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「冷たいものがしみる」「温かいものでも痛む」──そんな症状を感じたら、虫歯C3に進行しているかもしれません。
虫歯C3とは、虫歯が歯の神経(歯髄)にまで達してしまった重度の状態を指します。放置すれば、激しい痛みや抜歯のリスクが高まってしまうため、早期の対応が非常に重要です。

当院(江戸川区篠崎)では、虫歯C3に対してできるだけ歯を残す治療を目指し、精密な根管治療や痛みを最小限に抑えた処置を行っています。

この記事では、虫歯C3の症状や見た目、進行スピード、治療法、そして放置するリスクについて、わかりやすく解説していきます。
「最近歯がズキズキ痛む」「もしかしてC3かも…」と不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯C3とは、虫歯がエナメル質・象牙質を超えて**歯髄(神経)**にまで到達した深刻な状態を指します。
この段階になると、歯に大きな穴が開き、激しい痛みを引き起こすことが多くなります。
早期発見・早期治療がとても重要です。

虫歯C3
虫歯C3

🦷虫歯の進行度「C0〜C4」の違い

  • C0(シーオー):ごく初期の虫歯。表面が白く濁るが、穴は開いていない。適切なケアで再石灰化が可能。
  • C1(シーワン):エナメル質に小さな穴ができた段階。痛みはほとんどない。
  • C2(シーツー):象牙質にまで虫歯が進行。冷たいものにしみることがある。
  • C3(シースリー):虫歯が歯髄(神経)に達する。強い痛みや凍みる症状が現れる。
  • C4(シーフォー):歯の大部分が崩壊し、神経が死んでしまった状態。膿が溜まるなど重篤な症状を伴う。
虫歯の進行度「C0〜C4」
虫歯の進行度「C0〜C4」

🦷C3の位置づけ:歯髄(神経)に達する段階

虫歯C3では、細菌が象牙質内の象牙細管を通じて、歯の中心部にある歯髄に到達します。
歯髄は血管や神経が集まった非常にデリケートな組織です。
ここに感染が及ぶと、炎症(歯髄炎)が起こり、激しい痛みや腫れを引き起こすリスクが高まります。

🦷C3虫歯の見た目と症状(冷たいもの・温かいものに激痛)

  • 見た目:歯に大きな穴が開き、内部が茶色〜黒色に変色します。
  • 初期症状:冷たいもの(アイス、冷水)に強く凍みる。
  • 中期症状:温かいもの(スープ、お茶)にもしみるようになる。
  • 後期症状:何もしていなくてもズキズキと痛む(自発痛)、歯が触れただけで激痛が走る。
冷たいもの・温かいものに激痛
冷たいもの・温かいものに激痛

このように、虫歯C3は進行段階に応じて症状が急激に悪化するため、違和感を感じたらすぐ歯科受診することが大切です!

🦷【画像付き】大きな穴と色でわかる虫歯C3の見た目

📸【画像】大きな穴と色による見た目

  • 穴が大きく開いている場合、確実に虫歯C3です。
  • 色は茶色~黒色に変色しているのが特徴です。
虫歯C3歯髄炎の模式図

📚虫歯C3歯髄炎の模式図

  • 虫歯C3では、象牙質内の細い管(象牙細管)を通じて、細菌が歯髄に到達しています。
虫歯C3歯髄炎の見た目(第一大臼歯)

🦷虫歯C3歯髄炎の見た目(第一大臼歯)

  • 虫歯が象牙質の深部に達し、歯が大きく欠けています。
  • 穴の内部は茶褐色に変色しています。
  • 冷たい物で凍みる初期の歯髄炎症状が現れていますが、ズキズキするような自発痛はまだ起きていません。
  • 奥歯(特に親知らず)で放置された虫歯C3も多く見られます。

