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子どもの口臭が気になる親御さんへ。

「最近、子どもの口がなんだか臭う気がする…」「学校でからかわれたみたい…」そんなお悩みはありませんか?
子どもの口臭は、単なる口のトラブルだけでなく、体や心の不調を知らせるサインであることも。

この記事では、子どもの口臭の原因・対処法・年齢別の傾向や受診の目安までを徹底解説
毎日の生活でできる予防法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「うちの子、なんだか口が臭うかも…?」
そんなふとした気づきが、実は大切な健康サインかもしれません。

子どもの口臭は、見た目では分かりにくいため見過ごされがちですが、家庭や学校生活に思わぬ影響を与えることがあります。

子どもの口臭
子どもの口臭

👦 家庭や学校生活への影響

口臭があることで、友だちとの距離ができてしまったり、からかわれてしまうことがあります。そうした経験が続くと、会話や遊びを避けるようになり、人間関係の構築や社会性の発達に悪影響を及ぼすこともあります。

😔 自尊心の低下につながることも

口臭を指摘された子どもは、「自分は臭いのかな…」という不安を抱きやすくなります。自己評価が下がり、劣等感やストレスを感じる原因になってしまうことも。

🚨 放置はリスク!健康トラブルのサインかも

口臭は、単に歯磨き不足だけでなく、虫歯や歯肉炎、口呼吸、消化器・呼吸器の不調など、体の異常を知らせるサインであることがあります。

だからこそ、「一時的なものだから」と油断せず、正しい知識で原因を見極め、早めのケアや受診につなげることが大切です。

子どもの口臭にはさまざまな原因があります。単なる「歯磨き不足」だけではなく、食生活や病気、習慣、体のサインが隠れていることも。ここでは代表的な原因を詳しくご紹介します。

🍭 食べ物や飲み物による一時的な臭い

子どもが食べたものの中には、一時的に口臭を引き起こすものがあります。

  • ニンニクや玉ねぎなどの強い臭いの食材は、呼気からにおいとして排出されることがあります。
  • ジュースやお菓子の摂りすぎも要注意。糖分を好む細菌が口の中で増殖し、ガスを発生して悪臭につながります。

これらは一時的な原因ですが、習慣化すると常に口臭がある状態になることもあります。

🦷 虫歯や歯肉炎による口臭

子どもの口臭の多くは、口腔内のトラブルが原因です。

虫歯
虫歯
歯肉炎
歯肉炎
  • 虫歯菌(ミュータンス菌)は糖分を栄養にして酸を出し、歯を溶かします。虫歯が進行するとC3〜C4段階で歯髄が壊死し、腐敗臭が発生します。
  • 歯肉炎にはいくつかの種類があります。
    • 高熱後に起こる「急性歯肉炎」
    • 思春期でも進行する「侵襲性歯周炎」
    • 普段の歯磨き不足による「通常の歯肉炎」

どれも歯周病菌の影響で、独特の強い口臭が出るのが特徴です。

😮‍💨 ドライマウス(口腔乾燥)と口呼吸

  • 子どもでもストレスや不安により、唾液の分泌が減少することがあります。
  • 口呼吸の習慣があると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。
ドライマウス(口腔乾燥)と口呼吸
ドライマウス(口腔乾燥)と口呼吸

原因としては、

  • アデノイド肥大
  • アレルギー性鼻炎
  • 舌小帯短縮症や指しゃぶり など

口呼吸が常態化すると、寝起きに「うんち臭い」「ドブのような臭い」がすることも。これは乾燥+菌の繁殖が原因です。

🤒 全身の病気や炎症による口臭

口腔以外の原因にも注意が必要です。

蓄膿症(副鼻腔炎)
蓄膿症(副鼻腔炎)
  • 副鼻腔炎(蓄膿症):鼻の奥の膿が喉に落ち、悪臭の原因に。鼻づまりも口呼吸を悪化させます。
  • 扁桃腺炎:炎症部分に細菌が増えると、口臭としてあらわれることがあります。
  • 胃酸の逆流消化不良:酸っぱい臭いや異臭の原因になることもあり、小児科での相談が推奨されます。

