
さらに近年では、強度を高めた「PEEK(ピーク)」や「高強度ハイブリッドレジン」なども登場し、大臼歯など強い力が加わる部位への適用も可能になってきました。
ただし、セラミックや金属に比べると耐久性や耐摩耗性では劣るため、噛み合わせの強い方や歯ぎしりがある方は注意が必要です。
💻 従来の銀歯との違いと登場の背景
これまでの保険治療では、奥歯は銀歯(銀合金)での修復が一般的でした。しかし銀歯には、「見た目が目立つ」「金属アレルギーのリスクがある」「長期的に歯茎が黒ずむことがある」といった欠点がありました。
これに対してCAD/CAM冠は、自然な白さと金属不使用という点が最大のメリット。保険適用でありながらも、審美性と健康面の両立が可能な点が支持されています。
登場の背景には、患者の審美意識の高まりや金属アレルギーの増加といった時代のニーズがあり、これに対応する形で国が制度改定を行ってきたという流れがあります。
🏥 保険適用の条件と2024年改定のポイント
CAD/CAM冠は保険適用で白い歯が入れられる画期的な治療法ですが、すべての歯に無条件で適用されるわけではありません。適用には細かい条件や部位制限が存在し、これらは診療報酬の改定により年々変化しています。
特に2024年6月の改定では、大臼歯の適用条件が緩和されたことで、適用可能な症例が大きく広がりました。ここではその変更点と、具体的な部位別の条件、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
📆 2024年6月から何が変わった?
これまでCAD/CAM冠の保険適用は、主に**前歯(1〜3番)と小臼歯(4・5番)**に限定されていました。しかし2024年6月の診療報酬改定によって、第一・第二大臼歯(6・7番)にも条件付きで保険が認められるようになりました。
特に注目すべきは、第二大臼歯(7番)への適用が可能になったことです。これにより、奥歯全体を保険で白くできる可能性が広がり、審美的な治療を望む患者にとって大きなメリットとなっています。
📍 部位別の保険適用条件(前歯・小臼歯・大臼歯)
以下が、部位ごとのCAD/CAM冠の保険適用条件の概要です。
● 前歯(1~3番)・小臼歯(4・5番):
- 原則すべて保険適用可能(特別な条件なし)
● 第一大臼歯(6番):
- 上下左右の第二大臼歯(7番)が4本とも残存していれば適用可
● 第二大臼歯(7番):
- 2024年改定で新たに保険適用が可能に
- ただし、咬合(かみ合わせ)支持の条件を満たす必要あり(詳細は次項で解説)
🔍 第二大臼歯の適用条件とは?具体例で解説
第二大臼歯(7番)へのCAD/CAM冠の保険適用は、以下のような**「咬合支持の有無」に関する条件**を満たす必要があります。
✅ 保険適用となる条件(いずれか一つを満たすこと):
- 装着予定部位と対側に大臼歯の咬合支持があり、過剰な咬合力が加わらない場合
- 装着予定部位の対合歯(咬み合う歯)が欠損している場合でも、近心側(前側)の歯に咬合支持がある
- 部分床義歯などで咬合支持が確保されている
🔄 具体例:
- 例①:右下7番にCAD/CAM冠を装着したい → 対側(左下)7番が存在し、かつかみ合わせに異常がなければ保険適用可能
- 例②:右下7番の対合歯がなく、左下も7番がない → 保険適用外
- 例③:部分入れ歯で咬合支持を補っている → 条件を満たせば保険適用可能
このように、第二大臼歯への適用は患者ごとの咬み合わせの状態によって判断されるため、事前の診査と歯科医師との相談が不可欠です。
🛠 CAD/CAM冠の製作工程と装着までの流れ
CAD/CAM冠は、従来の手作業による被せ物と違い、デジタル機器を活用した精密な製作工程を経て作られます。ここでは、歯科医院でのスキャンから、歯科技工所での製作、最終的な装着に至るまでの流れをわかりやすく解説します。
🔎 スキャナーやミリングマシンの技術解説
CAD/CAM冠の製作は、以下の2つの機器の活用によって支えられています。
🖥️ ① 口腔内スキャナーまたは歯型のデジタル化
まずは患者の歯をスキャンし、3Dデータとして取り込む作業を行います。スキャンは直接口腔内を撮影する「口腔内スキャナー」または、従来の印象材で型取りした後に模型をスキャンする方法があります。
🪚 ② ミリングマシン(CAM)
