
🦷全身麻酔を受ける手術と、お口の中の状態が関係していることをご存知ですか?
実は、手術時の全身麻酔中に行われる「気管挿管」の際、口腔内の細菌が気管や肺に入り込み、誤嚥性肺炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
そこで重要になるのが「周術期口腔管理」と呼ばれる、手術前後の専門的な口腔ケアです。この記事では、なぜお口の清潔が全身の健康につながるのか、そしてどのようなケアが推奨されているのかをわかりやすく解説します。
🎞️35秒 全身麻酔手術と口腔ケアの重要性とは?
全身麻酔時に口腔内の清潔が重要な理由と対策


🦷全身麻酔とお口の意外な関係
- 口腔内と全身麻酔のつながりとは?
全身麻酔時には、呼吸確保のために「気管挿管」が行われます。口腔内が不衛生なままだと、細菌が気管内に押し込まれて肺炎などの重篤な合併症の原因になることがあります。 - 手術前後に口腔ケアが重要な理由
手術に伴い免疫力が一時的に低下するため、口の中の細菌が全身に影響を及ぼすリスクが高まります。これを防ぐためにも、口腔内の清潔を保つことが大切です。
🏥周術期口腔管理とは?
- 周術期に行う口腔ケアの定義
「周術期口腔管理」とは、手術の前後に歯科医師や歯科衛生士が口腔ケアを行い、合併症のリスクを減らす取り組みです。 - 統計で明らかになったケアの効果
手術前後にしっかりと口腔ケアを受けている患者は、合併症の発症率や病気の再発率が明らかに低いことが報告されています。
⏰手術が決まったら早めの歯科受診を!

- できるだけ早く歯科へ行く理由
手術日が決まったら、できる限り早く歯科医院を受診しましょう。口腔内の環境を整えることで、手術時の合併症リスクを下げることができます。 - 歯周病がある場合の注意点
歯石や歯垢が溜まって歯茎に炎症がある状態は、細菌の温床となります。こうした状態では手術中や術後に感染症などの合併症を引き起こす可能性が高まります。
🦷歯周病治療には時間がかかる
- 最短でも1ヶ月の治療期間
歯周病の進行度によって治療期間は異なりますが、最も軽度な場合でも約1ヶ月は必要です。手術日までに治療を完了させるには、早めの準備が欠かせません。 - 放置すると手術リスクが増大
歯周病が未治療のまま手術に臨むと、口腔内の細菌が血流に乗って全身に影響を及ぼす可能性があり、合併症リスクが高まると考えられます。
⚠️手術前の注意
手術前の口腔ケア
全身麻酔当日は絶食になるため口腔内細菌が増殖します。そのため、口腔ケアは念入りに行う必要があります。しっかり歯磨きをすることが好ましいのですが、うまく出来ない方は歯磨き粉は付けずに歯ブラシで歯茎を刺激するだけでも唾液分泌が促進され、口腔環境は良好になります。
特に、口腔内が清潔でないと呼吸器外科(肺がんの手術など)では気管挿管により細菌が気管内押し込まれやすく合併症のリスクが上がります。
歯周病で歯に動揺がある方へ
気管挿管時に動揺歯が抜けてしまう恐れがあります。当院では手術前に動揺歯を保護するマウスピース(マウスプロテクター)を保険(病名:挿管時口腔内装置必要状態)でお作りすることが出来ます。ご相談ください。また、前歯にインプラントやセラミッククラウンなどの人工歯が入っている方も、欠ける事もありますので、マウスプロテクターの作成をお薦めします。
入れ歯安定剤を使用している方へ
手術前の食事では入れ歯安定剤の使用を控えてください。気管挿管時に入れ歯安定剤を気管内に押し込んでしまうリスクがあるためです。
⚠️手術後の注意
特に、消化器系の手術では、術後の食事が口から摂取できるまで数日かかるため、口腔内の細菌が増殖しやすくなります。術後合併症を起こさないために入院中の絶食期間中・経管栄養中は前述の方法で口腔粘膜刺激を行い唾液の分泌を促してください。
江戸川区篠崎で周術期の歯周病管理をご希望の方へ

当院では、患者様の大切な歯を1本でも延命するため、軽度歯周病から重度歯周病に至るまで様々な対策を行い、歯周病予防をはじめ、早期発見・早期治療で症状の改善・維持を行い、抜歯回避に努めております。
江戸川区篠崎で全身麻酔をかけて手術を予定している方で歯周病治療をご希望の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談下さい。