👅 舌苔と歯磨き不足

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  • 舌苔(ぜったい)は、舌の表面にある突起に付着した細菌の死骸や汚れ。これがにおいの最大の原因とも言われています。
  • 舌苔が多くなると、特に朝の口臭が強くなる傾向にあります。
  • また、歯と歯の間に歯垢(プラーク)が残っていると、そこでも細菌がガスを作り、口臭につながります。

正しい歯磨き・舌のケアが不可欠です。

子どもの口臭は、年齢によって原因や対応策が異なります。それぞれの発達段階に合わせた理解とケアが、口臭予防・改善のカギになります。

👶 幼児(0〜6歳)の口臭

幼児期はまだ自己管理が難しく、生活習慣や生理的な特徴が口臭の原因になることがあります。

  • 哺乳や母乳後の酸化臭
     ミルクや母乳の成分が口の中に残ることで、酸化してすっぱい臭いを発することがあります。特に就寝中に口の中が乾燥していると、においが強くなる傾向があります。
  • 指しゃぶりがもたらす口呼吸
     長期間の指しゃぶりが口の形や舌の位置に影響し、無意識に口呼吸をするクセがつくことも。その結果、唾液の分泌が減って口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。

🟡 対応策:哺乳後の口腔ケア(ガーゼでふき取るなど)や、口を閉じる習慣づけを意識しましょう。

🎒 学童期(小学生)の口臭

この時期は生活が自立し始め、食習慣やセルフケアの影響が強く出る時期です。

  • 甘い飲食物の頻度が増加
     スナック菓子やジュースなど、糖分の多い食品をよく口にするようになります。これが原因で虫歯や歯垢ができ、悪臭を放つ細菌の温床になります。
  • 歯磨き不足や磨き残し
     朝の準備や夜の疲れで歯磨きが雑になりがち。磨き残しが多くなり、歯垢や舌苔が蓄積しやすいのが特徴です。

🟡 対応策:仕上げ磨きや歯磨きチェックシートなどを活用し、歯磨き習慣を家庭でサポートしましょう。

🧑‍🎓 思春期(中学生以降)の口臭

思春期は身体の急激な変化が口腔環境にも影響します。

  • ホルモンバランスの変化による歯肉炎
     この時期は「思春期性歯肉炎」が起こりやすく、歯ぐきの腫れや出血、独特の臭いが見られることがあります。
  • ストレスによる唾液分泌の減少
     受験や部活動、人間関係の悩みなどがストレス性ドライマウスを引き起こすことも。唾液が減ると自浄作用が低下し、細菌の増殖につながります。

🟡 対応策:歯科検診での早期チェックとあわせて、リラックスできる環境づくりが大切です。

子どもの口臭を予防・改善するには、家庭での毎日のケアがとても重要です。以下の3つのポイントを意識することで、清潔で健康な口腔環境を保つことができます。

家庭でできる子どもの口臭ケア
家庭でできる子どもの口臭ケア

🪥 歯磨きと仕上げ磨きの習慣化

子ども任せの歯磨きでは、どうしても磨き残しが多くなりがちです。特に奥歯や歯と歯のすき間など、見えづらい部分は大人のサポートが必要です。

  • 歯間ブラシやフロスを併用することで、歯ブラシだけでは届かない汚れも取り除けます。はじめは親が補助してあげるとよいでしょう。
  • 歯垢染め出し液を使って、磨き残しの場所を「見える化」すると、子ども自身の意識も高まり、正しい歯磨き習慣が身につきます。

🔸 ポイント:仕上げ磨きは1日1回、特に夜寝る前が効果的。親子でのコミュニケーションタイムにもなります。

👅 舌ブラシや口腔洗浄液の活用

口臭の大きな原因となるのが、**舌苔(ぜったい)**です。特に朝起きたときに臭いが強い場合は、舌のケアを見直してみましょう。

  • 専用の舌ブラシを使って、舌の表面を優しくなでるように清掃します。力を入れすぎると舌を傷つけ、逆に菌が増える原因にもなるので注意が必要です。
  • **子ども用の口腔洗浄液(マウスウォッシュ)**は、低刺激・ノンアルコールのものを選びましょう。うがいの習慣として取り入れやすく、磨き残しのフォローにもなります。