スキャンされた3Dデータをもとに、CADソフトで冠の設計を行い、専用のミリングマシン(CAM機)でハイブリッドレジン素材のブロックを削り出します。この作業は全自動で行われ、人の手による誤差が極めて少ないのが特徴です。
✨ 精度の高いフィット感の理由
CAD/CAM冠が高精度と言われる理由は、すべての工程がデジタルベースで完結することにあります。
- CAD設計により、個々の歯の形状に合わせた精密な設計が可能
- CAM機での削り出しによって、均一でムラのない製作
- 噛み合わせや隣接歯との微調整も、データ上で確認可能
このような工程により、CAD/CAM冠は適合性が非常に高く、装着後の違和感やズレが少ないという利点があります。また、密着性が高いため、細菌の侵入による二次虫歯のリスクも低減されます。
📸 技工所と歯科医院の連携
精度の高いCAD/CAM冠を製作するためには、歯科医院と歯科技工所との密な連携が不可欠です。
歯科医院での役割:
- スキャンや歯型の取得
- 噛み合わせや歯肉の状態の評価
- 適切な症例の選定
技工所での役割:
- データをもとに補綴物の設計
- 材料ブロックの選定と削り出し
- 研磨や色調整などの最終仕上げ
近年ではクラウド技工などの導入により、データを即座に共有し、迅速に製作できる体制が整っており、患者の治療期間の短縮にもつながっています。
🌟 CAD/CAM冠のメリット
CAD/CAM冠は、保険診療でありながら審美性・機能性・安全性を兼ね備えた新しい被せ物です。従来の銀歯や自費のセラミック治療とは異なるメリットが多く、近年注目が集まっています。
ここでは、患者にとって特に大きな4つの利点をご紹介します。
🎨 見た目が自然で白い歯に
CAD/CAM冠の最大の魅力は、見た目の自然さです。保険適用でありながら、白く目立たない被せ物が作れるため、「銀歯の見た目が気になる…」という方には非常におすすめです。
- 自然な乳白色の色調が実現可能
- 隣接する歯に色味を近づけることが可能
- 金属のような光沢がないため、より本物の歯に近い印象
特に前歯や小臼歯など見た目が重要な部位では、美しさと機能性を両立できる選択肢として非常に人気があります。
💴 保険適用で経済的
CAD/CAM冠は、健康保険が適用される白い被せ物として、費用面でも大きな魅力があります。
- 小臼歯:約9,000円前後(3割負担時の目安)
- 材料・技工費込みで自費セラミックよりも大幅に安価
- 保険の制度内で、見た目を重視した治療が可能
従来は「白い歯=自費治療で高額」というイメージがありましたが、CAD/CAM冠の登場によって誰でも手が届く選択肢となりました。
🧬 金属アレルギーの方も安心
CAD/CAM冠は、金属を一切使用しないメタルフリー素材で作られています。そのため、金属アレルギーのある方や、金属の使用に抵抗がある方にとって安心です。
- 金属アレルギーの心配なし
- **歯茎の黒ずみ(メタルタトゥー)**のリスクもなし
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)など体質に敏感な方にも適応
皮膚科など他科で金属アレルギーを指摘された方は、CAD/CAM冠による治療が推奨されることもあります。
🦷 違和感が少ないフィット感
CAD/CAM冠は、コンピューターによる精密な設計・加工により、非常に高いフィット感を実現しています。
- 歯型スキャンやデジタル設計で噛み合わせが正確
- 装着後の違和感やズレが少ない
- 再製作や調整の手間が少なく、患者の負担を軽減
被せ物が合わないことで起こる痛み・脱離・虫歯の再発などのリスクも低減されるため、安心して長期間使用することができます。
⚠ CAD/CAM冠のデメリットと注意点
CAD/CAM冠は非常に魅力的な治療法ですが、万能ではありません。使用される素材や保険制度の制限などにより、知っておくべき注意点やデメリットも存在します。
治療を受ける前にこれらを理解しておくことで、納得のいく選択ができ、後悔のない治療につながります。
🎭 変色・着色のリスク
CAD/CAM冠に使用される「ハイブリッドレジン」には、多少の吸水性があり、時間の経過とともに色素を吸収して変色・着色する可能性があります。
- コーヒー、紅茶、ワイン、カレーなどの色の濃い食品に注意
- 定期的な歯科医院でのクリーニングが推奨
- 変色は審美的な問題であり、機能的には問題ないことが多い
白さを長く保ちたい方には、自費のオールセラミック冠との比較検討も一つの方法です。
🪓 セラミックに比べると耐久性は劣る?
