- 1. 歯周ポケットとは?
- 1.1. 歯周ポケットの深さの目安
- 2. 年齢とともに歯周病のある人は増える?
- 2.1. 20代でも歯周病には注意が必要
- 2.2. 30〜40代は歯周病のチェックを
- 2.3. 50代以降は歯を支える骨にも注意
- 2.4. 20代
- 2.5. 30代
- 2.6. 40代
- 2.7. 50代
- 2.8. 60代以降
- 3. 歯周ポケットはどのように測定する?
- 3.1. プロービング検査
- 3.2. プロービング時の出血も確認する
- 4. 歯周ポケットが深いとどうなる?
- 5. 深い歯周ポケットは歯磨きだけで治せる?
- 6. 歯槽骨が減ってしまったら元に戻らない?
- 7. 歯のグラつきも歯周病の重要なサイン
- 7.1. Millerの動揺度分類
- 8. 歯周ポケットを深くしないためには?
- 9. まとめ|歯周ポケットは歯周病を知る重要なサイン
- 9.1. 関連記事
- 10. 歯周ポケットが深いと言われた方へ
- 11. 歯周ポケットの平均値を動画で見る
- 12. 筆者・院長
- 12.1. 深沢 一
- 12.1.1. メッセージ

「歯周ポケットが4mmあると言われたけれど、歯周病なの?」「何mmから注意が必要?」
歯科医院で歯周病の検査を受けた際、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
歯周ポケットは、歯周病の状態を調べるための重要な指標の一つです。ただし、歯周病の進行度はポケットの深さだけで決まるわけではありません。
この記事では、歯周ポケットとは何か、深さの目安、検査方法、深くなると起こりやすい症状についてわかりやすく解説します。
歯周ポケットとは?

歯と歯ぐきの境目には、「歯肉溝」と呼ばれる浅い溝があります。
歯垢(プラーク)に含まれる細菌によって歯ぐきに炎症が起こり、歯周組織が破壊されてこの溝が深くなった状態を、一般に歯周ポケットと呼びます。
歯周ポケットが深くなると、内部に歯垢や歯石がたまりやすくなり、ご自宅での歯磨きだけでは清掃が難しくなります。
そのため、歯周病の診断では歯周ポケットの深さを測定し、出血や歯の動揺、歯槽骨の状態などとあわせて評価します。
歯周ポケットの深さの目安
一般的には、次のような数値を一つの目安として評価します。
- 1〜3mm程度:健康な歯ぐきでもみられる範囲
- 4mm以上:歯周病の可能性を考えて詳しく評価する
- 6mm以上:進行した歯周炎でみられることがある
- 10mm前後の深いポケット:歯周組織が大きく破壊されている可能性がある
ただし、「4mmだから軽度」「6mmだから重度」と、ポケットの深さだけで歯周病の重症度を決めることはできません。
歯周病の診断では、プロービング時の出血、歯槽骨の吸収量、歯の動揺、歯を失った本数など、複数の情報を総合的に判断します。
年齢とともに歯周病のある人は増える?

歯周病は若い世代にもみられますが、一般的には年齢が高くなるにつれて、深い歯周ポケットを持つ人が増える傾向があります。
ただし、これは**「加齢によって必ず歯周ポケットが深くなる」という意味ではありません。**
歯周病は、歯垢(プラーク)中の細菌を主な原因として発症・進行する病気です。長年にわたる炎症の蓄積や喫煙、全身状態、セルフケアの状況など、さまざまな要因が関係します。
20代でも歯周病には注意が必要
若い年代では重度の歯周病は比較的少ないものの、歯ぐきの炎症や4mm以上の歯周ポケットが認められることがあります。
「若いから歯周病にはならない」と考えず、歯ぐきから出血する場合などは注意が必要です。
30〜40代は歯周病のチェックを
30〜40代になると、歯周ポケットが深くなったり、歯を支える歯槽骨に変化がみられたりするケースが増えてきます。
歯周病は初期から中等度の段階では痛みがほとんどないことも多いため、本人が気づかないまま進行することがあります。
50代以降は歯を支える骨にも注意
歯周病が長期間進行すると、歯ぐきだけでなく歯を支える歯槽骨にも影響が及びます。
その結果、歯ぐきが下がる、歯が長く見える、歯と歯の隙間が広がる、歯がグラグラするといった変化が現れることがあります。
年齢だけで歯周病の程度を判断することはできないため、定期的な歯周組織検査によって状態を確認することが大切です。
厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」によると、年齢が上がるにつれて深い歯周ポケットを持つ人の割合が増加しています。
20代
- 4mm未満:71.5%
- 4〜6mm:28.6%
- 6mm以上:0%
20代では重度歯周病はほとんど認められませんが、約3割の方に4mm以上の歯周ポケットが存在しています。
30代
- 4mm未満:63.7%
- 4〜6mm:31.9%
- 6mm以上:4.4%
30代になると6mm以上の深い歯周ポケットを持つ方が増え始めます。歯周病が本格的に進行し始める年代といえるでしょう。
40代
- 4mm未満:55.3%
- 4〜6mm:40.0%
- 6mm以上:4.8%
40代では約半数の方に4mm以上の歯周ポケットが認められます。自覚症状が少ないまま進行しているケースも少なくありません。
50代
- 4mm未満:48.0%
- 4〜6mm:41.0%
- 6mm以上:5.0%
50代では健康な歯周組織を維持している方が半数を下回ります。歯周病による骨吸収や歯の動揺が目立ち始める年代です。
60代以降
さらに60代以降では、6mm以上の歯周ポケットを持つ方の割合が急増します。
- 60〜64歳:14.3%
- 65〜69歳:18.2%
- 70〜74歳:13.2%
- 75〜79歳:15.1%
また、高齢になるほど無歯顎(歯をすべて失った状態)の割合も増加していきます。
歯周病は単なる歯ぐきの病気ではなく、歯を失う最大の原因の一つであることがわかります。
歯周ポケットはどのように測定する?

