歯周ポケットのセルフケア

  • 6mm,7mm,8mm,9mm,10mmの歯周ポケットを歯科医院の治療で4mm以下まで改善しても、維持するにはセルフケアによる歯周ポケット内の掃除が重要です。
  • 歯ブラシは毛先の細いものを選び、バス法やつまようじ法などを習得します。また、ジェットウォッシャーも歯周ポケットの改善に効果的です。

4mm,5mm,6mmの歯周ポケットの掃除法

歯周ポケット掃除に最適な歯ブラシ

毛先が超極細

毛先が超極細

歯周ポケット内に歯ブラシの毛先を入れて磨くため、歯ブラシの毛先が極細のものを選ぶのが重要です。

ライオンのシステマハブラシは毛の質に柔軟性があり、先端が極細で極めて使いやすい歯ブラシです。

歯周ポケットのセルフケアには、ライオンのシステマ歯ブラシがおすすめです。

歯周ポケットの深さが4mm以上あり歯茎に炎症がある時は、痛みや出血が起こることがあります。

そこで、最初は柔らかいタイプの歯ブラシを使い、歯茎が引き締まったら、普通の固さの歯ブラシに変更して下さい。

歯の間の狭い場所にはシステマデンタルタフトがおすすめです。

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歯周ポケットの磨き方

バス法

バス法がお薦め

歯ブラシのテクニックには様々な方法がありますが、歯周ポケットの回復に有効な歯磨きの方法は、歯ブラシの毛先を歯茎に対して45度の角度に向け、歯周ポケットに差し込むように行うバス法が適しています。

歯周ポケット内に歯ブラシの毛先を差し込んだら、前後にわずかに振動するように動かします。

このように狭い歯周ポケット内に歯ブラシの毛先を差し込むために超極細の毛先である必要があるため、ライオンのシステマハブラシをおすすめするということです。

ちょうど、歯周ポケットの中の汚れを強引に清掃するというイメージで行うと良いでしょう。

歯周ポケット+歯間の掃除方法

つまようじ法

つまようじ法

つまようじ法は歯列に対して直角に歯ブラシの毛先を当てます。強引に歯と歯の間に毛先を差し込むようにして歯垢(プラーク)掻き出します。

歯の隙間に残った汚れを掃除したり、歯と歯の間に存在する歯周ポケットの改善には最善の方法です。

つまようじ法で使う歯ブラシは、植毛部が2列の狭い物を選ぶ必要があります。普通の歯ブラシを使ってもできないことはありませんが、毛先がすぐに傷んでしまいます。つまようじ法専用の歯ブラシも販売されているので購入してみてはいかがでしょうか。

もちろん、歯間ブラシやデンタルフロスを使っての掃除でも問題ありません。 つまようじ法のメリットは歯の部分も同時に掃除できるという点にあります。

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つまようじ法専用歯ブラシV-7(ブイセブン)

歯ブラシの毛先が歯周ポケットに入るだけの深さでOK

歯磨きを強くやらなくても歯周ポケットの改善は可能

深い歯周ポケット内の歯垢(プラーク)を除去しようとして、痛みが出るほど歯ブラシの毛先を突っ込む必要はありません。

歯肉縁上に付着している歯周病菌を歯ブラシにより機械的に除去するだけでも歯周ポケット内の細菌量が減少するからです。

ただし、毛先の開いた歯ブラシを使うと歯茎を傷つけることがあります。肉眼では分かりにくいですが歯ブラシの毛先が 傷んでいてギザギザの状態になっているからです。歯ブラシを歯茎に当てて痛みが出るようなら新しい歯ブラシに変えてください。

歯周ポケット内の歯周病菌の量が減少すれば、深い歯周ポケットでも改善し浅くなっていきます。

ジェットウォッシャー

ジェットウォッシャー

水流で歯周ポケットの歯垢を洗い流す口腔洗浄器

深い歯周ポケットの歯磨きは、バス法やつまようじ法が良いと言っても、すべての人にとって、奥歯をバス法などで的確に磨くのはかなり難しいと言っても良いでしょう。

バス法やつまようじ法で磨き残しがある場合には、水流の力で深い歯周ポケット内の歯垢(プラーク)を落とす口腔洗浄器がお薦めです。

やり方は、ノズルの先端を歯周ポケットに向け45°に保ち、歯と歯茎に沿ってノズルを動かします。

パナソニック ジェットウォッシャー ドルツは、超音波水流により気泡が弾ける際の衝撃波が汚れを剥がし飛ばします。時には歯石も取れてくることがあるかもしれません。

歯周ポケットが 一箇所だけ深い場合には、ノズルの先端をその部位に向け、念入りに行ってください。

また、ジェットウォッシャーは歯列矯正器具やブリッジの周辺の磨き残しなどにも大変有効です。

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パナソニック ジェットウォッシャー ドルツ

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歯周ポケットを回復する歯磨き粉は?

ポイックウォーター

深い歯周ポケット対策に効果的な液体歯磨き

市販の歯磨き粉で歯周ポケットに効果的なものはこれといって思い当たるものがありません。

虫歯予防用にはキシリトールやフッ素の入っている歯磨き粉が様々販売されていますが、歯周ポケットの改善を促すような歯磨き粉はないと言ってよいのではないでしょうか。

当歯科では次亜塩素酸水のポイックウォーターを使用して歯磨きをすることをお薦めしています。

次亜塩素酸水は、歯周ポケット内の細菌を除菌する効果が期待出来ます。そのため歯周ポケットからの臭い対策にも効果的です。

強い口臭は深い歯周ポケットから?