ハイブリッドレジンは、セラミックに比べてやや軟らかい素材です。そのため、強い咬合力が加わる部位や、歯ぎしり・食いしばりのある方には注意が必要です。
- 大臼歯など咬合圧が高い部位では割れやすい
- 歯ぎしりがある方にはマウスピースの併用を検討
- 長期的に使いたい場合はセラミック素材の選択も考慮
ただし、正しい適応とメンテナンスがあれば、2~3年は安定して使用できる症例も多いです。
⌛ 経年劣化で艶がなくなる?
CAD/CAM冠の表面は治療当初はツヤがありますが、使用を重ねることで摩耗し、光沢が失われていきます。
- 咬合面(かみ合わせる面)がすり減って平坦になる
- 表面がザラつくと汚れが付きやすくなる
- 約2〜3年で審美的な劣化が見られるケースも
ただし、これらはあくまで経年的な素材の特性によるもので、急激な悪化ではありません。気になる方は**2年ごとの交換(保険適用内で可能)**を検討するのも一つの方法です。
🚫 保険が使えないケースもある
CAD/CAM冠は保険が適用されるとはいえ、すべての症例で認められるわけではありません。以下のような条件に当てはまる場合、自費診療となる可能性があります。
主な適用外ケース:
- 咬み合わせの条件を満たさない大臼歯
- 過度な歯ぎしりや咬合異常がある
- ブリッジ治療での使用
適用条件は制度改定で変わることもあるため、事前に歯科医師としっかり相談することが重要です。
🔁 他の素材との比較
CAD/CAM冠は多くのメリットがありますが、それ以外にもセラミック冠や銀歯などの選択肢があります。また、CAD/CAM冠に使用される素材にも複数の種類があります。
ここでは、見た目・耐久性・費用・適応範囲などの視点から、他の素材との違いを比較しながら解説します。
⚖️ セラミック冠 vs CAD/CAM冠
比較項目 | セラミック冠(自費) | CAD/CAM冠(保険) |
---|---|---|
見た目 | ◎ 天然歯に最も近い透明感 | ○ 白く自然な見た目 |
耐久性 | ◎ 非常に高い(10年超) | △ 約2〜3年が目安 |
経年変化 | ◎ 変色・摩耗ほぼなし | △ 吸水性による変色あり |
費用 | ✕ 高額(8〜15万円以上) | ◎ 保険適用で1万円未満も |
アレルギー | ◎ 金属不使用 | ◎ 金属不使用 |
まとめ:
「見た目や耐久性を最重視する方」にはセラミック冠が向いています。一方、「費用と審美性のバランスを取りたい方」にはCAD/CAM冠がおすすめです。
⚖️ 銀歯 vs CAD/CAM冠
比較項目 | 銀歯(保険) | CAD/CAM冠(保険) |
---|---|---|
見た目 | ✕ 目立つ金属色 | ◎ 白く自然な色合い |
耐久性 | ◎ 非常に高い | △ 割れやすく摩耗しやすい |
経年変化 | △ 歯ぐきが黒くなることも | △ 色落ちや艶消失の可能性 |
費用 | ◎ 保険適用で安価 | ◎ 保険適用で安価 |
アレルギー | ✕ 金属アレルギーのリスクあり | ◎ 金属不使用で安心 |
まとめ:
「耐久性重視なら銀歯」「見た目や健康面を重視するならCAD/CAM冠」。目的に応じた使い分けがポイントです。
🧪 PEEK・ジルコニア・ハイブリッドレジンの違い
CAD/CAM冠や他の補綴物に使われる素材には、それぞれ特徴があります。
素材 | 特徴 | 適応例 |
---|---|---|
ハイブリッドレジン | プラスチック+セラミックの中間素材。安価・加工しやすい | 保険のCAD/CAM冠全般 |
ジルコニア | 高強度・審美性が高く、変色や摩耗にも強い | 自費セラミック冠・奥歯の補綴など |
PEEK(ピーク) | 軽くてしなやか。耐久性・生体親和性に優れる | 金属アレルギー対応、義歯、インプラント補綴など |
ポイント:
- ハイブリッドレジンは保険診療に適しているが、耐久性に劣る
- ジルコニアは審美性・強度ともに最高レベルだが高額
- PEEKは柔軟性があり、特殊な症例や金属アレルギーの方に適応
このように、素材の選択によって治療後の満足度や維持期間に大きな違いが出ます。ご自身の希望や体質に合わせて、歯科医師と十分に相談しながら選びましょう。
📷 経年劣化の実例紹介
