「食べ物が喉につかえる」「飲み込むとむせる」――そんな症状はありませんか?
喉に食べ物が詰まる原因には、早食いや加齢だけでなく、口や舌、飲み込む力の低下が関係していることがあります。特に高齢者では「口腔機能低下症」、子どもでは「口腔機能発達不全症」が背景にある場合もあり、誤嚥や窒息事故につながる危険性もあります。

この記事では、喉に食べ物が詰まる主な原因、注意したい食べ物、応急処置、予防法について歯科的視点からわかりやすく解説します。

喉に食べ物が詰まる主な原因

早食い・丸飲み

よく噛まずに飲み込むと、食べ物が十分に細かくならず、喉に詰まりやすくなります。急いで食べる習慣がある方は特に注意が必要です。

口の乾燥(ドライマウス)

唾液には食べ物をまとめて飲み込みやすくする役割があります。加齢や薬の副作用、水分不足などで口が乾燥すると、食べ物が喉へスムーズに流れにくくなります。

姿勢の悪さ

背中が丸まった状態や寝転んだ姿勢で食事をすると、食べ物が気道へ入りやすくなり、誤嚥や窒息のリスクが高まります。

加齢に伴い、噛む力や舌の動き、唾液分泌量は徐々に低下します。その結果、食べ物を十分に噛み砕けず、喉へ送り込む動作も弱くなります。

さらに、飲み込みに関わる筋肉(嚥下筋)の衰えにより、誤嚥や窒息を起こしやすくなります。入れ歯が合っていない場合や、歯の本数が少ない場合も、咀嚼機能の低下につながります。

高齢者にみられる口腔内の特徴

  • 舌苔の増加
  • 口腔清掃状態の悪化
  • プラークの沈着
  • 残根や咀嚼能力の低下
  • 唾液分泌量の減少

これらは口腔機能低下症のサインとなることがあります。

子どもは口や舌の機能が発達途中であり、十分に噛まずに飲み込んでしまうことがあります。特に幼児では、「口いっぱいに食べる」「急いで飲み込む」といった行動により、喉詰まり事故が起こりやすくなります。

また、舌や頬の筋肉が未熟な場合、食べ物をうまくコントロールできず、丸飲みの原因になることがあります。

高齢者が注意したい食材

  • 餅・団子
  • パン類
  • 肉類
  • こんにゃく
  • 海苔

子どもが注意したい食材

  • ピーナッツ
  • ぶどう
  • ミニトマト
  • ウインナー

共通して危険性が高い特徴

  • 粘りが強い
  • 硬い
  • 丸い形状
  • 水分が少なくパサつく

以下の症状がある場合は、窒息の可能性があります。

  • 強い咳込み
  • 声が出ない
  • 呼吸が苦しい
  • 顔色が青白い
  • 意識がぼんやりする

窒息は短時間で命に関わるため、迅速な対応が必要です。

背部叩打法

背中を強く叩いて異物を排出させる方法です。特に乳幼児や子どもに有効とされています。

ハイムリック法(腹部突き上げ法)

腹部を圧迫し、空気の力で異物を押し出す方法です。成人に対して行います。

救急要請

呼吸ができない、反応がない場合は、直ちに119番通報を行ってください。

  • 食材を小さく切る
  • 一口量を減らす
  • よく噛んで食べる
  • 水分を一緒に摂る
  • 食事中は正しい姿勢を保つ
  • 硬い食材は柔らかく調理する

日常の小さな工夫が、窒息事故の予防につながります。

高齢者の場合

口腔機能低下症によって、噛む・飲み込む機能が低下し、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。

子どもの場合

口腔機能発達不全症では、咀嚼や舌運動の未熟さから、丸飲みや偏食につながることがあります。

このように、喉詰まりの背景には「口腔機能」の問題が深く関係しています。

歯科では、喉詰まりや飲み込みに関する問題に対して、さまざまなサポートを行っています。

  • 口腔機能検査
  • 嚥下機能評価
  • 嚥下リハビリテーション
  • 入れ歯や噛み合わせの調整
  • 子どもの咀嚼トレーニング
  • 専門的な口腔ケア

「食べにくい」「飲み込みづらい」「むせやすい」と感じる場合は、早めに歯科や医療機関へ相談することが大切です。

関連記事

一般歯科・保険診療
口腔機能低下症とは?症状・検査・治療・予防法
口腔機能低下症とは?症状・検査・治療・予防法
小児歯科
口腔機能発達不全症とは?子どもの症状・原因とMFTによる治療
口腔機能発達不全症とは?子どもの症状・原因とMFTによる治療
歯科口腔外科
ドライマウス(口腔乾燥症)
ドライマウス(口腔乾燥症)とは? 〜放置すると怖い現代病〜

食べこぼしが増えた、硬いものが噛みにくい、食事中によくむせるなどの変化には、噛む力や舌の動き、唾液、入れ歯・噛み合わせなど、お口の機能が関係していることがあります。

当歯科では、お口の状態や機能を確認し、一人ひとりに合わせたケアやトレーニング、入れ歯・噛み合わせの調整などを行います。必要に応じて医科や専門医療機関との連携も検討します。

「年齢のせい」と決めつけず、気になる変化が続く場合は一度ご相談ください。

【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

Follow me!