🔸 ポイント:舌ブラシは週2〜3回程度、マウスウォッシュは就寝前などに活用を。

🥦 食生活の見直し

口腔内の状態は、食生活とも深く関わっています。よく噛んで食べることや、バランスのとれた食事は、口臭の予防にも効果的です。

  • 野菜や果物など繊維質の多い食品は、自然と唾液の分泌を促し、口の中の洗浄効果が高まります。にんじん、リンゴ、キャベツなどがオススメ。
  • 糖分の多いお菓子やジュースは控えめに。細菌のエサとなり、歯垢や舌苔の原因になります。
  • 十分な水分補給も重要です。水やお茶をこまめに飲むことで、口の中が潤い、菌の増殖を抑えることができます。

🔸 ポイント:間食を決められた時間に制限し、食後の水分補給を習慣づけましょう。

家庭でのケアを行っても口臭が改善しない場合、専門医の診察が必要なサインかもしれません。ここでは、どんなときに、どの医療機関を受診すればよいかを解説します。

🦷 歯科でできること

子どもの口臭の多くは、口腔内トラブルが原因です。まずは歯科医院の受診を検討しましょう。

  • 定期検診では、虫歯や歯肉炎の早期発見が可能です。特に初期の虫歯や軽度の炎症は、本人も自覚しにくいため、プロによるチェックが欠かせません。
  • **歯石除去やPMTC(プロによる歯のクリーニング)**は、家庭の歯磨きでは落としきれない汚れを除去できます。歯垢(プラーク)やバイオフィルムが取り除かれることで、口臭の大幅な改善が期待できます。

🟢 受診の目安

  • 歯磨きしても口臭が消えない
  • 歯ぐきが赤い・腫れている
  • 虫歯の痛みや違和感がある
    …といった場合は、迷わず歯科へ。

👃 耳鼻咽喉科・小児科が必要なケース

口臭の原因が「口の中」以外にある場合は、他の専門医の診察が必要です。

  • 耳鼻咽喉科
     以下のような症状がある場合は、鼻や喉の炎症による口臭の可能性があります。
    • 黄色や緑色の鼻水が続く(副鼻腔炎・蓄膿症の疑い)
    • のどの奥に膿栓がある、または扁桃腺が腫れている
    • 鼻づまりや口呼吸がひどい
  • 小児科
     胃腸の不調による胃酸の逆流消化不良が口臭を引き起こすことがあります。
    • 「酸っぱい臭い」や「腐ったような臭い」がする
    • 食欲不振やお腹の張りなど、消化器症状がある
       このような場合は小児科での相談が適切です。

🟢 受診の目安

  • 鼻や喉の症状が長引いている
  • 胃腸の不調が口臭とセットで現れている
  • 明らかに強烈で持続的な臭いがする

どこに相談すべきか分からない場合は、まずはかかりつけの小児科医や歯科医に相談し、必要に応じて適切な診療科へ紹介してもらうと安心です。

口臭の改善には、医療やケアだけでなく、日々の生活の中での意識づけがとても重要です。ここでは、家庭で無理なく取り入れられる予防習慣をご紹介します。

📋 親子で取り組む「歯磨きチェックリスト」

歯磨きは、“やっている”つもりでも“できていない”ことが多いもの。親子で一緒にチェックリストを使うことで、毎日のケアがより効果的になります。

歯垢の歯磨き残し
歯垢の歯磨き残し

✅ チェックリストの一例:

  • 朝と夜、1日2回しっかり歯磨きできた?
  • 歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを使った?
  • 舌もきれいに磨いた?
  • 仕上げ磨きをしてもらった(またはしてあげた)?
  • マウスウォッシュや水で口をゆすいだ?

🔸 ポイント:チェックリストをカレンダーやシールで見える化すると、子どもが自ら取り組みやすくなります。

👨‍👩‍👧 家族全員での習慣化

口臭予防を「子どもだけの課題」にしないことも大切です。家族みんなで口腔ケアに取り組む時間を作ることで、自然と習慣化しやすくなります。

  • 食後の「歯磨きタイム」を家族のルールに
  • 大人も一緒に歯磨きやフロスを行う姿を見せる
  • リビングに口腔ケアグッズを置いておき、気軽に使えるようにする

🔸 ポイント:「今日は誰が一番ピカピカかな?」などゲーム感覚にすることで、子どものやる気もアップ!

