線維腫：口腔内の良性腫瘍の原因と治療法

【31秒】線維腫の特徴と治療法：舌や唇にできる良性腫瘍について

口腔の線維腫

線維腫とは

口腔内に発生する良性の腫瘍で、主に結合組織が増殖したものを指します。これは外的刺激によって形成されることが多く、口腔の様々な部位に発生します。線維腫は一般的に無痛であり、粘膜の一部が膨らんで見えるのが特徴です。発生頻度は比較的高く、多くの人に見られる腫瘍ですが、基本的には悪性に変化することは稀です。

原因

歯の尖った部位や入れ歯の慢性刺激が原因と言われています。入れ歯が原因の義歯性線維腫は、入れ歯の辺縁があたる歯肉と頬粘膜の境目に出来ることが多いです。線維腫の発生は多くの場合、外部からの刺激が原因となっています。例えば、入れ歯や詰め物、歯の尖った部位などの慢性刺激により粘膜が刺激を受けることで発生します。また、遺伝的な要因や生活習慣も線維腫の発生に関与していると考えられています。予防には日常的な口腔ケアが重要であり、口腔内を清潔に保つことで線維腫の発生リスクを減らすことができます。

治療

• 外科的切除
  線維腫の治療として最も一般的なのは外科的切除です。悪性腫瘍ではないので小さい内は予後観察としますが、自然治癒しないので支障が出るようなら切除します。切除手術は通常、局所麻酔下で行われ、手術時間も短いです。切除後の治癒期間は個人差がありますが、通常1〜2週間で治癒します。術後は感染を防ぐために適切な口腔ケアが求められます。線維腫を摘出すれば予後良好で再発のリスクはほぼありません。
• 義歯性線維腫の治療
  義歯性線維腫の治療は、原因となる義歯の調整や新しく作ります。義歯が適切にフィットしていない場合、それが原因で粘膜に刺激が加わり線維腫が発生します。義歯のフィットを改善することで、腫瘍の発生を予防し、再発も防ぐことができます。
• 自然治癒が期待できるケース
  小さな線維腫であり、特に症状がない場合は、経過観察による自然治癒が期待できることもあります。この場合、定期的に歯科医の診察を受け、腫瘍の変化がないかを確認します。

舌の線維腫

舌線維腫は舌に発生する線維腫で、外的刺激や口腔内の摩擦が原因となることが多いです。この腫瘍は舌の側面や先端に見られ、小さな隆起として現れます。基本的には無痛であり、痛みを感じることは少ないですが、サイズが大きくなると不快感を覚えることがあります。外科的切除によって簡単に取り除くことができ、再発も少ないです。

線維腫とその他の疾患の違い

線維腫と類似した疾患との鑑別

• 乳頭腫
  乳頭腫はウイルスが原因で発生する腫瘍であり、線維腫とは発生原因が異なります。外観も異なり、乳頭腫はイボ状の突起が特徴です。線維腫との鑑別には、視診と触診の他にウイルス検査が有効です。
• 腺腫や脂肪腫
  腺腫や脂肪腫も良性腫瘍ですが、その組織の起源が異なります。腺腫は腺組織から、脂肪腫は脂肪組織から発生するものであり、診断時にはその違いを見極めることが重要です。触診や画像診断である程度の判断が可能です。
• 悪性腫瘍（口腔がん）との違い
  線維腫は基本的に良性ですが、悪性腫瘍（口腔がん）との鑑別が重要です。悪性の場合、腫瘍が急速に大きくなったり、痛みや出血が伴うことがあります。生検を行い、組織の状態を確認することで確実に区別します。

線維腫に関するQ&A

線維腫の摘出費用

保険診療

保険適用です。

手術名	内容	保険点数
舌腫瘍摘出術	線維腫の摘出	2,940点
口唇腫瘍摘出術	線維腫の摘出	3,050点
頬腫瘍摘出術	線維腫の摘出	5,250点

江戸川区篠崎で線維腫の摘出をご検討の方へ

当院では、線維腫の診断と治療を行っています。経験豊富な歯科医が一人ひとりの患者様に最適な治療を提供し、再発防止のためのアドバイスも行います。線維腫は口腔内に発生する良性の腫瘍ですが、放置すると周囲の組織に影響を与える可能性があります。早期の発見と適切な治療を受けることで、再発リスクを減らし、安心して日常生活を送ることができます。症状が長引く場合は無理をせず当院にご相談ください。