歯肉炎とは

歯肉炎が進行し歯周病へ

歯周病の進行度により初期のものを「歯肉炎」、進行したものを「歯周病」と呼び分類しています。

歯肉炎はほとんど自覚症状がありません。しかし、サインは少しだけあります。例えば、家族から口臭を指摘されたり朝起きた時に口の中がネバネバするなどです。

歯と歯の間の歯茎がぷくっと丸く膨れたりペロンとめくれる等、鏡を見る事で確認出来ることもあります。

歯肉炎は歯磨きが上手に出来ない小学校高学年の子供時代から発症が見られます。また、矯正器具が邪魔して歯磨きが十分に出来ない中学生や高校生にもよく見られます。

歯肉炎の状態なら完全に元通りの治癒させることができます。

歯肉炎の模式図

歯肉炎の模式図

歯周病の初期状態で歯肉部にのみ炎症症状が認められるものを「歯肉炎」と言います。
歯肉炎の特徴は、歯茎が発赤・腫脹して歯肉溝が深くなり仮性ポケットが形成されます。正常な歯周ポケットの深さは2mm 程ですが、仮性ポケットでは4mm に及ぶこともあります。

歯周病の模式図

歯周病の模式図

歯肉炎が進行すると歯周ポケットは深くなり歯周病菌が歯周ポケット深部まで入って増殖します。
歯槽骨やセメント質まで炎症が広がったものを歯周病といます。歯周病では歯槽骨の破壊や吸収も起こし、歯茎の炎症が起こって出血し易い状態になります。

歯肉炎の症状

歯茎の腫れや出血

歯周病の初期症状は、写真の様に歯茎の発赤、腫れ、出血として始まります。痛みは殆ど無く、歯磨きをした時の出血として自覚します。

もし、眠れないほどの強い痛みが数日続くようなら、歯肉炎の可能性は低いと言えます。

歯垢(プラーク)の歯面への付着により、歯肉溝の細菌が増殖する不潔性歯肉炎が最も一般的です。

歯周ポケットが3mm以内か仮性ポケットが出来ている場合には4mm以上になることもあります。炎症は歯肉に限局して歯槽骨の破壊は起こっていません。

口臭

歯肉炎が起こっているということは嫌気性菌が沢山増殖していることを意味します。口臭の原因は嫌気性菌が作り出すガス・揮発性硫黄化合物(VSC)です。

歯のグラグラはない

歯肉炎の状態では歯周病特有の歯がグラグラするという症状は起こりません。歯周病が「静かに進行する病気」と言われるのも自覚症状がほとんど無いからです。

歯肉炎を放置すると、歯周病へと進行していきます。

歯肉炎のレントゲン写真

歯肉炎では歯槽骨の破壊はない

歯肉炎のレントゲン写真です。歯根を支える歯周組織(骨)の状態は正常です。歯周病菌の進入が歯肉部で止まっているからです。

この状態で進行を食い止める必要があります。一旦骨が溶けると、歯周外科を行い歯周組織再生療法のリグロスを併用した治療をしない限り骨は元に戻らないからです。

よく磨けているかの判断は自分では難しいものです。1度、磨き残しをチェックする染め出し液を使用することをお薦めします。

歯肉炎のレントゲン写真

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、患者様の大切な歯を1本でも延命するため、軽度歯周病から重度歯周病に至るまで様々な対策を行い、歯周病予防をはじめ、早期発見・早期治療で症状の改善・維持を行い、抜歯回避に努めております。

江戸川区篠崎で歯肉炎と歯周病予防・治療をご希望の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談下さい。

【動画】自宅で実践|歯肉炎の治し方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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