目次

歯をぶつけたとき、多くの方がパニックになってしまいますが、正しい初期対応がその後の歯の状態を大きく左右します。ここでは、応急処置のポイントと注意点について詳しく解説します。

歯をぶつけた
歯をぶつけた

🟧まずは落ち着いて!チェックすべき症状とは

歯をぶつけたら、まず以下のポイントを確認しましょう。

  • 歯がグラグラしていないか
  • 歯が折れていないか(小さな欠け含む)
  • 歯茎からの出血や腫れはあるか
  • 歯の色が変わっていないか(変色の兆し)
  • 噛むと痛みがあるか

これらの症状は、歯の神経や歯根にダメージがある可能性を示しています。目に見える異常がなくても油断は禁物です。

🟧応急処置の基本|止血・冷却・保存の方法

歯や口の中に異常がある場合は、以下のような応急処置を行いましょう。

🩸 出血している場合

  • ガーゼや清潔なティッシュで5〜10分圧迫止血
  • それでも止まらない場合はすぐ歯科受診

❄️ 腫れや痛みがある場合

  • 清潔なハンカチに保冷剤を包んで冷やす
  • ※直接氷を当てるのはNG

🦷 歯が抜けてしまった場合

  • 歯を水でこすらずに洗う
  • 牛乳や生理食塩水に浸して保存
  • 30分以内の再植が理想的なので、すぐ歯医者へ!

🟧やってはいけないNG行動

誤った対処で歯の状態が悪化することもあります。以下の行動は避けましょう。

  • 無理に歯を動かす/元に戻そうとする
  • ぐらついた歯を指で触る/グラグラを確認し続ける
  • 自己判断で放置する
  • 強いうがいをする
  • 抜けた歯を乾燥させる・ティッシュに包む

これらの行為は神経や歯根膜を傷つける原因になります。迷ったときは、必ず歯科医院に相談しましょう。

外からの強い衝撃を受けた歯には、さまざまな症状が現れます。症状を正しく理解し、適切な判断をすることで、歯の寿命を延ばすことができます。ここでは、代表的な外傷の分類ごとに詳しく解説します。

🟧歯がグラグラしている(歯の動揺)

歯がグラグラしている場合、歯の根を支える歯根膜や骨にダメージを受けている可能性があります。
放置すると、歯の神経が壊死したり、歯が脱落するリスクも。

▶ 受診の目安

  • 噛むと痛む
  • 数時間〜数日たっても動揺が改善しない

📝固定処置(スプリント固定)で安定化を図る治療が必要です。早期受診が重要です。

🟧歯が折れた・欠けた(歯冠破折)

歯の一部が欠けたり、根本から折れることを**「歯冠破折(しかんはせつ)」**といいます。
見た目の損傷だけでなく、神経まで露出していることもあります。

▶ よくある症状

  • 冷たい物でしみる(知覚過敏)
  • 歯の形が変わった
  • 表面がギザギザしている

🦷 欠けた部分が小さい場合はレジン修復、大きい場合はクラウンや神経治療が必要です。

🟧歯が抜けかけている(脱臼・亜脱臼)

歯が抜けかけている状態は、脱臼または亜脱臼と呼ばれ、歯の位置がずれていたり浮いているような状態です。

▶ 見られる症状

  • 歯が長く見える
  • 噛み合わせがおかしい
  • 出血・痛みを伴う

🆘歯が元の位置に戻る可能性もあるため、固定処置が有効です。早急な対応がカギです。

🟧歯が完全に抜けた(完全脱臼)

完全に歯が抜けてしまった状態です。30分以内に再植処置を行うことで、元に戻せる可能性があります。

▶ 応急対応

  • 歯の根は触らず、牛乳か生理食塩水に浸す
  • 乾燥は絶対NG
  • 抜けてから30分以内に歯科受診

🦷時間との勝負です!一刻も早く歯科医院へ!