🦷6歳臼歯の虫歯C3

  • 子供の虫歯C2を放置すると、急速に穴が広がり虫歯C3へ進行することがあります。
  • 穴の中は茶色に変色し、柔らかく崩れやすい組織になります。
  • 強い痛み(激痛)が発生し、歯髄炎に進行。神経を取る「抜髄」処置が必要です。
犬歯の虫歯C3

🦷犬歯の虫歯C3

  • 大人の虫歯C2を放置した結果、虫歯C3に進行。
  • 進行速度は比較的ゆっくりですが、穴は大きく開いています。
  • 食べ物が触れると痛みを感じますが、激痛までは至っていません。

🦷虫歯C3の特徴と症状|痛みのない初期から激痛の後期まで

🪥虫歯の進行について

  • 虫歯は進行度に応じて症状が変化します。
  • C3は神経(歯髄)に達する深刻な段階です。
虫歯の進行
虫歯の進行

🦷虫歯C3の初期:痛みがない段階

  • 歯に大きな穴が開き、虫歯菌が歯髄内に侵入します。
  • まだ痛みは起こらず、自覚症状がないことも多いです。

🦷虫歯C3の中期:冷たい物・温かい物で凍みる

  • 歯髄内で細菌が増殖し、冷たいものに凍み始めます。
  • さらに進行すると温かいものでもしみるようになり、歯髄炎が発症します。

🦷虫歯C3の後期:激痛が発生

  • 歯髄炎が進行すると、上下の歯が触れただけで激痛が走ります。
  • ズキズキと脈打つような拍動性の自発痛も現れます。

🦷虫歯C3の末期:神経の壊死と再発痛

  • 歯髄が完全に死ぬ(歯髄壊死・歯髄壊疽)と、一旦痛みは消失します。
  • しかし放置すると、歯根の先端に膿が溜まり(歯根嚢胞)、再び激しい痛みが発生します。
  • このため、痛みがなくても**死んだ神経の除去(根管治療)**が必須となります。

虫歯がC3まで進行する背景には、単なるブラッシング不足だけではなく、生活習慣や環境要因も大きく関わっています。
ここでは、虫歯C3の主な原因について詳しく解説します。

🪥プラーク・歯垢の蓄積

  • **プラーク(歯垢)**は、虫歯菌(ミュータンス菌など)が繁殖する温床です。
  • プラーク内の細菌が糖を分解して酸を生み出し、歯のエナメル質や象牙質を溶かしていきます。
  • 歯と歯の間、奥歯の溝、歯と歯茎の境目など、磨き残しやすい場所にプラークが蓄積し、虫歯が進行してしまいます。

🍭生活習慣(糖分の多い食生活・不十分な歯磨き)

  • 甘いお菓子、ジュース、スポーツドリンクなど糖分を多く含む食品を頻繁に摂取すると、虫歯菌の活動が活発になります。
  • 食後すぐに歯磨きをしない、または磨き方が不十分な場合、口腔内に糖と細菌が長時間残り、虫歯が加速度的に進行します。
  • 特に、就寝前に歯磨きをしないと、夜間の唾液分泌量の減少も相まって、虫歯リスクが急上昇します。

🚭喫煙やストレスとの関係

  • 喫煙は口腔内の免疫力を低下させ、虫歯菌が繁殖しやすい環境を作ります。
  • また、歯茎の血流も悪化させるため、虫歯の進行に気づきにくくなる傾向があります。
  • ストレスが多いと、無意識のうちに口呼吸になったり、唾液分泌が減ったりし、口腔内の自浄作用が弱まります。
  • これらの要因が重なることで、虫歯C3への進行リスクがさらに高まるのです。

虫歯C3を放置すると、痛みが一時的に消えたとしても深刻な事態に進展してしまいます。
ここでは、放置によって起こる代表的なリスクを解説します。

🚨歯の神経が壊死するリスク

  • 虫歯菌が歯髄(神経)に達すると、炎症(歯髄炎)が進行します。
  • 強い痛みが続いた後、やがて歯の神経は酸欠状態となり、**壊死(えし)**してしまいます。
  • 神経が死んだ歯は、自覚症状が一時的に消えるため、「痛みがなくなったから治った」と誤解しやすく、さらに放置されるリスクが高まります。

