前歯の打撲で歯が変色

  • 前歯を強くぶつけると痛みは1週間程で治まりますが、歯の神経は死に数ヶ月~数年後に歯は変色してきます。

前歯を打撲した後の歯の変色、その原因と対処法

 歯をぶつけて1か月後に歯が黒ずんできた!

1か月前、歯をぶつけて痛みがあり歯医者でレントゲン検査したところ、折れていないしヒビも入っていないと診断されました。しかし、徐々に歯が黒ずんできています。数ヶ月すれば自然に白くなりますか?

歯を打撲すると歯の神経が死ぬ

歯を強くぶつけると歯の神経が死んでしまうことがあります。軽くぶつけた程度で、軽い違和感や凍みるなどの症状が数日間続くくらいなら自然治癒します。

打撲の程度が強く、咬合痛やズキズキする自発痛などが数日間続くようなら歯の神経が死んでしまっている可能性が高まります。

歯の神経が死んでしまっても、歯髄に細菌感染がなければ自覚症状はなく数ヶ月~数年経過することがあります。

歯の神経が死ぬと歯は変色

左上顎1番を打撲して変色

上顎1番を打撲して変色


前歯を打撲してから1年以上かけて徐々に変色してきました。

歯の裏に穴を開け、死んだ神経を取る根管治療を行ないました。

右上顎1番を打撲して変色

上顎1番を打撲して変色


前歯を打撲してから数年経過して黒く変色しました。レントゲン写真を撮ると歯根嚢胞は出来ていませんでしたが、死んだ神経を取る処置を行いました。

歯を強くぶつけて変色する期間

永久歯の前歯を強くぶつけた場合、痛みは1週間くらいで収まることが多いです。しかし、歯の神経に強いダメージが加わった場合、気づかぬうちに神経が死んでしまいます。

歯の神経が死んだ場合、数ヶ月~数年後に歯の変色が起こります。同時に根尖病巣(歯茎に膿が溜まる歯根嚢胞)が出来ることがあります。

従って、歯を強くぶつけた場合、定期的な根尖病巣のチェックが必要となります。

歯の神経の生死の診断

歯の変色が現れたら確実に神経が死んでいると判断出来ます。また、歯科医院においては歯髄診断を行うことで神経の生死を診断出来ます。神経が死んでいる場合には、神経を抜く根管治療が必要となります。

死んだ神経の治療法

根管治療

歯をぶつけたのが大人で永久歯の場合には、神経が死んで変色した歯の歯髄を除去する根管治療が必要です。

根管治療を行っても黒く変色した歯は元の様に白くはなりません。変色した歯を白くしたければ、歯の中にホワイトニング剤を入れるウォーキングブリーチ法が有効です。

変色した歯をオールセラミックで治す

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歯が変色

歯をぶつけて変色しています。歯茎にフィステルが出来ています。

歯が変色

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根管治療

歯の死んだ神経を取り、根管内を消毒して根管治療が終了したレントゲン写真です。

根管治療

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ファイバーコア

冠の土台となるファイバーコアをセメントで装着したところです。

ファイバーコア

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オールセラミック

オールセラミックを装着して治療は終了です。根幹治療によってフィステルは消失しています。

審美的に満足できる治療結果となりました。

オールセラミック

子供が歯をぶつけた後の歯茎の腫れと内出血:永久歯にどんな影響が?

 4歳の子供が歯をぶつけて歯茎が腫れて内出血、永久歯に影響は

4歳の子供が歯をぶつけて歯茎が腫れて青く内出血し、少し出血もしました。歯や歯茎が完治するのか心配です。永久歯に影響が出ないかも心配です。

5歳児が顔面を強打し歯茎が黒く変色

5歳児が顔面を強打し歯茎が黒く変色


5歳の子供が転倒して顔面を強打し、上顎の二本の乳歯及び歯茎を打撲しました。乳歯が少しぐらぐらし、歯茎からの出血が認められ亜脱臼(不完全脱臼)の状態です。

歯茎は内出血のため黒変しています。

僅かにずれた歯の位置を元に戻し、接着剤(スーパーボンド)で隣接歯に固定しました。

怪我をした歯茎は次亜塩素酸水で洗浄します。強い消毒液を使わないことが歯茎の治癒を早めるためには重要です。

同症例の乳歯根先端が折れたレントゲン写真

同症例の乳歯根先端が折れたレントゲン写真


赤丸の所、向かって右側の乳歯の歯根先端部に破折線が認められます。

打撲を負った二本の乳歯の歯根は、自然吸収が進み、あと半年ほどで自然脱落するものと予想されます。従って、根管治療は行わずに経過観察でよいと思います。

後続永久歯の歯胚は健全と思われ、正常に大人の歯に生え変わるものと予想されます。

歯槽骨骨折が起こるほどの強い衝撃が加わった場合、後続永久歯に影響を与え、エナメル質形成不全や歯の形の異常などの合併症が起こることがあります。

子供が乳歯をぶつけて歯が変色する期間

乳歯をぶつけた直後は、乳歯がピンク色から赤黒く変色することがあります。これは歯髄が衝撃を受けたことで充血や内出血が起こったからです。特に歯髄活性の高い乳歯に起こりやすい変色です。この変色は歯髄の充血が納まれば自然に元の色に戻っていきます。

一方、打撲の程度が強い場合、痛みは1週間くらいで収まることが多いですが、神経が死んでしまうことが多く、乳歯は、数週間後~数ヶ月後に茶褐色に変色します。

子供が乳歯をぶつけて歯茎が黒く変色

乳歯を強くぶつけると、その歯茎周辺が黒く変色することがあります。これは内出血なので、1週間ほどで自然治癒します。

子供が前歯をぶつけた時の治療方針

子供の年齢に合わせて治療法を選択

1

3歳~4歳

3歳~4歳で歯をぶつけ神経が死んでしまうと根尖病巣が形成され痛みが起こることがあります。この年齢では治療に非協力的な子供が多く、根管治療を行うのが困難なことが多いため、抗生物質や痛み止めの処方で治療が出来る年齢まで先延ばしします。(病状を慢性化させる)

2

5歳

5歳くらいになると多くの子供が治療可能になるので死んだ神経を取る根管治療を行います。

3

6歳

6歳くらいで前歯(乳歯)は永久歯に生え変わるので、乳歯の歯根の吸収状態を見ながら治療をすべきか判断します。

当院では歯科口腔外科分野の処置を、適切な検査・診断の元に実施しております。できる限り痛みやリスクを抑えた施術を心がけ、術後のケアまでしっかり実施致します。江戸川区篠崎にて、前歯をぶつけるなど外傷の治療をご希望の方は、ふかさわ歯科クリニック篠崎までお気軽にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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