🟧歯が変色した(神経の壊死)

ぶつけた直後は問題がなくても、数日〜数週間後に歯が黒っぽく変色することがあります。これは、歯の神経(歯髄)が死んでしまった状態=**壊死(えし)**です。

左上顎1番を打撲して変色

上顎1番を打撲して変色


前歯を打撲してから1年以上かけて徐々に変色してきました。

歯の裏に穴を開け、死んだ神経を取る根管治療を行ないました。

右上顎1番を打撲して変色

上顎1番を打撲して変色


前歯を打撲してから数年経過して黒く変色しました。レントゲン写真を撮ると歯根嚢胞は出来ていませんでしたが、死んだ神経を取る処置を行いました。

▶ 歯を強くぶつけて変色する期間

永久歯の前歯を強くぶつけた場合、痛みは1週間くらいで収まることが多いです。しかし、歯の神経に強いダメージが加わった場合、気づかぬうちに神経が死んでしまいます。

歯の神経が死んだ場合、数ヶ月~数年後に歯の変色が起こります。同時に根尖病巣(歯茎に膿が溜まる歯根嚢胞)が出来ることがあります。

従って、歯を強くぶつけた場合、定期的な根尖病巣のチェックが必要となります。

▶ 注意点

  • 痛みがなくても変色は放置NG
  • 内部で感染が進むと根の先に膿がたまることも

🦷この場合は**根管治療(歯の神経の治療)**が必要になります。

🟧痛みがないのに歯の色が変わったときの注意点

「痛みもないし放っておいても大丈夫かな…」と思いがちですが、無症状のまま内部で炎症や感染が進行しているケースがあります。

  • 🔎レントゲン検査で内部の状態を確認
  • 🧪必要に応じて神経の生死をチェック(電気診など)

⚠️**「変色=トラブルのサイン」**です。違和感がなくても、歯科での確認をおすすめします。

歯の外傷は「どの歯をぶつけたか」によって、治療方針やリスクが大きく異なります。ここでは、前歯・奥歯・乳歯・永久歯それぞれのケースに分けて解説します。

🟧前歯をぶつけた場合

前歯は外部からの衝撃を最も受けやすい部位で、歯冠破折(歯が欠ける・折れる)や脱臼が頻発します。
また、見た目にも大きく関わるため、審美的なケアも重要になります。

▶ 前歯をぶつけたときのリスク

  • 神経が損傷しやすく、変色や壊死につながる
  • 噛み合わせに支障が出る
  • 歯根破折や歯槽骨の損傷の可能性も

🦷早期に**神経の生死判定や、固定処置・美的補綴(レジン・ラミネートなど)**を検討します。

🟧奥歯をぶつけた場合

奥歯をぶつけるケースは比較的少ないものの、ぶつけた際には強い衝撃が加わっている可能性が高く、深刻化しやすいのが特徴です。

▶ 奥歯外傷での注意点

  • 根が複雑で折れやすい(歯根破折)
  • 噛む力が強いため症状が悪化しやすい
  • 見えづらく、異常の発見が遅れがち

🔍違和感が小さくてもレントゲン診査が必須です。抜歯リスクを避けるためにも早めの診察がカギです。

🟧乳歯をぶつけた子どものケース

乳歯外傷は、発育中の永久歯へ悪影響を及ぼす可能性があるため、特に慎重な対応が必要です。

▶ よくある症状

  • 歯がグラグラ・傾く
  • 出血や歯肉の腫れ
  • 変色(灰色、黄色など)

👶 見た目が大丈夫でも、骨の中で永久歯に傷がついていることも
歯科医院では必要に応じてレントゲンで永久歯の芽(歯胚)への影響を確認します。

🟧永久歯をぶつけたときの判断ポイント

永久歯は一生使う大切な歯です。初期対応の差が、歯の寿命に直結します。

▶ 永久歯をぶつけたらチェックすべきポイント

  • グラグラしていないか
  • 痛み・しみる感覚はあるか
  • 歯の色の変化があるか
  • 歯ぐきの腫れ・出血があるか

📌**「見た目は平気でも内部が壊れている」ことがよくあります。
特に中高生では
部活動や運動中の外傷**が多く、放置による神経壊死や根の吸収に注意が必要です。

「歯をぶつけたけど、大したことないかも…」「痛みもないし様子を見ようかな…」
そう思って放置してしまうと、あとで大きなトラブルに発展するケースも少なくありません。ここでは、歯科医院へ行くべきタイミングと経過観察のポイントをまとめました。

🟧すぐ歯医者へ行くべき症状とは?

