【動画 26秒】抜歯しない歯医者は本当に良い?健康リスクと正しい判断

抜歯しないといけない歯とは?その判断基準と対処法を解説 

抜歯が避けられない重度虫歯

虫歯は早期に治療することで歯を保存することが可能ですが、虫歯が進行し歯の神経まで到達してしまうと、歯の根まで感染が広がることがあります。このような場合、根管治療で対応できることもありますが、感染が深刻で歯を保存するのが難しい場合には、抜歯が必要となります。また、治療しても再発のリスクが高い場合や、周囲の健康な歯に悪影響を及ぼす可能性がある場合も、抜歯が推奨されることがあります。

重度虫歯では歯の実質欠損が大きく、抜歯の可能性が高くなります。当院では、検査・診断をしっかりと行った上で、抜歯の回避処置が可能か診断します。様々な方法を検討しても抜歯が妥当と診断した場合には、躊躇なく患者様に抜歯をお薦めします。

抜歯をお薦めするC4の虫歯症例

右上顎4番にC4の虫歯
右上顎4番にC4の虫歯

右上顎4番が虫歯C4の残根状態になっています。手前右上顎3番は虫歯C3の虫歯です。

同症例右上顎4番のC4虫歯レントゲン画像
同症例右上顎4番のC4虫歯レントゲン画像

レントゲン画像では残根状態の虫歯C4です。実質欠損が大きく土台としての歯根の価値はありません。抜歯が適当と診断します。

右上顎6番がC4の虫歯
右上顎6番がC4の虫歯

右上顎6番がC4の虫歯になっています。虫歯の中は大量の歯垢があり、細菌の増殖が心配です。

右上顎6番のレントゲン画像
右上顎6番のレントゲン画像

右上顎6番のレントゲン画像からは保存不可能と診断できます。虫歯による実質欠損が歯根の内部まで進行しています。抜歯をお薦めする症例です。

抜歯が避けられない重度歯周病

歯周病は、歯を支える歯茎や骨が徐々に破壊される病気です。進行すると、歯がぐらつき始め、最終的には抜歯が必要になることがあります。歯周病が進行して骨が十分に失われると、歯を支えることが難しくなり、無理に残すと他の歯や口全体の健康を損なうリスクが高まります。早期の治療によって歯を残すことが可能な場合もありますが、重度の場合には抜歯が避けられないことも多いです。

当院では、一般的な治療法からフラップ手術や歯茎再生療法まで幅広い治療を実施し、出来るかぎり歯の延命に努めております。しかし、歯周病の症状を検査・診断した上で、適切な抜歯回避方法が無いと判断した場合には躊躇なく抜歯をご提案致します。

重度歯周病で抜歯が必要と診断した症例

右上顎1番が重度歯周病
右上顎1番が重度歯周病

右上顎1番が重度歯周病で歯茎が大きく腫れて出血が認められます。

同症例右上顎1番のレントゲン画像
同症例右上顎1番のレントゲン画像

レントゲン画像では右上顎1番の歯根周囲の骨は完全に吸収されています。抜歯が適当と診断します。

重度歯周病で抜歯が妥当と診断されるレントゲン画像

右上顎6番が重度歯周病のレントゲン画像
右上顎6番が重度歯周病のレントゲン画像

レントゲン画像からは右上顎6番の歯槽骨は吸収が激しくほぼありません。かなり動揺があり歯茎の腫れも認められました。抜歯が妥当と診断しました。

左上顎6番が重度歯周病のレントゲン画像
左上顎6番が重度歯周病のレントゲン画像

レントゲン画像では左上顎6番の歯根先端部に僅かに骨が残っているのみです。抜歯が適当と診断します。

親知らずのトラブル(埋伏歯)

親知らずのトラブル(埋伏歯)

親知らず(第三大臼歯)は、口の奥深くに生えることが多く、正常に生えない場合があります。埋伏している親知らずは、隣の歯に悪影響を及ぼしたり、周囲の歯茎に炎症を引き起こしたりすることがよくあります。また、親知らずが不完全に生えていると、周囲に食べ物が詰まりやすくなり、細菌感染を引き起こしやすい状態になります。そのため、親知らずが他の歯や歯茎に悪影響を及ぼす場合や、痛みや炎症を繰り返す場合には、抜歯が推奨されます。

抜歯しないことで生じる全身の健康リスクとは?

残根で穴があいています
残根で穴があいています

抜歯しないと身体に弊害が起こるリスクがあります

抜歯は多くの人にとって不安を伴う手術であり、できれば避けたいと思うものです。しかし、歯の健康を守るためには、時には抜歯が必要な場合もあります。

抜歯をしない歯医者が良い歯医者だと思っている患者様がほとんどだと思います。
しかし、 様々な抜歯回避策を駆使しても保存できない歯もあります。
もし、写真のような歯をいつまでも放置していると全身的な弊害があることを下記で説明いたします。

歯原生菌血症

歯原生菌血症
歯原生菌血症

虫歯菌や歯周病菌が動脈に入り脳や心臓に運ばれる

重度の虫歯を抜歯せずに放置すると虫歯の穴の中で増殖した虫歯菌が口の中全体に行き渡ってしまいます。すると他の健康な歯が虫歯になりやすくなってしまいます。また、歯茎の毛細血管を通して虫歯菌が動脈に入り込む危険性もあります。

重度歯周病の歯を抜歯せずに放置すると歯周ポケット内で増殖した歯周病菌が歯茎の毛細血管を通して動脈の中に入り込みます。 すると、 動脈の内皮細胞を傷つけ動脈硬化が進行します。そして、歯周病菌や虫歯菌は動脈血に乗って心臓や脳に入り込み、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすリスクが増大します。

このように歯周病菌や虫歯菌が動脈の中に入り込むことを歯原性菌血症と言います。

当院では、虫歯や歯周病の症状を精査・診断し、様々な方法で非抜歯対策を模索しても、このように抜歯が必要と診断される歯をそのまま残すことはお薦めいたしません。当医院では出来るかぎり天然歯を保存するよう努めておりますが、抜歯の際にはできる限り痛みやリスクを抑えた手術を心がけ、抜歯後のケアまでしっかり実施致します。江戸川区篠崎で抜歯をするか保存するかで迷われたら当院までお気軽にご相談ください。

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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