歯石は定期的に取りましょう

歯石は定期的に取りましょう

強い口臭は、深い歯周ポケット内の口腔内細菌が作るガス(揮発性硫黄化合物)が原因です。

歯石は目に見える所に付く縁上歯石(白い歯石)と歯茎の中に付く縁下歯石(黒い歯石)に分類されます。縁下歯石がある場合には、歯周ポケットが4mm 以上になっているケースが殆どです。定期的に歯石除去を行って歯周ポケットの深さを少なくすることに努めましょう。

深い歯周ポケットからの臭い対策

6mm以上の歯周ポケットがある場合には、歯科医院において歯周治療を行っても、歯周ポケットの正常値である2 mm 前後にまで浅くすることができず、真正ポケットとして病的な状態が続くことがあります。

真正ポケット内部では歯周病菌が繁殖し膿を作るため、臭いが発生しやすくなります。

歯磨きの仕方は前述した通りですが、歯医者での治療で歯周ポケットを浅くする方法が様々ありますから相談して下さい。

歯科で歯周ポケットを改善する治療

歯科で歯肉炎を改善

歯周ポケット3mmを2mmに改善する

イラストは、歯周ポケットが3mmでは歯槽骨の破壊はなく、仮性ポケットが形成されている状態を示しています。

歯周ポケットは1mm~2mmが正常値です。場合によっては3mmまでを許容することもあります。

治療法

1) プラークコントロールによる掃除

適格な歯磨き指導を行うなどプラークコントロールやエアフロー、PMTCなどで歯茎の炎症は改善され、多くのケースで歯周ポケットは減少し、正常値の2mmとなります。

2) 歯石取りによる歯周ポケットの掃除

歯石が付いている場合には歯石除去やルートプレーニングを行います。

炎症がある場合には出血を伴い痛みが起こりやすいため浸潤麻酔をかけて行う場合もあります。

炎症があっても歯周ポケット内の汚れは綺麗に掃除され、歯茎が引き締まります。

歯周ポケットは3mmで、歯槽骨の破壊が起きてない歯肉炎の状態です。
歯周ポケット3mmは20代や30代でも普通に起こる症状です。

歯科で中等度歯周病を改善

歯周ポケット4mm~6mmを2mmに改善する

イラストは歯周ポケットの深さが約6mmで歯槽骨の破壊が2mm~4mmほど起こっている状態を示しています。

歯槽骨の回復がない治療法

1)プラークコントロール

適格な歯磨きを行うことやPMTCで歯茎の炎症はある程度改善されますが、歯周ポケットは残ったままです。

 2) 歯石除去

スケーリングやルートプレーニングで歯石除去を行います。

※ この方法では、4mm~6mmの歯周ポケットは2mmに減少する可能性が高いですが、歯槽骨や歯根膜の等の再生は起こりません。

歯槽骨を回復させる治療法

1)プラークコントロール、2) スケーリング(歯石除去)に加え歯周外科(歯周ポケット掻爬術)を行う方法です。

歯周ポケット掻爬術(歯肉剥離掻爬術)を行う際にリグロスという薬剤を使用します。

リグロスを使うと、歯槽骨や歯根膜が再生し、歯周組織の回復とともに歯周ポケットが浅くなります。

この結合のことを新付着と呼びます。

ただし適応症例が垂直性骨吸収の歯に限られます。

上皮性の付着

上皮性の付着とは歯根の表面と上皮が結合することです。これにより歯周ポケットが減少します。ただし、この結合は弱いため、口腔ケアを怠るとすぐに結合が切れ、歯周ポケットが深くなります。

歯科で中等度歯周病を改善
歯垢染め出し液

歯科で重度歯周病を改善

歯周ポケット10mmを2mmに改善する

イラストは歯周ポケットが10mmでは歯槽骨の破壊が8mmほどあり、歯茎に炎症が起こっている状態を示しています。

歯槽骨の回復がない治療法

歯周ポケットの深さ6mmの治療法に準じます。

歯槽骨を回復させる治療法

歯周ポケットの深さ6mmの治療法に準じます。

リグロスを使う方法は、歯槽骨の吸収が垂直性の骨吸収になっている場合には有効ですが、水平的に骨吸収が起こっている部位には効果が期待出来ません。

歯科で重度歯周病を改善
歯垢染め出し液

歯科では歯周ポケットの改善にエアフローを使う

エアフロー

歯医者で行う歯周ポケットの掃除法

歯石除去など歯周病の基礎治療を行った後で、歯周ポケットのメンテナンスに最適なのがエアフローです。

特殊な微粒子を歯周ポケット内に吹き付けて細菌や汚れを除去し、お掃除する方法です。

また、エアフローは歯面に吹き付けて虫歯菌を除去する事も同時に行います。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、患者様の大切な歯を1本でも延命するため、軽度歯周病から重度歯周病に至るまで様々な対策を行い、歯周病予防をはじめ、早期発見・早期治療で症状の改善・維持を行い、抜歯回避に努めております。

歯周ポケットの改善にセルフケアと歯科医院でのエアフローは大変有効です。歯周病予防は歯科医院でのメインテナンスが重要です。江戸川区篠崎で歯周病予防・歯周病治療をご希望の方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談下さい。

【動画】4mm,5mm,6mmの歯周ポケットを改善回復するセルフケア法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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