次のような症状がある場合は、一刻も早く歯科医院を受診してください。

  • ❗歯がグラグラしている・ぐっと押すと沈む
  • ❗歯が折れている・欠けている
  • ❗歯の位置がずれている(飛び出している/沈んでいる)
  • ❗歯茎から出血が止まらない
  • ❗歯が抜け落ちてしまった
  • ❗強い痛みが続いている・噛めない
  • ❗顔が腫れてきた・熱が出た

🆘特に「歯が抜けた」場合は30分以内の処置で予後が変わるため、すぐに対応を!

🟧応急処置後の経過観察ポイント

応急処置を行っても、安心はできません。以下のような点に注意しながら、数日〜数週間にわたって観察しましょう。

✅ 経過観察でチェックすべきこと

  • 歯の色に変化はないか(灰色やピンクに変色していないか)
  • 冷たい物でしみる・噛んで痛むなどの感覚はあるか
  • 歯ぐきが腫れてきていないか
  • 膿が出てきていないか
  • 歯の揺れが悪化していないか

🔍これらの変化は神経の壊死や歯根破折の前兆である場合があります。
1〜2週間後の定期再診やレントゲンチェックが推奨されます。

🟧見た目に異常がない場合でも要注意なケース

「見た目も普通、痛みもない」そんな場合でも、内部では静かに異常が進行していることがあるため注意が必要です。

⚠️注意が必要な“隠れダメージ”の例

  • 歯根膜の損傷 → 数ヶ月後に根吸収が始まる
  • 神経が徐々に壊死 → 数年後に膿がたまる
  • 歯の打撲 → 神経がダメージを受けて変色する

📅ぶつけた当日は何も問題がなくても、1週間・1ヶ月後に違和感が出ることも多いです。
歯科での経過観察・定期フォローアップを忘れずに行いましょう。

歯をぶつけた場合、外見上は問題がなくても内部で深刻な損傷があることがあります。歯科医院ではまず精密な検査を行い、その状態に応じて適切な治療が行われます。ここでは、治療の流れをステップごとに解説します。

🟧診断(レントゲン・打診)

まず行うのが詳細な診断です。視診だけでは見えない損傷を確認するため、以下の検査を実施します。

  • 📸 レントゲン撮影:歯根や骨へのダメージ、亀裂、膿の有無を確認
  • 🔨 打診検査:歯を軽く叩いて響き方を調べ、神経や歯根の状態を判断
  • 電気診(電気歯髄診):神経が生きているかを調べる

🔍これらの検査により、歯を残せるか・神経が生きているかなどが判断されます。

🟧神経を残せるかどうかの判断

歯の神経(歯髄)が生きている場合と、すでに壊死している場合で治療内容は大きく異なります。

▶ 神経が生きている場合

  • 経過観察+固定処置で済むこともあります
  • 痛みや症状がなければ神経保存を優先

▶ 神経が死んでいる場合

  • **根管治療(神経の除去と消毒)**が必要
  • 症状や進行度により治療期間が異なります

⚠️早期に適切な判断を行うことで、歯の寿命が大きく変わります。

🟧破折・脱臼時の処置

歯の破折(折れ・欠け)や脱臼(抜けかけ・抜けた)に対しては、以下のような処置が行われます。

▶ 歯が欠けた・折れた場合

  • 欠けが小さければレジン(樹脂)で修復
  • 大きく折れた場合はクラウン(被せ物)や神経治療

▶ 歯がグラグラ・抜けかけている場合

  • スプリント固定(隣の歯と接着して動かないようにする)

