- 1. デブライドメントとは?
- 1.1. なぜデブライドメントが必要なのでしょうか?
- 2. デブライドメントが必要になる症状
- 3. デブライドメントで行う治療
- 3.1. スケーリング
- 3.2. ルートプレーニング(SRP)
- 3.3. エアフローによるバイオフィルム除去
- 3.4. 歯周ポケット内の洗浄
- 4. デブライドメントは痛いのでしょうか?
- 5. 治療後に歯が長くなったように感じる理由
- 6. デブライドメントだけでは歯周病は治りません
- 7. 当院のデブライドメント
- 7.1. 実際の治療例とレントゲン所見
- 7.1.1. レントゲンで骨吸収の進行を確認
- 7.1.2. 歯周ポケットが深いほどバイオフィルムは増えやすい
- 7.2. スプラソンP-MAX2によるデブライドメント
- 7.3. デブライドメントによる変化
- 8. よくある質問
- 8.1. デブライドメントと歯石取りは同じですか?
- 8.2. 保険診療で受けられますか?
- 8.3. 何回くらい通院しますか?
- 8.4. 治療後に食事はできますか?
- 9. まとめ
- 9.1. 関連記事
- 10. 「歯ぐきが腫れる」「血が出る」と感じたら 一人で悩まずご相談ください
- 11. 【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
- 12. 筆者・院長
- 12.1. 深沢 一
- 12.1.1. メッセージ

「歯石取りだけでは治らないと言われた…」
「デブライドメントという治療を勧められたけれど、何をするの?」
「歯周病の治療は何度も通院しなければならないの?」
このような疑問をお持ちではありませんか。
歯周病は、歯ぐきだけの病気ではなく、歯を支える骨が少しずつ失われていく感染症です。その原因となるのが、歯や歯周ポケットの中に付着した**バイオフィルム(細菌のかたまり)**です。
**デブライドメント(Debridement)**とは、この感染源を徹底的に取り除き、歯周病の進行を抑えるために行う基本的な治療です。
本記事では、デブライドメントとはどのような治療なのか、必要になる症状や治療の流れ、痛みの有無、治療後の注意点まで分かりやすく解説します。
デブライドメントとは?

デブライドメントとは、歯や歯ぐきの周囲に付着した歯垢(プラーク)・歯石・バイオフィルム・感染した組織などを取り除き、お口の中を健康な状態へ導く処置です。
「Debridement」は英語で感染源や不要な組織を除去することを意味し、医科でも外科や創傷治療などで広く用いられています。
歯科では特に歯周病治療の基本となる処置であり、炎症の原因を物理的に取り除くことを目的としています。
なぜデブライドメントが必要なのでしょうか?

歯周病は細菌感染によって起こります。
毎日の歯みがきが不十分になると、歯の表面には細菌が集まり、粘着性の高いバイオフィルムが形成されます。
このバイオフィルムは、
- 歯ブラシでは完全に除去できない
- うがい薬だけでは効果が及びにくい
- 抗菌薬だけでは十分に改善しない
という特徴があります。
さらに時間が経つと歯石へと変化し、その表面には再び細菌が付着して炎症を繰り返します。
そのため歯周病を改善するためには、感染源そのものを物理的に取り除くデブライドメントが欠かせません。
デブライドメントが必要になる症状

次のような症状がある場合は、歯周病が進行している可能性があります。
- 歯ぐきから出血する
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 口臭が気になる
- 歯石が多く付着している
- 歯が浮いたように感じる
- 歯がグラグラする
- 噛むと違和感がある
- 歯周ポケットが深いと指摘された
これらの症状を放置すると、歯を支える歯槽骨が徐々に失われ、最終的には歯を失う原因となることがあります。
デブライドメントで行う治療

スケーリング
スケーリングは、歯の表面や歯ぐきより上に付着した歯石やプラークを除去する処置です。
超音波スケーラーや手用スケーラーを使用し、細菌が付着する足場を取り除きます。
ルートプレーニング(SRP)
歯周ポケットの内部にある歯石や細菌、汚染された根面を丁寧に除去します。
根面を滑らかに整えることで、細菌が再び付着しにくい環境を作ります。
歯周ポケットが深い場合には、局所麻酔を併用して行うこともあります。
エアフローによるバイオフィルム除去
近年では、微細なパウダーと水を噴射するエアフローを用いて、歯の表面や歯周ポケット内のバイオフィルムを効率よく除去する方法も広く行われています。
歯や歯ぐきへの負担が少なく、歯石になる前の細菌を除去できるため、再発予防にも役立ちます。
歯周ポケット内の洗浄
必要に応じて歯周ポケット内を洗浄し、細菌数を減らします。
患者さんの症状や歯周病の進行度に応じて、最適な方法が選択されます。
デブライドメントは痛いのでしょうか?

