虫歯C3まで進行してしまい、痛みが出てきたので歯の神経を抜く必要があるのか、抜髄治療はいたくないのか?神経を抜いた後の治療はどうするのかなど、様々な不安をお持ちの方が多いと思います。
そこで今回は、歯の神経を抜く方法や抜髄後の治療法について解説します。
江戸川区篠崎駅前の歯医者・ふかさわ歯科クリニック篠崎では、出来るだけ歯の神経を抜かない、歯を抜歯しない治療を心掛けています。また、虫歯治療では可能な限り削らない・極力痛くない無痛治療にこだわっています。虫歯C3で神経を抜く必要がある場合、精密根管治療にこだわり再発リスクを可能な限り下げる努力をしています。重度虫歯が出来てお悩みの方はぜひ、当院に遠慮なくご相談ください。
歯の神経を抜く手順:抜髄治療の詳細解説
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歯の神経を抜く治療は痛いので麻酔をかける
虫歯がC3になると歯髄の中に細菌が侵入し、歯髄炎が起きます。 自発痛があるばかりではなく、歯を削る時も神経を抜く時も痛みがあります。そのため、浸潤麻酔を行った後に抜髄を行います。
麻酔の針は歯根先端部に近い歯茎に打ちます。下顎大臼歯では浸潤麻酔が効きにくい時があり、浸潤麻酔に追加して下顎孔伝達麻酔を打つことがあります。
表面麻酔と針の無い麻酔器
麻酔注射の痛みを和らげる方法として表面麻酔や針のない注射器を使って事前に麻酔部位に部分的な麻酔をかけておきます。
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虫歯を削って歯髄を露出させる
タービン及びエンジンでエナメル質及び象牙質の虫歯部分の軟化象牙質を除去し歯髄を露出させます。
根管治療がし易いように大きく穴を開けます。この操作を天蓋除去といいます。
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根管長測定
根管長を測ることは抜髄治療で極めて重要です。今後の根管治療の成否に大きく関わるからです。
根管長測定器の仕組みはインピーダンス値を測定することで根管の長さを測定するものです。
ファイルの先端が根尖に近づくと音が鳴り出し、根尖に到達すると音が変化します。
歯髄除去と根管拡大
歯髄を除去し、HファイルやKファイルを交互に使いながら根管を拡大します。
象牙細管内部に入り込んだ細菌を完全に除去するためです。
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薬剤で根管内洗浄と貼薬
ファイルにより機械的に感染した根管壁を掻き出し、次いで化学的に洗浄します。薬剤としてはNC(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)やEDTAが使われます。
水酸化カルシュウムの貼薬
化学的な洗浄で除去しきれなかった細菌に対して、水酸化カルシュウムの貼薬で強アルカリ環境を作り抗菌作用を発揮させます。
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根管充填
根管内が無菌的状態になったら根管充填を行います。根管の中をガッタパーチャポイントで満たすことを根管充填と言います。
イラストは、ガッタパーチャポイントのメインポイントを挿入している所です。
スプレッダーを使いガッタパーチャポイントに圧力をかけながら隙間部分にアクセサリーポイントを順次詰め込んで行きます。
最後にX-RAY(レントゲン)で根尖までしっかりとガッタパーチャポイントで満たされていることを確認して根管充填は終了です。
抜髄治療の難易度比較:前歯・小臼歯と奥歯の違いとは?
前歯・犬歯・小臼歯の抜髄の難易度
簡単
前歯・犬歯・小臼歯の根管は太くて真直ぐであることから抜髄は簡単で、確実な根管治療が可能です。
抜髄が簡単な理由
- 根管の本数が1本である。(上顎小臼歯は根管の本数が2本)
- 根管が太くて真直ぐであることかファイルの挿入が容易。
- 口元近くにある歯であるため口を大きく開けられない患者でも治療がしやすい。
前歯・犬歯・小臼歯の神経を抜く時間
虫歯を削って神経を抜き、薬剤で根管内洗浄と貼薬までの時間です。
前歯・犬歯・下顎小臼歯 | 約20分 |
上顎小臼歯 | 約25分 |
奥歯の抜髄の難易度
困難
大臼歯の根管は細くて湾曲していることから抜髄は困難で、確実な根管治療が極めて困難です。
抜髄が困難な理由
- 根管の本数が3~4本である。
- 根管が細く曲がっているためファイルの挿入が困難。
- 口の奥にあるため口を大きく開けられない患者ではさらに治療が困難。
- 第二大臼歯の抜髄治療がすべての歯の中で最難関です。
奥歯の神経を抜く時間
虫歯を削って神経を抜き、薬剤で根管内洗浄と貼薬までの時間です。
第一大臼歯 | 約40分 |
第二大臼歯 | 約50分 |
抜髄から根管充填までの治療回数
抜髄して、当日に根管充填してしまう即日根充というやり方があります。根管内に細菌が余り感染していない場合には有効です。
ただし、大臼歯では、根管が細く3本以上あるため、根管拡大に時間がかかり即日根充は現実的ではありません。
治療種別 | 回数 |
---|---|
抜髄 | 1回。 |
根管拡大と根管洗浄 | 1回~4回 細菌感染の程度による。 |
根管充填 | 1回 |
虫歯が大きい場合の治療ステップ:コアと冠を使った修復法
虫歯が大きい場合
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土台となるコアを入れる
根管充填後に印象採得(型どり)を行い、コアを作成し、セメントで装着します。
コアには金属で作るメタルコアとファイバーコアの2種類があります。また使用する金属の種類は貴金属や非金属など、保険適用のものと保険適用外のものがあります。
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冠を被せる
コアの装着を行った後形を台形状に削って印象採得(型どり)を行い、技工所にて冠を作ります。冠をセメントで装着し、噛み合わせの調整をして治療終了です。
冠には金属製のものとセラミック製、ジルコニア製のものなど様々です。
虫歯が大きくない場合
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メタルインレーを入れる
部分的な詰めもので治療することがあります。
上部の根充剤を削り取り、コンポジットレジンを詰めます。次に形を整えて印象採得(型どり)を行い、メタルインレーを技工所で作成し、出来上がったメタルインレーをセメントで合着します。
メタルインレーの欠点
神経を抜いた歯は枯れ木の様に脆くなっているので、強い力が掛かると歯が真二つに割れてしまうリスクがあります。特に上顎の小臼歯に起こりやすいです。
神経を抜く抜髄の費用
保険適用治療
※ 保険点数の変更が頻繁に行われるため、一部負担金はおおよその金額を示したものです。
下記費用は3割負担の場合です。下記の金額以外にも初診料、再診料、レントゲン撮影料、投薬料、各種指導料などが適宜加算されます。また、最短で治療が完了した場合の一部負担金を示しています。
治療種別 | 金額(税込み) ※単位:円 |
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大臼歯の抜髄+根管洗浄+根管充填 | 2,850円。 |
小臼歯の抜髄+根管洗浄+根管充填 | 2,130円。(2根管の場合) |
前歯・犬歯の抜髄+根管洗浄+根管充填 | 1,390円。 |
江戸川区篠崎で神経を抜く抜髄は当院へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、天然歯の保存にこだわります。まずは虫歯を自然治癒させることを目標とし、極力抜かない・削らない・痛みの少ない低侵襲な虫歯治療が基本です。
患者様一人ひとりの虫歯の進行程度をしっかり診査・診断し、症状にあった適切な治療法をご提案いたします。江戸川区篠崎で天然歯の保存にこだわった精密な神経を抜く抜髄治療をご希望の方はぜひ、お気軽に当院までご相談下さい。
【動画】歯茎のニキビのような出来物・フィステル
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。