再生医療の新時代:CGF治療で骨再生を促進する方法
CGF(Concentrated Growth Factors)治療とは、患者さんから採血した血液を遠心分離機にかけて完全自己血液由来の血小板濃縮フィブリン(言わばタンパク質の接着剤)を作製し、それを骨の無い場所に填入し、骨を誘導再生する治療法のことです。
従来のPRF療法の様に抗凝固剤・トロンビン等の添加物を一切用いないので感染リスクが低減され、安全な方法に改良されたものです。
骨が出来るまでの期間は、個人差はありますが約4ヶ月~6ヶ月です。
江戸川区篠崎駅南口のふかさわ歯科クリニック篠崎では、骨の不足しているケースのインプラント手術や歯周病で骨が溶けた部位にCGFを応用しています。
CGFの作成方法
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血液を採取
採血部位をアルコール消毒し、駆血帯を上腕に巻き静脈を明示してからガラス製の採血管二本分を採血します。
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遠心分離機
対角線になるようにガラス管を遠心分離機に挿入します。一本のガラス管だけを入れると不安定な状態になり正常に回転しません。
遠心分離器はCGFを作り出せる適当なスピードで回転する様に設計されています。約15分で血液成分が分離され、CGFが出来ます。
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CGF
ガラス管内の血液が分離され、CGFが作成されます。 上清は血清で、その下のゲルがフィブリンゲル(CGF)です。
最下層が赤血球、白血球、血小板等の血球成分です。
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人工骨(Bio-Oss)とCGFを混ぜる
ガラス管から取り出し、赤血球などの部分をハサミで切り取ります。シャーレに入った手前側のCGFは、血液中の凝固因子が自然に刺激されてフィブリンゲルです。このフィブリンゲルは、成長因子や血小板などを多く含むうえ、添加物を一切用いないため、完全自己血液由来のゲル素材といえます。
シャーレに入った奥側の白い粉状のものは人工骨(Bio-Oss)です。CGFと人工骨を混ぜて使うと臨床成績が良いと感じます。
サイナスリフト(上顎洞底挙上術)への応用
サイナスリフトとは
上顎洞底までの骨量が少ない時、骨を増やす治療法です。
パノラマレントゲン写真で、直径5ミリの鉄球を基準にすると、赤丸で示した上顎洞底までの骨の高さが約3ミリしかないことが分ります。
このままではインプラントを埋入することができないので、上顎洞粘膜を持ち上げるサイナスリフトを行い、その空間にCGFと人工骨を混ぜたものを填入し、骨を誘導します。
大臼歯相当分の歯槽骨
歯肉の側面を切開し、骨面を露出させ1~3cm程の窓を作ります。
窓からアクセスして上顎洞粘膜を注意深くはがしていき、上顎洞底との間にスペースができたところにCGFと人工骨を混ぜたものを填入します。
サイナスリフト(上顎洞底挙上術)
左写真の歯肉を切開し、骨面を露出させて横長の窓を形成。そこから上顎洞粘膜を挙上し、CGFと人工骨(Bio-Oss)を填入したところです。
今回は、フィクスチャー(インプラント本体)が固定できると判断したので、同時にインプラントの埋入も行っています。
インプラント埋入
サイナスリフト後
上顎洞に骨が誘導再生される6ヶ月ほどの期間を待って、二次オペを行いインプラントを埋入します。
レントゲン写真は、埋入されたインプラント本体に上部構造を結合させて治療完了した時のパノラマレントゲン写真です。
歯周病への応用
歯周病で歯槽骨が破壊された部位にCGFと人工骨で骨の再生医療を行います。
上顎一番近心に垂直性骨吸収
上顎1番(中切歯)の近心側に深い歯周ポケット(垂直性骨吸収)が認められます。
歯周病のフラップ手術に応用
フラップ手術(歯周外科)実施時に歯肉剥離後、不良肉芽組織を除去し、根面を滑沢した垂直性骨吸収部位にCGF+人工骨の混合を填入したところです。
抜歯窩の治癒促進に応用
抜歯をすると歯槽骨は痩せる
抜歯をするとその周辺の歯槽骨は痩せてきます。そのため、その部位をインプラントや取り外し式の入れ歯で治療したくても“十分な骨が無い”という問題が起こったりします。
そこで、CGFを抜歯窩(抜歯した後にできる窪み)に填入し歯槽骨の吸収を防ぎ、骨の増殖を促進させます。
特に、すべての歯を失った総入れ歯のケースでは歯槽骨の吸収が進み、水平になってしまうと、入れ歯の安定性を得る事が極めて困難になってしまいます。
再生医療CGFの費用
自費治療
保険適用外です。
項目 | 価格 |
---|---|
CGF+人工骨 | 5.5万円(税込み)5万円(税別) |
江戸川区篠崎で再生医療CGFをご希望の方へ
当院では歯科口腔外科分野の処置を、適切な検査・診断の元に実施しております。できる限り痛みやリスクを抑えた施術を心がけ、術後のケアまでしっかり実施致します。江戸川区篠崎にて、再生医療CGFの治療をご希望の方は、ふかさわ歯科クリニック篠崎までお気軽にご相談ください。
【動画】歯周病の手遅れの症状
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。