⚰️膿が溜まり「歯根嚢胞」や「歯性感染症」に進行

  • 死んだ神経を放置すると、歯根の先端(根尖部)に**膿(うみ)**がたまることがあります。
  • これが**歯根嚢胞(しこんのうほう)**と呼ばれる袋状の膿の塊を作る原因です。
  • 膿がさらに広がると、顎の骨を溶かす「歯性感染症」へ進行し、顔が腫れる、発熱するなど全身症状を引き起こすこともあります。
  • 最悪の場合、命に関わる重篤な状態に至るケースもあるため、早期対応が不可欠です。

🏥最悪の場合は抜歯が必要に…

  • 虫歯C3を放置し、感染が広がった歯は、**根管治療(神経の除去と消毒)**では治療できない場合があります。
  • その場合、**抜歯(歯を抜く処置)**が唯一の選択肢となってしまいます。
  • 歯を失うと、噛み合わせや見た目だけでなく、周囲の健康な歯にも負担がかかり、将来的な口腔内の健康にも大きな影響を及ぼします。
抜歯という選択肢も検討
抜歯という選択肢も検討

虫歯C3では、歯の神経(歯髄)が侵されているため、通常の虫歯治療だけでは対処できません。
**歯内療法(根管治療)**によって、感染した神経組織を取り除き、歯を保存する治療が必要になります。

🦷根管治療(歯内療法)の流れ

🦷 神経除去

  • まず、虫歯に侵された部分を削り、歯髄(神経)まで到達します。
  • 感染した神経を特殊な器具で慎重に取り除きます(抜髄処置)。

🦷 根管洗浄

  • 神経を取り除いた後、歯の内部(根管)を専用の薬剤で洗浄・消毒します。
  • 細菌を徹底的に除去し、再感染を防ぐための重要な工程です。

🦷 薬剤充填

  • 根管内部を無菌状態に保つため、専用の薬剤や材料を隙間なく詰めます(根管充填)。

🦷 被せ物装着

  • 歯の強度を保つため、根管治療後にはクラウン(被せ物)を装着します。
  • これにより、噛む力に耐えられるようになり、歯の寿命を延ばすことができます。

👨‍⚕️治療期間・通院回数の目安

  • 根管治療は1回では終わらず、通常2〜4回程度の通院が必要です。
  • 1回の治療時間は約30〜60分程度。
  • 歯の状態や感染の進行具合によって、治療回数が増えることもあります。
  • 根管治療後、クラウン装着までを含めると、完了まで約1〜2ヶ月を目安に考えておきましょう。

💸C3治療にかかる費用相場【保険/自費の違いも】

  • 保険適用の場合
    • 根管治療(1本あたり):数千円〜1万円程度
    • 被せ物(銀歯など):数千円〜1万円程度
  • 自費診療の場合
    • 精密根管治療(マイクロスコープ使用など):5万〜15万円
    • セラミッククラウン:8万〜15万円程度
  • 保険治療は比較的安価ですが、再発リスクがやや高くなることもあります。
  • 自費治療は高額ですが、精密な治療や耐久性に優れる素材を選べるメリットがあります。

虫歯C3でも、すぐに「神経を完全に抜かなければならない」と決まるわけではありません。
最近では、神経を保存する治療法が進歩しており、条件が整えば歯髄を残すことができるケースもあります。

🌟MTAセメントによる生活歯髄療法とは?