🦷状態によっては保存できず、抜歯が必要になることもあるため早期処置がカギです。

🟧変色歯へのホワイトニング・被せ物治療

ぶつけた歯が時間の経過とともに黒ずんだり灰色に変色することがあります。これは神経が死んだことによる「失活歯変色」です。

▶ 対応方法

  • 神経の治療を行った上で、内部漂白(ウォーキングブリーチ)
  • 色が戻らない場合はセラミックやジルコニアクラウンによる審美修復

🌸見た目を重視する前歯などでは、特に審美性への配慮が大切です。

🟧歯の保存治療(歯の再植)

完全に歯が抜けてしまった場合、歯を保存液に浸してすぐに歯科医院に持ち込めば、再植できる可能性があります。

▶ 再植のポイント

  • 抜けてから30分以内が理想
  • 歯の根を触らず、牛乳や生理食塩水に保存
  • 歯科医院で元の位置に戻し、固定して経過観察

🦷早期対応で再植成功率は高まりますが、根の吸収や癒着(アンキローシス)などのリスクもあるため、専門的な判断が必要です。

🟧根管治療

歯をぶつけたのが大人で永久歯の場合には、神経が死んで変色した歯の歯髄を除去する根管治療が必要です。

根管治療を行っても黒く変色した歯は元の様に白くはなりません。変色した歯を白くしたければ、歯の中にホワイトニング剤を入れるウォーキングブリーチ法が有効です。

変色した歯をオールセラミックで治す

STEP

歯が変色

歯をぶつけて変色しています。歯茎にフィステルが出来ています。

歯が変色

STEP

根管治療

歯の死んだ神経を取り、根管内を消毒して根管治療が終了したレントゲン写真です。

根管治療

STEP

ファイバーコア

冠の土台となるファイバーコアをセメントで装着したところです。

ファイバーコア

STEP

オールセラミック

オールセラミックを装着して治療は終了です。根幹治療によってフィステルは消失しています。

審美的に満足できる治療結果となりました。

オールセラミック

小さな子どもは、転倒や衝突などで乳歯や永久歯をぶつけることがよくあります。一見大したことがないように見えても、将来の歯並びや発音に影響を及ぼすリスクもあるため、慎重な対応が必要です。

🟧乳歯をぶつけた際の家庭での対応

乳歯は永久歯に比べて小さく、根も短いため、意外と簡単にぐらついたり、折れたり、変色したりします

▶ 家庭でできる応急処置

  • 血が出ている場合は清潔なガーゼで圧迫止血
  • 腫れてきたら冷たいタオルや保冷剤で冷やす
  • グラグラしていても無理に抜いたり動かさない

📌見た目が変わっていなくても、歯の中や歯ぐきの中でダメージがある可能性があるため、念のため歯科医院を受診しましょう。

🟧将来の歯並びや発音への影響

乳歯の外傷は、その下に控えている永久歯の発育に影響を与える場合があります。

▶ 想定されるリスク

  • 永久歯の変色やエナメル質形成不全
  • 歯の位置異常(斜めに生える・埋伏する)
  • 噛み合わせや発音障害(サ行・タ行など)

特に前歯部の外傷は、見た目・発音・心理面に影響を及ぼすため、長期的なフォローが重要です。

🟧親ができること・してはいけないこと

子どもが歯をぶつけたとき、親御さんの初期対応がとても重要です。

✅ 親ができること

  • 落ち着いて、口の中を確認する
  • 出血を止め、冷やすなどの応急処置
  • なるべく当日中に歯科を受診
  • **ぶつけた状況(いつ・どこで・どんな風に)**を記録して伝える

❌ してはいけないこと

  • 抜けそうな歯を無理に引っ張る
  • 自己判断で「様子を見る」だけにする
  • 歯の位置を無理に戻そうとする

👨‍⚕️子どもの場合は、「様子見」ではなく、歯科医師の診断を必ず受けることが大切です。

🟥子供が歯をぶつけた後の歯茎の腫れと内出血:永久歯にどんな影響が?

