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原因菌を特定して、一人ひとりに合わせた精密な歯周病治療へ

歯周病は、日本人が歯を失う最も大きな原因の一つです。しかし、同じ歯周病でも進行の速さや治療への反応には大きな個人差があります。その違いを生み出す要因の一つが、歯周病の原因菌の種類や数です。

「きちんと治療しているのに改善しない」「何度も再発してしまう」「インプラントを長持ちさせたい」とお考えの方は、原因菌を詳しく調べるリアルタイムPCR検査が役立つ場合があります。

この検査では、歯周病菌をDNAレベルで解析し、どの細菌がどれくらい存在しているかを高い精度で調べることができます。検査結果をもとに、一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立てることで、より効果的な歯周病治療につながります。

お口の中には700種類以上の細菌が存在するといわれています。そのすべてが悪い細菌ではありませんが、一部には歯周病を引き起こし、歯を支える骨を破壊する病原性の高い細菌が存在します。

これらの細菌が歯周ポケット内で増殖すると、歯ぐきの炎症が起こり、やがて歯槽骨が溶かされて歯周病が進行します。

また、歯周病は単に細菌だけが原因ではありません。喫煙、糖尿病、ストレス、免疫力の低下などの全身的な要因も関係しており、原因菌の種類と量を把握することは、治療方針を決定するうえで重要な情報となります。

リアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)検査とは、細菌が持つDNA(遺伝子)を増幅し、特定の細菌を高精度に検出する検査方法です。

新型コロナウイルス感染症の診断でも広く用いられたPCR法と同じ原理を利用しており、わずかな量の細菌でも検出できる高い感度が特徴です。

通常の顕微鏡検査では細菌の形や動きしか観察できませんが、リアルタイムPCR検査では細菌の種類まで正確に特定できます。

リアルタイムPCR検査で分かること

リアルタイムPCR検査では、次のような情報を知ることができます。

  • どの歯周病菌が存在しているか
  • 各細菌の検出量
  • 重症化リスク
  • 難治性歯周病の可能性
  • 治療方針の参考情報
  • 治療後の改善状況

検査結果は数値として表示されるため、治療前後で比較しやすく、患者さんご自身にも変化を実感していただきやすい検査です。

このような方におすすめです

リアルタイムPCR検査は、すべての患者さんに必要な検査ではありませんが、次のような場合には特に有用です。

  • 重度の歯周病と診断された方
  • 歯周病が何度も再発する方
  • 治療しても改善しにくい方
  • 若い年齢で重度歯周病を発症した方
  • インプラント治療を予定している方
  • 糖尿病など全身疾患がある方
  • ご家族にも歯周病の方がいる方
  • 口臭が気になる方
  • 歯をできるだけ長く残したい方

① Porphyromonas gingivalis(P.g.菌)

P.g.菌は歯周病の代表的な原因菌であり、「レッドコンプレックス」と呼ばれる病原性の高い細菌群の一つです。

重度歯周病で高率に検出され、歯周組織を破壊するさまざまな毒素を産生します。また、糖尿病や動脈硬化、心血管疾患、早産などとの関連も報告されています。

一度定着すると完全に排除することは容易ではなく、継続的なメインテナンスが重要になります。

② Treponema denticola(T.d.菌)

らせん状の細菌で、歯周ポケットの深部に多く存在します。

組織へ侵入する能力が高く、重度歯周病との関連が強い細菌です。

P.g.菌やT.f.菌と同時に存在することで、歯周病の進行をさらに促進すると考えられています。

③ Tannerella forsythia(T.f.菌)

T.f.菌もレッドコンプレックスに属する代表的な歯周病菌です。

重度歯周病や難治性歯周炎で多く検出され、歯槽骨の破壊と深く関係しています。

④ Aggregatibacter actinomycetemcomitans(A.a.菌)

侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)の代表的な原因菌です。

10代から20代の若い年代で急速に歯周病が進行する場合に検出されることがあり、家族内感染との関連も指摘されています。

日本人では比較的少ないものの、検出された場合は注意が必要です。

⑤ Fusobacterium nucleatum(F.n.菌)