🧘 ストレスマネジメントと健康生活

子どもの心と体の健康が整うことも、口臭予防には欠かせない要素です。

  • 十分な睡眠と外遊び:免疫力が高まり、唾液の分泌も安定します。
  • スマホやゲームの時間を減らし、リラックス時間を確保
  • 親子の会話を大切にする:学校の出来事や悩みを聞いてあげるだけでも、心の安定につながります。

🔸 ポイント:ストレスがたまると唾液が減り、ドライマウス→口臭の悪循環に。メンタルケアは“におい”のケアにもなるのです。

ここでは、子どもの口臭について保護者の方から寄せられるよくある質問とその答えをまとめました。正しい情報を知ることで、迷わず適切な対応ができるようになります。

❓ 子どもの口臭はいつから気になるもの?

子どもの口臭は、生後数ヶ月〜幼児期でも見られることがあります。

  • 一時的な臭い(ミルクや食べ物によるもの)は成長過程の一部であり、心配いりません。
  • しかし、以下のような場合は注意が必要です:
    • 歯磨き後でもにおいが残る
    • 「ドブ臭」「うんち臭」など強烈な臭いが続く
    • 周囲から「口が臭い」と言われたことがある

🔸 目安:3日以上強い臭いが続く場合や、子ども自身が気にしている様子があるなら、早めに対応しましょう。

❓ 市販の口臭ケア商品は子どもに使っても大丈夫?

市販のケア商品は便利ですが、子どもには注意が必要です。

  • 使用前に年齢制限や使用方法を確認しましょう。
  • 刺激の強いアルコール入りマウスウォッシュなどは避け、子ども用の低刺激タイプを選ぶのが安心です。
  • 歯磨き粉は「フッ素濃度」が年齢に適しているかもチェックしましょう(例:6歳未満は500ppm以下が目安)。

🔸 ポイント:市販品はあくまで補助。基本は「正しい歯磨き+家庭のケア」です。

❓ どのタイミングで病院を受診すべき? 緊急性はある?

以下のような場合は、医療機関の受診が必要です。

  • 歯磨きや食事改善でも臭いが変わらない
  • 明らかに異常な臭い(腐敗臭、膿のような臭いなど)
  • 鼻づまり・咳・腹痛など他の体調不良を伴う場合

さらに、

  • 発熱や嘔吐など全身症状を伴う口臭は、すぐに受診すべきサインです。

🔸 受診の優先順位

  1. 歯や歯ぐきの問題が疑われる → 歯科
  2. 鼻・喉の問題(副鼻腔炎・扁桃炎など) → 耳鼻咽喉科
  3. 胃腸の不調を伴う → 小児科または消化器内科

子どもの口臭は、単なるにおいの問題ではなく、心や体のSOSサインであることも少なくありません。
だからこそ、大人の「気づき」と「行動」がとても大切です。

🔎 放置せず、原因に応じて対処を

  • 食べ物や生活習慣による一時的な臭いか
  • 虫歯や歯肉炎などの口腔トラブルか
  • 鼻炎・胃腸不良などの全身的な疾患か
    など、原因は一つではないことを知っておくことが重要です。

においに気づいたら「気のせいかな?」で済ませず、早めに家庭でのケア or 専門医の受診を検討しましょう。

🔄 生活習慣+医療サポートの両輪でケア

日々の歯磨きや食生活の見直しといった家庭での習慣と、
歯科・耳鼻科・小児科といった専門機関でのサポートをうまく組み合わせることで、
子どもの口臭はぐっと改善される可能性があります。

🤝 親子で取り組むことで、信頼関係も深まる

「一緒に歯磨きしようね」「今日はよくできたね」と声をかけることで、
子どもは口腔ケア=安心できる時間として受け止めるようになります。

口臭ケアを“しつけ”ではなく“成長のサポート”ととらえることで、
親子の絆もより深まり、心身の健やかな発達にもつながります。


子どもの未来の笑顔のために、
今日からできる小さな一歩を、親子で一緒に踏み出していきましょう😊🪥✨

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江戸川区篠崎にある当院では、小児の口臭の原因特定と的確なケア・予防指導を行っています。
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【動画】なかなか取れない舌苔の完全除去方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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