治療中の痛みは、炎症の程度によって異なります。
炎症が強い歯ぐきでは刺激を感じやすくなりますが、必要に応じて局所麻酔を使用するため、多くの方は大きな痛みなく治療を受けられます。
治療後には、
- 軽い知覚過敏
- 少量の出血
- 軽い違和感
などがみられることがありますが、多くは数日以内に落ち着きます。
治療後に歯が長くなったように感じる理由
デブライドメント後、「歯が長くなった」「隙間が広くなった」と感じることがあります。
これは歯が削られたためではありません。
歯周病によって腫れていた歯ぐきの炎症が改善し、本来の位置まで引き締まったことで、これまで隠れていた歯の部分が見えるようになるためです。
炎症が改善した証拠の一つであり、多くの場合は心配ありません。
デブライドメントだけでは歯周病は治りません

デブライドメントによって細菌を減らすことはできますが、それだけで歯周病が再発しなくなるわけではありません。
治療後は、
- 毎日の丁寧な歯みがき
- 歯間ブラシやデンタルフロスの使用
- 定期的な歯科検診
- プロフェッショナルクリーニング
を継続することが大切です。
歯周病は慢性疾患であるため、継続的な管理によって健康な状態を維持することが重要です。
当院のデブライドメント

当院では、お口の状態を詳しく検査したうえで、一人ひとりに適した歯周病治療をご提案しています。
歯周ポケットの深さや出血の有無、レントゲン検査による骨の状態を総合的に評価し、必要に応じて、
- 超音波スケーラー
- 手用スケーラー
- エアフロー
- 歯周ポケット内のバイオフィルム除去
などを組み合わせ、できるだけ歯や歯ぐきへの負担を抑えながら治療を行います。
治療後も定期的なメインテナンスを継続することで、歯周病の再発予防と健康な口腔環境の維持を目指します。
実際の治療例とレントゲン所見
レントゲンで骨吸収の進行を確認

歯周病は歯ぐきだけでなく、歯を支える歯槽骨にも影響を及ぼします。そのため、デブライドメントを行う際には、レントゲン検査で骨吸収の程度を確認し、治療計画を立てることが重要です。
実際の症例では、第2小臼歯近くで歯槽骨の吸収が認められ、歯ぐきの見た目だけでは分からない歯周病の進行を把握することができました。
歯周ポケットが深いほどバイオフィルムは増えやすい
歯周ポケットが深くなると、歯ブラシや一般的なクリーニングでは細菌のかたまり(バイオフィルム)まで届きにくくなります。特に5mm以上の歯周ポケットでは、病原性の高い細菌が増殖しやすいと考えられています。
スプラソンP-MAX2によるデブライドメント

デブライドメントでは、スプラソンP-MAX2やエアフローなどの専用機器を使用し、歯周ポケット内部の歯石やバイオフィルムを丁寧に除去します。
さらに、レントゲン検査と歯周ポケット検査(プロービング)を組み合わせることで、歯周病の進行度や治療効果を客観的に評価し、適切なメンテナンスにつなげています。
デブライドメントによる変化

よくある質問
デブライドメントと歯石取りは同じですか?
歯石取り(スケーリング)はデブライドメントの一部です。デブライドメントには、歯石だけでなく、バイオフィルムや感染した組織の除去、根面の清掃なども含まれます。
保険診療で受けられますか?
歯周病と診断され、必要と判断された場合には、保険診療で行われることが一般的です。詳しくは歯科医院へご相談ください。
何回くらい通院しますか?
歯周病の進行度によって異なります。軽度であれば数回、重度の場合は複数回に分けて治療を行うことがあります。
治療後に食事はできますか?
麻酔を使用した場合は、感覚が戻ってから食事をするようにしましょう。麻酔を使用していない場合は、刺激の少ない食事であれば通常どおり可能です。
まとめ
デブライドメントは、歯周病の原因となる歯石やバイオフィルム、細菌を除去し、お口の健康を取り戻すための重要な治療です。
歯周病は初期には自覚症状が少なく、気付かないうちに進行することがあります。
歯ぐきから血が出る、口臭が気になる、歯ぐきが腫れているなどの症状がある場合は、早めに歯科医院で検査を受けることが大切です。
適切なデブライドメントと継続的なメインテナンスを行うことで、大切な歯を長く守ることにつながります。
関連記事
「歯ぐきが腫れる」「血が出る」と感じたら 一人で悩まずご相談ください

歯周病は初期には痛みが少ないため、気付かないうちに進行することがあります。当院では、歯周ポケットの深さや歯槽骨の状態を詳しく検査し、お一人おひとりに合わせたデブライドメントや歯周病治療をご提案しています。
歯ぐきの出血や腫れ、口臭など気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。