4歳の子供が歯をぶつけて歯茎が腫れて青く内出血し、少し出血もしました。歯や歯茎が完治するのか心配です。永久歯に影響が出ないかも心配です。

5歳児が顔面を強打し歯茎が黒く変色

5歳児が顔面を強打し歯茎が黒く変色


5歳の子供が転倒して顔面を強打し、上顎の二本の乳歯及び歯茎を打撲しました。乳歯が少しぐらぐらし、歯茎からの出血が認められ亜脱臼(不完全脱臼)の状態です。

歯茎は内出血のため黒変しています。

僅かにずれた歯の位置を元に戻し、接着剤(スーパーボンド)で隣接歯に固定しました。

怪我をした歯茎は次亜塩素酸水で洗浄します。強い消毒液を使わないことが歯茎の治癒を早めるためには重要です。

同症例の乳歯根先端が折れたレントゲン写真

同症例の乳歯根先端が折れたレントゲン写真


赤丸の所、向かって右側の乳歯の歯根先端部に破折線が認められます。

打撲を負った二本の乳歯の歯根は、自然吸収が進み、あと半年ほどで自然脱落するものと予想されます。従って、根管治療は行わずに経過観察でよいと思います。

後続永久歯の歯胚は健全と思われ、正常に大人の歯に生え変わるものと予想されます。

歯槽骨骨折が起こるほどの強い衝撃が加わった場合、後続永久歯に影響を与え、エナメル質形成不全や歯の形の異常などの合併症が起こることがあります。

🟧子供が乳歯をぶつけて歯が変色する期間

乳歯をぶつけた直後は、乳歯がピンク色から赤黒く変色することがあります。これは歯髄が衝撃を受けたことで充血や内出血が起こったからです。特に歯髄活性の高い乳歯に起こりやすい変色です。この変色は歯髄の充血が納まれば自然に元の色に戻っていきます。

一方、打撲の程度が強い場合、痛みは1週間くらいで収まることが多いですが、神経が死んでしまうことが多く、乳歯は、数週間後~数ヶ月後に茶褐色に変色します。

🟧子供が乳歯をぶつけて歯茎が黒く変色

乳歯を強くぶつけると、その歯茎周辺が黒く変色することがあります。これは内出血なので、1週間ほどで自然治癒します。

🟧子供が前歯をぶつけた時の治療方針

▶子供の年齢に合わせて治療法を選択

1

3歳~4歳

3歳~4歳で歯をぶつけ神経が死んでしまうと根尖病巣が形成され痛みが起こることがあります。この年齢では治療に非協力的な子供が多く、根管治療を行うのが困難なことが多いため、抗生物質や痛み止めの処方で治療が出来る年齢まで先延ばしします。(病状を慢性化させる)

2

5歳

5歳くらいになると多くの子供が治療可能になるので死んだ神経を取る根管治療を行います。

3

6歳

6歳くらいで前歯(乳歯)は永久歯に生え変わるので、乳歯の歯根の吸収状態を見ながら治療をすべきか判断します。

歯の外傷は「その場だけの問題」と思われがちですが、数ヶ月〜数年後に現れる後遺症も存在します。ここでは、特に注意すべき3つのケースと、それぞれの対策について解説します。

🟧歯の神経が死んでしまった場合

ぶつけた歯に強い衝撃が加わると、神経(歯髄)が壊死することがあります。その場では症状がなくても、数日〜数週間後に変色や痛みが出ることも。

▶ よくある症状

  • 歯の色が灰色や黒っぽく変わってくる
  • 噛んだときにズキズキと痛む
  • 歯ぐきに膿の袋(フィステル)ができる

▶ 対策

  • 🦷 根管治療(神経を除去し、根の中を洗浄・消毒)
  • 🔍 レントゲンによる経過観察を数ヶ月単位で実施
  • 💡 神経が残せる可能性がある場合は、経過観察+生活歯髄療法も選択肢に