  • MTAセメント(Mineral Trioxide Aggregate)は、非常に高い生体親和性を持つ歯科用材料です。
  • 虫歯が神経の直前まで進んでいる場合や、わずかに露出した場合に、MTAセメントで神経を保護することで歯髄を温存できる可能性があります。
  • MTAセメントによって、神経の自己修復を促し、神経を抜かずに歯を保存できることが最大のメリットです。
  • ただし、炎症がすでに広がっている場合(強い自発痛がある場合など)は適応外となることがあります。

🧪歯髄再生療法(再生医療)とは?【研究段階も紹介】

  • 歯髄再生療法とは、失われた歯の神経や血管を再生医療の力で取り戻すことを目指す新しい治療法です。
  • 自身の幹細胞を利用し、歯髄組織を再構築することで、神経の機能を再生させることが可能になると期待されています。
  • 現在、日本国内でも大学病院などで臨床研究が進められていますが、一般歯科ではまだ保険適用外・研究段階です。
  • 将来的には、神経を抜かずに虫歯治療ができる時代が来るかもしれませんが、現時点では特定の条件下でのみ試験的に行われています。

虫歯C3の治療を検討するにあたり、患者さんからよくいただく質問にお答えします。

❓【Q】C3虫歯の治療はどれくらい痛い?

  • 根管治療では、治療中に局所麻酔をしっかり効かせるため、基本的にはほとんど痛みを感じません
  • ただし、炎症が強い場合は麻酔が効きにくく、一時的に痛みを感じることもあります。
  • 治療後に違和感や軽い痛みが残ることもありますが、数日〜1週間程度で徐々に治まるのが一般的です。
  • 我慢できないほどの強い痛みが続く場合は、速やかに歯科医院へ相談しましょう。

❓【Q】神経を抜いた歯はどうなる?

  • 神経を抜いた歯(無髄歯)は、栄養供給が絶たれるため、徐々に脆くなりやすい傾向があります。
  • 長期的には、歯が割れたり、変色したりするリスクもあります。
  • そのため、根管治療後は必ず**クラウン(被せ物)**を装着して、歯を補強することが重要です。
  • 適切なメンテナンスを続ければ、神経を抜いた歯でも10年以上機能を維持できることが多いです。

❓【Q】神経を抜きたくないときの選択肢は?

  • 虫歯の進行が比較的浅い場合は、MTAセメントを使った生活歯髄療法で神経を保存できる可能性があります。
  • また、将来的には**歯髄再生療法(再生医療)**による神経保存も期待されていますが、現時点では一般診療では難しい状況です。
  • 症状が進んでしまっている場合には、神経を抜くことで感染拡大を防ぎ、歯自体を残す方が重要になります。
  • 「神経を絶対に抜きたくない」という希望がある場合は、早期受診・早期治療が何より大切です。

虫歯C3は、歯の神経(歯髄)にまで達してしまう重度の虫歯です。
この段階では、冷たいもの・温かいものにしみる、ズキズキする痛み、何もしなくても激痛が走るなど、日常生活に大きな支障をきたします。

さらに、放置すると神経が壊死したり、歯根に膿がたまる深刻なトラブルに発展するリスクもあります。
最悪の場合、抜歯を余儀なくされることもあり、将来のお口の健康に大きな影響を与えてしまいます。

だからこそ、
「ちょっとしみるかも」「違和感があるかも」と思った時点で、できるだけ早く歯科医院を受診することがとても大切です!

虫歯C3は「早期発見・早期治療」がカギ
虫歯C3は「早期発見・早期治療」がカギ

早期に対応すれば、

  • 神経を残せる可能性が高まる
  • 治療期間も短縮できる
  • 費用負担も軽減できる
    といったメリットがあります。

✨あなたの大切な歯を守るために、少しでも痛みや違和感を覚えたら、ためらわずに受診しましょう!

歯科検診で小さな虫歯のうちに発見

**虫歯C3(神経に達した虫歯)**は、放置すると激しい痛みや抜歯のリスクにつながる深刻な状態です。
当院では、できるだけ歯を残す治療を大切にし、根管治療や精密なケアで対応しております。

「冷たいもの・温かいものがしみる」「歯がズキズキ痛む」などの症状に心当たりがある方は、
早期発見・早期治療がカギ🔑です!
江戸川区篠崎エリアで虫歯C3にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの大切な歯を守るために、私たちが全力でサポートします!

【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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