さまざまな細菌同士を結び付け、バイオフィルム形成の中心的な役割を担う細菌です。

口臭の原因物質である酪酸を産生することでも知られています。

⑥ Prevotella intermedia(P.i.菌)

女性ホルモンを利用して増殖する特徴があります。

妊娠中や思春期など女性ホルモンの変化に伴って増加しやすく、妊娠性歯肉炎との関連が知られています。

歯周ポケットから専用ペーパーポイントで検体採取
歯周ポケットから専用ペーパーポイントで検体採取
  1. 歯周病検査・診査
  2. 歯周ポケットから専用ペーパーポイントで検体採取
  3. 検査会社へ提出
  4. DNA解析
  5. 検査結果をご説明
  6. 結果に基づいた治療開始

検体採取は数分程度で終了し、大きな痛みはほとんどありません。

原因菌を正確に把握できる

歯周病の原因菌を特定することで、より科学的根拠に基づいた治療計画を立てることができます。

治療効果を数値で確認できる

治療前後の菌数を比較することで、治療効果を客観的に評価できます。

再発予防につながる

症状だけでは判断できない細菌の残存を確認できるため、再発リスクの低減につながります。

インプラント治療前のリスク評価ができる

歯周病菌が多く存在したままインプラント治療を行うと、インプラント周囲炎のリスクが高まります。

事前に原因菌を把握し、必要に応じて歯周病治療を行うことで、より良い治療環境を整えることができます。

ご家族への感染対策にも役立つ

歯周病菌の一部は、ご家族やパートナーとの唾液を介した接触で感染する可能性があると考えられています。

検査結果を踏まえ、セルフケアやメインテナンスの重要性についてもご説明いたします。

項目位相差顕微鏡リアルタイムPCR
細菌の動き観察できる観察できない
細菌の種類正確な特定はできないDNAレベルで特定できる
検査時間当日数日
精度簡易評価高精度
菌数評価困難定量評価が可能

位相差顕微鏡は、お口の中の細菌の状態をその場で確認できる便利な検査ですが、細菌の種類までは判別できません。

一方、リアルタイムPCR検査では、歯周病菌をDNAレベルで正確に特定できるため、より精密な診断に役立ちます。

検査内容費用(税込)
3菌種(P.g.・T.d.・T.f.)15,000円
5菌種(P.g.・T.d.・T.f.・A.a.・F.n.)21,000円
P.i.菌単独9,000円

※自費診療となります。

痛みはありますか?

専用のペーパーポイントを歯周ポケットに挿入するだけですので、大きな痛みはほとんどありません。

検査時間はどれくらいですか?

検体採取は約3分程度で終了します。

保険は適用されますか?

リアルタイムPCR検査は保険適用外の自費診療です。

検査結果はいつ分かりますか?

検査会社で解析後、結果をご説明いたします。詳しい日数はスタッフへお尋ねください。

歯周病が軽くても検査できますか?

可能です。特に再発を繰り返す方や将来的なリスクを知りたい方にもおすすめです。

インプラント治療前に受けた方がよいですか?

重度歯周病の既往がある方や歯周病リスクが高い方では、有用な検査となる場合があります。

歯周病は細菌感染によって起こる病気ですが、原因となる細菌の種類や量は患者さんによって異なります。

リアルタイムPCR検査では、歯周病菌をDNAレベルで解析し、原因菌を高精度に特定することができます。

その結果をもとに、一人ひとりのお口の状態に合わせた治療計画を立てることで、治療効果の向上や再発予防、インプラント治療の成功率向上にも役立ちます。

「歯周病を繰り返している」「治療しても改善しない」「歯をできるだけ長く残したい」とお考えの方は、リアルタイムPCR検査についてお気軽にご相談ください。

当院では、歯周病原因菌を高精度に特定できる「リアルタイムPCR検査」を導入しています。
従来の目視だけではわからなかった細菌の種類を、遺伝子レベルで正確に検出。
わずか3分程度の簡単な採取で、あなたのお口のリスクを"見える化"し、より的確な治療プランをご提案します。
気になる症状がある方も、予防を重視したい方も、ぜひお気軽にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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