🟧歯が変色してしまった場合の審美的対応

神経が死んでしまった歯は、時間とともに色が黒ずんでくることがあります。前歯などの目立つ位置だと、**見た目が気になって笑えなくなる…**と悩まれる方も。

▶ 対応方法

  • 🎯 ウォーキングブリーチ(歯の内部から漂白)
  • 💎 変色が強い場合はセラミッククラウンやラミネートベニア
  • 🔄 周囲の歯との色調調整も大切

🌸「見た目の自然さ」を保つためには、審美歯科の知識を持つ歯科医師による対応が望まれます。

🟧数年後に痛みが出る「遅発性の影響」

歯をぶつけたときに見た目や感覚に問題がなかった場合でも、数年後に突然痛みや腫れが現れるケースがあります。これは「遅発性の神経壊死」や「根尖病変(根の先に膿)」が原因です。

▶ よくある遅発性トラブル

  • 数年後に突然の激痛
  • 歯ぐきに白い膿の袋ができる
  • 再び歯がグラグラしてくる

▶ 対策

  • 定期的なレントゲン検査と歯髄診断
  • 必要に応じて再根管治療や外科的処置(歯根端切除)

📝外傷歴のある歯は、定期的に歯科医院でチェックすることが将来的なトラブル予防につながります。

歯をぶつけた経験がないと、どう対処すればいいのか迷うものです。ここでは、患者さんや保護者の方からよく寄せられる質問にQ&A形式でお答えします。

🟧保険で治療できるの?

はい、多くのケースで保険適用されます。

以下のような処置は健康保険の範囲内で受けられます

  • 応急処置(止血・固定など)
  • レントゲン・診断
  • 根管治療(神経処置)
  • 欠けた歯の修復(レジン充填)

💡ただし、セラミックなど審美性を重視した治療や、**特別な漂白処置(ウォーキングブリーチ)**などは保険適用外になることがあります。

🟧学校や保育園でのケガはどう対応すれば?

まずは歯科医院を受診し、診断書をもらいましょう。

学校や保育園で歯をぶつけた場合、**日本スポーツ振興センター災害共済給付制度(※)**や、学校・園の傷害保険で治療費が補償されることがあります。

▶ 手続きに必要なもの

  • 歯科での診断書
  • 治療費の領収書
  • 事故発生状況の記録

📝まずは園や学校に相談し、手続き方法を確認しておくと安心です。

※制度の詳細は自治体や各施設により異なります。

歯をぶつけたとき、見た目に変化がなくても内部で深刻なダメージが起きている可能性があります。歯の寿命を守るために重要なのは、**「早めの判断」と「正しい行動」**です。

🟧早期対応が将来の歯を守るカギ!

  • 「大したことない」と自己判断して放置することで、
     👉 神経が死んでしまう
     👉 歯が変色して見た目が悪くなる
     👉 数年後に膿がたまるなどのトラブルが起きる
    こうした長期的なリスクにつながることがあります。

📌とくに、お子さまの乳歯・永久歯の外傷は将来の歯並びや発音にも影響する可能性があるため、慎重な対応が必要です。

🟧まずは歯科医院での適切な診断を

歯科医院では、以下のような専門的な診断と処置が行われます:

  • レントゲンや打診による内部の状態チェック
  • 応急処置(固定・止血・再植など)
  • 神経や歯の保存の可否判断
  • 変色や破折に対する審美的なケア

🦷「早めに相談しておけばよかった」と後悔しないためにも、違和感がある・迷った時点で歯科を受診することが大切です。

📝さいごに

歯の外傷は、正しい応急処置と迅速な対応が何よりも大切です。
「痛くないから大丈夫」と思わずに、一度専門家に診てもらうことがあなたの歯を守る最善策です。

🏥 江戸川区篠崎で歯をぶつけたら、すぐに当院へご相談ください!

転倒や衝突などで「歯をぶつけた」「グラグラしている」「変色してきた」と感じたら、見た目に異常がなくても要注意。神経や歯の根が損傷している可能性があります。
江戸川区篠崎の当歯科では、急な歯の外傷にも即日対応。レントゲン・神経診断から審美治療まで一貫してサポートいたします。
**お子さまのケガもお任せください!**土曜・日曜診療ありで安心です。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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