CAD/CAM冠は保険で白い歯を実現できる優れた治療ですが、素材の特性上、長期間使用すると徐々に劣化が進みます。ここでは、実際の経年劣化の症例をもとに、どのように変化するのか、またどのような対策が有効なのかをご紹介します。
📸 実際の装着後2〜3年の状態(写真で解説)
ある症例では、上顎の小臼歯にCAD/CAM冠を装着して2〜3年が経過した時点で、以下のような変化が見られました。
- 咬合面(かみ合わせの面)が平坦にすり減っている
- 表面の艶(つや)が失われ、やや曇った印象
- 側面にうっすらと色の変化(黄ばみ)が出始めている
- 歯茎が下がり、歯と補綴物の境目が目立ちやすくなっている
特に小臼歯や大臼歯では、咬合力(噛む力)が強くかかるため、摩耗が早く進行する傾向があります。咬合面が平らになると、かみ合わせのバランスが変わり、他の歯に影響を与えることもあるため注意が必要です。
🧼 着色・摩耗の進行パターンと予防策
CAD/CAM冠の素材であるハイブリッドレジンは吸水性があり、色素を取り込みやすい特徴があります。そのため、着色や摩耗は徐々に進行していきます。
🟡 着色の進行パターン
- 装着直後:自然な白さと艶あり
- 半年〜1年:表面に微細な傷ができ、色素沈着が始まる
- 2〜3年:艶消失・黄ばみ・色ムラが目立ってくる
🪓 摩耗の進行パターン
- 咬合面からすり減りが始まり、次第に平坦化
- 長期使用で素材内部まで摩耗が進行するケースも
✅ 予防策
- 色の濃い飲食物(コーヒー、ワイン、カレーなど)を控える
- 毎日の歯磨きに研磨剤フリーの歯磨き粉を使用
- 3〜6ヶ月ごとの定期クリーニングで着色除去
- 経年劣化が進んだ場合は保険で再製作が可能(2年ルールあり)
患者自身が予防意識を持つことで、劣化のスピードを遅らせることができます。
💰 CAD/CAM冠の費用と保険点数
CAD/CAM冠は保険診療でありながら白い歯を提供できる費用対効果の高い治療法です。ただし、保険診療には点数制が採用されており、実際の自己負担額は内容によって異なります。
この章では、3割負担時の目安費用、必要な処置とその点数、改定の可能性まで含めて解説します。
💳 保険適用時の費用シミュレーション(3割負担での目安)
以下は、2024年時点のCAD/CAM冠の保険点数と、3割負担での実際の患者負担額の目安です。
部位 | 保険点数 | 自己負担(3割) |
---|---|---|
前歯(1〜3番) | 約1,638点 | 約4,900円 |
小臼歯(4・5番) | 約1,388点 | 約4,200円 |
大臼歯(6・7番) | 約1,550点 | 約4,650円 |
💡ポイント:
この費用には冠の製作・装着に関する点数のみが含まれており、土台(コア)や型取りの費用は別途加算されます。
🧾 必要な処置・土台治療との費用内訳
CAD/CAM冠を装着する際には、以下のような処置が必要となり、追加費用が発生します。
項目 | 内容 | 自己負担(目安) |
---|---|---|
土台の処置(支台築造) | メタルコアまたはファイバーコア | 約2,000〜3,000円 |
印象採得(型取り) | シリコンやアルジネート印象剤など | 約1,000〜2,000円 |
装着時の調整・接着 | 冠を口腔内に装着・調整 | 約1,000円前後 |
初診・再診料 | 診察ごとの基本料金(1回ごと) | 約300〜800円/回 |
🔎 トータルでは1本あたりおよそ9,000〜12,000円前後が一般的
(3割負担で、処置内容や使用材料により変動)
📈 点数改定の可能性と今後の動向
2024年6月の診療報酬改定により、CAD/CAM冠の保険適用範囲は第一・第二大臼歯まで拡大されました。これは、国の方針として**「審美性と健康面を両立する治療を広く提供する」**という背景があります。
今後の動向としては:
- PEEKや新素材の追加認可
- ジルコニア冠の一部保険適用化
- CAD/CAM冠のブリッジ使用解禁の可能性
- 点数見直しによる患者負担額の増減
また、物価高や材料費の上昇により点数が再改定される可能性もあるため、最新の情報は歯科医院で確認することが大切です。
🧑⚕️ どんな人におすすめ?