プロービング検査
歯周病の基本的な検査の一つがプロービング検査です。
「プローブ」と呼ばれる目盛りの付いた細い器具を歯と歯ぐきの間に慎重に挿入し、歯周ポケットの深さを測定します。
当院では、必要に応じて1本の歯について6か所を測定する6点法を用い、歯の周囲の状態を詳しく確認します。
同じ歯でも、測定する場所によってポケットの深さが異なることがあるため、複数の部位を確認することが重要です。
プロービング時の出血も確認する
歯周ポケットの深さとともに重要なのが、検査したときに出血するかどうかです。
プロービングによって出血する場合は、その部位の歯ぐきに炎症が存在している可能性があります。
一方、出血がないからといって、それだけで歯周病がないと判断できるわけではありません。
ポケットの深さや出血の有無に加え、歯垢・歯石の付着状況、歯の動揺、レントゲン検査による歯槽骨の状態などを総合的に確認します。
歯周ポケットが深いとどうなる?

歯周ポケットが深くなると、歯ブラシの毛先だけでは内部を十分に清掃することが難しくなります。
ポケット内に歯周病原細菌を含む歯垢や歯石が蓄積すると、炎症が続き、さらに歯周組織の破壊が進む可能性があります。
進行すると、次のような症状がみられることがあります。
- 歯磨きのときに出血する
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 歯ぐきから膿が出る
- 口臭が気になる
- 歯ぐきが下がる
- 歯と歯の間が広がる
- 歯を支える歯槽骨が減少する
- 歯がグラグラする
ただし、歯周病はかなり進行するまで強い痛みが出ないこともあります。
症状がないからといって、歯周組織が健康とは限りません。
深い歯周ポケットは歯磨きだけで治せる?
歯周ポケットが浅く、炎症が軽度であれば、適切なブラッシングや歯間清掃、歯科医院でのクリーニングによって歯ぐきの状態が改善することがあります。
一方、歯周ポケットの奥深くに歯石や細菌性の沈着物が存在する場合、ご自宅での歯磨きだけでは十分に除去できません。
歯科医院では、歯周病の状態に応じて、
- ブラッシング指導
- 歯石・プラークの除去
- スケーリング・ルートプレーニング
- 歯周組織の再評価
- 必要に応じた歯周外科治療
などを検討します。
治療方法は、歯周ポケットの深さだけではなく、炎症の程度や歯槽骨の状態、歯の形態、全身状態などによって異なります。
歯槽骨が減ってしまったら元に戻らない?
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が吸収されることがあります。
一度失われた歯周組織は、歯磨きや通常の歯周基本治療だけで完全に元の状態へ戻すことが難しい場合があります。
ただし、歯周組織の破壊の状態や部位など一定の条件を満たせば、歯周組織再生療法によって失われた歯周組織の再生を目指せる場合もあります。
大切なのは、「骨が減ってから治療する」のではなく、できるだけ早い段階で炎症をコントロールし、それ以上の進行を防ぐことです。
歯のグラつきも歯周病の重要なサイン

歯周病が進行して歯を支える歯槽骨などが失われると、歯が動きやすくなることがあります。
歯の動く程度を**「動揺度」**といい、歯周病の状態を評価する際の指標の一つとして用いられます。
Millerの動揺度分類
一般的には、歯の動揺を次のように評価します。
- 0度:生理的な範囲の動揺
- 1度:軽度の水平方向への動揺
- 2度:より大きな水平方向への動揺
- 3度:著しい水平方向への動揺に加え、垂直方向への動揺も認める
ただし、歯がグラグラする原因は歯周病だけではありません。
歯ぎしりや食いしばりなどによって歯に過度な力が加わる咬合性外傷や、歯の根の病気などが関係することもあります。
そのため、動揺度だけで判断せず、歯周ポケットや歯槽骨などの状態とあわせて診断することが重要です。
歯周ポケットを深くしないためには?
歯周病の予防・進行抑制には、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的な管理の両方が重要です。
特に意識したいのは、
- 歯ブラシで歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く
- デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
- 定期的に歯周ポケットを検査する
- 歯石を放置しない
- 歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける
といった習慣です。
歯周ポケットは鏡で見ただけでは深さを判断できません。
「痛くないから大丈夫」ではなく、定期的に検査を受け、変化を早期に発見することが大切です。
まとめ|歯周ポケットは歯周病を知る重要なサイン
歯周ポケットの深さは、歯周病の状態を把握するための重要な指標の一つです。
一般的に健康な歯ぐきでは1〜3mm程度ですが、炎症や歯周組織の破壊が進むと、4mm、6mmと深くなることがあります。
ただし、歯周ポケットの数値だけで歯周病の重症度を判断することはできません。
歯周病の診断では、ポケットの深さだけでなく、出血の有無、歯の動揺、歯槽骨の状態などを総合的に確認することが大切です。
歯磨きのときに出血する、歯ぐきが腫れる、口臭が気になる、歯がグラグラするといった症状がある場合は、早めに歯科医院で歯周組織の状態を確認しましょう。
関連記事
歯周ポケットが深いと言われた方へ

歯周病は、自覚症状が少ないまま進行することがあります。
歯周ポケットの深さや出血、歯の動揺、歯を支える骨の状態まで詳しく確認し、一人ひとりの状態に合わせた歯周病治療・予防ケアをご提案します。
「まだ痛くないから大丈夫」と思わず、歯周病の早期発見・早期治療のために歯周ポケット検査を受けてみませんか。
歯周ポケットの平均値を動画で見る
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