CAD/CAM冠は、**「白くて自然な見た目の被せ物を、できるだけ費用を抑えて入れたい」**という方にとって非常に魅力的な治療法です。ただし、素材や適応範囲の特性から、特に向いている方の特徴があります。
ここでは、CAD/CAM冠が特におすすめできる4タイプの患者さんについて解説します。
🧓 金属アレルギーがある方
金属を使用しないCAD/CAM冠は、金属アレルギーのある方にとって非常に安全性の高い選択肢です。
- 銀歯に使われるパラジウムやニッケルで湿疹が出た経験がある
- 皮膚科で**掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)**と診断されたことがある
- 歯科金属による**歯ぐきの黒ずみ(メタルタトゥー)**が気になる
このような症状がある場合、保険適用で白くて安全な被せ物を選べるという点で、CAD/CAM冠は非常に有用です。
😁 銀歯が気になる方
「話すときに銀歯が見えるのがイヤ」「笑ったときに金属が目立つのがコンプレックス」──そんな方には、自然な白さを持つCAD/CAM冠が最適です。
- 前歯や小臼歯に入っている銀歯を白い歯に交換したい
- 笑ったときに見える部分だけでも審美性を高めたい
- 職業上、人と接することが多く口元の印象を良くしたい
このような方にとって、**経済的に無理のない範囲での「白い歯治療」**として活用できます。
🔄 被せ物の交換を検討している方
すでに銀歯や古い被せ物が入っている方で、「そろそろ交換を…」と考えている場合にも、CAD/CAM冠は有力な選択肢です。
- 10年以上前に入れた銀歯が劣化してきた
- 2次虫歯が見つかり、再治療が必要になった
- 古いレジン冠の変色やヒビが気になる
保険のルール上、前回の補綴から2年以上経過していれば再製作が可能なため、**経年劣化した被せ物の「保険内リニューアル」**としておすすめできます。
⚙ 予算内で白い歯を実現したい方
「白くて自然な歯にしたいけれど、自費治療は高くて手が出せない…」という方には、CAD/CAM冠がぴったりです。
- 自費セラミック(8~15万円)では予算的に厳しい
- 保険診療の範囲で審美性も少しこだわりたい
- 複数本の治療が必要で、1本ずつ高額になるのは避けたい
そんな方でも、CAD/CAM冠なら1本9,000〜12,000円程度の負担で白い歯が手に入ります。機能性と費用のバランスがとれた治療法として、多くの方に選ばれています。
📝 治療前に知っておくべきこと
CAD/CAM冠は保険で白い歯が手に入る魅力的な治療法ですが、すべての症例に適応できるわけではありません。また、治療後に長持ちさせるためには、日常的なケアやメンテナンスの意識も重要です。
ここでは、治療前にぜひ確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。
🧑⚕️ 適応条件の確認と歯科医師との相談
CAD/CAM冠は、保険で使用できる部位や咬み合わせの条件など、細かい適応ルールが決められています。
主な確認ポイント:
- 装着希望部位が保険適用の範囲内かどうか
- 咬合圧(かみ合わせの力)が強すぎないか
- ブリッジや連結冠など保険外と判断される構造ではないか
- 現在の補綴物が2年以内に作製されたものか
こうした条件は個々の口腔状態によって変わるため、必ず歯科医師と相談し、適用の可否を確認してから治療を進めるようにしましょう。
🧼 長持ちさせるためのケアと定期健診
CAD/CAM冠を少しでも長く、美しい状態で使い続けるためには、日々のケアと定期的なプロのメンテナンスが欠かせません。
自宅でのケア:
- 研磨剤の少ない歯磨き粉を使う
- 着色の強い食品(コーヒー・ワイン・カレーなど)を摂る頻度を意識
- フロスや歯間ブラシで補綴物の周囲も清潔に保つ
歯科医院でのサポート:
- 3〜6ヶ月ごとの定期健診とクリーニングで状態を確認
- 摩耗や変色が見られた場合は再製作も保険で可能(2年経過が条件)
白い歯を維持するには、「作って終わり」ではなく継続的なケアが鍵です。
❗ 自費診療との併用やアップグレードも検討を
見た目や耐久性へのこだわりが強い場合や、保険適用外の部位で白い歯を希望する場合は、自費治療との併用やアップグレードも選択肢になります。
併用例:
- 前歯や奥歯はCAD/CAM冠(保険)、目立つ部位だけセラミック冠(自費)
- CAD/CAM冠+ファイバーコア(土台)を自費でより美しく
アップグレードのメリット:
- セラミック冠なら10年以上持つ耐久性
- より自然な透明感と艶
- 変色・摩耗がほとんどない
無理にすべて自費にしなくても、部分的な組み合わせで満足度を高めることが可能です。歯科医師と相談しながら、自分に合ったプランを選びましょう。
🙋♀️ よくある質問(FAQ)
Q:CAD/CAM冠は何年くらいもちますか?
A:使用状況や噛み合わせにもよりますが、おおよそ2〜3年が目安です。素材であるハイブリッドレジンは摩耗や変色が徐々に進むため、保険制度でも2年以上経過すれば再製作が可能となっています。
日常のケアや定期的なメンテナンスをしっかり行うことで、それ以上長持ちするケースも十分あります。
Q:前歯にも使えますか?
A:はい、前歯(1〜3番)にも保険適用で使用できます。CAD/CAM冠は白く自然な色味をしているため、笑ったときに見える前歯にも適しています。
ただし、審美性をより追求したい場合や、強度が必要な部位では、自費のセラミック冠との比較検討もおすすめです。
Q:変色したらどうすればいい?
A:変色はハイブリッドレジン特有の経年変化で、2〜3年ほどで色味の劣化が見られることがあります。軽度の着色であれば、歯科医院でのクリーニングや研磨で目立たなくすることも可能です。
明らかな変色や摩耗がある場合は、2年以上経っていれば保険で再製作できるため、担当の歯科医師にご相談ください。
Q:装着中に痛みや違和感はありますか?
A:CAD/CAM冠はコンピューターによる精密設計と加工により、非常にフィット感が良好です。そのため、装着時の痛みや違和感はほとんどないとされています。
ただし、まれに以下のようなケースでは違和感を感じることがあります:
- 噛み合わせが合っていない
- 神経を抜いた歯で、噛む力の変化を感じる
- 装着初期に歯ぐきが敏感になっている
こうした場合でも、微調整や経過観察で改善することが多いため、違和感がある際は我慢せずに歯科医院にご相談ください。
📝 まとめ
CAD/CAM冠は、保険診療で白い歯を実現できる画期的な治療法です。従来の銀歯に代わる新たな選択肢として、審美性・経済性・安全性を高いレベルでバランス良く兼ね備えているのが特徴です。
- 🎨 見た目が自然で金属を使わない安心設計
- 💴 保険適用で費用負担を抑えられる
- 🧬 金属アレルギーの方でも安心して選べる
ただし、すべての症例で適用されるわけではなく、部位や咬合条件、使用する素材の特性などを理解したうえで治療を選ぶことが重要です。治療前には、歯科医師とよく相談し、長期的な視点での治療プランを立てるようにしましょう。
江戸川区篠崎でCAD/CAM冠をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたに最適な方法をご提案いたします。
📍 江戸川区篠崎でCAD/CAM冠をご検討の方へ

江戸川区篠崎エリアで「保険で白い歯にしたい」「銀歯を自然な見た目に替えたい」とお考えの方は、ぜひ当院にご相談ください。
地域密着の当院では、CAD/CAM冠の適用条件や費用、治療期間などを丁寧にご説明し、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案しております。
- ✅ 保険適用の最新情報(2024年6月改定対応)にも完全対応
- ✅ 金属アレルギー対応・見た目重視のご相談も歓迎
- ✅ 初診・セカンドオピニオンもお気軽にどうぞ
「銀歯が気になる」「費用を抑えて自然な白い歯にしたい」――そんなお悩みをお持ちでしたら、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。明るい笑顔と健康的な口元を一緒に目指しましょう。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。